蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『室町砂場赤坂店@赤坂』さんの季節の一品「筍土佐煮」

2015-04-04 10:55:00 | 東京23区(港区)

うちの奥さんと二人で、ラグビーの試合を観戦するために東京・青山へと向かうその途中、東京メトロ千代田線・赤坂駅近くにある『室町砂場赤坂店』さんへ立ち寄って昼食を取ることにしました。

立ち寄った『室町砂場赤坂店』さんは、日本橋にある「室町砂場」さんの支店で、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)創業の、「赤坂」という都心にありながら風情の感じられるお蕎麦屋さんです。

お店は、開店と同時にアッと言う間に席が埋まってしまうことも考えられるため、午前11時の開店時間前に到着するよう向かいましたが、お店に到着すると既に開店を待っているお客さんの姿が見えます。
そして、その様子に「へぇ~、さすがだ。」なんて思いながら開店を待っていると、少し早めに暖簾が掛かり、店内へと案内されます。

店内は、大小併せて4つのテーブル席と4人掛けの座敷席が4卓というこじんまりとした作りになっていて、珍しくテーブル席にしようか座敷席にしようか迷っていると、花番さんからお座敷を勧められたので2人して店内奥の座敷席に着き、ホッと一息ついて早速メニューを眺めます。

まず飲み物ですが、今日はビールだけでお酒は飲まない予定なので大瓶のビールをいただくこととし、料理は定番メニューから「玉子焼」と「焼き鳥(たれ)」をお願いし、併せて壁に貼られていた季節の料理(?)から「筍土佐煮」をお願いします。


料理を待ちながら店内を見渡してみると、昨年改装されたということもあってか、無駄と余計な物のないスッキリした店内はサッパリ綺麗で、趣のある落ち着いた雰囲気が感じられなかなか心地良いです。

さて、お通しのアサリを肴にビールをいただいていると、思いのほか早く「玉子焼き」が運ばれてきます。
いただいた「玉子焼き」は、フンワリフワフワという程フワフワではありませんが、ほんのり感じられる甘さ具合が申し分なく、何も言うことの無い見事な玉子焼でした。


壁に貼られていたメニューから選んだ「筍土佐煮」は、個人的にはもう少し、シャクっとした歯応えがあっても良いかな?と思ってしまう程柔らかく煮込まれていて、少々薄めの味わいもなかなか良く、菊正宗が欲しくなってしまう美味しい「筍土佐煮」でした。


続いて運ばれてきた「焼き鳥(たれ)」は、串に刺さっていないお蕎麦屋さんならではの焼き鳥で、やや大きめの鶏肉に甘辛いタレがしっかり絡まっていて、やっぱり菊正宗をいただこうかな?と心が揺れ動いてしまう美味しい焼き鳥でした。


お願いした料理をいただいたところで蕎麦をいただこうかと思いましたが、珍しくビールがまだ残っていたので、直ぐに出てくるであろう「うめくらげ」を追加でお願いします。

追加でいただいた「うめくらげ」は、まぁ、普通と言ってしまえば普通かもしれませんが、クニュっとした食感と爽やかな梅の酸味がなかなか良い感じでした。


さて、蕎麦をお願いするタイミングとなり、うちの奥さんはお馴染みの「天もり」をお願いします。
『室町砂場赤坂店』さんの「天もり」は、「もりそば+天麩羅」では無く、かき揚げの入った暖かい蕎麦汁に蕎麦を付けていただくスタイルで、天婦羅の旨味が絡まった味わい深い蕎麦汁を楽しむことができます。


ということで、今回はうちの奥さんと同じく「天もり」をいただこうかと思いましたが、老舗のお蕎麦屋さんで蕎麦をいただく時は基本の「もり」をいただきたいと思っていることから、やはり「もり」をお願いすることにします。
しかし、老舗のお蕎麦屋さんを訪れた時は「花まき」をいただきたいという思いも強く、どうしようか迷った結果、後になって後悔しないよう両方いただくことにします。
まぁ、気にはしていない価格の話をするならば、「もり+花まき < 天もり」だし・・・。

まずいただいた「もり」は、しっかりした旨味の感じられる濃い目の辛汁と、程良い歯応えの蕎麦との相性がとても良く、「美味しい、美味しい」と思いながら一気に食べてしまいました。


また、絶妙の間合いで運ばれてきた「花まき」は、蓋が無かったことから、蓋を開けた時にフワッと香る海苔の香りを楽しむことは出来ませんでしたが、蕎麦汁に浸っていてもフニャフニャにならないしっかりした海苔の香りと味わいがとても美味しい納得の「花まき」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『室町砂場赤坂店』さんは、赤坂という場所柄、「会社員と年配の方を中心とした大人が集う場所」というイメージのお蕎麦屋さんでしたが、いざ暖簾を潜ってみると、土曜日ということもあってか店内に会社員の姿は無く、代わりに、予想もしなかった若い男女のお客さんがとても多いという、明るく賑わっているお蕎麦屋さんでした。

そして、お酒のお客さんにも、お蕎麦のお客さんにも、若い男女のカップルにも、外国人のお客さんにもそつなく対応している花番さんの、余裕すら感じられる落ち着きと穏やかな接客に居心地の良さが感じられる、どんなお客さんにも満足してもらえるお蕎麦屋さんでした。

まぁ、老舗であることを感じさせない、老舗の実力がしっかり感じられるお蕎麦屋さんってとこでしょうか?。

ごちそうさまでした。



最新の画像もっと見る