蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『一仁@千歳船橋』さんの千葉県安房地方の特産品「くじらのたれ」

2017-11-24 13:30:00 | 東京23区(世田谷区)

所用で休暇を取得した金曜日の昼過ぎ、小田急電鉄・千歳船橋駅から徒歩3分程度のところにある『そば・一仁』さんの暖簾を潜ってみました。

平日の昼過ぎなのでそれ程混雑はしていないだろうと思いながら扉を開けてみると、12名程度が席に着くことのできるテーブル席は年配の方々で全て埋まっています。しかし、運良く席を立ったお客さんがおり、空席になるのを待つこともなく2人掛けテーブル席に着くことができました。

ラストオーダーまでの時間が限られていることから、ホッと一息つく前に早速メニューを広げますが、周りの方々はその多くがランチ(セットとコースがあるようです)をいただいているようです。そのため、料理は昼でも大丈夫か一応確認すると、笑顔で大丈夫とのこと。

そして、料理のメニュー持ってきますね!と言いながら「本日のお品書き」というメニューを取りに行ってくれましたが、定番メニューの中に「くじらのたれ」といういただいたことの無い料理があったことから、生ビール(小)と一緒に初体験の「くじらのたれ」と空腹を満たしてくれるであろう「鴨焼き」をお願いします。


まずいただいた「くじらのたれ」は、「醤油ベースのタレにつけた鯨の赤身部分を、干してあぶった千葉県安房地方の特産品」とのことで、「あたりめ」を柔らかくしたような食感の、ビールより熱燗が似合う料理でした。


「くじらのたれ」をいただいている途中でビールがなくなったので、生まれ故郷千葉県の地酒「山廃純米山田錦無濾過生原酒・岩の井」をお願いします。


次にいただいた京都産の鴨肉を使用した「鴨焼き」は、一見、キラキラした輝きに脂っこさが感じられなくもありませんが、いただいてみると脂っこさは感じられず、クニュっとした柔かな食感と甘味すら感じられる旨味がとても美味しいです。

また、いただいた山廃純米山田錦無濾過生原酒「岩の井」は、ほんのり甘口かな?と感じる口当りでしたが、酸味と旨味のバランスが良く、添え書き通りの後味の良い日本酒でした。


美味しい蕎麦前をいただきながらくつろいでいると、ラストオーダーの時間となり、花番さんがお客さんにラストオーダーの注文を聞きはじめたことから、蕎麦のメニューを眺め、「野菜天せいろ」をお願いします。


いただいた「野菜天せいろ」ですが、まず、食べ応えのありそうな蕎麦の量に驚きです。
そして一口いただいてみると、食感で細さが感じられるほどの細麺でしたが、穀物感の感じられるとても美味しい蕎麦でした。また、蕎麦汁は雑味の感じられないクリアな味わいでしたが、それでいてしっかりした旨味が感じられ、蕎麦同様なかなか美味しいです。


なお、カラッと揚がった天婦羅は素材の良さが生かされた見事な出来栄えで、時間が無かったこともあり、千葉県の地酒「岩の井」をあれこれいただきながらじっくり味わえなかったことがとても残念に感じられた、満足感の高い天婦羅でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば・一仁』さんは、ササっと蕎麦のみをいただいてお店を出て行くにはもったいない、平日の昼下がりに、清潔感の感じられる心地良い雰囲気の中で腰を据えて美味しい蕎麦前と蕎麦をじっくり楽しみたいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『廉@神田』さんの熱々「鴨つくね鍋」

2017-11-21 17:45:00 | 東京23区(千代田区)

都内での仕事を終え、夕食を取ってから帰宅しようと思いJR中央線・神田駅から徒歩5分程度のところにある『手打蕎麦・廉』さんへと向かいました。

お店に到着したのは18時前で、そろそろ仕事を終えたビジネスマンが集まり始める頃かと思いましたが、店内に先客の姿は無く、ご主人らしき方の案内に従い4人掛けテーブル席に着きます。


席に着いて早速メニューを広げると、美味しそうな日本酒が用意されていることから、小サイズの生ビールをとりあえず一杯いただき、その後日本酒をいただくことにします。

料理は、冊子になっている定番物のメニューとは別に「本日の肴・そば屋の一品」というメニューが用意されており、その中から、焼き物が重なってしまいますが「たらこわさびの炙り」と「厚揚げ焼き」をお願いすることにします。


まずいただいた「たらこわさびの炙り」は、「焼き」ではなく「炙り」であるその言葉通り、焦げ目がしっかり付いてはいるものの食感は柔らかく、日本酒がほしくなる一品でした。


追って運ばれてきた「厚揚げ焼き」は、振り掛けられている鰹節が美味しく、また、茗荷(かな?)の風味がとても良いアクセントになっている美味しい「厚揚げ焼き」でした。


喉が渇いていたこともあって、料理を食べ始めた時点でビールが空になってしまったことから、テーブルの上に置かれていた冊子のメニューから日本酒をお願いしようとしたところ、「今日の日本酒はこちらです」と、手書きの日本酒のメニューが差し出されます。


差し出されたメニューを見てみると、飲んだことの無い銘柄が並んでいることに加え「all \850」と全て同じ価格であることから迷いに迷いましたが、お蕎麦屋さんで目にする機会の多い栃木県の地酒「四季桜」の、飲んだことの無い「秋あがり無ろ過」をいただいてみることにしました。

いただいた「秋あがり無ろ過・四季桜」は、ひと夏じっくり熟成させているからか、穏やかな旨味が心地良く、これぞ「秋あがり」といった味わいの美味しい日本酒でした。


「秋あがり無ろ過・四季桜」がなかなか好印象だったことから、もう少しお酒をいただこうと思い、日本酒との相性が良さそうな「鴨つくね鍋」と一緒に山形県の地酒「純米大吟醸無濾過生原酒・栄光富士」を追加でお願いします。

馴染みのお客さんばかりではありますが時間の経過とともにお客さんが増え、いつのまにか居酒屋状態になっていたことから料理に時間が掛かるかと思いましたが、それほど待つことも無く、また、料理がおろそかになることも無く、立派な鍋が運ばれてきます。

追加でいただいた「鴨つくね鍋」は、鴨肉とつくねの入った野菜たっぷりの鍋料理で、ついつい日本酒が進んでしまう、この季節には嬉しい熱々の鍋料理でした。


店内も賑やかになり、熱々の鍋料理を肴に美味しい日本酒をいただき気分が良くなってきましたが、そろそろ蕎麦をいただくことにします。


いただいたのは基本の「せいろもり」で、腰の強い、蕎麦の風味がしっかり感じられる美味しい蕎麦でした。また、蕎麦汁は辛目ながら旨味が感じられ、少々おとなしい味わいではありますが蕎麦との相性がとても良い蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・廉』さんは、ビジネス街にあるお蕎麦屋さんということもあってか馴染みのビジネスマンが仕事帰りに少人数で立ち寄って思い思いの一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

また、BGMになっているラジオ放送が居心地の良い雰囲気を作っているアイテムの一つになっていて、美味しい料理と品揃え豊富な日本酒を楽しみながら、一人憩いの一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでもありました。

なお、お店を出る直前に女性の花番さんが一人スタッフとしに加わりましたが、愛想も良く、馴染みやすい接客がとても好印象で、居酒屋らしさがより強まったようにも思いますが、初対面でありながらお店の外まで出てきてくれ、笑顔で「また来てくださいね!」と愛想よく見送られるのも悪い気分ではなく、改めて、ビジネスマンが一人でやってくる理由が理解できたように思います。

そんな、ビジネスマンの憩いの場のようなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『天祥庵@忍野村』さんの「とりモツと手羽元の甘辛煮・味玉添え」

2017-11-19 12:25:00 | 山梨県

山梨県の石和温泉に宿泊した翌日、一度訪れてみたいと思っていた富士・忍野村(山梨県南都留郡)にある『手打そば・天祥庵』さんに立ち寄ってみました。

混雑するのでは?と予想してお店には12時前に到着したいと考えていましたが、道路の混雑もあり予定より30分程度遅い12時半前の到着となってしまいました。そのため、満席かな?という不安を抱いての訪問となりましたが、天井の高さが印象的な古民家風の店内は混雑しておらず、待つことも無くゆったりと席に着くことができました。

席に着いて早速メニューを眺めてみると、定番メニューの他に「秋冬のメニュー」という数量限定のメニューが用意されていて、お酒をいただきたくなる料理ばかりではありましたが、車で訪れていることからお酒をいただくことはできず、ノンアルコールで、その秋冬限定メニューの「とりモツと手羽元の甘辛煮・味玉添え」と「鴨田舎」(蕎麦)をお願いします。


料理と蕎麦をお願いしてから、テーブル席と座敷席合わせて50席以上あるのではないかと思われる、思いのほか広い店内を見渡してみるとストーブが・・・。
そして、目の前には足利一茶庵の創業者でもある片倉康雄氏の大きな写真が・・・。



そんな、山里の素朴なお蕎麦屋さんという雰囲気が漂う店内の様子を眺めていると、国産若鶏を使用した「とりモツと手羽元の甘辛煮・味玉添え」が目の前に置かれます。

いただいた「とりモツと手羽元の甘辛煮・味玉添え」は、辛過ぎることの無いタレと柔らかい食感がとても好印象で、手羽も柔らかく、素材の良さが生かされた美味しい鶏肉料理でした。


追って運ばれてきた数量限定の「鴨田舎」は、季節の野菜がたくさん入った鴨汁と蕎麦の組み合わせでしたが、蕎麦はもちろんのこと具だくさんの鴨汁も美味しく、納得の「鴨田舎」でした。

なお、インターネット上に公開されている情報をあれこれ読んでみると、美味しい蕎麦を打つために「水」に拘り、敷地内に掘った地下60mの井戸から汲み上げている水を使用して蕎麦を打っているとのことです。


今日、忍野八海へ向かう前に立ち寄った『手打そば・天祥庵』さんは、古民家の佇まいを内外に残したお蕎麦屋さんでしたが、観光客向けのお蕎麦屋さんという印象は薄く、花番さんの丁寧な接客を受けながら素朴な料理と美味しい蕎麦をいただくことのできるお蕎麦屋さんでした。

なお、うちの奥さんは「つけとろ」をいただきましたが、「久しぶりに美味しい蕎麦を食べた」との感想で、久しぶりの温泉旅行に花を添えてもらったようです。

ごちそうさまでした。


『はまげん@港北ニュータウン』さんの「鶏り焼」

2017-11-14 17:40:00 | 横浜市(都築区)

出張先の名古屋から東海道新幹線で新横浜駅へ戻って来ましたが、当初の予定より早い時間の移動となったことから、横浜市・港北ニュータウンにある『手打そばと酒菜・はまげん』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店の最寄り駅である横浜市営地下鉄・センター北駅から小雨がパラパラと降る中移動し、外観の写真を撮影してから店内に入ってみると、17時半過ぎという混雑するには早い時間なのか、それとも雨が降っているからなのか、先客は常連さんらしき男性が一名のみと閑散としています。

そのような状況の中、カウンター席に着いてとりあえず生ビールをお願いし、追って「三わさ盛」と「鶏り焼」をお願いします。


まずいただいた「三わさ盛」は、板わさ、とりわさ、ロースト鴨の盛り合わせで、厚みのある蒲鉾とほんのりと甘味の感じられる鴨がなかなか良い感じです。


タレと塩との選択でタレを選んだ「鶏り焼」は、目の前に置かれた時に「デカイ!」という印象を持ちましたが、肉もネギも柔らかく、空腹を満たしてくれる食べ応えのある一品でした。


少々賑やかな音楽を聞きながら料理をいただいているとビールが無くなったので、好みの日本酒でもある山形県の地酒「純米吟醸・出羽桜」をお願いします。


「純米吟醸・出羽桜」をいただきながら一人でのんびりした時間を過ごしていると、先客のお客さんがお店を出て行き貸切状態となります。

いつもなら、ここで心が動いた「さきいかの天ぷら」と「純米吟醸・出羽桜」のおかわりをお願いするところではありますが、「鶏り焼」ですっかり満腹となってしまったことから料理は追加せず、「せいろ」をお願いします。


いただいた「せいろ」は、辛さと旨味のバランスが程良い蕎麦汁がとても美味しく、蕎麦も喉越しの良い食べ易い蕎麦で、満足感を感じる質の高い「せいろ」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そばと酒菜・はまげん』さんは、カウンター席の椅子とテーブルがお洒落なバーのように高いなど、お蕎麦屋さんとは思えないモダンな雰囲気のお蕎麦屋さんでしたが、満足感を感じることのできる蕎麦前と質の高い蕎麦をいただくことのできるお蕎麦屋さんで、仕事帰りに一人でそっと訪れたいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『やっ古@学芸大学』さんの「自家製わさび漬け」

2017-11-12 13:45:00 |  東京23区(目黒区)

所用で出掛けた日曜日、遅い昼食を取るために、美味しい料理をいただくことのできるお蕎麦屋さんが数多く集まっている東急東横線・学芸大学駅へと向かいました。

訪れたのは、女性が店主を務めている『手打ちそば・やっ古』さんで、13時半を過ぎた時間ではありますが、日曜日ということもあり席が空いているかな?と思いながら扉を開けてみると、入口近くから店内奥に伸びるカウンター席に1組のお客さんがいるのみで、いかにも休日の昼下がりといったのんびりした雰囲気が漂っています。

そして、どこでもどうぞ!との案内を受け、入口近くのカウンター席に着いてまずお酒のメニューを見てみると、「冷おろし」が用意されていたので、ビールはパスして山形県の地酒「純米吟醸秋あがり・山形正宗」をいただくことにします。


お酒が運ばれてくるのを待ちながら料理のページを眺め、直ぐに出てきそうな「自家製わさび漬け(かまぼこ添え)」と「とり大根(柚子胡椒添え)」をお願いすることにします。


いただいた「自家製わさび漬け」は、茎を使用していないのか多くのわさび漬けで感じるシャキシャキっとした食感(?)は感じられず、また、辛さもどちらかというと控えめではありますが、ほんのりと感じるヒリヒリ感と山葵の風味が絶妙で、ビールではなく日本酒をいただくことにして良かった!といったところでしょうか?。

また、山形県の地酒「純米吟醸秋あがり・山形正宗」は、もう少し旨味がほしいかな?という印象ではありましたが、丸く柔らかい口当たりがなかなか好印象な日本酒でした。


拘りの感じられる器に丁寧に盛り付けられた「とり大根」は、サッパリした味わいに優しさと上品さが感じられる美味しい一品でした。


クラシックでもジャズでも無い軽快な音楽が流れる中、のんびりした休日の昼下がりを過ごさせていただいていて気分も良いことから、もう少し蕎麦前を楽しませていただこうと思い、宮城県の地酒「芳醇辛口純米吟醸・日高見」と「江戸前玉子焼き」を追加でお願いします。

玉子2個で作る小サイズも可能とのことでしたが、3個の普通サイズでお願いした「江戸前玉子焼き」は、甘さ控えめながらも出汁の効いたしっかりした玉子焼でした。

ちなみに、玉子焼は平べったい石のような器に盛りつけられており、先ほどいただいた「とり大根」もそうでしたが、料理のみならず器でも蕎麦前を楽しませてくれているように思います。


さて、ラストオーダーまではもう少し時間がありますが、そろそろ蕎麦をいただこうと思い基本の「もり蕎麦」をお願いし、併せて、席に着いた時から気になっていた静岡県の地酒「純米酒乳酸無添加速醸・白隠正宗」を一緒にお願いします。


皿の中央に丘のように盛り付けられた蕎麦は、極細といっても良いほど細く、それでいて食べ応えを感じさせてくれるしっかりした蕎麦で、見た目以上に十分な量がありましたが、何ら抵抗感を感じることも無くツルツルっと美味しくいただきました。

また、蕎麦汁は雑味の感じられないクリアな味わいで、スッキリした美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・やっ古』さんは、けして広いとは言えないこじんまりとしたお蕎麦屋さんではありましたが、木の温もりと落ち着きのある清潔感が心地良い、料理にも蕎麦にも女性らしいきめ細かな丁寧さの感じられるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。