JR上野駅のすぐ近くにある、昭和の風情がタップリ感じられる町のお蕎麦屋さん『生そば・翁庵』さん。
お店に到着したのが午後14時ということで、静かにマッタリした時間が流れているだろうと思いながら引き戸をガラガラと開けると、「いらっしゃいませ!。」と気持ちの良い声に迎えられます。
そして、外観にマッチした風情ある店内を見渡すと、満席ではありませんが、4人掛けのテーブル席にも囲炉裏を囲んだ大きなテーブル席にもお客さんがいて、マッタリ感というより活気が感じられます。
こちらの『生そば・翁庵』さんは、入口横にある帳場でご主人(?)から食券を購入するスタイルなので、早速「瓶ビール」と一緒に日頃注文しない「板わさ」と「油揚甘辛煮」、そして「もり(蕎麦)」をお願いします。
注文した後、どんな食券が出てくるのか興味津々でしたが、注文した品々が手書きで書かれている紙で、料理ごとの食券がある訳ではありませんでした。
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「蕎麦は後にしてほしい。」という一言を添えて購入した食券(購入したものが記入された紙)を花番さんに渡し、運良く直前に空席となった4人掛けのテーブル席に着きます。
そして、ビールとお通しの「枝豆」が登場し、続いて「葉」と「扇」の形にデザインされた「板わさ」が登場します。
まず、「板わさ」を目で楽しみ、その後は醤油を軽く付けたり山葵を乗せるなどしていただきます。
直接確認した訳ではありませんが、インターネットで調べたところによると、いただいた「板わさ」は小田原の「鈴廣」さんから仕入れている蒲鉾のようで、弾力感の感じられる歯応えがなかなか良い感じの、醤油も山葵も付けずにそのままいただいても十分美味しい「板わさ」でした。
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「板わさ」が登場してからそれ程時間差無く運ばれて来た「油揚甘辛煮」。
この料理は、「きつねそば」に用いる甘辛の油揚げを細切りにした物で、簡単な料理ではありますが、日本酒との相性が良さそうな一品です。そうそう、この「油揚甘辛煮」は2枚重なっていて、思いのほか量が多いんです。
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何気ない素朴な「肴」をつまみながらビールをいただき、そして天井近くに置かれているテレビをぼんやり眺めていると、なんだかゆったりした気分になり、お酒をいただこうかな?という思いが湧き上がってきます。
結果は明らかですが、一応、どうしようか迷っていると、すぐ近くでカツ丼を食べているお客さんが・・・。
ちょっと美味しそうです。そういえば、14時過ぎの昼食で、いただいている料理も比較的軽めの物なので、どちらかというとまだまだ空腹に近い状態です。
ということで、「カツ煮」と冷や酒(冷酒ではなく冷や酒)を追加でお願いします。
「お銚子に入れます?。コップにします?。」と花番さんに聞かれましたが、一人お猪口でチビチビ飲むのも面倒なので、迷わずコップでいただきます。
さほど時間が掛からず運ばれて来た「カツ煮」は薄いカツでしたが、トンカツ屋さんでいただいている訳ではなく町のお蕎麦屋さんでいただくカツなので、十分です。
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いや~、それにしても、なんだかとっても落ち着く心地良いお蕎麦屋さんで一人コップ酒飲みながら「カツ煮」をつまんでいるなんて、時間に追われている日々から解き放たれ、ちょっと贅沢な時間を過ごしている気分です。
さて、そんな憩いの一時を過させていただいていますが、今日はこの後秩父宮ラグビー場で社会人ラグビーの試合を観戦する予定になっていることからそろそろ蕎麦をいただくことにします。
評判の「ねぎせいろ」にしようか、それともオーソドックスな「もり」にしようか迷った末にお願いした「もり」。
まず、蕎麦よりも先に蕎麦湯が運ばれて来て、追って「もり」が運ばれてきます。
そして、蕎麦を蕎麦汁に付けずいただいてみると、柔らかいです。また、蕎麦汁をなめてみると濃い目でやや甘いという印象ですが、柔らかめの蕎麦を蕎麦汁にタップリ付けていただくと、これがなかなか美味しく、ツルツルっと気持ちよくいただくことが出来ます。
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今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『生そば・翁庵』さんは、都会の雑踏の中にあるお蕎麦屋さんではありますが、お店の中にいるとここが都会の真ん中であるということを忘れてしまう異空間で、更には、白衣を着た花番さん(おばちゃん)達の自然な接客がなかなか好印象の、懐かしさを感じながら気分良く過すことの出来るお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。
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