蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『翁庵@上野』さんの「板わさ」細工

2013-09-28 23:41:59 | 東京23区(台東区)

JR上野駅のすぐ近くにある、昭和の風情がタップリ感じられる町のお蕎麦屋さん『生そば・翁庵』さん。

お店に到着したのが午後14時ということで、静かにマッタリした時間が流れているだろうと思いながら引き戸をガラガラと開けると、「いらっしゃいませ!。」と気持ちの良い声に迎えられます。

そして、外観にマッチした風情ある店内を見渡すと、満席ではありませんが、4人掛けのテーブル席にも囲炉裏を囲んだ大きなテーブル席にもお客さんがいて、マッタリ感というより活気が感じられます。

こちらの『生そば・翁庵』さんは、入口横にある帳場でご主人(?)から食券を購入するスタイルなので、早速「瓶ビール」と一緒に日頃注文しない「板わさ」と「油揚甘辛煮」、そして「もり(蕎麦)」をお願いします。
注文した後、どんな食券が出てくるのか興味津々でしたが、注文した品々が手書きで書かれている紙で、料理ごとの食券がある訳ではありませんでした。


「蕎麦は後にしてほしい。」という一言を添えて購入した食券(購入したものが記入された紙)を花番さんに渡し、運良く直前に空席となった4人掛けのテーブル席に着きます。

そして、ビールとお通しの「枝豆」が登場し、続いて「葉」と「扇」の形にデザインされた「板わさ」が登場します。

まず、「板わさ」を目で楽しみ、その後は醤油を軽く付けたり山葵を乗せるなどしていただきます。
直接確認した訳ではありませんが、インターネットで調べたところによると、いただいた「板わさ」は小田原の「鈴廣」さんから仕入れている蒲鉾のようで、弾力感の感じられる歯応えがなかなか良い感じの、醤油も山葵も付けずにそのままいただいても十分美味しい「板わさ」でした。


「板わさ」が登場してからそれ程時間差無く運ばれて来た「油揚甘辛煮」。
この料理は、「きつねそば」に用いる甘辛の油揚げを細切りにした物で、簡単な料理ではありますが、日本酒との相性が良さそうな一品です。そうそう、この「油揚甘辛煮」は2枚重なっていて、思いのほか量が多いんです。


何気ない素朴な「肴」をつまみながらビールをいただき、そして天井近くに置かれているテレビをぼんやり眺めていると、なんだかゆったりした気分になり、お酒をいただこうかな?という思いが湧き上がってきます。

結果は明らかですが、一応、どうしようか迷っていると、すぐ近くでカツ丼を食べているお客さんが・・・。
ちょっと美味しそうです。そういえば、14時過ぎの昼食で、いただいている料理も比較的軽めの物なので、どちらかというとまだまだ空腹に近い状態です。

ということで、「カツ煮」と冷や酒(冷酒ではなく冷や酒)を追加でお願いします。
「お銚子に入れます?。コップにします?。」と花番さんに聞かれましたが、一人お猪口でチビチビ飲むのも面倒なので、迷わずコップでいただきます。
さほど時間が掛からず運ばれて来た「カツ煮」は薄いカツでしたが、トンカツ屋さんでいただいている訳ではなく町のお蕎麦屋さんでいただくカツなので、十分です。


いや~、それにしても、なんだかとっても落ち着く心地良いお蕎麦屋さんで一人コップ酒飲みながら「カツ煮」をつまんでいるなんて、時間に追われている日々から解き放たれ、ちょっと贅沢な時間を過ごしている気分です。

さて、そんな憩いの一時を過させていただいていますが、今日はこの後秩父宮ラグビー場で社会人ラグビーの試合を観戦する予定になっていることからそろそろ蕎麦をいただくことにします。

評判の「ねぎせいろ」にしようか、それともオーソドックスな「もり」にしようか迷った末にお願いした「もり」。

まず、蕎麦よりも先に蕎麦湯が運ばれて来て、追って「もり」が運ばれてきます。
そして、蕎麦を蕎麦汁に付けずいただいてみると、柔らかいです。また、蕎麦汁をなめてみると濃い目でやや甘いという印象ですが、柔らかめの蕎麦を蕎麦汁にタップリ付けていただくと、これがなかなか美味しく、ツルツルっと気持ちよくいただくことが出来ます。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『生そば・翁庵』さんは、都会の雑踏の中にあるお蕎麦屋さんではありますが、お店の中にいるとここが都会の真ん中であるということを忘れてしまう異空間で、更には、白衣を着た花番さん(おばちゃん)達の自然な接客がなかなか好印象の、懐かしさを感じながら気分良く過すことの出来るお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『本陣房@新橋』さんの「そば屋の三点盛り」

2013-09-24 23:54:52 | 東京23区(港区)

東京・丸の内で仕事を終え、夕食を取るために一人新橋へ。

「夜は飲ませる蕎麦屋」が多数点在している新橋ではありますが、どの店でも良いと言う訳にはいかず、「どうせ行くなら。」と決めていたお蕎麦屋さんの暖簾をくぐってみましたが、残念なことに「今日は予約で・・・。」とのこと。

ということで、「木鉢会」に所属する老舗のお蕎麦屋さんなど多数あるお蕎麦屋さんの中から、一度訪れてみたいと思っていた『手打本づくり・新橋本陣房』さんの暖簾を次にくぐってみました。

今日は週初めの平日ではありますが、『手打本づくり・新橋本陣房』さんも予約で満席とのこと。
しかし、来店するまで時間のあるお客さんがいるとのことで、1時間限定ではありますが、一人で広々とした4人掛けのテーブル席を使わせてもらえることになりました。
 
席に着いて店内を見渡すと、けして広くはありませんがスッキリした店内で、とてもゆったりしています。
そして、蕎麦を食べているお客さんはおらず、どこにでもある普通の「居酒屋」になっています。

お店の雰囲気と騒がしさに違和感はありませんが、逆に蕎麦が食べ難い雰囲気でもあります。
そんな雰囲気を感じながらメニューを眺め、生ビールと一緒に「出汁巻玉子焼」と「そば屋の三点盛り」、そして「生ゆば豆腐」をお願いします。

まずは店員さんに勧められた「生ゆば豆腐」。
醤油を垂らさずそのまま食べても濃いめの味わいが美味しく、いただいて良かったと思える一品です。


次に「そば屋の三点盛り」。
「板わさ」、「そばみそ」、「にしんの旨煮」という蕎麦前料理3点が盛り合わせになっている一品で、色味に華やかさが感じられないようにも思えますが、丁寧な仕事振りの感じられる一品です。

まず「にしんの旨煮」をつまんでみると、崩れない程度に柔らかく優しい歯応えで美味しいです。

少々辛目の「そばみそ」は、柔らかい食感ではありますが、蕎麦の実のカリカリ感がとても良い感じです。

そして、蕎麦前料理の定番でありながらいただくことのほとんど無い「板わさ」は、しっかりした歯応えに満足感の感じられる美味しい蒲鉾です。


最後にアツアツ&フワフワの「出汁巻玉子焼」。
ホッと一息つかせてくれる、優しさの感じられる美味しい玉子焼です。



どの料理も美味しく、また居酒屋そのままの雰囲気から、「もう少しお酒と料理をいただこうかな?。」という気持ちになりますが、やはり蕎麦はいただきたいので「せいろもり」をお願いします。

少々場違いの雰囲気の中、「せいろもり」をいただきます。
2段で運ばれて来た麺は、やや硬めではありますが冷え具合も良く、食べていて気持ちの良い蕎麦です。
また、蕎麦汁は辛めの印象ですが、蕎麦を美味しく食べさせてくれるまずまずの蕎麦汁です。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打本づくり・新橋本陣房』さんは、夜になるとサラリーマンをお客さんとした居酒屋に変身するお蕎麦屋さんで、どんな料理をいただくことが出来るのか興味あるところでしたが、美味しい料理と地酒ばかりで、料理屋としてもレベルが高いということが十分うかがえるお蕎麦屋さんでした。

そんなお店で蕎麦前と蕎麦をいただいていると、「お蕎麦屋さんで飲んでいる」というより「居酒屋で蕎麦を食べている。」という感覚になってしまい、蕎麦を食べているということに違和感を感じてしまいますが、気取ったところの感じられない気さくな雰囲気と、稼ぎ時の時間帯に蕎麦を食べる、お店としてはあまり望んではいないかもしれないお客さんにも気遣いの感じられる丁寧な接客で、気持ち良く蕎麦前と蕎麦を頂くことができました。

ごちそうさまでした。


『駕籠町・藪そば@千石』さんの卵入り「わさびいも」

2013-09-21 23:17:46 | 東京23区(文京区)

都営地下鉄三田線・千石駅の真上にある『駕籠町・藪そば』さん。

創業明治13年の「かんだやぶそば」さんから暖簾分けしたお蕎麦屋さんで、「かんだやぶそば」さんを中心として結成されている「藪」一門の暖簾会「藪睦会」(やぶむつみかい)の中でも古いお店とのことです。

ちなみに、「駕籠町」(かごまち)とは昭和41年まで文京区に存在ししていた旧町名で、現在の文京区本駒込になります。また、「駕籠町」という名称は、江戸時代に籠を担ぐ人が住んでいたことに由来するそうです。

『駕籠町・藪そば』さんには開店時間の午前11時半に到着し、暖簾が掛けられていたことから外観の写真を撮り、早速暖簾を潜ってガラガラと引き戸を開けます。
外観はどこにでもありそうなごくごく普通の「町のお蕎麦屋さん」で、店内も堅苦しい雰囲気は無く、気軽にふらりと立ち寄ることのできる「大衆蕎麦屋」といった雰囲気です。

そんな馴染みやすい雰囲気を感じながらテーブルの上に置かれているメニューに目を通します。
メニューは冊子になっておらず、料理の数も限られてはいますが、お蕎麦屋さんは割烹料亭でも居酒屋でもないので、特に問題は無く、かつお蕎麦屋さんらしいメニューと思います。

今回は、そんなメニューの中から「焼鳥」と「わさびいも」を瓶ビールと一緒にお願いします。


汗を拭いながらビールをグッと1杯いただいているうちに運ばれて来た「わさびいも」。
今までは、「砂場で玉子焼」というのがお気に入りの蕎麦前でしたが、いつしかそれに「藪でわさびいも」というのが加わったように思います。

ということで、楽しみにしていた『駕籠町・藪そば』さんの「わさびいも」ですが、鶉の卵と思われる黄身が1つ乗っていて、海苔も多めに振り掛けられています。まぁ、別に問題は無いので、まず海苔の下にある芋をつまんでいただいてみると、「並木藪蕎麦」さんや「吾妻橋やぶそば」さんでいただいた「わさびいも」に比べると「やや柔らかいかな?。」という印象ではありますが、美味しいです。


そして、「わさびいも」を半分程いただいたところで時間が掛かるかな?と思った「焼鳥」の登場です。
「お好みでどうぞ。」と言われて山椒が運ばれてきたので、山椒を振り掛けたり、テーブルに置かれている七味を振り掛けてみたりしながらいただきましたが、お蕎麦屋さんの「焼鳥」はかえしを使ったタレが掛けられているのでそのままでも十分美味しくいただくことが出来るように思います。
なお、お蕎麦屋さんの「焼鳥」は色の濃いトロミのあるタレが掛けられているという印象でしたが、いただいた「焼鳥」は色味も味わいもトロミも控え目な感じです。


さて、お昼時の12時になりましたが、後から来たお客さんは、1人で土曜日限定の「あらびきそば」を食べただけでスッと帰っていった男性1名と、12時少し前に来店した年配の大人3人組(こちらも蕎麦のみを注文)1組のみで、その他にお客さんがいない事から天ぷらでもお願いしてお酒を1本いただこうかと思いましたが、飲み始めたところで昼食を取るサラリーマンが多数訪れると気まずい雰囲気になってしまうので、今日はお酒を頼まず「小柱のかき揚もり」を締めにいただくことにしました。

ちなみに、メニューには「御酒」としか書かれていない日本酒ですが、「菊姫」、「美稲」、「天の戸」という地酒の銘柄が書かれた紙が壁に貼ってあるので、「御酒」以外の日本酒をいただくこともできるようです。また、もう一つ「今月のお勧め」という紙も貼られていましたが、何と書いてあったのか判別できませんでした。

残っていた料理とビールが無くなったところで「小柱のかき揚もり」が運ばれてきました。
まずは湯気の立っている温かい天つゆ兼蕎麦汁。
「藪」らしく辛さの感じられる蕎麦汁ですが、出汁が効いていて美味しいです。
また、麺は「極細麺」という表現を使っても良いかな?と思うほど細い面で、ツルツルッと口の中にすすり入れた時に感じる太さの感覚は記憶に無いほど細いです。
なお、「小柱のかき揚げ」は油っぽくもベタベタ感も無く、まずまずの天婦羅です。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『駕籠町・藪そば』さんは、「木鉢会」と「藪睦会」に所属する歴史のあるお蕎麦屋さんではありますが、外観を見てもお店の中を見ても特別なものは何一つ無く、更には白衣を着たおばちゃん(失礼しました。)が一人で接客に当たっているごくごく普通の「町のお蕎麦屋さん」でした。

きっと、『駕籠町・藪そば』さんは、日頃から蕎麦を食べている多くのお客さんにとっては昔からそこにある少々古めかしい普通のお蕎麦屋さんでしかないのだろうと思いますが、それで良いのだと思います。
いつまでも変わらず、今のままでいてほしいです。

ごちそうさまでした。


『国分寺そば@海老名』さんの「ガンモ煮」

2013-09-14 23:51:37 | 神奈川県(海老名市)

小田急電鉄&相模鉄道・海老名駅から徒歩15分程度のところにある『そばと豆腐の店・国分寺そば』さん。

お店に到着したのは夕方16時前で、中途半端な時間ということもあってか1組のお客さんが静かな店内で蕎麦をいただいているのみです。そして、物静かな女性の店員さんに案内され、清潔感の漂う広々とした4人掛けのテーブル席に一人腰を下ろします。

「さて。」と思いながらメニューを広げますが、今日は夏に舞い戻ったかのような暑い陽気となったことから、流れる汗を拭いながらまず生ビールをお願いし、それからじっくりメニューに目を通します。

こちらの『そばと豆腐の店・国分寺そば』さんは、お店の肩書きにもある通り「豆腐料理」が特徴のお店で、メニューにも「おとうふ」という欄があります。その豆腐料理だけでも多数あり「あれも食べたい、これも食べたい。」と迷ってしまう品揃えですが、今回はその中から「ガンモ煮」をいただくこととし、併せて、メニューにあればいただく「玉子焼」と「そばコロッケ」を一緒にお願いします。

まず運ばれて来た「ガンモ煮」は、アツアツの、甘さ控えめの優しい味わいで実に美味しいです。
と、食べ始めたところでビールが無くなったので、次の飲み物をお願いしますが・・・。
ここ『そばと豆腐の店・国分寺そば』さんでは、同じ海老名市にある泉橋酒造さんのお酒(日本酒)をズラリと並べていて、飲みたいという思いが湧き上がりますが、その気持ちよりも「暑い!。」という思いの方が強く、もう1杯生ビールをいただくことにします。


おかわりの生ビールを飲みながらいただいた「そばコロッケ」は、油っこく無く、サクサクに揚げられていて思った以上にボリューム感が感じられます。なお、コロッケと一緒にソースが運ばれてきましたが、ソースを付けずにそのままいただいた方が、美味しくいただけるように思います。


最後に登場した「玉子焼」は、外見も中身も黄色一色の「玉子焼」で、フワフワ感がとっても美味しいです。

今日はこの後、海老名陸上競技場で夕方18時試合開始の社会人ラグビーの試合を観戦する予定となっていることから、腹に溜まる料理を意識して選びましたが、思っていた以上にボリュームのある料理ばかりで、既に腹八分という状態ではありましたが、蕎麦を食べない訳にはいかないため「せいろ」をお願いします。


料理同様ボリューム感の感じられる蕎麦はやや硬めの印象ですが、ツルツルっと心地良くいただくことの出来る美味しい蕎麦でした。また、蕎麦汁は出汁の効いたやや濃い目ではありますが、スッキリした美味しい蕎麦汁で、蕎麦ともサラリとした蕎麦湯とも相性も良い蕎麦汁でした。


なお、最後の蕎麦湯と一緒に熱い蕎麦茶をいただきました。「蕎麦湯がお茶の代わりです。」としてお茶の出ないお蕎麦屋さんもありますが、年配のお客さんの多いお店ということもあってか、「最後はお茶で締めたい。」という方への配慮なのかもしれません。そういえば、入店して最初に運ばれて来たのは熱い緑茶でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そばと豆腐の店・国分寺そば』さんは、店内にジャズが流れていて、純和風のお店にはミスマッチにも思えるかもしれませんが、清潔感の漂う広々とした店内の雰囲気と合わさってとても良い落ち着いた空間を作っていると思います。

そして、美味しい料理はもちろんのこと、女性の店員さんに限らず店長風の男性店員さんも含めて気配りの行き届いた丁寧な接客がなかなか好印象の、夫婦でのんびり蕎麦前を楽しみたいそんなお蕎麦屋さんでした。

そうそう、おつりでいただいた千円札は番号続きの新券でした。
そんな些細なところにも気持ちの良さが感じられる「いいお店」でした。

ごちそうさまでした。


『田中屋@横浜・平沼』さんの「そばの春巻」

2013-09-07 11:05:00 | 横浜市(西区)

板に蕎麦を盛った「板そば」や「きざみ鴨せいろ」が名物の『そばうどん 平沼・田中屋』さん。
最寄り駅が京浜急行電鉄・戸部駅、横浜市営地下鉄・高島町駅、相模鉄道・平沼橋駅と多く、更には横浜駅から歩いても10分程度と交通の便と立地条件の良いお蕎麦屋さんではありますが、逆に「いつでも行ける。」という思いが先行してしまい、これまで一度も訪れたことがありませんでした。

そして今日、朝から所用で出掛けたことから、開店時間の午前11時に訪れてみました。

お店に到着したのは開店時間を5分程過ぎた時間でしたが、既に数名のお客さんが席に着いてビールを飲み始めています。そして、早速ビールを頼もうと思い目の前にあるメニューを広げますが、食事のページしかなく、アルコールと一品料理のページがありません。

「蕎麦前は夜だけで昼は無しか・・・。」と思いましたが、店内に「そばビール」の張り紙が貼られていて、また「鴨料理」のメニューが掛けられていたことから、「ビールを・・・。」と口にすると「お待ちください。」という言葉を置いて別メニューになっているアルコール&一品料理のメニューを持ってきてくれました。

メニューを出していないということは、やはり昼の蕎麦前は受け付けていないようですが、念のためお昼に料理が大丈夫か確認してみると、「大丈夫ですよ。」とのことでしたので、そばビールと一緒に「そばの春巻」と「なすのみそ田楽」と「そばの巻寿司」をお願いします。

お通しの「そば味噌」を肴に「そばビール」を飲みながら料理を待ちますが、このビール、発泡酒ながら味わい深いビールでとても美味いです。


ここでちょっと気になることが・・・。
時刻は午前11時を少し過ぎたところで、まだ混雑しないだろうと思われる時間ではありますが、蕎麦を食べるお客さんが続々と訪れ、「やっぱりお昼の蕎麦前はまずかったかな?。」という雰囲気です。

そんな雰囲気を感じながら最初の料理「そばの春巻」をいただいてみると、アツアツパリパリで、醤油も辛子も付けずそのまま食べても十分美味しいです。美味しいビールを飲みながら美味しい春巻きをいただき、最初の一品から満足度の高い蕎麦前となりました。


なお、「そばの春巻」は、蕎麦を延ばして皮にしている春巻きと、具材に蕎麦を入れている春巻きとがありますが、いただいた春巻きは後者の「具材に蕎麦を入れている春巻き」でした。


続いて登場したのは「なすのみそ田楽」で、味噌の上に蕎麦の実がふりかけられています。
ここでビールがなくなり、いつもならお酒をいただくところではありますが、今日は「そばビール」をもう1本いただくことにします。それにしても美味しいビールで、何本でも飲みたくなります。


そして最後に運ばれて来た「そばの巻寿司」。
蕎麦と一緒に巻かれているマグロ(?)の美味しさが口の中に広がり、「蕎麦を食べている。」ということをあまり感じない「そばの巻寿司」です。そういえば、4人掛けテーブル席で宴会中の年配男性達が鴨料理と「刺身盛合せ」をつまみにお酒飲んでいますが、「このお店、刺身が美味しいのかな?。」って感じです。


さて、料理もいただき、純粋に蕎麦を食べに来ているお客さんが続々と来店している状況でもあることから、料理を食べている途中ではありますが、名物の「きざみ鴨せいろ」ではなく普通の「せいろ」をお願いします。

運ばれて来た「せいろ」は、1段でも十分な量ですが、丸い蒸篭2段に盛られていて、上下合わせると盛りの少ないお蕎麦屋さんでいただく「せいろ」の3枚分くらいありそうな量です。

ちなみに、蕎麦汁はキリッと引き締まった濃い目の辛口で、量の多い蕎麦をしっかり付けて、更に蕎麦湯を2杯飲んでもまだまだ残っているほどタップリいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そばうどん 平沼・田中屋』さんの開店時間は午前11時で、11時半頃まではゆっくり蕎麦前を楽しめるだろうと思っていましたが、会社員が早めの昼食を取りに訪れるなど続々と途切れることなく蕎麦を食べるお客さんが来店するお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。