自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆晩秋の黄砂

2010年11月12日 | ⇒トピック往来
 きょう(12日)16時ごろ、能登半島の穴水湾沿いを車で走っていて、太陽が薄くオブラートに包まれて、満月のようになっているのに気がついた。写真は、穴水町の観光名所「ボラ待ち櫓(やぐら)」のポケットパークから撮影したものだ。海は穏やかでカキの養殖棚が浮かぶ。太陽も山々も霞(かすみ)がかかったようにぼんやりと。撮影時間は16時20分。

 西日本や東日本の各地で12日、黄砂が観測されたと夕方のNHKニュースで知った。気象庁によると、東京都心で秋(9~11月)に黄砂が観測されたのは記録が電子化された1967年以降で初めてという。12月も含めると28年ぶり2回目という。そんな記録的なことだとは知らなかったが、穴水湾で見た霞がかった光景も「そういえば黄砂か」と、このニュースを見て改めて気づいたのだった。

 黄砂は12日午前に西日本一帯に飛来し、夕方に東京に達した日本から3千kmも離れた中国北部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を低気圧が通過し、黄砂を発生させ、偏西風に乗って日本に運ばれた。普通は、植物が地表を覆わない2月から5月にかけて黄砂が発生する。中国北部で乾燥化が一段と進んでいるのか、と推測してしまう。「季節外れ」と言ってしまえばそれまでだが、何か気候変動のようなものも予感させる。

 洗濯物が汚れる、車のウインドーが白くなるなど、黄砂は何かと悪者扱いされる。ただ、金沢大学の大気観測の研究者に聞いた話では、一概に害を及ぼすとも限らない。日本海に魚の量と種類が豊富なのは、黄砂にはミネラル成分が含まれ、それが海に落ちて植物性プランクトンの発生を促し、それを動物性プランクトンが食べ、さらに魚が食べと食物連鎖があるからだとの研究もある。

⇒12日(金)夜・七尾市の天気 はれ

 
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