自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★コロナが変える東京都知事選

2020年06月15日 | ⇒ニュース走査

         きょうの夕方のメディア各社のニュースが、「れいわ新選組」の山本太郎代表が記者会見し、今月18日告示、7月5日投開票の東京都知事選に立候補することを表明したと伝えている。気になったのがその公約だ。東京オリンピック・パラリンピックを中止する。新型コロナウイルス感染拡大の見舞金として全都民へ10万円を給付するという内容だった。俳優の経験もあり、参院議員の経験もあり堂々とした表情だった。すでに立候補を表明している小池知事の有力な対抗馬の一人だろう。

   山本氏が掲げた公約の一つ、東京オリンピック・パラリンピックの中止は争点の一つとしてありだろう。では、10万円給付を公約に掲げるのはあり、だろうか。つまり現金給付を公約に掲げることはありのか。調べてみると、昨年7月の参院選選の公約で、自民党は「低収入の年金生活者に年最大6万円の福祉給付金を支給する」と掲げている。この場合、「低収入の年金生活者」という貧困対策だが、山本氏は「すべての都民」を対象としているので、すべての有権者ということになる。

   選挙運動として現金10万円を有権者に配れば、明らかな公職選挙法違反だが、これはあくまでも公約なので、公職選挙法に問われることはないだろう。現金給付を公約に掲げてはならないという規定もない。これはコロナ禍が産み出した新たな選挙公約かもしれない。では、同じく見舞金という名目を掲げ1人20万円を給付するという候補者が出てくるかもしれない。そうなると、有権者は政策の多様性より、金額の多さに惑わされるかもしれない。後出しじゃんけんのような公約だ。

   小池知事は今月12日に立候補を表明している。前回選挙の出馬で用いたスローガン「東京大改革宣言」受けて、新たに「東京大改革2.0」を掲げた。面白いのは「ポストコロナの選挙」と位置づけ、街頭演説は「3密」を避けるためオンライン中心の選挙戦を展開し、街頭演説の予定は立ていない(12日付・共同通信)。コロナ禍で選挙の在り方も大きく変わるだろう。(※写真は「小池ゆりこ」公式ホームページより)

⇒15日(月)夜・金沢の天気   はれ

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