蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『坂の上のそば屋・司@横浜・日ノ出町』さんの「玉子焼」

2013-01-26 19:01:25 | 横浜市(西区)

京浜急行電鉄・日ノ出町駅近くにある『坂の上のそば屋・司』さんで蕎麦前と蕎麦をいただきました。

お店は京浜急行電鉄・日ノ出町駅から歩いて数分の住宅街の中にありますが、その名の通り「坂(正確には階段)」の上にあるお蕎麦屋さんで、階段をテクテクと登って行かなければなりません。

お店に到着したのは予定より早い開店10分前くらいでしたが、既に暖簾が出ていて着物姿の女将さんが門の近くで開店の準備を行なっているところでした。

暖簾が出ていたので「もういいんですか?。」と確認すると、「どうぞ、寒い中ようこそ。」と声を掛けられ民家のような玄関に案内されます。玄関で靴を脱いで店内に入り、少々薄暗いテーブル席のエリアを通り抜け、明るい店内奥の、堀のある大きなテーブル席に通されます。

席に着いて早速メニューを広げようとしたところ、「メニューをどうぞ。」と、置かれていたメニューとは別の蕎麦前のメニューを渡されます。(蕎麦前の客だってことが見え見えか?。)

美味しそうな料理とお酒が数多く並ぶ蕎麦前のメニューを見ながら周りを見渡すと、普通にテレビが置かれている(メニューが下がっていましいた。)など、訪れた知人宅で客間に通された雰囲気です。


蕎麦前は料理もお酒も充実していて、あれも食べたい、これも食べたいという品揃えでしたが、女将さんの「うちの料理は2人前を前提としている(量が多い)ので1人のお客さんにはお勧めできません。」(満腹になってしまい蕎麦が食べれない。)とのNG出しもあって、エビス生ビールと一緒に「平貝の一夜干(そば味噌添え)」と「玉子焼」をいただくことになりました。(まぁ、十分です。)

ビールはグラスだったので、「平貝の一夜干」が運ばれてくる前にほぼ無くなってしまい、料理の到着と同時に福島県の地酒「飛露喜・純米吟醸」をお願いします。
お酒についてはNG出しが無いので何事も無く注文が通り、すぐに出てきます。

「そこの庭で干したんですよ。」と説明付きで運ばれてきた「平貝の一夜干」ですが・・・。
歯応えも柔らかく、また平貝の甘味とそば味噌の辛さが絶妙で、美味いです。


続いて「玉子焼」。
箸でつまんでも崩れることの無い、しっかりとした弾力と歯応えがあり、また、程好い甘さと出汁の味わいがなかなか良い感じでとても美味しいです。「玉子焼(出汁巻)」はお蕎麦屋さんの蕎麦前料理で外すことの出来ない一品なので、メニューにあるなら必ずいただいていますが、「歯応え」と「味」の両方において、個人的な好みで選んだ第1位かもしれません。

そんな美味しい料理をいただきながら美味しいお酒をいただいていると、ついついお酒が進んでしまい、「玉子焼」が半分程度になったところで新潟県の地酒「緑・雪洞貯蔵酒純米」をお願いしましたが、「無くなってしまい、これしかないのでサービスです。」とグラスに半分くらい注がれた「緑」が運ばれてきました。
まぁ、お昼ということもあって半分で十分なのでありがたくいただくことにしました。


そして締めにいただいた「せいろ」。
良く冷えたみずみずしい蕎麦でしたが、長さの短い蕎麦もあり、あまりズルズルって感じではありませんでした。
また、汁はやや辛口で、蕎麦湯を美味しくいただくことのできるしっかりした蕎麦汁でした。なお、ややとろみのある蕎麦湯ですが、蕎麦汁を割らずにそのまま飲んでも美味しい蕎麦湯でした。


今回は一人で訪れたことから女将さんにNGを出されてしまい、食べたかったけれども食べることの出来なかった料理がいくつか出来てしまいました。美味しい料理と美味しいお酒を堪能することの出来るお蕎麦屋さんなので、次回訪れる機会があったなら、NGを出されないようしっかり体制を整えて訪れたいと思います。

本当に美味しい料理とお酒でした。
ごちそうさまでした。


『麻布永坂更科本店@麻布十番』さんの「合鴨の燻製」

2013-01-13 23:43:58 | 東京23区(港区)

今日は国立競技場で大学ラグビーの試合観戦です。
試合は13時キックオフなので、国立競技場への移動が容易な麻布十番で蕎麦前をいただいてから国立競技場へ向うことにしました。

蕎麦前をいただくことにした麻布十番には、『永坂更科 布屋太兵衛』さん、『総本家 更科堀井』さん、そして『麻布永坂 更科本店』さんという更科系のお蕎麦屋さんが3店集まっていて、「更科蕎麦の聖地」といっても過言ではない場所となっていますが、今日は時間に余裕も無いことから開店時間の早い、他の老舗2店とは異なる独自路線を歩む『麻布永坂 更科本店』さんで蕎麦前をいただきます。

お店の開店時間に入店した『麻布永坂 更科本店』さんの店内は小奇麗で、女性の店員さんも揃いの着物を着用していて、宴会のできる大広間や洋個室、掘りごたつの座敷などもあることから、お蕎麦屋さんというより日本料理や割烹料理のお店という雰囲気です。

「こちらどうぞ。」と案内された席に着いて早速メニューを開きます。
定番の「だし巻」は確定として、その他に「ぬた」と今月の逸品から「合鴨の燻製」をいただくことにしました。

最初に運ばれてきた「だし巻」は薄味ではありますが、まろやかな風味で、みずみずしいふんわり感とボリューム感がなかなか良い感じです。


次に運ばれてきた「ぬた」は素材をぬたみそで和えたものですが、ここ『麻布永坂 更科本店』さんでは、ねぎ、まぐろ、いか、とり貝、青柳、赤貝と素材を選ぶことが出来ます。

どの素材も食べてみたい素材ではありますが、今回はアサリやハマグリと並んで食用として馴染みの深い青柳の「ぬた」をいただきます。

運ばれてきた「(青柳の)ぬた」は、「いかにも貝」というような貝の身そのままの形で入っているかと思いましたが、イメージしていた形とは少々異なる形の「(青柳の)ぬた」で、味もぬたみその味がほとんどだったことから、シンプルな葱や思い切って赤貝にすればよかったかな?と思う「ぬた」でした。


最後に運ばれて来た今月の逸品「合鴨の燻製」は、スライスした鴨肉と葱が直ぐに出てくるものと思っていましたが、運ばれてきた料理は「これが合鴨の燻製?。」と思ってしまう一品で、大きく綺麗な絵皿に野菜と一緒に鴨肉が盛り付けられています。

早速鴨肉を一ついただいてみると、注文を受けてからスモークしているか、ビールが進んでしまうほのかな香ばしさが感じられます。


お酒を日本酒に切り替え、「茄子とあん肝揚げ出し」でもつまみながらもう少し蕎麦前を楽しみたいところですが、時間も限られていることから蕎麦前を切り上げ蕎麦をいただくことにします。

『麻布永坂 更科本店』さんは更科系のお蕎麦屋さんなので「御膳そば」(更科蕎麦)と「季節の変わり蕎麦」(今は柚子切りでした。)がメインではありますが、玉子を練り込んだ「らんぎり」と抹茶を練り込んだ「茶そば」(茶切り)を常時用意しているお蕎麦屋さんです。

ということで、「御膳そば」単品をいただこうか、それとも「柚子切り蕎麦」にしようか迷いましたが、お店の特徴でもある「御膳そば」と「らんぎり」と「茶そば」を同時に楽しむことのできる「三色そば」をいただくことにします。

2人分盛られているのかと思う程の大盛で運ばれてきた「三色そば」は三色の彩りがとても綺麗です。
「御膳そば」は更科の本流を行く細く白い蕎麦で、サッパリ感の感じられる蕎麦です。「らんぎり」はそれ程玉子感を感じることも無く、少々パサパサ感が感じられますがまずまずと思います。最後に食べた「茶そば」は食欲を誘う深緑色の蕎麦で、神経を集中させていただくとほのかに抹茶の香りが感じられます。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『麻布永坂 更科本店』さんは料理も蕎麦も全体的に薄味という印象でしたが、定番料理も季節料理も種類が多く、あれもこれもみんな食べたいと思うお蕎麦屋さんでした。

やはり、お蕎麦屋さんというより割烹料理店って感じでしょうか?。

ごちそうさまでした。


『こ寿々@古都・鎌倉』さんで2013年「蕎麦前」始め

2013-01-05 11:30:00 | 神奈川県(鎌倉市)

突然初詣に行くことになり、鎌倉の鶴岡八幡宮へ向いました。

鶴岡八幡宮は思っていたほど混雑しておらず、初詣は11時過ぎに終わってしまったことから鎌倉で昼食を取ることにしました。この時点で蕎麦を食べることは考えていませんでしたが、開店前の『段葛・こ寿々』さんの前を通りかかった時、「もしかしたら1順目のお客さんとして席に着ける?。」という程度の待ち行列だったことから『段葛・こ寿々』さんで蕎麦をいただくことにしました。

昼食を取ることになった『段葛・こ寿々』さんは若宮大路沿いにあるお蕎麦屋さんで、時代劇に登場しそうな古都鎌倉に似合う古民家風のお蕎麦屋さんですが、どちらかというと蕎麦より「わらび餅」の方が有名かもしれません。


そして開店時間5分前に「ここから待ちです。」と伝えられ、開店後更に待つことになりましたが、見渡した限り蕎麦前を楽しんでいるお客さんもいないようなので、さほど待つことも無く席に着けそうです。

ところが・・・。
多くのお客さんが蕎麦を食べた後に「わらび餅」を食べていて、結局開店後更に30分ほど待った後、席に着くことになりました。そして着席に合わせて、待っている間に注文してあった「そば寿司」と「だし巻き」(玉子焼き)が順次運ばれてきます。

なお、お店には4人で訪れましたが、案内されたテーブル席は6人席で、2人で訪れているお客さんには4人席を案内しているなど、待ち行列が出来ていてもゆったりした席を提供してくれているようです。

最初に運ばれてきた「そば寿司」は、玉子、カンピョウ(?)と一緒にシソが巻かれていて、蕎麦を食べているという印象は薄いもののシソがなかなか良い感じのアクセントになっています。


次に「だし巻き」。「だし巻き」そのものは薄味で、汁を掛けた大根おろしが添えられていましたが、大根おろしは使用せず汁だけを付けていただきました。しかし、全体的に薄味ということもあり、今思えば汁を吸った大根おろしと一緒にいただいた方が良かったかもしれません。


今日はお正月の初詣ということもあってうちの奥さんと娘の他におばあちゃんが一緒で、4人それぞれが「玉子とじそば」、「花巻そば」、「鴨南つけそば」、「もりそば」をいただきました。このうち、うちの奥さんがいただいた「鴨南つけそば」は柔らかい鴨肉と鴨汁がとても美味しく、うちの奥さんも大満足の一品でした。

    

いただいた「もりそば」は白色というより透き通った色味という印象の細麺で、冷たくキリッと引き締まった歯応えと力強さの感じられる蕎麦でした。また、蕎麦汁はサラッとたカツオ風味の甘辛汁(?)で、蕎麦との相性も良く、蕎麦を引き立てているように思います。


今年は初詣に行く予定も無く、ましてや正月休み中に蕎麦を食べに行く予定など全くありませんでしたが、訪れたことの無かった鎌倉『段葛・こ寿々』さんで2013年の「蕎麦前始め」(ノンアルコールでしたが。)を行うことができ、充実した正月休みとなりました。

なお、お土産に購入してきた「わらび餅」を自宅でいただきました(娘はお店でいただきました)が、甘さ控えめで弾力のある食感が何ともいえず美味しいです。

そんなこともあり、お蕎麦屋さんというより蕎麦を食べることの出来る「わらび餅屋」さんという印象の方がもしかしたら強いかもしれない、そんなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。