出張帰りの金曜日、京浜急行電鉄・平和島駅から徒歩15分程度のところにある『手打蕎麦・しのはら』さんに立ち寄ってみました。
お店に到着したのは18時前で、暑さ厳しい中、西日を浴びながら18時の開店時間を待つのは厳しいかな?と思っていると、既に暖簾が掛かっており、「夜の部は17時半から」とのこと。
認識していた開店時間が誤っていましたが、その誤りに「良かった!」と思いながら、まるで歴史ある銀行のような佇まいの洋館へと入ってみると、こじんまりとした店内ではありますが、レトロ感の感じられる個性ある独特の雰囲気が感じられます。そして、スリッパに履き替え、ご主人の案内に従い6人掛けのテーブル席に着きます。
席に着いて、静かに流れるクラシック(BGM)に耳を傾けながらメニューを開いてみると、通常の「おつまみ」に加えて「季節のおつまみ」がいくつか用意されています。そして、両方のページを行ったり来たりしながら、瓶ビール(中瓶)と一緒に「くずし豆腐(冷奴)」と「だし巻き玉子」をいただくことにします。
最初にいただいた、季節のおつまみ「くずし豆腐(冷奴)」は、一見ボソボソ感が感じられそうでしたが、いざいただいてみるとそのようなことは全く無く、醤油を付けずにそのままいただいた方が美味しいかな?と思う程しっかりした美味さです。
なお、豆腐そのものが美味しいのはもちろんのこと、大葉をはじめとする薬味がしっかりと豆腐の味わいを引き立てていて、サッパリ美味しくいただくことのできる冷奴でした。
喉が渇いていたこともあり、ビールがアッという間に無くなってしまったことから、「だし巻き玉子」が運ばれてきたところで山形県の地酒「純米吟醸・山法師」をお願いします。
見た目も美しい「だし巻き玉子」は、甘過ぎることの無い程良い甘さと旨味がなかなか好印象な、とても美味しい玉子焼でした。
また、玉子焼に日本酒は合わなかったかな?と思いながらいただいた「純米吟醸・山法師」は、後から感じるスッキリした辛口の味わいがまずまずで、ほんのり甘い玉子焼との相性もよく、仕事の疲れを綺麗に洗い流してくれる美味しい日本酒でした。
お店を訪れた時は独特の雰囲気に少々緊張感を感じましたが、静かで落ち着いた店内は居心地が良く、併せて奥さんなのかにこやかに微笑む花番さんの穏やかな接客も心地良く、いつのまにか「のんびりした憩いの一時を過ごさせていただこう」という気分になっていたことから、「天ぷら盛り合わせ」と「純米吟醸・山法師」のおかわりをお願いすることにします。
いただいた「天ぷら盛り合わせ」は、見た目も美しい2人前と思われる盛り沢山の天婦羅盛合せで、目の前に置かれた時は「量が多いかな?」と思いましたが、脂っこさを感じることなくサッパリといただける上品な天婦羅盛り合わせでした。
充実した蕎麦前に高い満足感を感じたところで「もり蕎麦」をお願いします。
まず、運ばれてきた蕎麦汁を軽く舐めてみると、スパッとシャープな辛さが感じられましたが、じっくり味わってみるとしっかりした旨味が感じられ、後味も良くなかなか美味しいです。
また、蕎麦は少々太めでコシの強さが感じられたものの喉越しが良く、量も多く感じていた満足感を更に高めてくれる蕎麦でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・しのはら』さんは、料理にしても接客にしても、「丁寧」という言葉の似合うお蕎麦屋さんで、特に奥さんと思われる花番さんの柔らかい人当たりと自然な微笑みがとても好印象な、憩いの一時を一人で静かに過ごすことの出来る居心地の良いお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。