蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『茅場町長寿庵@日本橋』さんのお酒に合う「木の葉煮」

2014-11-20 17:05:00 | 東京23区(中央区)

帰省した実家でお蕎麦の出前を取る時に利用する「長寿庵」さん。
この、「長寿庵」というお蕎麦屋さんは関東を中心に200店以上あると言われており、意外と身近な所にもあるかもしれないお蕎麦屋さんです。そして、その「長寿庵」という暖簾には4つの会派があり、それぞれの会派毎に、頂点に立つお店があります。

ということで、雨の降る平日夜、4つある頂点の1つ、『茅場町長寿庵』さんの暖簾を潜ってみました。

東京メトロ東西線&日比谷線・茅場町駅の真上にあるお店に到着したは開店時間の17時を少し過ぎた時間で、落ち着きのある若い花番さんに迎えられ、4人掛けのテーブル席に着きます。

メニューは、テーブルの上に2種類置かれていますが、席に着く際「お飲みになりますか?。」と確認され、「飲みます。」と応えたことからお酒のメニューと別冊になっている今日の料理(?)のメニューが追加されたので、合計4種類のメニューをあれこれ眺めながらお酒と料理を選びます。

それらのメニューを見てみると、築地が近いためか刺身など魚料理が充実しているようですが、雨天ということもあって陽気も冷え込んでいることから温かい物が欲しく、価格表示の無いメニューから温かそうな「木の葉煮」とお決まりの「玉子焼」を小サイズの瓶ビールと一緒にお願いします。


瓶ビールですが、まずは冷たいビールをグッと飲みたいときや、「今日はビール!」という時は中瓶や大瓶でも良いですが、寒い日や日本酒の前にとりあえず飲む場合などは軽くあれば十分なので、いただくお酒と料理の組み立て方に広がりが出来るという意味でも、そして1杯飲みながらお蕎麦を待とうという場面にも有効ということからも、小サイズの瓶ビールやグラスビールの存在はとても良いと思います。


さて、最初に運ばれてきた「玉子焼」ですが、どっしりとした見るからに美味しそうな玉子焼で、甘過ぎることの無い程良い甘さがなかなか好印象です。


追って運ばれてきた「木の葉煮」は、筍、椎茸、蒲鉾、タマネギ、三つ葉を具材とした玉子とじで、少々濃いめの味付けではありますが、三つ葉がとても良いアクセントになっていて、ビールとも日本酒とも相性の良い美味しい一品でした。ただ、お皿に盛り付けられていることから比較的短時間で冷めてしまい、お酒を飲みながらじっくり味わっていると最後は冷めてしまうのが少々残念かな?と思います。


「木の葉煮」を食べ始めたところでビールが空いてしまったことから、男性の花番さんに読み方を教えてもらった新潟県(糸魚川)の地酒「純米吟醸・奴奈姫(ぬなひめ)」をいただきましたが、穏やかで控えめなまろやかさと、心地良い余韻の残る日本酒でした。


居心地の良さもあってもう少しお酒をいただこうかな?、「めごち天ぷら」も美味しそうだし・・・、と思いましたが、思っていた以上に腹具合が満たされていたことから蕎麦をお願いすることにします。

蕎麦は、メニューをチラッと見て「花巻か・・・。」と思いながらも深く考えずに「せいろ」をお願いしましたが、蕎麦を待っている間にメニューを今一度よく見てみると、「温かい蕎麦の追加にどうぞ」という一言が添えられている「おかわり小せいろ・汁付」というメニューに気付きます。これって、「花巻+小せいろ」という注文ができるということで、老舗のお蕎麦屋さんなので、「追加の小せいろを先に出していただき、声掛けで花巻。」なんてわがままも聞いてくれるかもしれないので、そうすれば良かったと少々後悔です。やはり、何を食べるのか決めていたとしても、メニューはしっかり確認しないといけませんね。

それにしても、ビールの小瓶があったり、汁付きの小せいろがあるなど、料理とお酒と蕎麦の楽しみ方をあれこれ自分なりにアレンジすることのできるお蕎麦屋さんで、場所柄もあってのことかもしれませんが、ビジネスマンにも優しいお蕎麦屋さんという印象です。


いただいた「せいろ」は北海道産の秋新そばで、やや硬めの食感でしたが風味の良さが感じられます。
また、白い蕎麦猪口に注ぐと濃い茶色なのに透き通っているように見える綺麗でクリアな蕎麦汁は、ほんのり甘さの感じられる甘辛い味わいで、蕎麦との相性も良く美味しい「せいろ」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『茅場町長寿庵』さんは、創業明治40年(1907)の「木鉢会」にも所属している老舗のお蕎麦屋さんで、地下1階にあるお店の入口に置かれている鉢植えや、スッと掛けられている暖簾に凛とした老舗の風格が感じられますが、老舗であることを意識させない、「和風」を上手く取り入れたモダンな作りのお蕎麦屋さんでした。


また、けして広くは無いもののゆったり&シンプルにまとめられている店内には落ち着きと清潔感が漂い、ゆったりくつろぐことのできる雰囲気がとても心地良いです。

そして、そんな居心地の良さと、丁寧にしっかりした作られた料理と、接客のいずれにも何一つとして不満の無い、老舗の実力がしっかり感じられるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『茶織菴@古都・鎌倉』さんの香ばしい「そば焼き味噌」

2014-11-18 13:30:00 | 神奈川県(鎌倉市)

数多くのお蕎麦屋さんが点在している古都・鎌倉。

つい先日、その中の1軒「そばや」さんを訪れたばかりですが、所用で休暇を取った平日の午後1時過ぎ、今度は鶴岡八幡宮近くにある『手打ちそば・茶織菴(さおりあん)』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

平日の昼過ぎとはいえ観光地・鎌倉なのでそれなりに席は埋まっているだろうと予想しましたが、先客は年配のご夫婦1組と女性のお客さんが6名と、7人程度が座れる大きなテール席と5つある2人掛けテーブル席のうち店内一番奥の1つが空いている状況で、まぁ、「いかにも平日昼下がりの古都・鎌倉」(程々に混雑していて、お客さんのほとんどが女性)といったところでしょうか?。


さて、1つ空いていた2人掛けテーブル席に着いて早速メニューを眺めると、品数は多く無いものの蕎麦前には十分な一品料理があることから、玉子焼がお願いできるか確認(混雑時は注文できない場合があるとの注意書きあり)してから、瓶ビールと一緒に「玉子焼き」と「そば焼き味噌」をお願いします。


まずいただいた「そば焼き味噌」は、テーブルの上に置かれただけで香ばしい香りの漂う焼き味噌で、焦げた外側のカリカリ感と香ばしさが食欲をそそるとても美味しい焼き味噌でした。


続いて、箸を入れるまでも無く、見るからにアツアツフワフワふっくらした綺麗な玉子焼は、甘さの抑えられたアッサリした味わいでしたが、ビールとの相性がとても良い「玉子焼き」でした。


予定していた所用は既に終了していることから、もう少しのんびりして行くことに問題はありませんでしたが、今日は日本酒を飲もことも無く、おとなしく蕎麦をいただくことにします。

いただいた蕎麦は「かき揚げせいろ」で、蕎麦汁はキリッとした口当たりではありますが辛いという印象は無く、旨味の感じられる蕎麦汁でした。また、蕎麦は細麺でよく冷えていて悪くはありませんが、少々水分が多く長さも短めで、ズルズルッと食べるにはやや食べ難いかな?という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・茶織菴』さんは、外観こそこじんまりとした古民家風のお蕎麦屋さんですが、明るく綺麗な店内は上下左右隅々まで清潔感が漂っていてとても気持ちの良いお店です。

そして、そんな居心地の良い店内で、柔らかい接客を受けながら心のこもった丁寧さの感じられる料理をいただいていると、観光客の多い観光地のお蕎麦屋さんという印象は拭えないものの、とても贅沢な時間を過ごしているということが感じられる、そんなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『更里@浅草橋』さんの甘さ控えめな大人の「玉子焼き」

2014-11-11 17:10:00 | 東京23区(台東区)

屋形船の係留所があったり、小さな飲み屋さんがあちこちに点在しているなど、下町風情を残しながらも少々異なる雑多な雰囲気が色濃く漂う夜の浅草橋。

その浅草橋の、飲食店が集まっているJR総武線のガード下から1本路地に入った、静かな一角にそっと佇んでいる『手打そば・更里(さらり)』さんの暖簾を仕事帰りに潜ってみました。

暖簾を潜ったのは開店直後の夕方17時過ぎということで、2人掛けのテーブル席が2つとカウンター席が3席というこじんまりとした店内に先客の姿は無く、案内されたカウンター席に着いてホッと一息ついてから、瓶ビールと一緒に「板わさ」と「玉子焼き」をお願いします。


最初にいただいた「板わさ」は、しっかりした歯応えと弾力感の感じられる蒲鉾で、枚数は4枚ですが、小さく食べ易いサイズに切られていて、蕎麦前の最後までポツポツとつまみながら美味しくいただきました。

なお、添えられているワサビは擦り下ろした物なのか、爽やかで新鮮味が感じられ美味しいです。
ちなみに、お通しは牡蠣(?)を調理した物で、一品料理の一つにもなる贅沢なお通しでした。


BGMの無い店内で一人静かにくつろいでいると、目の前の厨房からジュワ~っという玉子焼を焼いている音が聞こえてきます。天婦羅を揚げている音もそうですが、他にお客さんのいない貸切状態の静かな店内で、のんびりくつろぎながら調理している音を聞いているのもなかなか気分の良いもので、調理している「音」もまたお酒を美味しく感じさせてくれる肴になるように思います。

そして、焼いている音が止まり、しばらくして目の前にホカホカの「玉子焼き」が置かれます。
いただいた「玉子焼き」は薄い黄色で、正直、一目見ただけで「お~、旨そうだ!。」という印象は持たないかもしれませんが、いざいただいてみると、甘さ控えめのフワフワな玉子焼で出汁の旨みも程良く、ビールの肴に相応しい、かなり美味しい大人の玉子焼でした。


さて、そろそろ蕎麦をいただこうか、それとももう少しお酒と料理をいただこうかと迷いましたが、メニューにあった「オリジナル純米原酒・更里」という日本酒が気になったので、「ハタハタの唐揚げ」と一緒に「オリジナル純米原酒・更里」をお願いすることにしました。しかし、「お昼にお酒を飲むお客さんがいたので品切れになってしまった。」とのことで、空瓶を見せていただいただけで、いただくことは出来ませんでした。

空瓶を見ながら残念に思っていると、ご主人が冷蔵庫から「今日あるのはこんなの。」と、メニューに無い銘柄の1升瓶2本を目の前に差し出します。

差し出された日本酒はどちらも飲んだことの無い銘柄で、「1合ずつ両方。」と言いたいところをグッと抑えて、長野県の地酒「牧水」(生もと造りだったかな?。)をいただくことにしました。

その「牧水」は、丸く柔らかい口当たりでふんわりした甘い印象でしたが、ベタベタすることの無い旨味のある美味しい日本酒で、素揚げに近い薄っすら揚がった、薄味なのに何だかとっても美味しい「ハタハタの唐揚げ」と一緒に美味しくいただきました。


美味しい料理とお酒をいただきながらのんびりしていると、サラリーマンが一人で来店してカウンター席に座り、続いて年配の御夫婦1組が来店してテーブル席へ、更に着物姿の女性が一人で訪れるなど、いつの間にか席がほぼ埋まった状態となりましたがみなさん顔見知りのようで、つい先程までの静けさは消えてしまったものの「この雰囲気が更里さんの本来の雰囲気なのかな?。」と感じる人情味のある華やかな雰囲気となり、これはこれでなかなか居心地が良いです。

ということで、席も埋まって来たので締めの蕎麦をお願いします。

最後にいただいた「もりそば」は、歯応えのある太めの食感で、蕎麦汁は色が黒く明確な辛さが感じられるものの味わいはやや控えめかな?という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・更里』さんは、下町風情と人情味の感じられる雰囲気と、営業的では無い自然で丁寧な接客がなかなか好印象のお蕎麦屋さんでした。

また、拘りの感じられるお酒の品揃えとお酒に合う一品料理がなかなか良い感じの、パスしたもう一方の日本酒をいただきながらもう少しのんびりしたかったかな?という思いの残ったお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『よしむら@吉祥寺』さんのお酒が進む「鴨味噌焼き」

2014-11-09 11:30:00 | 東京都(武蔵野市)

東京の吉祥寺に所用があり、朝からうちの奥さんと二人で傘を差しながら出掛けました。
所用は、当初の予定通り午前11時に終了したことから、終了後、少々急ぎ足で11時半開店の『蕎麦(二)味酒・よしむら』さんへと向かいました。

少々急いだこともあり、お店には開店時間前に到着することが出来ましたが、開店間際にも関わらず先客の姿は無く、「臨時休業だったりして・・・。」と思ってしまうほど静かです。しかし、そんな心配をする必要も無く、開店時間丁度に御主人らしき穏やかな男性がお店の中から顔を出し、店内へと案内されます。

古民家風の落ち着いた雰囲気の店内には、カウンター席と8人掛けの大きなテーブル席に加え、4人掛けテーブル席3つと2人掛けベンチシートのテーブル席1つがゆったりと配置されていましたが、2人掛けのテーブル席が無かったことから「カウンター席でも良いかな?。」と思っていたところ、「お好きなところにどうぞ!。」と声を掛けられたため、お言葉に甘えて4人掛けテーブル席を使わせていただくことにしました。


席について早速メニューを広げますが、開店を待っている間にお店の外にあったメニューをザッと眺めていたので、迷うことも無く、ハートランドビール(瓶ビール)と一緒に直ぐ出てきそうな「佃煮の三点盛り」と、料理の名前が美味しそうな「鴨味噌焼き」、そして外せない「出汁巻き卵」をお願いします。


料理を待っている間にお酒のメニューをじっくり見てみると、馴染みのある銘柄、初めて見る銘柄など多種多様な日本酒が豊富に並んでいて、どうしようどうしようと迷うことが何だか嬉しくなってしまいます。

ということで、ビールを飲み始めたばかりではありますが、残りのビールは奥さんに任せてしまい、お気に入りの地酒、福島県の「特別純米・飛露喜<貴重酒>」をお願いします。


さて、最初の料理「佃煮の三点盛り」は、昆布と海苔と椎茸の佃煮盛り合わせで、全体的に薄味という印象でしたが丁寧さが伺える一品で、「飛露喜」と一緒に美味しくいただきました。


次に運ばれて来た料理は「鴨味噌焼き」でしたが、写真を撮っている間に「出汁巻き卵」も運ばれて来たので、結局料理3品全てがテーブルの上に並んでしまいました。

温かいうちにいただこうと思い、「鴨味噌焼き」よりも先に手を付けた「出汁巻き卵」は、あさつき(万能葱?)と無色透明のアンが掛かった見たことの無い玉子焼でしたが、アンに味は感じられず、また、玉子焼そのものが甘さ控えめの薄味で、醤油を付けて丁度良いかな?というアッサリした玉子焼でした。


見るからに美味しそうな「鴨味噌焼き」は、鴨肉が粗いミンチ状になっているのかツブツブの食感と味噌の香ばしい味わいがなかなか良い感じで、思わず「旨い!」と唸ってしまう美味しい味噌焼きでした。

そんな美味しい料理をいただいているとお酒の進み具合も速くなってしまい、アッと言う間に「飛露喜」が無くなってしまいました。そのため、秋田県の地酒「春霞 純米 美郷錦」を追加でお願いし、料理を残すこともなく綺麗に美味しくいただきました。


最後にいただく蕎麦ですが、こちらの『蕎麦(二)味酒・よしむら』さんは、更科に近い「吉祥寺」という名前の蕎麦と、田舎に近い挽きぐるみの「開田」という名前の蕎麦が用意されていますが、「十割蕎麦・新そばせいろ」という蕎麦が目に止まったので、その「十割蕎麦・新そばせいろ」をいただくことにしました。


いただいた「十割蕎麦・新そばせいろ」は、程良い歯ごたえと香りに蕎麦を食べているということが感じられる、美味しく食べ易い蕎麦でした。

なお、うちの奥さんは「合鴨南蛮」をいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦(二)味酒・よしむら』さんは、物静かでおおらかなご主人の柔らかい接客に温かさを感じながら、夫婦でのんびりくつろげるお蕎麦屋さんでした。そして、料理にしてもお酒にしても何一つとして不満は無く、家の近くにあったらちょくちょく通いたくなってしまうお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『そばや@古都・鎌倉』さんの美味しい燻製料理

2014-11-08 11:08:00 | 神奈川県(鎌倉市)

古都・鎌倉には多くのお蕎麦屋さんがありますが、いつ行っても混んでいるという印象と、お昼にお酒なんか飲んだら迷惑かな?という思いがあることから、江ノ島や逗子のお蕎麦屋さんには足を運んでいるものの、鎌倉のお蕎麦屋さんはついつい敬遠してしまっていました。

しかし、桜も紫陽花も無く、夏でもなく、紅葉には少し早いかな?という時期の、時折小雨がパラつくどんより曇った日なら観光客も少な目かな?と思い、JR横須賀線・鎌倉駅から徒歩25分という少々遠い住宅街の中にある『そばや』さんへ行ってみることにしました。

お店に到着したのは開店時間の11時ということもり、4人掛けテーブル席が2卓と2人掛けテーブル席が1卓、そしてカウンター席が3席とこじんまりした店内に先客の姿は無く、木の温もりが感じられる静かで落ち着いたカウンター席に着いて早速メニューを眺めます。

まず料理ですが、店内に掲示されていた「酒肴三点盛り」と料理のメニューから「だし巻き玉子」をお願いしようと思いましたが、「これから予約のお客さんが訪れ、1人で切り盛りしているのでだし巻き玉子はいつ作れるか分からない。」とのこと。時間が掛かるのは構いませんが、いつ作れるか分からないと言われてしまうとさすがに「待ちます。」とは言えず、「そばやの焼き鳥」をいただくことにしました。


また、日本酒が充実しているのでビールは飲まずに最初から日本酒をいただこうと思い、まずは福島県の地酒「純米酒・奈良萬」をお願いします。なお、日本酒は半合でも良いとのことなので、数種類飲めるよう、半合でお願いします。


料理と「奈良萬」を待ちながら何気なくお酒のメニューを眺めていると、「メニューには無いけどこんなお酒もあります。」と、目の前に1升瓶がドン、ドン!と並べられます。もちろん、その多くは飲んだことの無い日本酒ばかりで、なんだか今日は昼から深くなりそうな予感です。


さほど時間が掛からず目の前に置かれた「酒肴三点盛り」は、蒲鉾と山ごぼうの煮物(かな?)と自家製・たらこの燻製で、量こそ多くは無いものの、日本酒の進む肴ばかりで申し分の無い一品です。特に、たらこの燻製は香りも味わいも良く、美味しいです。


そんな美味しい料理をいただきながらご主人とお酒の話などしていると、半合ということもあって「奈良萬」が簡単に無くなってしまったので、あれこれ話をしている中で試飲させていただいた石川県の地酒「純米無ろ過生原酒・遊穂(ゆうほ)」を同じく半合でお願いします。

この「純米無ろ過生原酒・遊穂(ゆうほ)」という日本酒は、見たことも聞いたことも無い日本酒で、口に含むと甘味と酸味とが入り混じったような独特の味わいが感じられますが、いつまでも口の中にベタベタと残ることの無い、切れの良い後味サッパリの日本酒でした。

また、「遊穂」を飲みながらいただいた「そばやの焼き鳥」は、出汁の効いたタレが美味しいだけではなく、皮のパリパリ感と柔らかい肉の食感がなかなか良い感じの、満足度の高い焼き鳥でした。


焼き鳥が残り少なくなってきた頃には予約のお客さんも来店し、ご主人の忙しさも増してきたことから、そろそろ蕎麦前は終わりにしようと思い、最後に「自家製・秋刀魚の燻製」と、最後に飲もうと決めていたお気に入りの地酒、秋田県の「純米酒・春霞」を1合でお願いしたところ「春霞」が品切れとのこと。
ということで、本日最後のお酒は福井県の地酒「逸品・黒龍」となりました。

いただいた「自家製・秋刀魚の燻製」は、程好い柔らかさと燻製の香りが心地良く、とてもお美味しいです。
それにしても、たらこの燻製といい、秋刀魚の燻製といい、美味しい燻製料理でクセになりそうです。


さて、最後にいただいた「せいろそば」ですが、キリッとした辛口ながらほんのり甘さの感じられる蕎麦汁で、喉越しの良い蕎麦を美味しくいただくことが出来ました。また、最後に蕎麦湯とは別に熱々の蕎麦茶をいただきましたが、飲んだ後ということもあり、とても美味しく感じた蕎麦茶でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そばや』さんは、「そばやで昼呑み。幸せな時間が過ごせます。」とお店をアピールしている若いご主人と、カウンター越しにあれこれ話をしながら美味しい料理とお酒をお昼からいただくことの出来るお蕎麦屋さんで、のんびり憩いの一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんというより、お酒を飲みながら楽しい一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。