蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『はたり@銀座・新富町』さんの磨宝卵で作った「出し巻玉子焼」

2018-09-07 18:15:00 | 東京23区(中央区)

東京都心での仕事を終え、時計を見ると間も無く18時。

週末金曜日ということもあり、出遅れてしまったかな?という時間ではありましたが、銀座界隈のお蕎麦屋さんで蕎麦前と蕎麦をいただいてから帰宅しようと思い、東京メトロ・有楽町線新富町駅から徒歩数分のところにある『蕎麦和食・はたり』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店は地下にあり、外から見えるのは地下へおりていく入口のみという、その、ビルの谷間にひっそりと浮かび上がる、まるで隠れ家へと向かうような入口の何とも言えない静まり返った佇まいに緊張感が高まります。

そして、暖簾を潜り階段を下りて店内に入り、案内された小さなカウンター席に着いて早速メニューを開いてみると、定番料理が並んだ「一品料理」と「おすすめ」に加えて手書きの「本日のおすすめ」まであり、充実した品揃えです。


その充実した品揃えに、ビールはパスして初めから日本酒をいただこうかな?と感じたので、秋の限定酒、青森県の地酒「特別純米ひやおろし・陸奥 八仙」をまずお願いし、その後、改めて何をいただこうかあれこれ悩んだ結果、「蛸とワカメの酢の物」と「香梅水晶」と「出し巻玉子焼」をお願いすることにします。


ちなみに、玉子焼には「出し巻玉子焼」と「江戸前玉子焼」とがあり、それぞれ普通サイズと小サイズが用意されていて、好みに応じて味わいの異なる玉子焼をいただくことができるようです。


おずずめメニューから選んだ、京都・千鳥酢を使用した「蛸とワカメの酢の物」は、酸っぱさを感じることも無く、旨味すら感じられる穏やかな味わいで美味しいです。


続いて本日のおすすめメニューからいただいた「香梅水晶」は、コリコリとした硬めの歯応えですが、サッパリ感が感じられまずまずです。

また、チェイサーと共に運ばれてきた「特別純米ひやおろし・陸奥 八仙」は、華やかでありながら落ち着いた深みのある旨味が美味しく、満足感が感じられます。


「黄身の甘さが美味しい魔法の卵」と言われている磨宝卵(まほうらん)を使用した「出し巻玉子焼(小)」は、甘さの抑えられたアッサリした味わいではありましたが、出汁の旨味がしっかり感じられ、美味しい、美味しいと一気にいただいてしまいました。


美味しい料理をあれこれいただきましたが、もう少し料理とお酒をいただこうと思い、愛媛県の地酒「無濾過純米・槽搾り 石鎚」と一緒に「鴨焼き(バルバリー種)」をお願いします。

いただいた「鴨焼き(バルバリー種)」は、思ったよりも硬めの食感ではありましたが、「肉を食べている」ということが感じられる、美味しく肉々しい「鴨焼き」でした。


19時を過ぎ、店内は仕事を終えた老若男女で賑やかとなり、また空腹も満たされたことから〆の「もりそば」をいただきましたが、やや辛口の蕎麦汁がなかなか美味しく、喉越しの良い蕎麦にタップリ付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦和食・はたり』さんは、ビジネス街の地下にある、仕事を終えたビジネスマンが三々五々集まり思い思いの一時を過ごすことのできる、ゆったりした大人の空間という印象のお蕎麦屋さんでした。

そして、静かに憩いの一時を過ごしながら仕事の疲れを洗い流すことのできるお蕎麦屋さんというよりは、明るく楽しい雰囲気の中、明日に向けて元気になれるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『うさぎや@日本橋・久松町』さんの三つ葉入り「玉子焼き」

2018-02-16 18:05:00 | 東京23区(中央区)

出張で訪れていた仙台からの帰京が予定より早い時間だったことから、少し足を延ばして、人形町にある『蕎麦処・うさぎや』さんで蕎麦前と蕎麦を楽しんでから帰宅することにしました。

お店に到着したのは開店時間の18時を数分過ぎた時間で、木製の窓の無い引戸をガラガラと開けてみると、無駄な物は何一つとして見当たらない清潔感の漂うフロアが目の前に広がり、店内に一歩足を踏み入れただけで居心地の良さが感じられます。


メニューすら置かれていないスッキリした4人掛けのテーブル席に着いて差し出されたメニューをパラパラと眺めてみると、「季節の野菜天ぷら」に目が止まります。そろそろ山菜の天婦羅がいただける季節かな?と思い花番さんに内容を確認してみると、野菜は入るが山菜が中心との回答だったことから、追ってお願いすることとし、まずは生ビールと「玉子焼き」をお願いします。


お通しの「梅水晶」(で良いのかな?)を肴にビールをいただいていると、これまでに何度かいただいたことのある三つ葉の入った「玉子焼き」が運ばれてきます。

その、姿形の整った綺麗な「玉子焼き」を早速一切れいただいてみると、出汁と三つ葉の味わいがしっかりと感じられる甘さの抑えられた玉子焼で、醤油を軽く垂らした大根おろしを添えて美味しくいただきました。


ビールが残り少なくなったところで日本酒をいただこうと思い再びメニューを開いてみると、ご主人は新潟県出身の方なのか、見たり聞いたりする機会の多い銘柄ではありますが、間違いの無いであろう新潟県の地酒が並んでいます。

そんな拘りの感じられるメニューを眺めながら、そして、「峰乃白梅」も並べていただき「越の三梅」を飲み比べてみるのも楽しそうかな?なんて思いながら「雪中梅」をいただくことに決め、併せて「季節野菜の天ぷら」を一緒にお願いします。


時間がかからず運ばれてきた見た目も美しい「季節野菜の天ぷら」は、必要なら天汁も用意していただけるとのことでしたが、添えられていたほんのりピンク色の岩塩で美味しくいただきました。


天婦羅と「雪中梅」を楽しみながら、しばしくつろぎの一時を過ごさせていただいた後、季節の変わりそば「ゆず切り」をお願いします。

いただいた季節の変わりそば「ゆず切り」は、蕎麦汁を付けづにそのままいただいても十分に美味しい蕎麦でしたが、雑味の感じられない味わい豊かな辛口の蕎麦汁がかなり美味しかったことから、蕎麦汁に付けたり付けなかったりと、あれこれ食べ方を変えながら楽しくいただきました。

また、蕎麦汁は美味しいだけでなくしっかりした蕎麦汁でもあったことから、濃い目の蕎麦湯を注いでも味が崩れることはなく、最後の最後まで美味しくいただくことができました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦処・うさぎや』さんは、最後に出口まで送ってくれた人当たりの良い花番さんの丁寧な接客がとても好印象で、柔らかく温かみの感じられるお店の雰囲気に包まれながら、仕事の疲れを癒すことのできる上品で落ち着きのあるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『金碇庵@日本橋・蛎殻町』さんの初めていただく「カレーおでん」

2017-12-01 19:45:00 | 東京23区(中央区)

東京都内での仕事を終え、駅に向かいながら時計を見ると既に19時を過ぎており、このまま帰宅しようかな?とも思いましたが、空腹を感じていたことから日本橋界隈で夕食を取ってから帰宅することに決め、都営地下鉄浅草線・人形町駅から徒歩3分程度のところにある『碇そば・金碇庵』(きんじょうあん)さんへと向かってみることにしました。

お店に到着してまず外観を眺めてみると、クリスマスの飾り付けが施されているなど、どこからどう見ても居酒屋の雰囲気です。まぁ、問題はありませんが。


「きっと普通に居酒屋」というイメージを描きながら扉を開けてみると、店内には背中合わせのカウンター席が2つあるのみでテーブル席は見当たりません。そして、にこやかに微笑む花番さんの「どこでも良いです」という気さくな案内に従い、厨房に背中を向ける窓に向かって座るクリスマス一色のカウンター席に着きます。


席に着いて生ビールをいただきながら、2種類のメニューをあれこれ眺め、「栃尾油揚焼」と「ホタルイカ沖漬け」をお願いします。


まずいただいた「栃尾油揚焼」は、皿からはみ出る程の大きさで、空腹を満たしてくれる、食べ応えのある油揚げでした。


富山県の地酒「ひやおろし純米吟醸・銀盤」と共にいただいた「ホタルイカ沖漬け」は、ビールが似合いそうなピリ辛な味付けでしたが、スッキリした味わいの「銀盤」とも相性が良く、なかなか美味しいです。


料理が無くなったところで、席に着いた時から気になってしかたのない「カレーおでん」を追加でお願いします。


どのような料理なんだろうか?と興味津々の「カレーおでん」は、鉄鍋に入ったカレー汁の「おでん」で、料理名そのままの一品でしたがトロミの感じられるカレーがなかなか美味いです。

また、そばがき(かな?)が具として入っていて、「へ~、どうなんだろう?」と思いながらいただいてみると、何ら違和感を感じることも無く美味しいです。


さて、お蕎麦屋さんという雰囲気が全く感じられないことや口の中にカレー味が残っていることが影響しているのか、最後にいただく〆は蕎麦よりお茶漬け(かつ丼もあるのか・・・)に気持ちが向いてしまいましたが、その思いを振り切り基本の「もり」をお願いします。


いただいた「もり」は、目の前に置かれた時は量が多いかな?と感じたものの、いざいただいてみると、料理を十分いただいた後でもツルツルっと一気にいただくことのできる、喉越しの良い食べ易い蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『碇そば・金碇庵』さんは、カウンター席しかないのかな?と思いましたが、2階(3階?)で宴会が行われているようで、思いのほか多くのお客さんを受け入れることのできるお蕎麦屋さんのようです。

また、明るく楽しさの感じられるお店の雰囲気や、ストーブを何気なくそっとこちらに向けてくれるなど気さくで親しみの感じられる接客も好印象で、一人で訪れても楽しい一時を過ごすことのできる、「最後に蕎麦をいただくことのできる居酒屋」という印象のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『すが@八丁堀』さんの新鮮な「活〆穴子刺身」

2017-04-19 18:05:00 | 東京23区(中央区)

仕事で東京都心へ出掛けたその帰り道、東京メトロ日比谷線・八丁堀駅近くにある、新鮮な穴子料理をいただくことのできる『蕎麦Dining・すが』さんへ立ち寄ってみることにしました。

落ち着いた大人の居酒屋という佇まいのお店に到着し、まずは穴子が泳ぐ水槽を眺めてから店内に入ってみると、先客はビジネスマン2人組1組のみと空いています。

そして、席に着いて生ビールをお願いしてから料理のメニューを眺め、「今日は穴子づくし」と決めていた当初の予定通り、初体験の「活〆穴子刺身」と、ビールと相性が良さそうな「穴子骨せんべい」をお願いします。


料理をお願いし、新鮮で美味しい立派なお通しを肴にビールをいただいていると、女将さん(かな?)らしき方が網を持ってお店の外へ出て行き、水槽から穴子を1匹すくって来て「こちらの穴子になります」と見せてくれましたが、心の準備ができていなかったために写真を撮り損ねてしまい少々後悔です。

そんな残念な思いを持ちながらお酒がズラリと並んだ棚やメニューを眺めていると、穴子料理のメニューに「注文いただいてから外の水槽から取り出し・・・」という説明が書かれていました。
う~ん、もっとしっかり見ていれば・・・、って感じです。


まず最初にいただいた「穴子骨せんべい」は、カリカリというよりも、どちらかというとやや柔らかめの食感で、ポリポリとビールをいただきながらいくらでも食べられそうな骨煎餅でした。


続いていただいた、今日のメイン料理「活〆穴子刺身」は、コリコリした歯応えを想像していましたが、身は柔らかく、時々、いかにも「小骨を噛んでいます」というようなプチプチ(?)とした食感が感じられます。

また、刺身には塩とポン酢が添えられましたが、紅葉おろしを入れ過ぎてしまったにも関わらず、それでも美味しくいただけたポン酢の方がマッチするかな?という印象でした。


刺身がまだ残っていましたが、丁度ビールが無くなりどうしようか迷っていたところで先客のビジネスマンが穴子の天婦羅を注文していたので、何となくつられる形で同じく「活〆穴子天ぷら」を、山口県の地酒「純米無濾過生原酒・西都の雫」(さいとのしずく)と一緒にお願いします。


穴子料理を締めくくった「活〆穴子天ぷら」は、サクサクの食感でありながら柔らかくふっくらフンワリ仕上がった見事な天婦羅で、異なる味わいの2種類の塩で美味しくいただきました。

なお、一緒にいただいた「純米無濾過生原酒・西都の雫」は、爽やかなピリリ感が感じられる、旨味のあるとても美味しい地酒でした。


美味しい穴子料理を十分に堪能させていただき、最後に、喉越しの良いツルツルっとした蕎麦というよりも、しっかり噛んで味わう腰のある蕎麦を「せいろもり」でいただき、今日の蕎麦前と蕎麦が終了となりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦Dining・すが』さんは、新鮮な穴子を様々な料理でいただくことのできるお蕎麦屋さんではありましたが、穴子だけではなく、お通しの刺身にも新鮮さが感じられ、加えてその美しく丁寧な盛り付けに、きっと何をいただいても美味しいのだろうという印象を持ったお蕎麦屋さんでした。

また、お店の内外を見てもビジネスマンが居酒屋代わりに利用するお店という雰囲気で、料理をいただき始めた頃は、正直、どことなく事務的な接客という印象を持ってしまいましたが、最後に厨房近くで会計を済ませていると、ご主人が顔を出してくれたり女将さんが出口まで送ってくれたりするなど、最初に感じた印象など無くなってしまい、最後は気分良く満足感を抱いて帰路に着くことができました。

ごちそうさまでした。


『花吉辰@日本橋・堀留町』さんの「春野菜の天ぷら盛」

2017-03-29 18:05:00 | 東京23区(中央区)

今年の3月は例年に無くバタバタと忙しい日々が続き、お蕎麦屋さんでのんびりした時間を過ごすことがなかなかできませんでしたが、3月終盤、急遽決まった出張からの帰り道、予定より早く帰京したことから日本橋堀留町にある『蕎麦遊膳・花吉辰』(はなきっしん)さんに立ち寄ってみました。

お店に到着したのは18時を少し過ぎた時間で、混雑しているかな?と思いましたが、店内は閑散としていて、明るく清潔感の漂う落ち着いた雰囲気の中、のんびりした一時を過ごすことができそうです。

そして、進められた3人掛けの店外に向いた窓際カウンター席に着いて、生ビールをいただきながらメニューを眺めてみると、多彩な品揃えの中に春らしい料理が並んでいたことから、今日は春らしい料理で蕎麦前を楽しませていただこうと思い、「菜の花辛子合え」と「新筍お刺身」をお願いします。


お通しの、これもまた春らしい「生しらす」をいただきながら料理を待ちますが、それ程待たずに出てくるだろうと予想した料理はなかなか登場せず、最初の料理「新筍お刺身」が運ばれて来た時点でビールは空に近く、料理の写真を撮っている最中にとうとうビールが空になってしまったことから、料理に手を付ける前に日本酒をお願いすることになってしまいました。


日本酒は、おすすめのお酒が用意されていましたが、定番メニューの中に飲んだことの無い、富山県の地酒「特選大吟醸生酒・満寿泉」(ますいずみ)があったことから、いただいてみることにしました。


いただく機会の少ない「新筍お刺身」は、硬いかと思った食感は柔らかく、とうもろこしを食べているかのような甘味がとても美味しいです。そして、添えられていた鰹節や山葵を使用することもなく、そのままでいただくのが一番美味しいと感じた、新鮮さと春らしさの感じられる「新筍お刺身」でした。


筍とほぼ同時に運ばれて来た「菜の花辛子合え」は、辛過ぎず・・・、というより辛さを感じないおとなしい味わいの辛し和えで、ボリューム感タップリの食べ応えのある一品でした。

なお、いただいた「特選大吟醸生酒・満寿泉」は、フレッツな味わいながら上品さの感じられる、優しく丸味を帯びた旨味がとても美味しい日本酒でした。


心地良い雰囲気の中で満足感を感じる蕎麦前をいただいていましたが、お酒と料理がほぼ同時に無くなったことから、席に着いた時から最後にいただこうと決めていた好物の「春野菜の天ぷら盛」(山菜の天婦羅)と新潟県の地酒「純米吟醸・〆張鶴」を追加でお願いします。

今シーズン最初となる「春野菜の天ぷら盛」は、種類も量も豊富で、苦味も程良く、「純米吟醸・〆張鶴」と一緒に美味しくいただきました。


美味しい料理とお酒をいただきながらふと時刻を確認してみると、席に着いてからいつの間にか1時間近くが経過しており、少々驚きながら蕎麦をお願いします。

お願いする蕎麦を決めるために再びメニューを開いてみると、季節の変わりそばがあり、桜の季節でもあることから「桜切り」かな?と思いましたが、どうしようか考えた結果、北海道幌加内産の蕎麦粉を使用して打ったという蕎麦を「せいろ」でいただき、今日の蕎麦前と蕎麦を〆ました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦遊膳・花吉辰』さんは、上品さの感じられる明るく綺麗な「大人の居酒屋」という雰囲気の中、ゆったりとくつろぎながら多彩な料理をいただくことのできるお蕎麦屋さんでした。

また、居心地の良さと併せて、腰が低く親切な花番さんの接客も好印象で、ついつい時間が過ぎていくことを忘れてしまうお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。