蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『戸隠・磯子亭@磯子』さんの「宮崎産黒毛和牛のたたき」

2015-05-19 17:00:00 | 横浜市(磯子区)

夕食を食べてから帰宅することが予め決まっていた平日。

いつもなら「どこで食べようか?。」とあれこれ楽しみながらお店を決めますが、今日は出張帰りということで帰宅時間が定まらないことから、「17時を過ぎた時点でその場近くのお蕎麦屋さんで夕食を取る。」とだけ決め、蒲田かな?、関内まで来てしまうのかな?なんて考えながら帰宅の途に着きました。

ところが、予想より早い時間の帰宅となってしまい、17時の時点で自宅にほど近いJR根岸線・磯子駅近くまで来てしまったことから、磯子駅近くの『そば處 戸隠・磯子亭』さんで夕食を取ることにしました。

そして、時間も早いのでもしかしたら先客はいないかな?なんて思いながら扉を開けてみると・・・。

予想に反して店内奥中央に初老の男女10人程度の団体さんがワイワイガヤガヤ宴会中です。
また、お店の隅には1人で訪れている老人が料理をつまみながらお酒(日本酒)を飲んでいます。

その様子に少々驚きながら「昼時を過ぎたら居酒屋か・・・。」と思っていると、元気の良いチャキチャキのおばちゃんに「食事ですか?。お飲みになります?。」と聞かれ、「飲みます。」と応えると「おすすめ料理」が書かれたホワイトボードが席まで運ばれてきました。

ホワイトボードを見ると、お酒一品(ビール、日本酒、焼酎)に焼き鳥3本と選べるおつまみ2品が付いて1000円というとてもお得なハッピーセットというセットがあり、「お徳です!。」と強く勧められましたが、焼き鳥は不要なので生ビールと一緒に「宮崎産黒毛和牛のたたき」と「舞茸天ぷら」を単品でお願いします。


「馬」(馬刺し)にしようか「牛」(牛たたき)にしようか迷った結果、どちらかというと食べる機会が少ないかな?と思い選んだ「宮崎産黒毛和牛のたたき」は、個性的な臭みと味わいですが、食感も柔らかく、もう少し食べたいと思ってしまう、美味しいたたきでした。


続いて、蕎麦汁をベースにしていると思われる天汁でいただいた「舞茸天ぷら」は、素材の味が活かされていて、サクッと軽く揚がった食感も良く、良い意味で予想の外れたとても美味しい天婦羅でした。


さて、予想以上に高い満足感が得られたことからもう少しお酒と料理をいただこうかと思いましたが、何となく「鴨せいろ」をいただきたい気分になっていることから、料理の追加はせず、腹に余裕がある状態で「鴨せいろ」をいただくことにします。

いただいた蕎麦はやや柔らかめで普通という印象でしたが、鴨肉が多く出汁の旨味がしっかり感じられる鴨汁が美味しく、これという特長は無いのかもしれませんが普通に美味しい納得の「鴨せいろ」でした。

なお、蕎麦をお願いすると直ぐに熱々の蕎麦茶が運ばれてきて、最後にサラッとした蕎麦湯が運ばれてきましたが、どちらも自然な味わいで美味しく、既に居酒屋状態になっている店内ではありますが、ここが蕎麦屋であることを主張していたお蕎麦屋さんらしい蕎麦茶と蕎麦湯でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば處 戸隠・磯子亭』さんは、好みによって印象と評価は大きく分かれると思いますが、元気の良いおばちゃんが居心地の良いのんびりくつろげる雰囲気を作っている「町のお蕎麦屋さん」で、近所のおじちゃんおばちゃん、そして仕事を終えたサラリーマンが三々五々集まってみんなでワイワイガヤガヤと楽しくお酒と料理を楽しむことのできる、居酒屋のようでありながらも随所にお蕎麦屋さんらしさがしっかり感じられたお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『いしおか@学芸大学』さんの上品な「穴子煮こごり」

2015-05-06 13:20:00 |  東京23区(目黒区)

一人で昼食を取ることになったゴールデンウィーク最終日。

今年のゴールデンウィークは「下町のお蕎麦屋さんを飲み歩く」をテーマに掲げたものの、時間が作れず思うような飲み歩きが出来なかったことから、東京の下町にあるお蕎麦屋さんで連休を締めくくろうかと思いましたが、「翌日から仕事」という思いに気持ちも煮え切らず、結局、一度訪れてみたいと思っていた東急東横線・学芸大学駅から徒歩7~8分の所にある『手打蕎麦・いしおか』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

『手打蕎麦・いしおか』さんは中休みのあるお蕎麦屋さんなので、お昼時は外すにしてもあまり遅いとのんびり出来なくなってしまうため、「きっと混雑しているだろう。」と思いながらも13時半頃暖簾を潜ってみると、予想以上に混雑していて、カウンター席に僅かな空席があるだけでテーブル席は全て埋まっています。

そんな、混雑している状況にも関わらず、花番さんは「狭いので・・・。」とカウンター席を進めませんでしたが、「狭くても良いです。」と伝えて蕎麦打ち場を目の前に見るカウンター席に着いてみると、確かに、4人掛けテーブル席にお誕生日席を加えて5人家族でお蕎麦を食べているお客さんに背中が当たりそうですが、花の生けられた花瓶が置かれている清潔感漂うカウンター席は綺麗で広く、何ら問題ありません。


ということで、清潔感の漂うカウンター席に着いて早速メニューを広げると、一品料理が価格別にギッシリと書かれていて、その品数の多さに驚きです。そして、あれこれ悩んだ結果、「穴子煮こごり」と「たけのこ煮」を宮城県の地酒「特別純米・綿屋」(わたや)と一緒にお願いします。


2品のお通しを肴にいただいた特別純米「綿屋」は、冷え具合も程良く、まろやかな味わいとサッパリした後味がなかなか旨いです。


しばらくして目の前に置かれた「穴子煮こごり」は、ほのかな甘味と柔らかい食感とヒンヤリした冷たさが美味しく、添えられていた辛子を付けていただいてみましたが、振り掛けられている山椒がなかなか良いアクセントになっているので、辛子は付けずにそのままでも十分美味しいと思います。


間も無く14時という時間になるとお客さんの出入りも落ち着いてきましたが、店内の混雑具合はそれ程変わらず、料理にも少々時間を要しているようです。そんな状況に、「まぁ、連休最終日だし、なかなか良いお店だから仕方ないかな?。」と思っていると「すみません。筍が切れてしまって・・・。」とのこと。

無いと言われると、どんな料理だったのだろうか?と気になってしまい、「食べたい!」という思いがより強くなってしまいますが、無い物は無いので、料理を「にしん山椒漬」に変更し、一緒に、連休を締めくくるお酒として山口県の地酒「純米大吟醸・獺祭」をお願いします。


「獺祭」については、賛否両論様々な意見も見られますが、休日の日中に一人のんびりいただくお酒としては何も言うことの無い、納得の一本ではないかと思います。

いただく機会の多い「煮」では無く「漬」でいただいた鰊は、適当な歯応えと絶妙な酸味が美味しく、先にいただいた「穴子煮こごり」と併せて、料理の質の高さが伺えます。


さて、お酒と料理に高い満足感が得られ、また、店内に空席も見られるようになってきたことからもう少し蕎麦前を楽しみたいところではありますが、満腹になる前に蕎麦をいただくことにします。

いただいたのはオーソドックスな「せいろ」で、もう少し料理をいただいても大丈夫だったかな?と思われる量でしたが、お酒をいただいた後なので、まぁ、適量といったところでしょうか?。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・いしおか』さんは、清潔感の感じられるスッキリした店内で、親しみ易い接客を受けながら美味しいお酒と料理を気持ち良くいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そして、多くのお客さんで賑わっているにも関わらず、一人静かにそっと休日の昼下がりをのんびり過ごすことの出来るお蕎麦屋さんで、今年のゴールデンウィークを気持ち良く締めくくってくれました。

ごちそうさまでした。


『本むら庵@荻窪』さんの柔らかい「つぶ貝しぐれ煮」

2015-05-05 11:00:00 | 東京23区(杉並区)

ゴールデンウィークも残り2日となった5月5日こどもの日。
国分寺に出掛ける所用があったことから、JR中央線・荻窪駅と西荻窪駅との丁度中間にある、大正13年創業の老舗蕎麦屋『御免蕎麦司・本むら庵』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店には、荻窪駅からスマホの地図を頼りに徒歩で向かいますが、進んでも進んでも住宅街で、「本当にこんな住宅街の中に老舗のお蕎麦屋さんがあるんだろうか・・・。」と思っていると、老舗の佇まいが感じられるお店が目の前に突然現れます。

そして、開店前ではありますが既に年配の男女3人組のお客さんが開店を待っていて、「へぇ~、さすがだ!。」なんて思いながら付近を見渡してみると、お店の隣に広々とした専用の駐車場があり、こんなに大きな駐車場が必要なほど混雑するんだろうか?と少々驚きです。


さて、開店時間となり、花番さんの丁寧な案内を受けて窓際の4人掛けテーブル席に着きます。
正直、混雑することが簡単に予想できることから「2人掛けテーブル席で良いのに・・・。」と思いましたが、2人掛けテーブル席は用意されていないようなので、申し訳なく思いながら広々とした4人掛けテーブル席を使わせていただくことにします。

席に着いて早速メニューを広げますが、メニューは冊子になっている通常のメニューと季節のおすすめ品が書かれたメニューとがあり、あれこれ検討した結果、無濾過・限定醸造生ビール「白穂乃香」と一緒に「つぶ貝しぐれ煮」と「磯揚」をお願いすることにします。


いただいた「白穂乃香」は、記憶によると初めていただくビールで、苦味は感じられず、華やかできめの細かいまろやかさとサッパリした爽やかな後味が美味しいビールでした。


最初に運ばれてきた北海道厚岸産のつぶ貝を使用した「つぶ貝しぐれ煮」は、柔らかく煮込まれているものの貝ならではのコリコリとした歯応えで、やや甘い味付けかな?と思いますが、噛めば噛むほど旨味の広がる何とも言えない美味しい一品でした。


美味しいビールと料理をいただきながら何気なく店内を眺めていると、途切れること無く続々とお客さんがやってきて、お座敷を含めてアッと言う間にほとんどの席が埋まってしまったようです。

そんな様子を眺めながら、休日の昼時に蕎麦前はまずかったかな?なんて少々気まずい思いを感じていると「磯揚」が運ばれてきます。

「磯揚」は、メニューの説明書きを引用させていただくならば「海老入り、蕎麦のり巻素揚げ」で、予想していたよりも細く小さい海苔巻きでしたが、海老のプリプリ感がなかなか良い感じの一品でした。


さて、「磯揚」がまだまだ残っていて店内は混雑していますが、もう少し蕎麦前をいただきたいと思い、ビールが無くなったタイミングで剣菱・樽酒(冷酒)と「おきつね焼き」を追加でお願いします。

料理とお酒を追加したところで窓の外に目を向けると、先ほどからずっと中庭の手入れをしている若い男性の姿があります。最初は、ただの庭の手入れかな?なんて思いながらぼんやり眺めていましたが、既に長い時間行われていて、それも、よく見るとピンセットのような道具を使用して行っています。

これも修行の一つ(?)なのかもしれませんが、緑豊かな中庭の中から抜いて良い草だけをピンセットで一つ一つ丁寧に抜いていく作業ってとても大変な作業で、そんな大変な作業を行っている店員さんの目の前で昼からお酒なんかいただいてしまい・・・と、申し訳ない思いが更に膨らんでしまいます。

でもまぁ、そうは言いながらも美味しい料理とお酒をいただいてしまうんですけどね。すみません。


ということで、粗塩とともに運ばれてきた剣菱を早速いただいてみると、冷え具合も良く、ほんのり香る樽香も申し分無く実に旨いです。


そんな剣菱の旨さに浸っていると、鴨肉を油揚げに詰め込んで焼いた「おきつね焼き」が運ばれてきます。
いただいた「おきつね焼き」は、柚子の香りがとても良いアクセントになっている鴨らしい味わいとパリッと焼けた油揚げのこんがり感がなかなか美味しく、剣菱がスイスイと進んでしまいます。


腹具合も満たされてきたところで「せいろ」をいただきましたが、ほんのり甘味の感じられる蕎麦で、まろやかな旨味の蕎麦汁に付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『御免蕎麦司・本むら庵』さんは、広々とゆったりしたフロアと、遠方から車で訪れることを可能とする広々とした駐車場を備えているお蕎麦屋さんで、何人いるのか数えられない程多くの花番さんがキビキビとそつ無く動き回っている、活気と賑わいの感じられるお蕎麦屋さんでした。

そしてその花番さん達、大勢のお客さんを相手に忙しいはずなのにバタバタとすることも無く常に落ち着いていて、お店の中にも外にも席を待つお客さんが溢れている状況にも関わらず、蕎麦前の追加注文にも嫌な顔一つ見せない丁寧な接客で、「忙しい時にお酒なんかいただいて申し訳無い。」と思いながらも心地良い一時を過ごすことが出来ました。

ごちそうさまでした。

ちなみに、こんなに大きな駐車場が必要なほど混雑するんだろうか?と思ったお店の隣にある駐車場ですが、帰る時は満車で、誘導してくれるおじさんまでいるという驚きの状況でした。


『椿屋@所沢』さんの金沢の郷土料理「鴨の治部煮」

2015-05-02 11:05:00 | 埼玉県

大学ラグビーの試合を観戦するために埼玉県の所沢へと出掛けることになったため、少し早めに家を出て、試合開始前に西武新宿線・新所沢駅から徒歩7~8分程度のところにある『手打ちそば処・椿屋』さんで蕎麦をいただくことにしました。

お店には開店時間の11時に到着し、カウンター席に着いて早速メニューを広げますが、「御近所の方々がご家族で訪れ、楽しくお蕎麦をいただく町のお蕎麦屋さん」といった雰囲気が感じられ、昼からお酒をいただいて大丈夫なんだろうか?と少々弱気になってきたことから、念のためお昼にお酒は大丈夫か確認した後に、生ビールと一緒に「鴨の治部煮」と「鴨のネギ味噌」をお願いします。


生ビールで喉の渇きを潤しながら店内を改めて見渡してみると、座敷、テーブル席、カウンター席とあり、同時に多くのお客さんを受け入れることができそうな思った以上に広いフロアで、カウンターに美味しそうな日本酒が並んでいたり、壁に「今月のおいしいお酒」として山口県の地酒「五橋」と福島県の地酒「大七」が掲げられているなど、夜は夜で地元のお客さんが集まって楽しく賑わっている様子が伺えます。


そんなことを考えていると、まず北陸・金沢の郷土料理でもある「鴨の治部煮」が運ばれてきます。
この治部煮という料理は、インターネットで調べてみると、そぎ切りにした鴨肉に小麦粉をまぶし、醤油、味醂、砂糖、酒を合わせただし汁で煮た料理とのことで、甘辛いタレがまぶした粉にしっかり絡んだ、お酒との相性が良い料理とのことです。

ということで、早速その「鴨の治部煮」をいただいてみると、鴨肉を食べているという感覚は無く、柔らかい食感と甘辛い味付けがとても美味しく、どんなお酒にも合いそうな料理ではないかと思います。なお、料理には山葵が添えられていて、山葵を乗せることで美味しさがグッと高まるように思います。


続いていただいたのは、料理を選ぶ際、先日の「鴨づくし」に続いて「今日も鴨だな」と思いながら選んだ「鴨のネギ味噌」で、甘味ではありましたがネットリ感とツブツブ感も良く、追加でお願いした福島県の地酒「純米生もと・大七」をいただくペースがついつい早くなってしまう、日本酒との相性がとても良い一品でした。


さて、お昼には少し早い時間ではありますが、年配のご夫婦を中心に来店するお客さんが増えてきたことから蕎麦をお願いすることにします。

こちらの『手打ちそば処・椿屋』さんでは「石臼挽き」、「更科」、「田舎」という3種類の蕎麦を用意していて、この中から好きな蕎麦を選ぶことが出来る仕組みになっています。

そして、この3種類の中から好きな2種類を選ぶことの出来る「合重ね」(二色せいろ)というメニューがあったことから、その「合重ね」を「石臼挽き」と「田舎」でいただくことにしました。ちなみに、お願いした「合重ね」は冷たい蕎麦2種類ですが、もり(冷たい蕎麦)とかけ(温かい蕎麦)をセットでいただくことの出来る「もり、かけ1杯」というメニューもあります。


二色、三色、五色といった蕎麦の場合、1枚当たりの量はお店によって異なりますが、1枚が普通盛りサイズでそれを複数枚いただき少々食べ過ぎたかな?となる場合があることから、どんな量の蕎麦が出てくるんだろうか?と考えていると、ほぼ1人前の量と思われる「石臼挽き」の蕎麦が目の前に置かれます。

なお、蕎麦汁は猪口と徳利の両方に入っていて、2枚の蕎麦と蕎麦湯をいただいても余るであろう程タップリ用意されています。


少々ゴツゴツザラザラしているのかな?という第一印象の、ホシが点々と散りばめられている「石臼挽き」をまず蕎麦汁に付けずそのままいただいてみると・・・。

な、な、なんと、美味しいじゃないですか!!!。

もっちりした弾力感の感じられる歯応えと、噛めば噛むほどジワリと感じられる蕎麦の風味が心地良く、穏やかな辛さの蕎麦汁を付けてももちろん美味しいですが、山葵も蕎麦汁も付けずにそのままいただいた方が美味しいのではないかと思う素晴らしい蕎麦でした。


タイミング良く運ばれてきた2枚目の色黒い「田舎」は、「石臼挽き」に比べてよりジャキジャキ感が感じられますが、これもまたしっかりした歯応えの感じられる、いかにも穀物をいただいているという野性味溢れる美味しい蕎麦で、「石臼挽き」同様蕎麦汁を付けずにいただくことのできる見事な蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば処・椿屋』さんは、お昼ということもあってかお酒を注文するお客さんはおらず、年配のご夫婦や家族連れのお客さんが楽しく蕎麦をいただくことの出来る、地元に根付いた町のお蕎麦屋さんでしたが、お酒の品揃えにも拘りが感じられるなど、充実した蕎麦前を楽しむことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そして、蕎麦に関してはこれ以上何も言うことの無い、蕎麦汁不要の感動すら覚える素晴らしい蕎麦がとてもリーズナブルな価格で提供されており、お酒良し、料理良し、そして蕎麦はズバ抜けて良しという、とても高い満足感を得ることの出来たお蕎麦屋さんでした。

いや~、本当に美味しい「石臼挽き」蕎麦でした。
ごちそうさまでした。


『日曜庵@下町・柴又』さんの濃厚な旨味の「なごり雪」

2015-05-01 10:58:00 | 東京23区(葛飾区)

朝一番で根津(東京都文京区)の「手打ちそば 根津・鷹匠」さんで蕎麦前と蕎麦をいただいた後、電車を乗り継いで葛飾・柴又へと向かいました。

向かったのは、金・土・日の週3日しか営業していない『そば喜り・日曜庵』さんですが、開店時間には少し早いのでまずは参道をブラブラしながら柴又帝釈天へ。その後、事前にお店の場所を確認しておこうと思い大通りから住宅街へ一歩入ると、遠くから見ても「あれがお店だ!。」と分かる、「下町・柴又」という言葉から勝手に想像する町並みのイメージとは異なる地中海風(?)のお店が姿を現します。

そして、とりあえずお店の前まで行ってみると、11時半だと思っていた開店時間は11時とのこと。
11時半だと思って訪れていたら席待ちだったかもしれないとホッと一安心したところで、開店時間まで少し時間があることから直ぐ近くの「矢切の渡し」でしばし休憩し、再度開店時間に合わせてお店に向かってみると、既に1名の方がお店の前で開店を待っています。

人気のあるお蕎麦屋さんなので、やはり金曜日を目指してくるお客さんも多いのかな?と思っていると、開店時間少し前にご主人がお店の中から顔を出し、店内へと案内されます。

店内は、板張りの床に天窓付きの高い天井という作りになっていて、雰囲気も外観の印象と同じく地中海風で、蕎麦というより海鮮を中心とした地中海料理が出てきそうな感じです。


そんな雰囲気を感じながら濃い茶色のテーブル席に着いてメニューを広げると、お蕎麦屋さんらしく飲み物はビールと日本酒が中心となっていて、飲んだことのない日本酒ばかりが並んでいます。


しかし、これといった決め手が無く、また、暑い中歩き回ってジワリと汗をかいていたことから生ビールをいただくこととし、料理もサッパリした物が良いかな?と思い、「なごり雪」(ざる豆腐)をいただくことにします。

と、料理とお酒をまずお願いしようとしましたが、「蕎麦も受けておきます。」とのこと。まぁ、料理とお酒を追加する予定は無く、今回はいただく蕎麦も決めていたので一緒に「鴨汁せいろ」をお願いします。


いただいた「なごり雪」(ざる豆腐)には、キリリと辛い濃い目の醤油とオイルと粗塩が添えられていて、それぞれでいただいてみましたが、しっかりした濃厚な旨味が感じられる美味しい豆腐なので、何も付けずにそのままいただくのが一番美味しいように思います。


さて、そろそろ蕎麦を・・・。と声を掛けようかと思ったところで「お蕎麦お持ちします。」と先に声を掛けられ運ばれてきた「鴨汁せいろ」は、細かく刻まれた鴨肉の入った鴨汁と、ジュージューと音を立てている柔らかく美味しい鴨焼きと、厚めに切られた鴨の燻製が1枚付いた、あれこれ鴨を楽しめる「鴨づくし」料理でした。


そして、かき混ぜ棒が添えられている濃厚な蕎麦湯を最後にいただいて、今日2軒目の「下町のお蕎麦屋さん巡り」が終了となりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば喜り・日曜庵』さんは、週末3日しか営業していないということで訪れるタイミングをあれこれ考えていたお蕎麦屋さんでしたが、同じように、訪れることを楽しみにしているお客さんも多いようで、のんびりくつろぐという雰囲気でも無かったことから、滞在時間わずか30分という短い時間でお店を出ることにしました。まぁ、「ぜひ一度」という思いをクリアできたので良しとしましょうか。

さて、腹具合が可能なら、朝+昼営業で3軒のお蕎麦屋さんを巡ってみたいと計画した「下町のお蕎麦屋さん巡り」でしたが、さすがに3軒は厳しく、この後予定していた京成立石のお蕎麦屋さんには立ち寄らず、今日は2軒で終了することにしました。

結果から言うならば最初から2軒の予定で、最初の鷹匠さんでもう少しのんびりし、その後ブラブラしながら腹を空かせ、行ってみたい京成立石に向かうのが正解だったかもしれません。

ごちそうさまでした。