自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★黄砂が運んでくるもの

2020年02月25日 | ⇒ニュース走査

           共同通信Web版によると、週明け24日のニューヨーク株式のダウは急落し、1031㌦安い2万7960㌦で取引を終えた。1000㌦の下げは2018年2月以来の大きさだ。このときは、アメリカの金利上昇による株価急落と各国の連鎖的な株安が原因だった。ところが、今回は新型コロナウイルスという、見えない恐怖に世界が身構え始めたということだろうか。さてこの後、午前9時から始まる東京株式はどうなるのか。

   昨日(24日)自身が不気味さを感じたことがある。JR金沢駅周辺の駐車場で一晩停めていた自家用車のフロントガラスが黄砂で白くなっていた。黄砂は中国大陸から飛来する。飛んでくるのは砂だけではない。微生物なども混じっている。「黄砂バイオエアロゾル」ではないかと。

   金沢大学でも能登半島の先端で大気観測の拠点づくりを2008年から始め、無人の気球を上げて上空の大気の採取などを行っている。その現場を見せてもらったことがある。重さ2㌔の採取機器をビニール製の気球に取り付けて、上空850㍍から1㌔でおよそ1時間にわたって粉塵などを採取する=写真=。その中で発見される大気中微生物、つまりバイオエアロゾルは数千種類も及ぶという。

   黄砂は日本から4000㌔も離れた中国大陸のタクラマカン砂漠や、そしてゴビ砂漠から偏西風に乗ってやってくる。金沢大学の研究者の中には、食品発酵に関連する微生物が多いこと気づき、大気中で採取したバチルス菌で実際に納豆を商品化した研究者もいる。その納豆の試食会でご相伴に預かったが、日本の納豆文化はひょっとして黄砂が運んできたのではないかとの解説に妙に納得した。

   しかし最近は、黄砂の飛散と同時にPM2.5(微小粒子状物質)の日本での濃度が高くなったりと環境問題がクローズアップされている。加えて今回、偏西風に乗って湖北省武漢市の空気も運ばれてくるかもしれないと思うと、複雑な思いに駆られる。国境を越えて新型コロナウイルスも運ばれて来るかもしれない、と。こうなると防ぎようがない。ひたすらマスクをするしかない、のだろうか。

⇒25日(火)朝・金沢の天気   あめ


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