蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『賀久@茅ヶ崎』さんの「桜えび入だし巻き玉子」

2015-06-28 11:20:00 | 神奈川県(茅ヶ崎市)

一人で過ごすことになった6月最後の日曜日、JR東海道本線・茅ヶ崎駅から徒歩10分程のところにある『手打蕎麦・賀久』(がく)さんの暖簾を潜ってみることにしました。

お店に到着したのは11時半前でしたが、5つある4人掛けテーブル席は予約席を含めて既に全て埋まっていて、「15分程お待ちいただけますか?。」とのこと。まぁ、時間はあるし、ほとんどのお客さんは蕎麦を食べ始めているのでそれ程待つことも無いだろうと思い、冊子になっているメニューや壁掛けのボードに書かれているお品書きを眺めながら席が空くのを待ちます。


そしてピタリ15分後、混雑するお昼時は落ち着かない4人掛けテーブル席に案内されますが、既にお願いする料理が決まっていることから、メニューを広げることも無く、瓶ビールと一緒に静岡・駿河湾特産の桜えびを使用した「桜えび入だし巻き玉子」をお願いします。

思ったほど待つことも無く運ばれてきた「桜えび入だし巻き玉子」は、席を待っている際に「卵を4個使用しているので大きいです。」と説明を受けた通りの大きさで、食べ応えのある大きさです。


早速、どれどれと思いながら熱々の玉子焼に箸を入れてみると、ジュワーっと中から出汁が出てきますが、桜えびの風味もそれ程強くは無く、どちらかというと全体的に薄味なのかな?という印象の玉子焼でした。

ちなみに、「駿河湾特産の桜えび」という文字に引かれて「桜えび入だし巻き玉子」をいただくことにしましたが、訪れるお客さんの多くは相模原長寿卵を使用した「だし巻き玉子」をいただいているようで、普通のだし巻き玉子の方が良かったのかな?という感じです。


そんなことを思いながら、桜えびの入っただし巻き玉子を肴に程良く冷えたビールをいただいていると、男女2人づれのお客さんや小さい子供を連れた家族づれなど、後から後から続々とお客さんがやってきますが、相席にすることはせず、みなさんおとなしく席が空くのを待っています。

そのような状況を目の前で見ていると、4人掛けテーブル席を一人で使用しているということもあって気持ちが落ち着かず、少々急いで玉子焼を食べ、蕎麦をお願いします。

こちらの『手打蕎麦・賀久』さんでは、「殻をむいた普通の蕎麦」と「殻が付いたままの玄蕎麦を挽いた蕎麦」の2種類が用意されていて、蕎麦をお願いする際、好みの蕎麦を選択することができるようになっています。

また、冷たい蕎麦は全て「二枚重ね」(蒸篭2枚)にすることができ、どちらか好みの蕎麦を2枚お願いしても良いし、2種類の蕎麦を1枚ずつお願いしても良いとのことなので、「せいろ」の二枚重ねを、2種類の蕎麦1枚ずつでいただくことにしました。


先に運ばれてきた殻無しの普通の蕎麦は、しっかりした腰の強さとジャキジャキっとした食感の感じられるまずまずの蕎麦でした。なお、ワサビは風味も良く、美味しいワサビでした。


1枚目が食べ終ったところで2枚目用の薬味と蕎麦汁の入った新しい徳利が運ばれてきて、追って殻が付いたままの玄蕎麦を挽いた色黒の蕎麦が運ばれてきます。


色黒の蕎麦をまずはそのままいただいてみると、色味から勝手に想像する荒々しさやゴツゴツ感は感じられず、どちらかというと喉越しの良いおとなしい蕎麦という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・賀久』さんは、料理とお酒の品数は少ないものの、今回いただいただし巻き玉子の他に、素揚げやかき揚など静岡・駿河湾特産の桜えびを使用した料理がいくつかあり、混雑していない時間帯に訪れることができれば、親切丁寧で親しみ易い接客を受けながら、のんびりくつろいだ一時を過ごすことが出来そうなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『猪口屋@茅ヶ崎海岸』さんの濃厚な「だし巻き玉子」

2014-05-04 11:30:00 | 神奈川県(茅ヶ崎市)

ゴールデンウィークはどこへ行っても混雑していると思っていることから遠出は行わず、今年は、数ある一度は行ってみたいと思っている神奈川県内のお蕎麦屋さんの中から、「特に行ってみたい!。」と思っているお蕎麦屋さんを何軒か選んで訪れてみることにしました。

そして、「風來蕎」さんから始まった今回の「一度は訪れてみたい神奈川のお蕎麦屋さん巡り」も最終日を迎え、JR東海道本線・茅ヶ崎駅から徒歩20分程度のところにある、訪れてみたいお蕎麦屋さん第1位の『蕎房・猪口屋』(ちょこや)さんへと向かいました。

訪れた『蕎房・猪口屋』さんは予約も受け付けており、かつ人気が高いことからいつもより少し早く、開店40分前に到着するようお店に向かいましたが、順番待ちを記入する用紙には既に1組の名前が記入されおり、2番の欄に名前を書いて11時半の開店を待ちます。

ということで、ブラブラしたり写真を撮るなどして待つこと40分。
まちに待った開店時間を迎え、丁寧な案内を受けながらお店に入ってカウンター席に着きますが、両隣とも若い男女のカップルで何だかとっても飲み難い状況です。一人だし・・・。

しかし、そんなことは気にせず、冊子のメニューと目の前に置かれている小さな短冊状のメニューの両方を眺め、生ビールと一緒に「板わさ」と「だし巻き玉子」と「うどの柚子味噌」をお願いします。


最初にいただいたのは富山の昆布蒲鉾を使用した「板わさ」で、ナルトのように昆布が巻かれています。
その昆布蒲鉾を、まずは山葵も醤油も付けずにいただいてみると、磯の香りや塩味はほとんど感じらませんが、昆布の歯応えがなかなか良い感じで、日本酒にも焼酎にも合いそうな酒の肴です。

なお、蒲鉾をいただきながら店内を見渡してみると、場所柄もあってか他のお蕎麦屋さんに比べてお客さんの年齢層が低いように思われ、また、昼時ということもあってか一品料理はつまんでいるもののノンアルコールで蕎麦を食べているお客さんが多いように思います。やはり、ビールは良いけど日本酒は飲み難いかな?。


続いて伊勢原・寿雀卵で作った「だし巻き玉子」ですが・・・。
早速一口いただいてみると、「甘い」とか「出汁が効いている」というような、感じたそのままの印象で安易に語ってはいけない、過去に食べたことの無い濃厚な味わいの玉子焼です。

帰宅後、インターネットで素材の「伊勢原・寿雀卵」について調べてみると、黄身が黄色ではなくオレンジ色で、黄身を箸でつまんで持ち上げても割れない、濃過ぎるくらいの濃厚な味わいの卵とのことです。

確かに、いただいた「だし巻き玉子」も卵そのものの味をしっかり感じることの出来る、黄身だけ使用して作ったのかな?と思ってしまう程濃厚な玉子焼で、これぞ「卵焼き」と言える玉子焼ではないかと思います。


なお、夜のメニューに弟子が巻いた「でし巻き玉子」という玉子焼があり、同じく伊勢原の寿雀卵を使用していることから「味は変わりません」とのことですが、いただいた玉子焼と同じ玉子焼を弟子が作れるとはとうてい思えない、それ程素晴らしい「だし巻き玉子」でした。


なお、両隣はノンアルコールのお客さんなので少々お酒を頼み難い雰囲気ではありますが、「だし巻き玉子」をいただいている最中にビールがなくなったので、宮城県の地酒「特別純米辛口・乾坤一」(けんこんいち)を小さな声でお願いします。

最後に運ばれてきた自家製の柚子味噌を使用した「うどの柚子味噌」は、控えめな味わいの柚子味噌がなかなか美味しく、「味噌を付けてウドを食べる」(ウドが主役)というより「味噌をウドに乗せて食べる」(味噌が主役)と言った感じの、日本酒と相性の良い一品でした。


さて、目の前で揚げている天婦羅をいただきながらもう少しお酒を飲みたいところではありますが、お店の外では席が空くのを待っているお客さんが列を作っていることもあり、蕎麦をいただくことにします。

いただいた「ざる蕎麦」は、キリッと引き締まった濃い目の蕎麦汁がなかなか美味しく、また麺は少々固めで程好い歯応えが感じられますが、ツルツルっと滑らかにいただくことの出来る美味しい蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎房・猪口屋』さんは、神楽坂「蕎楽亭」さんで3年間修業したご主人がカウンター越しに一品ずつ揚げたての天婦羅を提供するお店として開いたことから、カウンター席は目の前で天婦羅を揚げるオープンキッチンとなっていて、お蕎麦屋さんというより天婦羅屋さんという雰囲気ですが、小さい子供の入店がお断りとなっていることもあり、「大人が集う、大人が楽しむための空間」といった落ち着きの感じられるお蕎麦屋さんでした。

また、料理と蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、目の前で天婦羅を揚げながら、その合間に注文を受けたり料理を出したりしているご主人のキビキビとした仕事振りと、真面目に一生懸命仕事をしているという事がヒシヒシと伝わってくる店員さん達の仕事振り、そして初対面なのに親近感の感じられる奥さん(?)の柔らかい接客がとても好印象で、心地良い憩いの一時を過ごさせていただきました。

これで、大型連休を利用して行った、今回の「一度は訪れてみたい神奈川のお蕎麦屋さん巡り」は終わりとなりますが、その最後を飾るに相応しい素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまででした。