蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

下町の『砂場@南千住』さんでいただく感動の蕎麦前

2013-02-10 23:17:34 | 東京23区(荒川区)

東京の老舗蕎麦屋の中で最も長い歴史を持っていると言われている「江戸三大流派」の一つ「砂場」。
その「砂場」の歴史を遡ると、1804年に発祥の地である大阪からまず糀町へ移転し、その後1912年(大正元年)に三ノ輪橋へ移転したとあります。

ということで、行ってきました。
三ノ輪橋にある「砂場」の総本家『南千住砂場』さんへ。

事前に営業時間を調べたところ午前10:30開店との事でしたが、さすがに10:30から蕎麦前もどうかと思ったので、11:00頃到着するように向いました。

都電・三ノ輪橋駅近くにあるアーケードの商店街「ジョイフル三の輪」に到着し、自転車が頻繁に行き交う昭和の香り漂う商店街の中を進むと、ありました。独特の存在感を放ちながらもしっかり下町に馴染んでいるお店が。


なるほど、この建屋ですか・・・。
昭和29年に近所の大工さんと相談して建てた、総檜造りの数奇屋風木造建築のお店というのは。

いや~、何がスゴイかって、「虎ノ門・砂場」さんとは異なり、風格の感じられる建屋が町中の一角ではなくアーケードの商店街の中にあるということがスゴイです。更に、その風情ある建屋は荒川区の文化財に指定されているとのことですが、違和感無く、ごくごく普通の「下町のお蕎麦屋さん」としてそこに存在しています。

お店の前で写真撮影を行なってから11:00少し過ぎに暖簾をくぐると先客は無く、4人掛けのテーブル席に着いて、まずは瓶ビールと「やきとり」をお願いします。

ビールを飲みながらお店の中を見渡すと・・・。
なるほど、訪れた方々の書かれている報告や記事の通り、様々な古い本や昭和の匂いの感じられる数々のおもちゃが所狭しと並べられています。そして、それら数々のおもちゃ達を眺めながら、「おっ、サンダーバード2号発見!。」なんて楽しんでいると、「やきとり」が運ばれてきました。


運ばれてきた「やきとり」は串焼きではなく、白髪ネギが添えられた箸でいただくお蕎麦屋さんの焼鳥で、ボリューム感たっぷりです。
早速温かいうちにいただいてみると、肉は柔らかく、タレの甘辛加減も絶妙で、「なんだこれ!!!。」と驚いてしまうほど美味しい「やきとり」です。


「やきとり」をつまみながら更に店内をキョロキョロ見渡すと、あちこちにメニューが貼られています。
事前に口コミサイト等でメニューを確認し、「蕎麦前のおつまみは少ないのかな?。」と思っていましたが、店内に貼られているメニューを見ると、確認できなかった「鴨ぬき」や、「さすがに3000円近い天婦羅は食べることが出来ない。」と思っていた「天ちらし」(天婦羅)の1人前(それも990円とお手頃価格です。)などもあるようです。

ということで、ビールも丁度なくなってきたので、その1人前の「天ちらし」と生酒をお願いしようとしたところ、「生酒は少々量が多いですが・・・。」とのこと。「二合ですか?。」と聞くと「二合弱です。」との回答。なるほど、つまり飲み切りサイズの瓶ってことですね。全く問題無いので生酒をお願いすると、予想通り飲み切りサイズの「菊正宗・生貯蔵酒」が運ばれてきましたが、なんと、温くならないように氷の入った桶の中に入れられていました。

そんなちょっとした気遣いに喜んでいると、「どうぞ!。」と異なる2種類のお通し(?)が新たに運ばれてきました。
通常、お通しは1人1回なのでビールと一緒に運ばれてきたお通しで終わりですが、お酒を追加した時にもいただいてしまいました。それも2品も。


お通しを2回も、それも合計3品もいただいてしまい恐縮していると、1人前の「天ちらし」が運ばれてきました。
具材を見ると、大きな海老、南瓜、舞茸(?)、芋、たまねぎ(?)と量が多いです。
「これで990円?。じゃあ、いったい3000円の天ちらしってどんなの?。」と思いながら湯気の立ち上がる天汁に南瓜を付けていただくと、カラッとしたサクサク感が素晴らしいです。と、これまた驚きの「天ちらし」です。

この「天ちらし」、サクサクしているだけではなく、臭みの無いクリアな油の香りが食欲を誘い、更には温かい天汁も美味しく、いつまでも冷たい「菊正宗・生貯蔵酒」と一緒に美味しくいだだきました。


感動続きの蕎麦前をいただいているうちにお店も混雑し始めてきたので、締めの「もり」をいただくことにしました。
蕎麦汁は徳利ではなく初めから蕎麦猪口に入れられているので、蕎麦と蕎麦湯をこの1杯でいただくことになりますが、思いのほかタップリ入っているので大丈夫そうです。

蕎麦をいただく前にまず蕎麦汁をなめてみると、普通に美味しいです。
次に蕎麦を摘んで持ち上げてみると、長いです。しかし麺が絡まることも無く、ほど良いしっとり感を保ったまま喉を通り過ぎて行き、なかなか心地良い食感です。

そして最後にとろみのある蕎麦湯をいただき、感動の蕎麦前と蕎麦が終了となりました。
いや~、質の高い素晴らしい料理を美味しくいただきました。

ごちそうさまでした。


最後に、今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『南千住砂場』さんは11:30頃には席がほぼ埋まってしまうほどの盛況振りでしたが、丁寧に、ゴクゴク普通に接している接客の様子と、蕎麦前と蕎麦を楽しんでいるお客さんの様子を見ていると、気軽にフラッと立ち寄ることの出来る、地元に根付いた親しみやすさと安心感みたいなものが感じられます。もしかすると、その親しみやすさと安心感は江戸時代から代々受け継がれ、長い年月を掛けて築き上げられた物なのかもしれません。

きっと、『南千住砂場』さんはこれからもずっと「ただの下町のお蕎麦屋さん」で、そして、その姿と姿勢は誰に何を言われようが何が起ころうが、その時代時代の流れに合わせながらもずっと変わらないのだろうと思います。
まぁ、それを「伝統」というのかな?。

いつまでも、今のままでいてほしいです。



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2 コメント

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今日の記事は (鈴木)
2013-02-11 20:44:41
とても力が入ってました。
よほど良かったんですね。酒は飲めないけど蕎麦前を頼んでみようと思う今日この頃です。
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こんばんは (■管理人■)
2013-02-11 21:42:46
鈴木さん、コメントありがとうございます。
蕎麦屋のおつまみは酒の肴に限ったものではないので、そば茶を飲みながら食べてみてください。
焼き鳥屋より美味しい焼鳥にめぐり合うなど、思わず「力の入ってしまう」一品がみつかるかもしれません。
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