出張帰りに立ち寄った、JR京浜東北線・大森駅近くにある『そば処・柏庵』(はくあん)さん。
お店の入口に向かって右側に木々が植えられている細長い庭園(?)があるなど、落ち着きと上品さの感じられる店構えに緊張感が高まります。
そして、いざ店内に足を踏み入れてみると、広々としたスペースに広めの木製テーブルがゆったりと配置されていて、腰を据えてじっくりと料理やお酒を楽しむことができそうな雰囲気です。
そんな、居心地の良さそうな雰囲気の中、上着を脱ぎながらとりあえず生ビールをお願いし、ホッと一息ついたところでメニューに手を伸ばしてみると・・・。
基本となる蒸篭2枚の「せいろ」が650円で蒸篭1枚の「半せいろ」が350円、蒸篭3枚の「せいろ大」(大盛)をいただいても870円と、良心的な価格という印象です。
更にメニューをめくり「お品書き」というページを見てみると・・・。
愛媛県から空輸された捕れたての「天然鮮魚」がいただけるとのこと。
へ~、と感心しながら「本日のおすすめ」というページを見てみると・・・。
「鮪かま焼き」「石垣島生マグロ」「鱧湯引き」といった、あれもこれも食べてみたいと悩んでしまいそうな料理に加えて、ここでも美味しそうな鮮魚が並んでいて、その充実ぶりに、居酒屋というより良心的な町の小料理屋さんといった感じです。
最後に、日本酒の銘柄を見てみると・・・。
種類こそ多くは無いものの、季節を意識した美味しそうな「夏酒」がいくつか用意されています。
悩んでしまうメニュー相手に、やはり豊後水道の鮮魚は外せないのだろうか?等あれこれ考えた結果、「石垣島生マグロ」と「栃尾揚げ(ねぎ味噌)」と「こだわり地鶏卵の熱々だし巻き玉子」をいただくことにします。
「石垣島」という文字に心が揺れ動いていただくことにした「石垣島生マグロ」は、アッサリした味わいではありましたが、とろけてしまいそうなほど柔らかい食感のマグロ刺でした。
喉がカラカラだったこともあってビールが簡単に空になってしまったことから、宮城県の地酒「阿部勘」(夏酒)を追加でお願いしましたが、写真を撮っていたからなのか、わざわざ一升瓶を置いて行ってくれたので、真っ白なラベルの「阿部勘」をじっくり撮らせていただきました。
次に運ばれてきた葱味噌でいただく「栃尾揚げ(ねぎ味噌)」は、独特のフンワリした食感も申し分なく、旨味と爽やかさのバランスが心地良い「阿部勘」と一緒に美味しくいただきました。
お店の人気メニューでもある、名前を見ただけでいかにも美味しそうな「こだわり地鶏卵の熱々だし巻き玉子」は、控えめな甘さではあるものの出汁の旨味がしっかりと感じられ、思わず「お~!」と唸りたくなるほど美味しい玉子焼でした。
玉子焼を食べている途中で「阿部勘」が無くたったことから再び日本酒のメニューを眺めていると、「日本酒はこちらにもあります」と花番さんから別のメニューが差し出され、そのメニューを見てみると・・・。
ほほ~、そう来ますか!。
久しぶりに「上から順番にお願いします」と言いたくなってしまう、日本酒に対する拘りの感じられる見事なラインナップです。
ということで、飲んだことの無い宮城県の地酒「萩の鶴」をいただいてみようかと思いましたが、お気に入りの「特別純米酒・飛露喜」があったので、久しぶりにいただくことにします。
なお、「特別純米酒・飛露喜」が運ばれてきた際、「阿部勘」同様一升瓶を置いて行ってくれたので、こちらもしっかりとその姿を写真に収めさせていただきました。
さて、福島県の地酒「特別純米酒・飛露喜」がまだ残っていますが、飲みながら蕎麦をいただくのも楽しいので、「せいろ(2枚)」をお願いいます。
いただいた蕎麦は、老若男女どんな方にも美味しく食べてもらえる喉越しの良い食べ易い蕎麦でした。また、蕎麦汁は玉子焼同様出汁の旨味がしっかり感じられる、なかなか美味しい蕎麦汁でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・柏庵』さんは、空輸される豊後水道の鮮魚をいただくことが出来たり、日本酒の品揃えが素晴らしかったりと、お蕎麦屋さんというよりも料理とお酒に拘りの感じられる大きな料理屋さんという印象のお蕎麦屋さんでした。
ならば、蕎麦はイマイチなのかというとそうではなく、蕎麦汁にしても蕎麦湯にしても何ら不満は無く、年配のご夫婦、子供を連れた家族連れ、仕事を終えたビジネスマン、そして一人で蕎麦前と蕎麦を楽しむお客さんなど、訪れるお客さんのスタイルに関係無く、みんながそれぞれの思いで楽しい一時を過ごすことのできる、みんなのお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。