蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『一東庵@東十条』さんの「とうもろこしのかき揚げ」

2014-08-02 13:35:00 | 東京23区(北区)

JR埼京線・十条駅近くに所用が生まれたことから、所用を済ませた13時半過ぎ、うちの奥さんと2人で一度訪れてみたいと思っていた『石臼挽手打蕎麦・一東庵』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

お店はJR京浜東北線・東十条駅から徒歩2~3分程度の所にありますが、人通りの少ない静かな路地にそっと佇んでいて、落ち着きのあるその外観から、「昼でものんびり飲めそうだ。」と期待が高まります。

そして、早速お店の中に入ってみると、店内は明るく、床やテーブルは白木で統一されていて、木の温もりと落ち着いた心地良さが感じられます。


今日は休日ということもあってお店は混雑しているかと思いましたが、予想に反して店内は空いていて、明るい窓際のテーブル席に着いてとりあえず生ビールをお願いしてからメニューを広げます。

一品料理は冊子になっているメニューの他に、紙に書かれたメニューが壁に貼られているなど品数も多く、どうしようか迷ってしまいますが、直ぐに出てきそうな「わさび二点盛」と、あればいただく「焼き玉子」、そして空腹を満たしてくれる「鴨ロース炙り」をいただくことにします。


まず最初にいただいた「わさび二点盛」は、2種類のワサビが盛られていて、どちらが好みか確認しながらじっくり味わいましたが、甲乙つけることの出来ない、どちらも同様に美味しいワサビでした。


続いて運ばれてきた「焼き玉子」は、焦げ目の無い綺麗な玉子焼で、甘さは感じられないものの出汁の旨みがそっと感じられる、丁寧に作られた美味しい玉子焼でした。


さて、暑さもあってビールの減りも速く、玉子焼に手を付け始めたところでビールが無くなってしまったため、冷たい日本酒をいただこうと思い再びメニューを開きます。

メニューには、見掛けることの多い馴染みのある銘柄から初めて見掛ける銘柄まで約10種類ほどの日本酒が並んでいて、間違い無く美味しい日本酒もありましたが、「今日はこれだ!。」と心が動かされる銘柄が無かったことから、結局、何度か飲んでいるにも関わらず、味の記憶が薄く「どんな味だったっけ?。」という思いが湧き上がった栃木県の地酒「特別純米・四季桜」をいただくことにします。

なお、お酒は5勺からお願いできるとのことでしたが、5勺ではしっかり味わう前に無くなってしまうので、迷うことも無く1合でお願いします。


いただいた栃木県の地酒「特別純米・四季桜」は、穏やかな旨味の感じられる味わいで、もちろん美味しい日本酒ではありますが、暑さ厳しい日にサッパリ爽やかにいただく日本酒ではなかったかもしれません。

が、しかし・・・。
最後に運ばれてきた「鴨ロース炙り」が絶妙な塩加減の美味しい一品で、旨味の感じられる「四季桜」との相性も良く、結果、鴨ロースとお酒の両方を美味しくいただくことが出来たように思います。


今日は、混雑していることを想定してお昼時を大きく外して訪れましたが、時間をずらし過ぎたため思いのほか早くラストオーダーの時間(14時)を迎えてしまいます。

まぁ、美味しい料理を十分いただいたので問題はありませんが、時間に余裕があれば飲んだことの無い宮城県の地酒「純米吟醸・伯楽星」をいただいてみたかったかな?と思います。

さて、ラストオーダーなので蕎麦をお願いしようと思いますが・・・。
うちの奥さんが店内に掲示されていた「とうもろこしのかき揚げ」を食べたいというので、「とうもろこしのかき揚げせいろ」にしようと考え、「とうもろこしのかき揚げ」と「せいろ」をお願いしたところ、かき揚げだけが先に出てきてしまい、結局、「とうもろこしのかき揚げ」を単品でいただくことになりました。

結果単品でいただいた「とうもろこしのかき揚げ」は、とうもろこしが衣でしっかり包まれていましたが、ボテッとしておらず、とうもろこしの甘みを感じながらサクサクッと美味しくいただきました。

なお、かき揚げにはやや茶色の塩が添えられていましたが、単純な岩塩でもなさそうで・・・と、それが何であるかは分かりませんでしたが、まろやかな塩味で天婦羅を美味しく引き立ててくれました。


最後にいただく蕎麦ですが、メニューを見ると「産地せいろ」と「二八せいろ」という2種類のせいろ(どちらも石臼引き手打ち)が基本となっていますが、その違いは明記されておらず、産地の異なる2種類や、せいろとかけを食べ比べることの出来るメニューになっているようですが、正直、分かり難く、書かれているメニューの名称で蕎麦をお願いすると何が出てくるのか分からない状況です。


ということで、「美味しいお蕎麦屋さんは十割を頼まなくても、二八で十分美味しい。」という自分なりの考えに基づき、どれが自分の食べたい蕎麦かなんて考えることもせず、ただ単に「2つの異なる産地の冷たい二八蕎麦を食べたい。」と自分の食べたい内容をそのまま花番さんに伝えると、「でしたら、二八と産地二種盛です。」と教えてくれたので、その「二八と産地二種盛」をお願いします。

そして運ばれてきた1枚目の二八蕎麦(せいろ)は栃木県益子産のひたち秋蕎麦で、食べ慣れている普通の蕎麦という印象でしたが、喉越しも良く何ら抵抗感無く美味しくいただきました。


2枚目の二八蕎麦(せいろ)は福井県産の大野在来で、甘みの感じられる蕎麦でした。
また、うちの奥さんは「二八せいろ」(単品)をいただきましたが、同じく福井県産の大野在来でした。

なお、蕎麦汁は雑味の感じられないクリアな蕎麦汁で、蕎麦を美味しく食べさせてくれる、上品で程良い辛さの蕎麦汁でした。ただ、せいろ二枚と蕎麦湯をいただくにはもう少し量がほしいかな?と思います。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『石臼挽手打蕎麦・一東庵』さんは、雑誌等で取り上げられることも多いことから、混雑を避けるため意図的に遅めの時間に訪れましたが、先客は1人で訪れているお客さん2名のみで、過剰に混雑を意識し過ぎることはないのかな?という感じでした。

そのようなこともあり、静かでゆったりした「大人の空間」で、美味しい料理と蕎麦をのんびりいただくことの出来るお蕎麦屋さんではないかと思います。

ごちそうさまでした。