都内での仕事を終えた夕方17時半過ぎ、幕末の安政年間に創業し、その後明治16年頃に新橋に移転したという、木鉢会所属の老舗蕎麦屋『おそば 芝新橋・能登治』さんを訪れてみました。
お店のある新橋には多くのお蕎麦屋さんがありますが、曜日や天気に関わらず夜は常に混んでいるというイメージがあることから、今回も空席を求めてお店を転々とすることになるのだろうか?と不安を抱えながら暖簾をくぐってみると、先客はおらず、物腰の柔らかそうな女性の花番さんが1人でお客さんを迎える準備を進めています。
「実は予約で満席ってことは無いよね?。」と思いながら1人であることを伝えると、笑顔で「どちらでもどうぞ。」とのことなので、1人で4人掛けのテーブル席を使わせていただくことにしました。
席に着いてまず瓶ビールをお願いしますが、ここ『おそば 芝新橋・能登治』さんではサッポロラガーとキリン一番搾りの2種類から好きな方を選ぶことができるため、迷うことも無く「赤星」(サッポロラガー)をお願いします。
料理はテーブルの上に置かれているメニューにも書かれていますが、ビールをお願いすると紙に書かれた別のメニューを持って来てくれます。その、別書きのメニューを見ると定番の料理以外に、あれも食べたいこれも食べたいと思ってしまうそそる季節の料理が並んでいます。
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そんなそそるメニューの中からまず定番の「玉子焼き」と季節の一品「桜えび辛味おろし」をお願いします。
料理を頼み、「赤星」を飲みながら店内を見渡すと、10卓ほどあるテーブル席がゆったりと配置されていて、また、装飾品がさりげなく飾られているなどついつい長居してしまいそうな居心地の良さが感じられます。
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そんなことを感じていると、まず季節の一品「桜えび辛味おろし」が運ばれてきます。
運ばれてきた小鉢を覗いてみると、綺麗なピンクと緑が絡み合っていて、見て楽しめる一品に仕上がっています。
そして、桜海老と三つ葉を一緒にいただいてみると、三つ葉の爽やかさがとても良い感じです。
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続いてアツアツの「玉子焼き」が運ばれてきます。
断面を見てみると、色ムラの無い綺麗な黄色一色の「玉子焼き」で、甘過ぎない甘さが美味しいです。
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「赤星」と、見て良し食べて良しの美味しい料理で蕎麦前を楽しんだことからそろそろ蕎麦をいただこうと思いましたが、料理も美味しく貸切状態のお店は居心地が良いことからもう少しお酒と料理をいただこうと思い、冷酒「尾張男山」と季節の一品「蕎麦みそ大葉巻」を追加でお願いします。
「蕎麦みそ大葉巻」は予想通り蕎麦味噌を大葉で包んだ料理ですが、大葉の香りと味わいが強く、ほぼ大葉を食べているような印象でした。
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さて、今度こそ蕎麦をお願いしようと思います。
いつもなら「もり」をお願いするところですが、美味しい蕎麦前と心地良い憩いの一時を過ごさせていただいたことから気分も良く、少々奮発して桜海老の天麩羅と辛味大根が盛られた「桜おろし」をいただくことにしました。
日頃いただくことの無いぶっかけの「桜おろし」は、桜海老の天麩羅が蕎麦の上に散りばめられていて、見るからに美味しそうです。そして、ぶっかけなので蕎麦汁の味はよく分かりませんが、天麩羅と喉越しの良い細麺が美味しく、納得の一品です。
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蕎麦をいただき時計を見ると、間もなく18時半になろうとしている時間で混雑しそうな時間ではありますが、「全面禁煙」という一言が影響しているのか店内は常連さんらしき少人数のお客さん一組がお酒を飲んでいるのみで閑散とした状況は変わっていません。
そんな、新橋にありながら新橋らしくない雰囲気の中、物腰の柔らかい花番さんの接客と、丁寧さの感じられる美味しい料理と蕎麦を静かに味わっていると、お店の外へ出たくないと思うようになってしまいます。
しかし、そんな訳にも行かず、蕎麦湯の後に運ばれてきた緑茶を飲み干し、満足感をタップリ感じながら席を立ち、そして賑わう新橋の街へと出て行きました。
ごちそうさまでした。
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