所用で休暇を取った平日の昼下がり、小田急電鉄・東林間駅から徒歩7~8分程度の所にある『純手打ち十割蕎麦・蕎澤』(きょうたく)さんの暖簾を潜ってみました。
お店は、4人掛けテーブル席が3つと2掛けテーブル席が2つとこじんまりとしていますが、テーブルがゆったりと配置されていて狭いという印象は感じられず、昼時を過ぎた13時半ということもあってか、先客も年配男女2組のみと平日の昼下がりらしいのんびりした雰囲気が漂っています。
そんな、のんびりした雰囲気に浸りながら2人掛けテーブル席についてまずお酒を確認してみると、種類こそ限られているものの、厳選された美味しそうな純米酒が並んでいます。
しかし今回は、メニューに並んでいるお酒ではなく、テーブルの上に別途紹介されていた、兵庫県の地酒、冬季限定酒「しぼりたて山廃生酒・香住鶴」をいただくことにします。
お酒をお願いしてから再びメニューを開いて今度は料理を選びますが、「蕎麦打ちの後に作るから昼はできたて」という自家製豆腐が美味しそうなので、豆腐料理と蕎麦がセットになっている「豆ふづくし」と「だし巻き玉子」をお願いします。
口当たりなめらかで、ほんのり甘いフルーティーな冬季限定酒「しぼりたて山廃生酒・香住鶴」をチビチビいただきながら料理を待っていると、まず、温かく甘味すら感じられる「自家製おぼろ豆ふ」とまろやかな味わいの「おからのサラダ」が運ばれて来ます。
そして、写真を撮り終え「おからのサラダ」をつまみ始めたところで「卯の花の春巻き」とちょっぴり酸味の感じられる「ごまみ和え(白酢和え)」が運ばれてきて、「豆ふづくし」の豆腐料理が揃います。
いただいた豆腐料理は、全体的に控えめな味付けのようにも感じられましたが、逆に豆腐の甘味と旨味が生かされた美味しい豆腐料理ばかりで、特に、初めていただく「卯の花の春巻き」は具材となっている卯の花の優しい味わいが美味しく、納得の豆腐料理でした。
しっかりした食感に見えるものの、いざいただいてみるとフンワリフワフワの「だし巻き玉子」は、カツオの出汁が素晴らしいほどよく効いた、空腹を満たしてくれる美味しい玉子焼でした。
料理もお酒も美味しく、なかなか心地良い時間を過ごすことができていて気分も良いことから、「野菜の天ぷら」と「しぼりたて山廃生酒・香住鶴」を再度追加でいただきましたが、カボチャのホクホク感と、素材の良さが生かされた人参と玉葱の天婦羅がとても美味しい、納得の「野菜の天ぷら」でした。
最後にいただいた豆腐料理とセットになっている「盛りそば」は、喉越しの良い細麺の蕎麦と濃い口で旨味の感じられる蕎麦汁との相性も良く、ツルツルっと美味しくいただきました。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『純手打ち十割蕎麦・蕎澤』さんは、駅から離れた住宅街の中で、人当たりの柔らかい年配のご夫婦が営んでいる静かで落ち着いたお蕎麦屋さんでした。
そして、厳選されたお酒をいただきながら、素材の味を大切にしているということが伺える数々の美味しい料理をいただくことのできる、夫婦でのんびり訪れたいお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。