自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★メディアのツボ-34-

2007年01月04日 | ⇒メディア時評

 「ちょっと待て」と言いたい。今回のNHK紅白歌合戦で不評を買った、DJ OZMAのヌードスーツについてのNHKの釈明が問題だ。

    公共放送の「トップレス」事件    

  NHKホームページの紅白歌合戦のページでお詫びが出た。3日午後11時ごろにチェックした。文面は以下だった。「DJ OZMAのバックダンサーが裸と見間違いかねないボディスーツを着用して出演した件について、NHKではこのような姿になるということは放送まで知りませんでした。衣装の最終チェックであるリハーサルでは放送のような衣装ではありませんでした。今回の紅白のテーマにふさわしくないパフォーマンスだったと考えます。視聴者の皆様に深いな思いをおかけして誠に申し訳なく考えております」

  ところが、インターネットのポータル(ヤフーなど)のニュースで「NHKがDJ OZMAを突き放す」などと掲載されると、今度はその紅白ページのくだんのお詫び文を消去したのである(4日午前1時30分現在)。「ちょっと待て」と冒頭に書いたのは、そうした「お詫び掲載」と「消去」の真意と一貫性がどこにあるのかと問いたいからである。

  もともとお詫びには、「責任の所在はNHKにはない。DJ OZMAがゲリラ的にやったことで、NHKも被害者だ」というニュアンスが感じられた。これはこれで問題なのだが、他メディアに取り上げられたから消去する(隠滅という表現が正確かもしれない)というのは合点がいかない。

  こう推測した。このお詫び文は、ヌードスーツの反響の大きさに反応した現場の責任者(プロデューサークラス)判断でホームページ制作担当者に指示してお詫び文をアップロードした。その後、そのお詫び文がさらに他メディアに取り上げられ、上部層の知るところとなった。そして、上部層がホームページのアップを指示した責任者に「橋本会長の会見前に火に油を注ぐことはするな」と一喝したのだろう。そこでお詫び文を消去した。そんな構図が見えるようである。

  ともあれ、きょう4日のNHKの橋本会長の記者会見の釈明を聞きたい。何しろ、この公共放送のヌードスーツ事件、すでに「国際ニュース」になっているのである。※写真はヤフー・アメリカで掲載されたロイター電

                                       ◇

 NHKの橋本会長は4日、職員に向けた年頭のあいさつで、「視聴者に不快な思いをさせるパフォーマンスがあり、『これがNHKの品格か』と厳しい意見をいただいた。視聴者に方々に申し訳なく思う」と謝罪した(サンケイ新聞インターネット版)。

⇒4日(木)朝・金沢の天気   くもり


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