自在コラム

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☆爆破予告の犯人を推測する

2020年09月24日 | ⇒ニュース走査

   きのう23日午後0時40分ごろ、所用で小松市役所を訪れると、ものものしい雰囲気が漂っていた。正面玄関には警察官が数人いて、玄関を入ったロビーでは市の職員数十人が集まっていた。中には、相手の動きを封じ込める「刺股(さすまた)」を手にしている職人も数人いた。市役所の職員に尋ねると、「市役所に爆破予告があり、警察と協力して警戒態勢に入っています。愉快犯だとは思うのですが、それにしても度が過ぎます」と不快感をあらわにしていた。20日に市役所にメールが届き、「23日午後1時半に火薬を積んだトラックを市役所に衝突させる」などと記載されていた。

   地元新聞などメディア各社の報道をまとめると、爆破予告は小松市役所にとどまらず、石川県庁、七尾市役所や金沢市役所にメールで届いていた。県の行政相談ウェッブサイトには20日午後4時13分、「23日に金沢大学、金沢工業大学、市内の高校計9校、小中学校19校を爆破し、県庁や金沢市役所に火薬を詰め込んだトラックを衝突させる」といったメールが届いていた。同様のメールが届いた七尾市役所では、23日に市内の小中学校14校を臨時休校とし、市役所も午後1時から同2時30分まで閉鎖した。また、庁舎の出入り口には除雪用のトラックを並べて警戒にあたった。

   警察は威力業務妨害で捜査をしているようだが、メディアの報道を読むと、爆破予告に一つの特徴があることが分かる。その一つは、県庁、金沢市役所、小松市役所、七尾市役所にメールを送るということは、県内の地勢(金沢、加賀、能登)をよく知り尽くした「バランス感覚」の持ち主だということだ。これは、県外の人では思い浮かばないだろう。さらに、ずいぶんと大人だ。小松市役所に宛てた爆破予告メールでは、小松空港もその対象に入れているので、空港の利用経験があるのではないだろうか。爆破だけでなく、金沢市役所には給食調理場と浄水場への毒物混入、七尾市役所には水道施設への毒物混入も記載されていた。おそらく、犯人はそれぞれの市の浄水場の場所がどこにあるのを知っている人物ではないだろう。

   石川県の地勢と行政、交通インフラ、水道インフラなどを十分に理解した人物。それは、かなり限られてくる。連休中の20日にメールを出したということは、休日でメールがチェックされないことを知った上で、連休明けの23日に一斉に騒ぎが始まることを楽しみたかった。それも、金沢・加賀・能登と県内一斉に動揺する様子を。「騒ぎをプロデュースする感覚」の持ち主、いったい誰だろう。

⇒24日(木)朝・金沢の天気    はれ時々くもり


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