蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『寿徳庵@横浜・金沢文庫』さんの柔らか「鴨つくね」

2014-10-18 15:15:00 | 横浜市(金沢区)

京浜急行電鉄・金沢文庫駅から徒歩7~8分程度の所にある、土日に営業していて中休みが無いという、とてもありがたい地元のお蕎麦屋さん、『石臼挽生粉打蕎麦・寿徳庵』さん。

こちらのお蕎麦屋さんは、単に便利でありがたいというだけではなく、二八蕎麦、十割蕎麦、韃靼蕎麦のレギュラーメニューに加えて、桜や檸檬などを練り込んだ「二十四節季の香り蕎麦」という年24種類の変わり蕎麦をいただくことのできるお蕎麦屋さんで、肩肘張ることなく、美味しい一品料理を肴によく冷えた日本酒をお昼からいただくことの出来る嬉しいお蕎麦屋さんでもあります。

そして、昼食を取り損ねた週末土曜日の午後3時過ぎにお店の暖簾を潜ってみると、いつもは、「席、空いているかな?。」と心配しながら訪れるのに、「あれっ?、良いのかな?。」と思ってしまう、初めて見る「先客無し」の風景が目の前に広がります。


「へ~、土日でもさすがにこの時間は空いているんだ。」なんて思いながら端っこの席に着いて早速カードケースのメニューを眺めますが、今日は午後3時過ぎという、しっかり食べてしまうと夕食を食べることが出来なくなってしまうという時間であることから、「食べたことの無い料理」の中から比較的軽い料理と思われる「そばみそ」(そういえば食べたことが無かった・・・。)と「鴨つくね」を瓶ビールと一緒にお願いします。

小皿に軽く盛られて登場するかと思っていたらシャモジにタップリ盛られて登場した「そばみそ」は、箸でつまんでみると、「緩い」という表現が適切かな?と思われる柔らかさで、ほんのり感じる甘さと合わせて優しく美味しい「そばみそ」でした。

それにしても量が多いです。そういえば、どの料理も量が多かったような・・・。


みたらし団子のように、団子状のつくねが串刺しになって登場するかと思っていたら、大きな笹かまぼこ状の串刺しで、それも2本も登場した「鴨つくね」は、知らなければそれが鴨であるということが分からない鴨料理でしたが、焼きたてアツアツでとても柔らかく、「何でもっと早く食べなかったんだろうか?。」と思ってしまう、癖になってしまいそうな美味しい「鴨つくね」でした。

それにしても大きいです。夕食に影響が出ないよう軽い料理を選んだつもりでしたが・・・。


こちらの『石臼挽生粉打蕎麦・寿徳庵』さんは、料理と蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、影虎や酔鯨といった美味しい日本酒が程好く冷やされていて、「飲んで行ってくださいね。」という雰囲気が感じられる(勝手に感じているだけですが・・・。)お店であることから、ついつい日本酒をいただきたくなってしまいますが、瓶ビールが大瓶ということもあり、今日はお酒を飲まずにおとなしく蕎麦をいただくことにします。

さて蕎麦ですが、いつもなら1年に24種類登場する「二十四節季の香り蕎麦」(季節の変わり蕎麦)をいただくところではありますが、今日いただけるのが「菊切り」とのことで、どちらかというと「十割蕎麦」に気持ちが傾いたことから、久しぶりに「十割蕎麦」をいただくことにしました。

いただいた「十割蕎麦」は、程好い歯応え(硬さ)とほのかな風味がなかなか美味しいです。
また、薬味のワサビはツブツブ感と喉で感じるヒリヒリ感に新鮮さが感じられ、そのままで十分に酒の肴にもなる美味しいワサビでした。


なお、『石臼挽生粉打蕎麦・寿徳庵』さんの蕎麦には蕎麦粥が付き、更に「十割蕎麦」には通常の蕎麦汁の他におろし汁が付きます。

そのため、甘口の蕎麦粥に蕎麦汁を垂らしていただいたり、おろし汁に薬味の大根おろしを更に加えたり、蕎麦をそのまま食べたり2種類の蕎麦汁で食べたり、トロトロの蕎麦湯を2種類の蕎麦汁でいただいたりと、単に蕎麦をいただくだけでなく、あれこれ楽しみながら新蕎麦を美味しくいただくことができました。

ごちそうさまでした。


『中屋@横浜・野毛町』さんの「舞茸天ぷら盛り合わせ」

2014-10-15 18:45:00 | 横浜市(中区)

急遽一人で夕食を取ることになった水曜日の夜。
通勤途上にあって、軽く蕎麦前と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんで一人のんびりビールでも飲んでから帰ろうと思い、京浜急行電鉄・日ノ出町駅から徒歩5分程度の所にある『手打ちそば・中屋』さんへ立ち寄ってみることにしました。

夜19時前、パラパラと小雨が降る中を小走りでお店に駆け込むと、18人程度で満席となるサッパリした店内に先客の姿は無く、ご主人が一人でのんびりテレビを見てる最中でした。

席に着いて早速カードケースのメニューを確認すると、蕎麦あり、丼物あり、一品料理ありと予想以上に品数が多く、JRAの場外馬券所が近いということもあってか、「食べるお客さん」にも「飲むお客さん」にもそつなく対応できそうな多彩なメニューとなっています。

今回は、そんなメニューの中から瓶ビールと一緒に「板わさ」と、500円という低価格で提供されている「舞茸天ぷら盛り合わせ」をいただくことにしました。


まずは「板わさ」。
正直、それほど大きな期待を持ってはいませんでしたが、弾力感が好印象の、まずまずの蒲鉾でした。
また、添えられていたワサビは、生では無いと思いますが、それっぽく美味いワサビでした。


続いて「舞茸天ぷら盛り合わせ」。
500円という価格から、「どんな天婦羅が出てくるのだろうか?。」と思いましたが、食べ応えのありそうな大きな舞茸の天婦羅が目の前に置かれます。

その、予想以上に大きい天婦羅を早速いただいてみると、カラッとした食感というよりカリッとした食感(?)で、けして悪い訳では無く、ましてや美味しくないということは全く無く・・・。という、何と表現したら良いのか少々迷う微妙な天婦羅でした。なお、天汁はやや辛目で温かく、なかなか美味しい天汁でした。


さて、閉店時間まではもう少し時間がありますが、今日はビール1本だけで終わりにする予定なので、早めに「もり」をお願いします。

大盛りかと思うほど量の多い「もり」は、薄っすらと緑がかった色味の細麺で、やや硬めの食感ではありましたがまずまずの蕎麦でした。また、添えられていた薬味のワサビは粉ワサビを溶いた物(?)で、もしかしたら「板わさ」の方が良いワサビかな?と素人的には思ってしまうワサビでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・中屋』さんは、JRAの場外馬券所が近いということもあって、おそらく休日の日中は多くのお客さんで賑わっているのではないかと思います。

しかし、平日の夜は街中にひっそりと佇むお蕎麦屋さんで、閉店時間が早いという点で難しさがあるものの、コストパフォーマンスも良く、帰宅途中に「ビールでも軽く飲んで帰ろうかな?。」という突然の思い付きにしっかり応えてくれる、のんびりできる静かなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『壱@横浜・関内』さんの地魚「松輪鯖」の刺身

2014-10-10 21:00:00 | 横浜市(中区)

横浜・関内で会社の行事があり、それなりに十分飲んだ後ではありましたが、料理が少なめだったということもあり、横浜市営地下鉄・関内駅から徒歩2~3分のところにある『蕎麦・酒・料理 壱(いち)』さんで蕎麦をいただいてから帰宅することにしました。

暖簾を潜ったのは夜21時頃でしたが、ゆったりした店内はカウンター席にもテーブル席にも空席が見られ、程好い混み具合と賑わいが心地良い、憩いの一時をのんびり過ごすことができそうな雰囲気です。

さて、カウンター席に着いて「軽いつまみとビール1本」と思いながらメニューを開いてみると、「神奈川の地酒」が並んでいる日本酒のページに目が止まります。そして、冊子になっているメニューとは別に「本日の刺身」という紙に書かれたメニューがあり、地元神奈川(走水と三崎)で水揚げされた地魚が並んでいます。


ということで、「軽いつまみとビール1本」という思いはあっけなく崩れ、三崎港で水揚げされた「松輪鯖」と蕎麦屋の定番メニューから「蕎麦屋の玉子焼き」をお願いし、そして止めときゃ良いのに地元神奈川の地酒「防空壕特別純米・天晴」をついつい一緒にお願いしてしまいました。


待つことも無く運ばれてきたお通しの「板わさ」を肴に、防空壕で熟成させた「天晴」をいただきますが、穏やかで飲みやすい口当たりとしっかりしたまろやかな味わいがなかなか旨いです。

また、お通しとしていただいた「板わさ」は、お通しの域を超えた立派な一品で、弾力のある歯応えと食べ応えのある厚みがなかなか良い感じです。なお、添えられているワサビは生ワサビでは無いと思いますが、それだけで酒の肴になる実に美味しいワサビでした。


「板わさ」を肴に「天晴」をいただいていると、キラキラ輝く「松輪鯖」の刺身が目の前に置かれ、「ほ~、なかなか旨そうだ!。」と思いながら1切れいただいてみると・・・。

な、な、なんと、まるで鮪のトロでも食べているかのようなトロミと旨味が感じられ、「これが鯖か?。」と思ってしまう、想像を超えた驚きの「松輪鯖」でした。


続いて、ホンワカした湯気を昇らせながら運ばれてきた「蕎麦屋の玉子焼き」は、焦げ目の無い綺麗な玉子焼で、「少々薄味かな?。」という印象でしたが、大根おろしとネギを絡めて美味しくいただきました。


この時点で、1軒目から合わせるとそこそこの量を飲んでいることから、「そろそろまずい。」と気付いて大人しく蕎麦をお願いすれば良いものの、居心地の良さと美味しい料理に気分も良くなり、「きっと天婦羅も美味しいはず。」との思いから「インゲンの天ぷら」を追加でお願いしてしまいます。そして、止めときゃ良いのに神奈川県の地酒「純米・昇龍蓬莱」をお願いしてしまいます。それもグラスでは無く一合で・・・。

柔らかい口当たりの「純米・昇龍蓬莱」を飲みながら「インゲンの天ぷら」をいただいてみると、サクサクッとした食感とインゲンの甘みがなかなか良い感じの、期待を裏切らない美味しい天麩羅でした。


十分過ぎる料理とお酒をいただき、蕎麦を食べる前に満腹かつ薄い記憶になってしまいましたが、蕎麦を食べない訳にはいかないことから最後に「もり」をお願いします。

いただいた「もり」は、スマホにメモったことすらよく覚えていないメモによると、コシのある少々硬めの食感ですが、出汁の効いた蕎麦汁との相性が良く、満腹でありながら美味しくいただくことの出来る蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦・酒・料理 壱』さんは、お店を切り盛りしている若い(?)男性の柔らかい接客がとても好印象のお蕎麦屋さんでした。そして、ゆったりした空間とジャズの流れる静かでお洒落な佇まいがとても心地良く、仕事帰りに一人でフラッと立ち寄って、美味しい料理とお酒と蕎麦をいただきながらのんびり憩いの一時を過ごすことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そんな好印象のお蕎麦屋さんだっただけに、終盤の記憶が薄くなってしまったことが少々残念でした。

ごちそうさまでした。