自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆東京オリンピックまで90日 見えてきた課題

2021年04月24日 | ⇒トピック往来

   7月23日の東京オリンピック開幕式まであと90日に迫った。やはり思うことは、コロナ対策として果たして準備できているのだろうか、そして何を準備する必要があるのか、大会組織委員会から国民に向けたメッセージが聞こえてこない。

   3月20日の大会組織委員会と政府や東京都、IOCなどの5者会談で現在のコロナ禍の状況では海外から日本への自由な入国を保証することは困難だとして、海外からの観客の受け入れを断念することを決めている。さらに、国内観客の入場制限について結論を6月まで先送りするようだ(4月21日付・NHKニュースWeb版)。その成り行きは、25日から5月11日まで実施される東京都などを対象にした緊急事態宣言の効果がどれほど上がるのか、その結果次第かもしれない。5月半ばまでに感染拡大が治まらなければ、当然7月も見通しが暗くなり、無観客とせざるを得ないだろう。

   それと同時に気になるのは医療サポートの体制が組めるのだろうか。選手が1万人以上、コーチなどのスタッフを絞ったとして5万人が集まるとされる。ところが、国内の現状として、ワクチン接種の注射をする医師が足りていない。そのような現状で、オリンピック医師団の体制をつくることができるのだろうか。

   そして、選手へのワクチン接種をどうするか、だ。自民党の下村政務調査会長は、東京オリンピック・パラリンピックに出場する日本選手への優先的な接種の必要性について、党内で検討する考えを示したと報じられいる(4月14日付・NHKニュースWeb版)。現在、選手や関係者にワクチン接種を優先する計画はないが、格闘技などで日本選手がワクチンを接種していないとリスクがあるとのこと。また、IOCのバッハ会長は、ワクチン接種を東京オリンピック出場の前提条件にはしないと発言している(4月8日付・AFP通信Web版日本語)。結局、選手へのワクチン接種は各国での判断となる。     

          あすから始まる緊急事態宣言は、GW中の人の流れを徹底的に抑制する17日間の短期集中型の対策だろう。この効果を見極めてのオリンピック対策なのだが、まさに実行性が問われる。

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