自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆東京の青いバラ

2012年12月17日 | ⇒トピック往来
 衆院総選挙ともう一つ注目すべき選挙が東京都知事選だった。ダブル選挙で目立たなかったが、13年余り続いた「石原都政」の後継指名を受けた猪瀬直樹氏が圧勝した。得票は433万票、投票率は前回より5ポイント高い62%だった。テレビが早々と当選確実を報じた。午後8時過ぎ、猪瀬氏は青いバラの花束を受け取り、勝利を祝った。作るのが不可能とされていた青いバラは、14年の年月をかけてサントリーが開発した。花言葉は「夢 かなう」である。

 猪瀬氏のキャラクターが面白い。国にものを言う前職の石原慎太郎氏とイメージがだぶる。さらに、小泉政権時代に、道路公団の民営化で無駄を徹底的に追及した行動力と改革力は記憶に新しい。そして、今回の選挙では、勝利したにもかかわらず、あえて万歳はせず、「東京は日本の心臓。東京から日本を変える」「東京が日本沈没を防がないといけない」など、官僚や国の規制に立ち向かう姿勢を強調した。前例の踏襲を嫌うタイプという。

 400万票の迫力は人気というより、計算づくの大技だった。以下、各メディアが報じている。マーケティング理論とインターネットを駆使し、アメリカ大統領選挙のような選挙をやろうと、ソーシャル・メディア(SNS)やイメージアップ戦略の専門家らが加わり選挙プランを練った。その名は「プロジェクトi(アイ)」。告示8日前まで出馬について沈黙を続けたが、この時期に27万人のフォロワー(読者)がいるツイッターに頻繁に書き込み、ホームページには告示までに30本以上の動画をアップした。分析を待たねばならないが、こうしたネット利用で若者層の取り込みを図った。

 自民は294席の大勝で過半数を制した。維新の会は54議席。猪瀬氏は自民、公明、維新の会の支持を得ての勝利である。「東の猪瀬、西の橋下、国会(維新の会)の石原」、この強烈な3人のキャラが連合すれば、本当に日本に変革をもたらすかもしれない。少なくとも、この3人が日本をかき回すだろう…。政治が面白い時代に入った。

⇒17日(月)朝・金沢の天気   はれ
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