蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『こねり庵@石神井』さんの「瀬戸内海ハモと野菜の天ぷら」

2018-10-13 14:05:00 |  東京23区(練馬区)

うちの奥さんと二人で、日頃訪れる機会の少ない西武鉄道沿線に出掛けたことから、その帰り道、西武新宿線・上井草駅から徒歩15分程度のところにある『自家製粉石臼挽手打蕎麦・こねり庵』さんに立ち寄ってみました。

お店は静かな住宅街の中にあり、普通の民家といった佇まいではありますが、その落ち着いた外観に「くつろぎの一時が過ごせそうだ!」と期待が膨らみます。


高まる期待を抱きながらお店の中へ入ると目の前にフローリングのフロアが広がり、スリッパに履き替えるのだろうか?と迷ったものの、スリッパに履き替える必要はないようなのでそのまま艶のあるフローリングのフロアに上がります。


花番さんの、お好きな席にどうぞ!との案内に従い、庭の見える窓際の2人席に着いて早速メニューを広げ、エビスビール(瓶ビール)と一緒に「にしん煮炊」と「板わさ」と「瀬戸内海ハモと野菜の天ぷら」をお願いします。


まず最初にいただいた「板わさ」は、「南蛮焼(なんばやき)」と言われている紀州田辺の名産「焼き蒲鉾」で、歯応えを特徴としているだけあってやや硬めの食感ではありますが、山葵も醤油も付けずにそのままでも十分に美味しくいただくことのできる蒲鉾でした。


次にいただいた、1週間かけて骨ごとじっくり炊いたという「にしん煮炊」は、思った以上に大きい鰊で、アッサリした味わいとホロリと崩れる柔らかさがとても美味しいです。


蒲鉾にしても鰊にしても、お蕎麦屋さんでは必ずしも珍しとは言えない料理ではありますが、どちらの料理も拘りの感じられる一品で、興味深く、そして楽しくいただきました。

さて、お願いした最後の料理、「瀬戸内海ハモと野菜の天ぷら」が目の前に置かれましたが、ビールが残り少なくなってきたことから、残りのビールはうちの奥さんに任せて秋田県の地酒「冷酒・春がすみ」をお願いします。


いただいた「瀬戸内海ハモと野菜の天ぷら」は、ふっくらした鱧の食感がとても美味しいです。また、添えられていたオクラも素材の味わいがしっかりと感じられ、これもまた美味しいです。


美味しい、美味しいと思いながら天婦羅をいただいていると、料理が残り少なくなってきているのにお酒がまだまだ残っているという状況になってしまったことから、時間がかかることを承知のうえで「出し巻き玉子」をお願いします。

花番さんから、「時間がかかります」と言われたにも関わらずそれ程時間がかからず運ばれて来た「出し巻き玉子」は、甘さ控えめながら出汁の旨味がしっかりと感じられ、フンワリ感もなかなか好印象なとても美味しい玉子焼でした。


特長のある美味しい料理を楽しませていただいたところで、「十割せいろそば」をお願いします。

いただいた蕎麦汁はやや辛目でありながら旨味の感じられる美味しい蕎麦汁でしたが、蕎麦そのものが中太のしっかりとした歯応えと風味を感じることのできる美味しい蕎麦だったことから、蕎麦汁を付けずにそのまま美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた「自家製粉石臼挽手打蕎麦・こねり庵」さんは、人当たりの柔らかい花番さん(奥さん?)の接客におもてなしの心遣いが感じられ、併せて、席のあるフロアが民家のリビングそのものと感じられることもあり、まるで知人宅に夫婦でお邪魔して美味しい料理とお酒を御馳走になっているような、温かさと落ち着きの感じられるお蕎麦屋さんで、夫婦でくつろぎの一時を楽しく過ごさせていただきました。

ごちそうさまでした。


『むら季@大泉学園』さんの爽やかな「いかおくら」

2014-05-05 11:20:00 |  東京23区(練馬区)

ゴールデンウィーク終盤の5月5日、所用で日頃訪れる機会のほとんど無い西武線沿線に出掛けることになったため、少し早めに家を出て、「未知の地域」にあるお蕎麦屋さんへ立ち寄ってみることにしました。

まずはお店選びですが、予備知識の無い地域であることから、口コミサイトや色々な方が書かれているブログなどを参考に、11時開店で昼から蕎麦前OKのお蕎麦屋さんをあれこれ検討し、西武池袋線・大泉学園駅から徒歩7~8分程度のところにある『手打そば・むら季』さんへ行ってみることにしました。

小雨がパラパラと降っていたため少々早歩きでお店に向かい、11時半少し前に暖簾を潜ると、蕎麦打ち場&厨房の方が広いのではないかと思われる、こじんまりとした客席に先客の姿は無く、物腰の柔らかい奥さんに迎えられながら店内一番奥(一番厨房寄り)の席に着きます。

席に着いてメニューを広げますが、店内にも料理の品書きが多数掲示されており、念のため一品料理はお昼でも大丈夫か確認したのち、直ぐに出てくるであろう「いかおくら」と「おぼろとうふ」、そしてあればいただく「だし巻玉子」を瓶ビールと一緒にお願いします。


まずは瓶ビールとお通しの「イクラおろし」(で良いのかな?)が目の前に置かれますが、この「イクラおろし」、キラキラ輝きプチプチはじけるイクラが美味しく、とてもお通しとは思えない素晴らしい一品です。


続いて、「いかおくら」が運ばれてきたので早速つまんでみると、オクラのシャキッとした歯応え(食感)とネバネバ感がとても良い感じで、爽やかな一品です。


次に運ばれてきたのは「だし巻玉子」で、アツアツのうちにいただいてみると、甘さは控えめですが出汁がタップリで、フワフワ感も程好くなかなか美味しいです。


「だし巻玉子」の後を追うように登場した「おぼろとうふ」は、「こんなに大きいとは思わなかった。」というのが正直な感想で、お通しの「イクラおろし」が素晴らしい一品だったことから豆腐は無くても良かったかな?と思ってはみましたが、そんなことを思いながらも美味しくいただいてしまいました。


ビールを飲みながら数々の美味しい料理をいただいていると、ポツポツとお客さんが来店し、10人程度で満席になるお店はいつの間にかほぼ埋まっている状態で、のんびりお酒なんか飲んでいるとお店の迷惑になってしまうかな?という状況になってきたことから少々ペースを上げて料理をいただきます。

しかし、多くのお客さんは蕎麦だけのお客さんで、しばらくすると再び空席が増えていき、慌てずゆっくり食べれば良かったかな?という感じです。

ということで、お店も再び空いてきたことだし、料理もまだ残っているので、石川県の地酒「黒帯」と1日15食限定の「あらびき野菜天せいろ」を天先でお願いします。なお、天先でいただいた天婦羅は、思いのほか量が多く、食べ応えのある美味しい天婦羅でした。


さて、「食べ過ぎたかな?。」と思いながらいただいた蕎麦ですが、色の濃いしっかりした腰のある蕎麦で、少々荒々しさが感じられるかもしれませんが、「蕎麦を食べている」ということを実感できる蕎麦でした。
また、蕎麦汁はキリッとした筋の通った蕎麦汁で、蕎麦との相性も良く、荒々しい蕎麦を美味しく引き立ててくれる蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・むら季』さんは、神田「まつや」さんで修行を積んだご主人が、日本料理店を営んでいたお父さんから料理を学び、平成16年に開店したお店とのことです。

そのため、蕎麦はもちろんのこと料理にも心と力が入っていて、蕎麦前と蕎麦のどちらにも「食べる事の楽しさ」を感じることができ、そして満足感を得ることの出来るお蕎麦屋さんでした。


また、奥さんの細部にまで気遣いの行き届いた何気ない接客がとても好印象で、毎日でも訪れたいと思ってしまう、そんな居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

そのようなことから、良いお蕎麦屋さんに出会えたという印象は強く、日頃訪れる機会の無い西武線沿線にあるお蕎麦屋さんではありますが、ぜひまた訪れたいという思いを胸に、気分良くお店をあとにしました。

ごちそうさまでした。