蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『まるやま@代田橋』さんの「たらこのわさび漬け」

2017-06-23 13:45:00 | 東京23区(杉並区)

所用のため休暇を取得した週末金曜日の昼下がり、一度訪れてみたいと思っていた、京王電鉄・代田橋駅から徒歩数分の所にある『手打蕎麦・まるやま』さんの暖簾を潜ってみました。

お店に到着したのが、予定よりも遅い14時少し前であったことから、あまりのんびりもしていられないな(ラストオーダーは14:30)と思いながら早速引き戸をガラガラと開けてみると、先客は静かにお蕎麦をいただいている年配のご夫婦1組のみと、いかにも「平日の昼下がり」という雰囲気です。


入り口近くの席に着いて、ダラダラと流れる汗を拭いながら、まずは生ビールの(小)をお通し(鴨のくんせい)付きでお願いします。そして、改めてメニューをじっくり眺め、時間が掛からないだろうと思われる「たらこのわさび漬け」と空腹を満たしてくれるであろう「玉子焼き」をお願いします。


ビールの肴にいただいた「たらこのわさび漬け」は、わさびの爽やかな辛味と新鮮さの感じられるタラコのツブツブ感がとても好印象で、なかなかの逸品です。


少々時間を要した「玉子焼き」は、出汁をたっぷりと使用して作られたのか出汁がジワリと滲み出ている玉子焼で、甘過ぎることのないほのかな甘さがとても良い感じです。

なお、「玉子焼き」を肴に岐阜県の地酒「無ろ過生酒純米酒・房島屋」(ぼうじまや)をいただきましたが、スッキリした口当りでありながらしっかりした旨味の感じられる美味しい日本酒でした。


さて、ラストオーダーの時間が迫ってきたことから、せいろと田舎の「二種せいろ」をお願いしようかと思いましたが、壁に貼られていた季節のおそば「花巻の冷かけ」に目が止まり心が揺れ動いてしまったことから、その「花巻の冷かけ」をいただいてみることにします。

初めていただいた好物「花巻」の冷かけは、腰のある細麺と出汁の効いた蕎麦汁にサッパリ感が感じられ、また、温かい花巻とは印象が異なる、涼しさの感じられる冷たい海苔の風味が心地良く、添えられていた山葵を絡めて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・まるやま』さんは、女性一人でも家族連れでも気軽に立ち寄ることのできる、明るく柔らかい雰囲気のお蕎麦屋さんでした。

そして、いただいた料理のいずれにも丁寧さが感じられるなど、心温まる料理をいただきながら平日の昼下がりをのんびりと過ごすことのできる、高い満足感を得ることのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『ふるやま@南阿佐ヶ谷』さんの「おまかせ野菜もん2品」

2016-08-06 14:35:00 | 東京23区(杉並区)

神保町の本屋さんへ出掛け、そろそろお昼御飯にしようかな?と思って時計を見ると既に13時過ぎ。
電車で移動しても良いので、冷えたビールを飲みながら週末の昼下がりをのんびり過ごせるお蕎麦屋さんはないかと、お蕎麦屋さんが充実しているJR中央線沿いを探してみると、東京メトロ丸の内線・南阿佐ヶ谷駅から徒歩6分程度のところに中休みの無いお蕎麦屋さんを発見。

ということで、更に時間をずらして、マッタリできる14時半頃到着予定で南阿佐ヶ谷の『蕎・ふるやま』さんへと向かうことにしました。

お店に到着したのは予定通り14時半過ぎで、こじんまりとした店内に先客は男女1組のみと、のんびりした一時を過ごすことができそうな雰囲気です。そして、「お好きな所にどうぞ!」との案内を受けて、5席ほどある、一枚板で作られたカウンター席右端に着きます。


席について、やはり最初はビールかな?と思いながらメニューを開きますが、目の前に置かれている銀河高原ビールの案内に目が止まります。初めていただくビールでも珍しいビールでもありませんが、ビールは最初の一杯あれば十分という時には適量かな?と思えるサイズ(320ml)だったことから、今日の蕎麦前は銀河高原ビールでスタートすることにしました。


また、空腹ということもあり、料理は直ぐに出てきそうな物をいただこうと思い、いつもと変わらない注文になってしまいますが「鴨ロース」をいただくこととし、併せて、「乾生海苔」(ほしなまのり)という食べたことの無い料理をいただいてみることにしました。


銀河高原ビールと一緒にいただいた「鴨ロース」は、少々硬めかな?と思う食感でしたが、濃い目に味付けされていて、フルーティーな「バイツェン」との相性も良く、まるでフレンチでもいただいているような感覚で美味しくいただきました。


「鴨ロース」をいただいている途中でビールが無くなったことから、美味しそうな銘柄が並んでいる日本酒のラインナップの中から、静岡県の地酒「純米吟醸生原酒・臥龍梅<袋吊り雫酒>」をお願いします。


どんな料理なんだろうか?と興味津々でお願いした「乾生海苔」は、見た目はいかにも乾燥させた海苔で、パリパリした食感かと思いましたが、いざいただいてみると予想とは異なるふんわりフワフワした柔らかい食感で、「乾かした生海苔」(?)という感じの料理でした。まぁ、名前そのままの料理ということですね。


なお、いただいた「純米吟醸生原酒・臥龍梅<袋吊り雫酒>」は、生原酒ということで爽やかな味わいかと思いましたが、ふわりと広がる旨味のある美味しい日本酒でした。


時刻は間も無く15時になろうとしている時間ということもあってか、後客は一人で訪れた女性のみですが、そのお客さん、馴染みのお客さんなのか迷わず「おまかせ野菜もん2品」と島根県の地酒「純米無濾過本生・王禄<超辛口>」をお願いして、すっかりくつろいでいます。

その様子を見て、「おまかせ野菜もん2品」が一体何だか分かりませんが、馴染みのお客さんらしい女性がいただいている料理ということで「きっと美味しいのだろう」と思い、いただいてみることにします。

いただいた、「おまかせ野菜もん2品」は、「ぬか漬け」と「ナス味噌のピリ辛炒め」(かな?)の2品で、「ぬか漬け」はやや硬めのしっかりした歯応えがとても美味く納得の糠付けでした。

また、「足りなければ・・・。」(味が薄ければ)と醤油を用意してくれましたが、旨味のある日本酒の肴としてはこのままで十分に美味しく、量も多いことから、気分良く「臥龍梅」をもう一杯いただくことにします。

もう1品は「ナス味噌のピリ辛炒め」で、控え気味のビリ辛具合がなかなか美味しいです。

それにしても「おまかせ野菜もん2品」の満足度は高く、この「おまかせ野菜もん2品」があれば「鴨ロース」も「乾生海苔」も不要だったかな?と思えるほどの充実した料理でした。


さて、料理もお酒も美味しく、さらに通し営業のお店にお客さんは2名だけとまだまだ気分良くのんびりくつろげる状況ではありましたが、満腹に近い腹具合になってきたことから、群馬県赤城村産の北早生そばで打った蕎麦をいただくことにします。


いただいた「せいろ」は、細麺の蕎麦がザルの真ん中にこんもり盛られていて、「一見、量が多いように見えるけど実は・・・。」と思う方がいるかもしれませんが、見た目だけではなく実際に蕎麦の量は多く、しっかり満腹にしてくれました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎・ふるやま』さんは、目立った特長も見られないようにも見えますが、照明を落としたやや暗めの店内には落ち着きと柔らかい温かみが感じられ、週末に通し営業しているということと併せて、気どったところの無い美味しい料理とお酒をいただきながら週末の昼下がりをのんびり過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

そして、ちょっと飲み過ぎちゃったかな?と思っても、計算間違っていません?と思ってしまうほど良心的な価格で、そのコストパフォーマンスも含めて、高い満足感を得ることのできたお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『鞍馬@西荻窪』さんの「珍味いかのめぼう塩焼き」

2016-04-17 14:15:00 | 東京23区(杉並区)

所用で東京都の西部に位置する八王子を訪れたその帰り道、土日祝日は夕方まで通しで営業している『自家製粉手打蕎麦・鞍馬』さんで遅い昼食を取ってから帰宅しようと思い、急遽、JR中央本線・西荻窪駅で途中下車することにしました。

西荻窪駅から程近いお店に到着したのは、14時過ぎという昼時を終えた時間ではありましたが、2人掛けと4人掛けのテーブル席は全て埋まっていて、なかなかの賑わいを見せています。

そして、空席待ちかな?と思っていると、7人程度が座れる大きなテーブル席に運良く空席ができたことから、待つこと無く大きな石臼と相席することになりました。

席に着いてまずお酒のメニューを眺めると、魅力的な日本酒が手頃な価格で提供されていたことから、ビールは迷うことも無くパスして、まずは山形県の地酒「吟醸・出羽桜」をいただくことにします。


次に料理ですが、今日は最初から日本酒であることを意識しながらメニューを眺め、「帆立貝のひも甘辛煮」をいただこうかと思いましたが、残念ながら品切れとのことなので、すぐに出てくるであろう「伊豆わさびのかえし漬け」と「珍味いかのめぼう塩焼き」をお願いします。


最初にいただいた「伊豆わさびのかえし漬け」は、シャキッとした歯応えと程良い辛さがなかなか美味しく、旨味タップリの華やかでフルーティーな味わいの「吟醸・出羽桜」が、スイスイと進んでしまいます。


続いていただいた初体験の「珍味いかのめぼう塩焼き」は、絶妙な塩加減と少々苦味の感じられる焦げ目がとても美味しく、焼き鳥でいうなら「ハツ」(心臓)のようなプニュプニュっとした食感がまた何とも言えず、食べていて楽しさを感じる一品でした。

ちなみに、地域によって呼び方は異なるようですが、「めぼう」とは「烏賊の口」のことです。


さて、14時半を過ぎても席待ちのお客さんがいることから早めに切り上げようかな?とも思いましたが、今日はいつも以上に空腹を感じていることに加え、料理もお酒も美味しく、更には居心地が良いことから、「鴨ねぎ焼き(モモ肉)」と一緒に静岡県の地酒「吟醸・初亀」を追加でお願いします。

追加でいただいた「鴨ねぎ焼き(モモ肉)」は、ねぎのシャキシャキっとした食感とタレの甘辛具合が程良く、空腹を満たしてくれる美味しい鴨肉料理でした。また、静岡県の地酒「吟醸・初亀」は、日本酒らしい味わいとキリリと引き締まった辛口の味わいがまずまずの美味しい日本酒でした。


美味しい料理を肴にまだまだ飲んでいたい居心地の良さではありますが、1組帰っては1組訪れるという混雑振りであり、また、美味しい料理に空腹も満たされたことから蕎麦をお願いすることにします。

蕎麦をいただこうと思いメニューに目を向けると、「甘皮多めの太そば」という文字に目が止まりますが、やはり初めて訪れたお蕎麦屋さんなので「白目の標準的なそば」である「箱盛そば」をお願いします。


いただいた「箱盛そば」は、ツユを付けずにそのまま食べても美味しく食べ易い蕎麦で、蕎麦汁はやや甘目なのかな?と感じてしまう熟成した旨味の感じられる美味しい蕎麦汁でした。
また、薬味のワサビは酒の肴にもなる美味しいワサビでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『自家製粉手打蕎麦・鞍馬』さんは、花番さんの丁寧でそつの無い接客がなかなか好印象で、休日の昼下がりを、美味しい料理とお酒をいただきながらのんびりと過ごしている年配の御夫婦が散見されることからも分かる通り、居心地の良い大人のためのお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『くら家@高円寺』さんの柔らかく旨い「焼鴨と九条葱」

2015-10-10 11:05:00 | 東京23区(杉並区)

東京・青山で行われる社会人ラグビーの試合を観戦する前に、蕎麦前と蕎麦をいただこうと思い、少々遠回りではありますが、JR中央線・高円寺駅から程近い『手打ちそば・くら家』さんへと向かいました。

お店に到着したのは開店したばかりの午前11時を少し過ぎたところでしたが、こじんまりとした細長い造りの店内には既に数名のお客さんが席に付いていて、若い男性の花番さんが料理のメニューを各テーブルに置き始めるところでした。

そして、席に着くと同時にそのメニューが差し出されますが、これって夜のメニュー?と思ってしまう程充実している品揃えで、更にお酒の品揃えがこれまた・・・。


ということで、さすがにお昼からこれら全ての料理がOKってことは無いだろうと思い、花番さんに確認してみたところ、刺身を含めて全ての料理がOKとのこと。

それはすごいと思いながら改めてメニューに目を向けていると、「飲み物はどうしますか?。」と声を掛けられたので、お気に入りの日本酒でもある三重県の地酒「特別純米・而今」をお願いします。


用意されている料理は、あれも食べたいこれも食べたいと迷ってしまう程豊富な品揃えですが、25年程前、出張で訪れた釧路でいただいたハッカクのネギ味噌焼きが美味しかったと今でも記憶に残っている、そのハッカクの刺身があったことから、本鴨を使用した「焼鴨と九条葱」と一緒にお願いすることにしました。

少々時間を要したことから、「やはり昼に刺身は迷惑だったかな?」と思った「はっかく刺」ですが、刺身だけではなく骨揚げ(?)が添えられて、盛り付けの丁寧さと併せて時間が掛かることに納得です。

そして、まず塩が振り掛けられ味付けされているという骨揚げをいただいてみると、パリパリの食感と塩加減が程良く、実に美味しいです。また、刺身はコリコリというよりもやや柔らかめかな?という食感の、ビールではなく初めから日本酒にして良かったと思える、日本酒との相性が絶妙の素晴らしい料理でした。


追って運ばれてきた「焼鴨と九条葱」は、肉の柔らかさといい、タレの旨味といい、思わず「旨い!」と唸ってしまう、絶品と言っても過言では無いとても美味しい鴨焼きでした。


美味しいお酒と料理をいただき高い満足感に浸っていると、16人程で満席となる店内はいつの間にか蕎麦を食べに来ている若いカップル、ご夫婦、子供連れの家族等で埋まっていて、そろそろ席を空けなければならないかな?と思っていると、花番さんに「お酒どうします?。」と声を掛けられたので、「するめいかげそ肝焼」に心が揺れ動いたものの、最後に「東洋美人」をいただいて蕎麦前を終えることにしました。

にこやかに微笑む花番さんに「口開けです。」と言われながら、山口県の地酒「純米吟醸・東洋美人」がグラスに注がれる光景を眺めていると、何だかとっても贅沢な時間を過ごしているように思え、これを「至福のひととき」というのかな?と思ってしまいます。

さて、席を待っているお客さんはいないもののお客さんの出入りが多く常に8割程度席が埋まっている状態であることから、まだお酒が残っている状況ではありますが「せいろもり」をお願いします。

蒸篭2段重ねで運ばれてきた蕎麦は、子供から年配の方まで幅広い年齢層の方に広く受け入れてもらえる食べ易く喉越しの良い蕎麦で、蕎麦汁は雑味の感じられないクリアで綺麗な味わいでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・くら家』さんは、気さくでほのぼのとした雰囲気の感じられる、子供から大人までみんなから愛される町の小さなお蕎麦さんでした。

そして、「酒」良し、「接客」かなり良し、「料理」はずば抜けて良しの3拍子揃った満足度の高いお蕎麦屋さんで、何も言うことの無い素晴らしいお蕎麦屋さんでした。まぁ、マイナス要素をあえて無理やり探すとするならば、「混雑している」というところくらいかな?。

美味しい料理と心地良い憩いの一時をごちそうさまでした。


『本むら庵@荻窪』さんの柔らかい「つぶ貝しぐれ煮」

2015-05-05 11:00:00 | 東京23区(杉並区)

ゴールデンウィークも残り2日となった5月5日こどもの日。
国分寺に出掛ける所用があったことから、JR中央線・荻窪駅と西荻窪駅との丁度中間にある、大正13年創業の老舗蕎麦屋『御免蕎麦司・本むら庵』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店には、荻窪駅からスマホの地図を頼りに徒歩で向かいますが、進んでも進んでも住宅街で、「本当にこんな住宅街の中に老舗のお蕎麦屋さんがあるんだろうか・・・。」と思っていると、老舗の佇まいが感じられるお店が目の前に突然現れます。

そして、開店前ではありますが既に年配の男女3人組のお客さんが開店を待っていて、「へぇ~、さすがだ!。」なんて思いながら付近を見渡してみると、お店の隣に広々とした専用の駐車場があり、こんなに大きな駐車場が必要なほど混雑するんだろうか?と少々驚きです。


さて、開店時間となり、花番さんの丁寧な案内を受けて窓際の4人掛けテーブル席に着きます。
正直、混雑することが簡単に予想できることから「2人掛けテーブル席で良いのに・・・。」と思いましたが、2人掛けテーブル席は用意されていないようなので、申し訳なく思いながら広々とした4人掛けテーブル席を使わせていただくことにします。

席に着いて早速メニューを広げますが、メニューは冊子になっている通常のメニューと季節のおすすめ品が書かれたメニューとがあり、あれこれ検討した結果、無濾過・限定醸造生ビール「白穂乃香」と一緒に「つぶ貝しぐれ煮」と「磯揚」をお願いすることにします。


いただいた「白穂乃香」は、記憶によると初めていただくビールで、苦味は感じられず、華やかできめの細かいまろやかさとサッパリした爽やかな後味が美味しいビールでした。


最初に運ばれてきた北海道厚岸産のつぶ貝を使用した「つぶ貝しぐれ煮」は、柔らかく煮込まれているものの貝ならではのコリコリとした歯応えで、やや甘い味付けかな?と思いますが、噛めば噛むほど旨味の広がる何とも言えない美味しい一品でした。


美味しいビールと料理をいただきながら何気なく店内を眺めていると、途切れること無く続々とお客さんがやってきて、お座敷を含めてアッと言う間にほとんどの席が埋まってしまったようです。

そんな様子を眺めながら、休日の昼時に蕎麦前はまずかったかな?なんて少々気まずい思いを感じていると「磯揚」が運ばれてきます。

「磯揚」は、メニューの説明書きを引用させていただくならば「海老入り、蕎麦のり巻素揚げ」で、予想していたよりも細く小さい海苔巻きでしたが、海老のプリプリ感がなかなか良い感じの一品でした。


さて、「磯揚」がまだまだ残っていて店内は混雑していますが、もう少し蕎麦前をいただきたいと思い、ビールが無くなったタイミングで剣菱・樽酒(冷酒)と「おきつね焼き」を追加でお願いします。

料理とお酒を追加したところで窓の外に目を向けると、先ほどからずっと中庭の手入れをしている若い男性の姿があります。最初は、ただの庭の手入れかな?なんて思いながらぼんやり眺めていましたが、既に長い時間行われていて、それも、よく見るとピンセットのような道具を使用して行っています。

これも修行の一つ(?)なのかもしれませんが、緑豊かな中庭の中から抜いて良い草だけをピンセットで一つ一つ丁寧に抜いていく作業ってとても大変な作業で、そんな大変な作業を行っている店員さんの目の前で昼からお酒なんかいただいてしまい・・・と、申し訳ない思いが更に膨らんでしまいます。

でもまぁ、そうは言いながらも美味しい料理とお酒をいただいてしまうんですけどね。すみません。


ということで、粗塩とともに運ばれてきた剣菱を早速いただいてみると、冷え具合も良く、ほんのり香る樽香も申し分無く実に旨いです。


そんな剣菱の旨さに浸っていると、鴨肉を油揚げに詰め込んで焼いた「おきつね焼き」が運ばれてきます。
いただいた「おきつね焼き」は、柚子の香りがとても良いアクセントになっている鴨らしい味わいとパリッと焼けた油揚げのこんがり感がなかなか美味しく、剣菱がスイスイと進んでしまいます。


腹具合も満たされてきたところで「せいろ」をいただきましたが、ほんのり甘味の感じられる蕎麦で、まろやかな旨味の蕎麦汁に付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『御免蕎麦司・本むら庵』さんは、広々とゆったりしたフロアと、遠方から車で訪れることを可能とする広々とした駐車場を備えているお蕎麦屋さんで、何人いるのか数えられない程多くの花番さんがキビキビとそつ無く動き回っている、活気と賑わいの感じられるお蕎麦屋さんでした。

そしてその花番さん達、大勢のお客さんを相手に忙しいはずなのにバタバタとすることも無く常に落ち着いていて、お店の中にも外にも席を待つお客さんが溢れている状況にも関わらず、蕎麦前の追加注文にも嫌な顔一つ見せない丁寧な接客で、「忙しい時にお酒なんかいただいて申し訳無い。」と思いながらも心地良い一時を過ごすことが出来ました。

ごちそうさまでした。

ちなみに、こんなに大きな駐車場が必要なほど混雑するんだろうか?と思ったお店の隣にある駐車場ですが、帰る時は満車で、誘導してくれるおじさんまでいるという驚きの状況でした。