蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『ちんねん@浦安』さんのサクッとした「春野菜天ぷら」

2015-02-28 11:10:00 | 千葉県

東京メトロ東西線・浦安駅から徒歩5分程度の所にある『手打ち蕎麦・ちんねん』さん。

お店の前に立つと、「地元の方々が集まって美味しいお酒をいただきながら楽しい一時を過ごす集会所」といった雰囲気のお蕎麦屋さんで、地元に根付いていることが感じられます。

そんな、町のお蕎麦屋さん『手打ち蕎麦・ちんねん』さんの暖簾を開店直後に潜ってみると、5人程度が座れるカウンター席とテーブル席が数席あるだけの、けして広いとは言えないこじんまりとした店内ですが、手入れの行き届いた気持ちの良い空間で、「落ち着いた良い店」という印象です。

そんな良い印象を持ちながら、先客のいないカウンター席に座って早速目の前に置かれているメニューに目を向けますが、それとは別に、季節料理やおすすめのお酒などが書かれた紙が壁に貼られていて、ザッと眺めただけでも何をいただこうか迷ってしまうほどの充実ぶりです。特に、品数では無く内容という点で日本酒の品揃えは素晴らしく、ご主人の拘りが感じられます。


ということで、あれこれ悩んだ結果、料理は定番料理の中から「にしん煮」と「野菜天ぷら」をお願いしますが、「野菜の天婦羅は春野菜もありますが・・・。」とのこと。春野菜の天婦羅と言えば好物の「山菜の天婦羅」が中心になると思われるので、迷うことも無く「春野菜天ぷら」をお願いします。

そしてお酒は・・・。

こちらのお店は三重県と関係があるのか、「三重県のおすすめ地酒」という張り紙と共に美味しそうなお酒がズラリと並んでいます。そして、そんな数ある三重県の地酒の中から、今や名実ともに銘酒となった「九号酵母無濾過特別純米・而今」(じこん)をいただくことにします。

いただいた「にしん煮」は、その美しい姿にご主人の誠実さが伺える一品で、ピリッと感じる渋みとも表現できる辛さと旨味のバランスが絶妙の、「流石の一本」といえる「而今」と共に気分良く美味しくいただきました。


次にいただいた、丁寧に盛り付けられた好物の「春野菜天ぷら」(山菜天ぷら)は、春を感じさせてくれる蕗のとうの苦みがとても美味しく、また、サクッと揚がっている天婦羅としての出来栄えも素晴らしく、とても高い満足感を得ることの出来る「春野菜天ぷら」でした。

なお、天婦羅に併せていただいたお酒は、「而今」と同じ三重県の地酒「特別純米中取り生 神の穂・田光」(たびか)で、三重の米と三重の酵母(三重酵母)と三重の水で造った、キリッとスッキリした辛さがなかなか好印象の美味しいお酒でした。いや~、それにしても三重県の地酒は質が高い!。


さて、心のこもった丁寧な料理を肴に気分良く美味しいお酒をいただいていると、いつまでも飲み続けていたいという気分にもなってしまいますが、この後の予定もあることから蕎麦をいただくことにします。

いただいた蕎麦は、季節の変わり蕎麦、せいろ、田舎が順番に運ばれてくる「三色もり」で、まずは季節の変わり蕎麦「ゆず切り」をいただきますが、柚子の香りをしっかり楽しむことの出来る蕎麦で、蕎麦汁も添えられていた塩も付けずにそのままいただいても美味しくいただくことのできる、美味しい「ゆず切り」でした。


2枚目に運ばれてきたのは「せいろ」で、やや太めの食感でしたがツルツルっと美味しくいただきました。


最後に運ばれてきたのは「田舎」で、食べ応えのある太さではありましたが、けして硬くは無い程よい歯応えがなかなか良い感じの、美味しい「田舎」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・ちんねん』さんは、一つ一つの作業を丁寧にテキパキとこなしているご主人の仕事ぶりをカウンター越しに見ながら、そして美味しい料理を肴に、思わず唸ってしまう程美味しいお酒を気分良くいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。

お蕎麦屋さんには、様々なスタイルのお蕎麦屋さんがあり、余裕と安定感の感じられる老舗も居心地が良いですが、大泉学園の「むら季」さん、南林間の「さかい」さん、そして今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・ちんねん』さんのように、「若い御夫婦がこじんまりと営んでいるお蕎麦屋さんってやっぱり良いな。」と改めて思ったお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『司@横浜・磯子』さんのほんのり甘い「貝の味噌焼」

2015-02-18 17:25:00 | 横浜市(磯子区)

「近くだからいつでも行ける。」と思っているといつまでも行かない・・・。
そんなお蕎麦屋さんになってしまったJR根岸線・根岸駅と磯子駅の中間にある『手打ち関そば・司』さん。

仕事の都合で、たまたま通勤経路と異なるJR根岸線で帰宅する機会が生まれたことから、この機会にぜひ訪れてみようと思い、小雨がパラつく中、磯子駅から少々早歩きでお店に向かいました。

お店に到着したのは開店時間を30分ほど過ぎた17時半前でしたが、音楽では無くラジオが流れているこじんまりとした店内に先客の姿は無く、腰の低い、いつでも出前に行けそうなジャンパー姿の若いご主人に迎えられて店内一番奥のテーブル席に着きます。

席に着いて、差し出された温かいそば茶をいただきながらメニューを開いてみると、品数はそれほど多くはありませんが、低価格の一品料理が並んでいます。そして、塩味の玉子焼に興味が沸きましたが、直ぐに出てくるだろうと思われる「板わさ」と、店内に掲示されていた「かつ煮」をお願いします。


ビールを飲みながらいただいた「板わさ」とお通しの「冷奴」は、どちらもあまり手間隙と時間が掛からないだろうと思われる料理ですが、ビールに似合う手軽な料理ではないかと思います。


続いていただいた「かつ煮」は、ごくごく普通の「かつ煮」でしたが、カツを揚げるところから行っているのか、煮ているにも関わらず衣がカラッとしていて、辛さ控えめの優しく空腹を満たしてくれる「かつ煮」でした、。


ラジオから流れてくるリスナーリクエストの古い歌謡曲(ブルーライト・ヨコハマでした。)を聴きながら、貸切状態の店内でのんびりくつろいでいるのも気分が良いもので、もう少しのんびりさせていただこうと思い、おすすめ品の「貝の味噌焼」と日本酒とだけ書かれているその日本酒を冷でお願いします。

グラスにも、グラスの入っている枡にもタップリ注がれていた日本酒は、一合500円という低価格であったことから大きな期待は持ちませんでしたが、スッキリした口当たりとサッパリした後味がなかなか良い感じの、美味しい日本酒でした。

なお、メニューに銘柄は書かれていませんでしたが、グラスと枡に「酔仙」という文字が書かれていたので岩手県・三陸の地酒「酔仙」なのかもしれません。いずれにしても美味しい日本酒でした。


注文時、「かなり辛いので辛さ抑えましょうか?。」と提案されたので辛さを抑えてもらった「貝の味噌焼」は、予想外の姿で登場しましたが、貝の甘味がほんのり感じられるとても美味しい料理でした。
う~ん、お酒がスッキリしているので辛いままでも良かったかな?。


さて、空腹だった腹具合も随分と満たされたので「もり」をいただきます。
盛りも良く(量も多く)、見るからにツルツルっと喉越し良くいただけそうな蕎麦を、「まぁ、普通かな?。」なんて失礼なことを思いながらいただいてみると、なかなかしっかりしていて美味しいです。
また、良く冷えた蕎麦汁は、じっくり丁寧に作られたということが感じられる、蕎麦同様思っていた以上に美味しい蕎麦汁で、満足感を得ることの出来る「もり」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち関そば・司』さんは、若い(と思うが・・・。)ご主人の丁寧で越の低い接客がとても好印象で、滞在していた約1時間の間、ずっと貸切状態だったということもあって、のんびりくつろぐことの出来る居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『あおやま長寿庵@青山一丁目』さんの「焼明太子」

2015-02-10 17:35:00 | 東京23区(港区)

六本木での仕事が17時丁度に終わり、そのまま六本木付近にあるお蕎麦屋さんに立ち寄ってみても良かったのですが、時間も早かったことからてくてくと青山一丁目まで歩き、平日のみの営業となっていることからなかなか訪れる機会に恵まれない『あおやま長寿庵』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

六本木から青山一丁目までは随分と距離があるようにも見えますが、徒歩25分程度の距離であり、お店の開店時間が17時半ということを踏まえるならば、時間調整を兼ねて丁度良い距離と言えます。

ということで、青山一丁目交差点で予定外の寄り道をしてしまったため予定より遅い時間の到着となりましたが、それでもまだまだ早い時間なので問題も慌てることも無く、「ようやく訪れることが出来たか!。」という思いを胸に早速扉を開けてみると・・・。

4人掛けのテーブル席と大きなカウンター席がゆったり配置されている、先客のいない清潔感漂う明るいフロアが目の前に広がります。そして、花番さんに案内されて、大きな花瓶を囲むように作られているコの字形のカウンター席に着き、冊子になっているメニューを広げます。

喉が渇いている訳でもないことからビールはパスして最初から日本酒をいただこうかと思いましたが、「喉を潤す程度、少しだけあれば良い。」というような時にとても重宝する瓶ビールの小瓶があったことから、まずはその小瓶の瓶ビールと一緒に、「おひたし」と「焼明太子」をお願いします。


ビールを飲みながら料理を待っていると、お蕎麦を目的とした年配の御夫婦がポツポツと来店します。
というより続々と来店するという感じで、しばらくすると馴染みのサラリーマンと思われる方々も訪れ始め、開店後それほど時間が経過している訳ではありませんが、テーブル席がそこそこ埋まってしまいます。

その様子に、「へぇ~、そうなんだ。」と予想外の展開に少々驚いていると、「菜の花のおひたしです。」との一言が添えられて、目の前に「おひたし」が置かれます。

驚くほど量の多い「おひたし」は、降り掛けられている鰹節がなかなか美味しく、サッパリ爽やかな食感と併せてまずまずでした。


次にいただいた程良い温かさの「焼明太子」は、噛むとホロホロと崩れる柔らかい食感も良く、辛子明太子ではないので辛くはありませんが、日本酒が似合いそうな美味しい料理でした。


「焼明太子」をいただいている途中で瓶ビールが空になったことから、日本酒をいただこうと思い再びメニューを開きますが・・・。

確かに、「どの日本酒を選んでも美味しい、十分な品揃え」と思いますが、正直、「問題の無い、メジャーで無難な品揃え」という印象は拭えず、迷った結果、「その日により銘柄が変わります」と書かれている静岡県の地酒「磯自慢」をお願いすることにします。そして、「おひたし」が残ってはいますが、蕎麦の前にもう少し料理をいただきたいと思い、「にしん」を一緒にお願いします。


いただいた「磯自慢」は、その日によって銘柄が変わるとのことなので種類は分かりませんが、ベタベタ感の無いスッキリした辛口で、穏やかでありながらもしっかりした旨味と爽やかな余韻の感じられる、「磯自慢ってこんなに旨かったっけ?。」と思ってしまうほど美味しい「磯自慢」でした。

また、価格についても「銘柄により変動します」と書かれていましたが、帰宅後確認してみたところ、驚くような価格では無く、「この美味しさならこれくらいかな?。」という納得の価格でした。

なお、綺麗に盛り付けられた「にしん」は、やや薄味の、普通と言ってしまえば普通ではありますが、スッキリした辛口の「磯自慢」と一緒に美味しくいただきました。


さて、いつの間にかテーブル席も埋まり、随分と賑やかになってきたことから蕎麦をお願いします。
ここ『あおやま長寿庵』さんでは、「鴨せいろ」の蕎麦を茶そばに変えた「茶そばの鴨せいろ」(メニューにはありません。)があるとのことですが、昼のみのメニューらしいことから、少々興味深い蕎麦ではありますが確認することもせず「せいろ」をお願いします。


少々盛りが少ないかな?という印象の「せいろ」は、細麺の食べ易い蕎麦でした。
また、出汁の味わいが感じられる穏やかな蕎麦汁は、やや濃い目という感じでしたが、蕎麦湯を注いでも味が崩れることはなく、蕎麦湯を美味しくいただくことの出来る蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『あおやま長寿庵』さんは、扉を開けることを躊躇してしまいそうな高級な店構えで、明るい店内には立派な花が生けられた大きな花瓶が置かれているなど、お店に入った瞬間、「価格は少々高めかな?。」と思ってしまいそうですが、メニューを見ると料理も蕎麦も庶民的な価格に設定されていて、実際に支払った金額も「漏れてない?。」と思ってしまう金額でした。

また、花番さんの接客も丁寧で親しみ易く、女将さんと思われる方も、馴染みのお客さんに限らず席を回って気軽に声を掛けるなど接客に当たっていて、親しみ易さと居心地の良さがお店全体から感じられる、庶民派蕎麦屋と言われている「長寿庵」さんらしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


なお、余談ではありますが・・・。
『あおやま長寿庵』さんを訪れたこの日、青山一丁目にあるホンダ本社ビルで、ホンダの2015年F1参戦に向けた記者会見が開催され、併せて本社ビル前に歴代のF1マシンがズラリと展示されました。

そのことは事前に知らず、たまたまホンダ本社ビルの前を通りかかったらF1マシンが展示されていたという状況でしたが、今は無きF1ドライバー、A・セナが乗っていた「27」番を付けたV10エンジン搭載のMP4/5Bを見ることが出来るなんて・・・。と感動的な出来事でした。


『きびや@三鷹』さんの「れんこん海老進上揚げ」

2015-02-08 11:00:00 | 東京都(三鷹市)

魅力的なお蕎麦屋さんが数多く点在していると思いながらも訪れる機会に恵まれないJR中央線沿線のお蕎麦屋さんですが、先月都内へ出掛けた際、移動経路を大きく「く」の字に曲げて2軒のお蕎麦屋さんへ立ち寄ってみたところ、どちらも高い満足感を得ることの出来る納得のお蕎麦屋さんでした。

ということで、今回、都内へ向かう所用が発生したことから再び大きく遠回りをして、JR中央線・三鷹駅から徒歩10分程度の所にある『蕎麦・きびや』さんへ立ち寄ってみることにしました。

お店には開店時間の11時に到着し、早速暖簾を潜ってみると、8人程度が座れる大きなテーブル席と5人が座れるカウンター席の他に、2人掛けテーブル席1つと4人掛けテーブル席1つが落ち着いた和風の店内に無駄無くコンパクトに配置されていて、心地良い一時が過ごせそうな雰囲気がお店全体に漂っています。

そして、カウンター席端っこの席に着いてメニューを広げると、定番料理はもちろんのこと一工夫施された、あれも食べてみたいこれも食べてみたいと思ってしまうそそる料理がズラリと並んでいて、どうしようか迷ってしまいますが、久しぶりに鰊が食べたいと思ったことから「にしんの昆布煮」と、美味しい歯応えが楽しめそうな「れんこん海老進上揚げ」を瓶ビールと一緒にお願いします。


さほど待つことも無く運ばれてくるのかと思いましたが、予想に反して少々時間を要した「にしんの昆布煮」は、綺麗な姿の柔らかい鰊で、やや辛目の味付けではありましたが何ら問題は無く、飲んだ事の無い新潟県の地酒「純米吟醸無濾過生・蒲原」をいただけば良かったかな?と思いながら美味しくいただきました。


塩でいただいたアツアツの「れんこん海老進上揚げ」は、ベタベタせずサクサクっとした綺麗な衣と蓮根の程良い歯応えがなかなか良い感じで、シソの風味と海老のプリプリ感がとても美味しい一品でした。


さて、お昼も近づきそろそろ混雑してくる頃かな?という時間になりましたが、予想に反して店内は混雑しておらず、カウンター席は半分程度、テーブル席は2人組のお客さんが2~3組座っている程度で、「料理とお酒追加しちゃおうかな?。」という状況でしたが、今日はこの後予定があることからのんびりすることもできず、「せっかく空いているのに・・・。」という残念な思いをグッとこらえて蕎麦をいただくことにします。

蕎麦は普通の「もりそば」(二八)と「粗挽きそば」(玄蕎麦手挽き自家製粉の二八)とがありましたが、美味しい蕎麦がいただけそうな雰囲気がプンプンと漂っていたことから、「粗挽きそば」をお願いします。


いただいた「粗挽きそば」は、斑無く綺麗に切られた蕎麦で、弾力感の感じられるモッチリした食感が心地良く、噛めば噛むほど美味しさを味わうことのできる、噛むことが楽しい美味しい蕎麦でした。


また、蕎麦汁は少々濃目ですが、まろやかな旨味とシャープな辛さの両方が感じられるバランスの良い美味しい蕎麦汁で、粗挽きの蕎麦を引き立ててくれました。

なお、「薬味」のネギとワサビは、それだけをつまんでも美味しくいただける、新鮮さの感じられる爽やかなネギとワサビでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦・きびや』さんは、緊張感と丁寧さの感じられる美味しい料理とお酒で蕎麦前を楽しみたいお客さんも、風味豊かな蕎麦を楽しみたいお客さんも、みんなが思い思いの充実した一時を過ごすことの出来る、余裕と落ち着きの感じられる大人のお蕎麦屋さんでした。

なお、口コミサイト等の投稿などから、昼時を外しても混雑しているお蕎麦屋さんという印象でしたが、天気が悪いからなのか、それとも人気のランチセットが休日は無いからなのか、開店からおよそ1時間の滞在時間の間に席が埋まることは無く、お客さんみんながゆったりくつろげる状態でした。

そのような状況だったことから、美味しい料理とお酒をいただきながらもう少しのんびりくつろぎたいところではありましたが、運良くお店が空いている時に限ってのんびりできないという状況で、後ろ髪を強く引かれる思いでお店を後にしました。

ごちそうさまでした。


和風モダンな『佶更@白金』さんの美味しい「馬刺」

2015-02-04 17:10:00 | 東京23区(港区)

公私共に訪れる機会の少ない東京都港区白金台付近ではありますが、たまたま珍しく仕事で白金台を訪れた事から、目黒や五反田では無く白金にあるお蕎麦屋さんに立ち寄ってみようと思い、仕事帰りに北里病院近くにある『手打そば・佶更』(きっこう)さんの暖簾を潜ってみました。

暖簾を潜ったのは開店直後ということで、店内入口から奥に向かって真っ直ぐ伸びている、10人程度が座れる綺麗で立派なカウンター席(1階はカウンター席のみ)に先客の姿は無く、「奥へどうぞ!。」と向かえられて店内奥の席に着きます。


席に着くと、冊子になっている固定のメニューと、それとは別に用意されている手書きで書かれた一品料理のメニュー(おすすめメニュー?)が差し出されます。

それら2つのメニューを確認すると、「へぇ~、山菜の天婦羅か・・・。おっ、馬刺がある!。」と、ついつい嬉しくなってしまう料理が並んでいるなど、豊富かつ十分な品揃えです。
そして、そんなそそるメニューの中から「普通の玉子焼き」と「馬刺」を瓶ビールと一緒にお願いします。


まずいただいた「馬刺」は、臭みも無く食感も柔らかく、生姜を多めに添えていただくと実に美味しい、高い満足感を得ることの出来る馬刺しでした。


「納豆玉子焼き」という料理があるからか、あえて「普通の」という言葉が付いている「普通の玉子焼き」は、甘さの抑えられた「ごくごく普通」の玉子焼でした。

なお、あれば必ずいただく玉子焼(出し巻き玉子)ですが、ボリューム感タップリの玉子焼をいただきそれだけで満腹になってしまうお蕎麦屋さんや、ここ『手打そば・佶更』さんのように、それ以外にも魅力的な料理が多数用意されているお蕎麦屋さんも数多くあるため、玉子焼にこだわる必要は無く、その都度食べたい物をいただく方が良いのかな?という思いを感じた玉子焼でした。


ピアノの音色が静かに流れている貸し切り状態の店内で一人のんびりビールを飲みながらくつろいでいると、時間が経つのも忘れてしまいついつい飲み過ぎてしまいそうですが、週末でも無く明日も朝から仕事があるため、福生市の酒蔵と白金の酒屋さんとのコラボレーションで生まれたという白金の地酒「純米吟醸・白金三光町」が気にはなりましたが、蕎麦をいただくことにします。

いただいたのは「かきあげざる」(かき揚げ天せいろ)で、お願いするとまず薬味と蕎麦汁が目の前に置かれ、しばらくして粗塩が添えられたかき揚げが運ばれてきます。

カラッと揚がった具沢山のかき揚げは、大きめにブツ切りされた野菜の食感と海老のプリプリ感がとても良い感じで、天先でいただけば酒の肴にもなる食べ応えのあるかき揚げでした。


テーブルの上に直置きされた笊に盛られているにも関わらず、テーブルの上に水が1滴も垂れないほどしっかり水切りされたやや細めの蕎麦は、硬いのではなくしっかりした弾力感の感じられる、蕎麦汁を付けずにそのままいただいても十分に美味しい蕎麦でした。

また蕎麦汁は、甘くは無いけど辛くも無いという、丸味のある旨みの感じられる蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・佶更』さんは、一見お洒落なBarと見間違ってしまいそうな、ピアノの音色が流れるスッキリしたカウンター席のみの和風モダンなお店で、お店の前を走る車の音がやや気にはなりますが、気取ったところの無いのんびりくつろげる雰囲気の、仕事帰りにホッと一人静かに憩える居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。