蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『おおつか@横浜・港北NT』さんの鴨先「鴨せいろ」

2014-01-31 23:51:46 | 横浜市(都築区)

所用があって休暇を取った1月最後の金曜日、昼食を取るために一人で横浜・港北ニュータウン(横浜市都筑区)にある『手打そば・おおつか』さんを訪れてみました。

事前にインターネットでお店について調べてみると、ご主人と女将さんの二人でこじんまりと営んでいるお店で、車で来店するお客さんも多く混雑しているようです。更には、横浜市営地下鉄・センター北駅近くにあるお店ということで、昼食の時間をずらして訪れるサラリーマンもいるだろうと予想し、13時半頃到着するよう計画を練りましたが、午前中の所用が予定より早く終わってしまい、13時過ぎに到着してしまいました。

お店に到着すると、やはり駐車場は満車でおまけに自転車まで停まっていて混んでいるようです。
しかし、時間はあるので待つつもりでお店に入ると、6人掛けの大きなテーブル席は空いていましたが、4つある4人掛けのテーブル席は全て使用されている状況で、「1人で来店しているおじさんと相席だな。」と思いながら案内されるのを待っていると、「どうぞ、お座りください。」と6人掛けのテーブル席に案内されます。

少々恐縮しながら6人掛けの大きなテーブル席に着いてメニューを広げますが、こちらの『手打そば・おおつか』さんは料理と蕎麦のメニューが限られていて、「あれこれいただきながらお酒を楽しむお蕎麦屋さん」ではないことから、評判の良い「鴨せいろ」の鴨を先に出してもらえるか確認したところ、笑顔で「大丈夫です。」とのことだったので、瓶ビールと一緒に「鴨せいろ」を鴨先&お声掛けでお願いします。


「今日は鴨を肴にビールを1本いただき、最後にせいろで締めて終わりだな。」と思っていると女将さんがやって来て、「今、前のお客さん(先客)の天ぷらを揚げていて、鴨はその次なので、ビールはその時一緒にお持ちしますね。」と伝えられます。時間は十分あるのでもちろん問題はありませんが、料理とビールを一緒にいただけるよう配慮してくれているようです。

そしてビールと一緒に登場した、見た目も綺麗で食欲をそそる「鴨せいろ」の鴨。
「鴨せいろ」の鴨といっても鴨肉の入っている鴨汁ではなく、おろしたての生姜とタップリの白髪葱が添えられている鴨肉(鴨ロース?)です。


その鴨肉をまずそのままいただいてみると、臭みの無い軟らかい鴨肉で、ビールの肴に相応しい鴨肉というよりも、ワインが飲みたくなってしまう鴨肉です。

次に、添えられている生姜や白髪葱を挟んでいただいてみましたが、鴨肉自体に味がしっかり付いているのか、何も挟まず鴨肉だけでいただいた方が、鴨肉の味わいを楽しめるように思います。


さて、鴨肉が無くなったところで「鴨せいろ」の蕎麦をお願いします。
見た目は太さにバラツキがあり、少々水分が多いといった印象の蕎麦(麺)で、いただいてみると「細く柔らかい。」という感じです。

続いて蕎麦汁をちょっぴり舐めてみると・・・。
「んっ!。なんだこの蕎麦汁。」

キリッと引き締まった辛口の蕎麦汁ですが、けして辛過ぎることはなく、じっくり味わってみるとまろやかな出汁の旨味がしっかり感じられ、かなり美味しいです。

正直、今日はビールを飲みながら「鴨」をいただくことばかりに気持ちが向いていましたが、良い意味で期待の外れた美味しい蕎麦でした。


今日、「鴨せいろ」一品で蕎麦前と蕎麦を楽しませていただいた『手打そば・おおつか』さんは、マッタリと昼酒を楽しむお蕎麦屋さんではありませんが、夫婦二人でのんびり天ぷらと鴨と蕎麦を楽しむことの出来る、地元に根付いたお蕎麦屋さんと思います。

そのため、「○○さん、お正月どうしてたんですか?。」といった常連さんとの会話も聞かれましたが、けして居心地の悪さを感じることも無く、一見さんだからといって接客が雑だと感じることもありませんでした。逆に、ビールと料理を同時に出すよう配慮してくれるなど、細部に心遣いの感じられる親しみやすい接客だったと思います。

また、今になって思えば、「鴨せいろ」だけではなく、「穴子の天ぷら」(単品)もいただけば良かったかな?と、食べなかったことを後悔するほど好印象を抱くことの出来たお蕎麦屋さんでした。

美味しい鴨と蕎麦をごちそうさまでした。


『百花@横浜・山手』さんの桜塩でいただく「天婦羅」

2014-01-25 23:49:55 | 横浜市(中区)

お蕎麦屋さんを訪れる時の多くは、「出掛けたついで」か「一人で食事を取らなければならない時」のどちらかですが、2週続けてうちの奥さんと2人で「お蕎麦屋さんへ行くための外出」となりました。

今回訪れた『手打そば・百花』(ひゃっか)さんはJR根岸線・山手駅すぐ近くにあるお蕎麦屋さんで、民家を改造したお店なのか、入口の扉も普通の民家で使用されているような玄関扉で、玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えて店内に入ります。というより、スリッパに履き替えて知人宅のリビングに入る感じです。

そして、静かにBGMが流れるそのフローリングのリビング(店内)には、2人掛けのテーブル席が2つと4人掛けのテーブル席が1つあり、更に奥の和室に座敷席があるといった、ある意味お蕎麦屋さんらしくない雰囲気です。

そんな『手打そば・百花』さんに到着したのは13時を少し過ぎた時間で、休日ならまだまだお昼時と言える時間と思いますが、先客は直前に1人で入った若い女性のみだったことから4人掛けのテーブル席に案内されます。

席に着いてメニューを広げますが、壁の貼り紙に書かれている銘柄と併せて美味しそうな日本酒が並んでいて、瓶ビールをコップ1、2杯飲んで、その後は日本酒という流れになりそうです。


ということで、とりあえず瓶ビール(中瓶)と一緒に「板わさ」、「出汁巻き玉子」、「にしん」をお願いします。

まずは、うちの奥さんが持ってしまった「蕎麦屋の板わさは普通」という印象を払拭する任務を担った「板わさ」。

まぁ、2切れ550円なら問題は無いと思いますが・・・。
と、やや不安を抱えながらいただいてみると、弾力感の感じられる無難な「板わさ」です。
また、注文を受けてからすりおろしているのか添えられているワサビがなかなか美味しく、それだけでも十分酒の肴になりそうなワサビです。


次に運ばれて来たのは「にしん」で、運ばれて来た際、新潟県の地酒「純米酒・緑川」をお願いします。
美味しそうな色合いの「にしん」を早速一切れいただいてみると、思っていたよりも薄味でしたが柔らかく、うちの奥さんも満足してくれた美味しい「にしん」です。そして、程良く冷えた「純米酒・緑川」との相性も良く、ついついお酒が進んでしまいます。


「板わさ」と「にしん」を肴に「純米酒・緑川」をいただきましたが、うちの奥さんもお気に入りの銘柄であることからアッという間に空になってしまいました。そのため、「塩から」と一緒に、銘酒でありながらお蕎麦屋さんの定番とも言える山口県の地酒「純米大吟醸・獺祭」(だっさい)を追加でお願いします。

「甘かったら七味を掛けてください。」と言われ、「甘い?。」と思いながらいただいた「塩から」は、確かに辛くは無い塩辛ですが、スッキリまろやかな「純米大吟醸・獺祭」の味わいを崩さないまずまずの塩辛でした。


そして最後に、注文したことすら忘れていた「出汁巻き玉子」。
先客の女性が注文した「天婦羅そば」(天婦羅盛り合わせ+かけそば)の天婦羅が美味しそうだったので、今日は「天せいろ」(天婦羅盛り合わせ+せいろ)をいただこうと思っていましたが、このタイミングでこのボリュームの玉子焼は天婦羅をいただくための腹具合に影響が出そうです。

おまけに、玉子焼を注文していたことを忘れていたためにお願いした「塩から」(玉子焼きを注文したことを覚えていれば塩辛は注文しなかったかな?。)の量も多い・・・。

まぁ、のんびり美味しいお酒を飲みながらいただくことにしましょうか。
と、少々マズイ流れかな?と思いながら青森県の地酒「特別純米酒・田酒」をいただきます。

さて「出汁巻き玉子」ですが、オレンジ色の箇所や白い箇所があって見た目はややイマイチな印象かもしれませんが、箸でつまむとジワリと出汁がにじみ出てくる、程好い甘さの玉子焼で、なかなか美味しいです。


今日は、自分達より後に訪れたお客さんがいないことから、先客の女性がお店を出てからは貸切状態で、のんびり美味しい肴とお酒をいただいているとついつい時間が経過するのも忘れてしまい、気が付けば滞在時間が1時間を超えています。そして、中休みまでの残り時間が20分を切ったところで慌てて蕎麦をお願いします。

お願いした「天せいろ」は、やや硬めの麺と、プリプリの海老2尾と数多くの野菜が盛られている具沢山の天婦羅盛り合わせとの組み合わせで、時間があれば天婦羅を肴に新潟県の地酒「本醸造・雪中梅」をいただきたいとついつい思ってしまうほど美味しい天婦羅です。

なお、天婦羅は天汁でも蕎麦汁でも無く、ほのかに桜の香りが漂う桜塩でいただきますが、これがまたなかなか良い感じで、美味しい天婦羅を更に引き立てていたように思います。

ちなみに、うちの奥さんは「鴨せいろ」をいただきましたが、鴨汁に入っている玉ねぎの甘味が出ていたのか、やや甘さの感じられる鴨汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・百花』さんは、ご主人がサラリーマン時代に趣味で始めた蕎麦打ちがきっかけで開業した、ご夫婦2人でこじんまりと営んでいるお蕎麦屋さんです。

そして、後から訪れたお客さんがいなかったということもあり、貸切状態のゆったりした静かな店内で中休みギリギリまでのんびりお酒をいただいてしまいましたが、中休みが無ければいつまでも飲み続けていたいと思ってしまうほど居心地の良いお蕎麦屋さんで、休日の昼下がりを夫婦二人でのんびり過ごすことの出来るお蕎麦屋さんではないかと思います。

また、夜は予約制のコース料理があるようなので、またいつの日か、二人でご馳走になってみたいです。

ごちそうさまでした。


『木の芽@横浜・元町』さんの山葵漬けを添えた「板わさ」

2014-01-18 23:02:47 | 横浜市(中区)

子供達が不在の土曜日、以前から、うちの奥さんと2人で訪れてみようと思っていた横浜・綱島にある「蕎真」さんへ行ってみました。ところがお店の入口に、「1月末までお休みします。」との張り紙が・・・。

「ようやく訪れる機会がやって来たのに・・・。」と思ってみたところでどうにもならないので、「綱島から短時間で、面倒と感じること無く向うことのできるお蕎麦屋さん。」という条件に、「うちの奥さんが一緒。」という条件を更に加えて新たなお店を検討した結果、東急東横線・綱島駅から乗り換え無しで行くことの出来る横浜・元町にあるお蕎麦屋さんへ向ってみることにしました。

ただ、過去を振り返ってみると、「うちの奥さんが一緒。」という条件を加えて選んだお店は、「確かに綺麗でおしゃれだけど・・・。」という結果になることもあり、少々不安を抱えながらの移動となりました。

そして14時過ぎ、JR根岸線・石川町駅近くにある『そば処・木の芽』さんに到着しました。
女性が1人でも入りやすい、明るく小奇麗な和風の店内に入ると、14時を過ぎた時間だというのにテーブル席はほぼ埋まっていて少々驚きです。しかし、運良く一番奥の4人掛けのテーブル席が空いていたので、待つことも無く席に着くことが出来ました。

席に着いて店内を見渡すと、「横浜・元町」という場所柄もあってかお酒を飲んでいるお客さんはあまり見掛けません(いない訳ではない)が、気にせず瓶ビールと「板わさ」と「揚げなす田楽」、そして14時以降に注文することの出来る「焼きたてだし巻き玉子焼き」をお願いします。


まずは「板わさ」。
お蕎麦屋さんで「板わさ」を食べたことの無いうちの奥さんが「食べてみたい。」というのでお願いしましたが、420円という価格通りの「板わさ」だったように思います。しかし、添えられていたのがワサビではなく山葵漬けで、うちの奥さんにとっては初めて味わう「山葵漬けでいただく蒲鉾」となり、それはそれで良かったと思います。


次に「揚げなす田楽」。
うちの奥さんは、最初、味噌の中に入っている小さなツブツブを胡桃かと思ったようですが、お蕎麦屋さんらしく味噌には蕎麦の実(?)が入っているようで、カリッとした食感がなかなか良かったです。


そして最後に登場した「焼きたてだし巻き玉子焼き」。
その大きさに驚いた玉子焼は、甘さの抑えられた食べ応えのある玉子焼でした。


さて、蕎麦をいただくタイミングとなったことから再びメニューを広げますが、もり汁を味わってみたいという思いが湧かなかったことから「鴨せいろ」をいただくこととし、うちの奥さんは温かい「野菜てんぷらそば」(野菜の天麩羅盛り合わせとかけそばの組み合わせ)をいただくことにしました。

いただいた「鴨せいろ」は、鴨汁に付けずそのままいただいても美味しい細麺の蕎麦と、小さく切られたネギがたくさん入っている鴨汁の組み合わせでしたが、やや濃い蕎麦汁の味わいが強く、鴨の風味があまり感じられなかったように思います。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・木の芽』さんは横浜・元町にあるお蕎麦屋さんということで、お客さんの年齢層が高く、かつ女性のお客さんや家族で訪れているお客さんの多いお蕎麦屋さんという印象でした。

また、他のお蕎麦屋さんと比べても価格が全体的に安く、正直、内容もそれ相応だったかな?という印象ではありますが、花番さんの接客が丁寧かつキビキビハキハキとしていて、気持ち良くお店を出ることができました。

ごちそうさまでした。


『たけうち@鹿島田』さんの自家製「いか塩辛」

2014-01-13 23:59:45 | 神奈川県(川崎市)

天気は良いものの、寒さの厳しい3連休最終日。
まず息子が部活動のために学校へ向かい、次にうちの奥さんと娘が二人で出掛け・・・。
これって、「中休みの無い、お酒が充実している昼酒OKのお蕎麦屋さんでまったりした昼下がりを過ごせ!。」ということなのかな?と都合の良いように解釈し、憩いの一時を求めて一人でお蕎麦屋さんへと向かいました。

向かったのは、JR南武線・鹿島田駅から徒歩12分程度のところにある『手打・たけうち』さん。

お店に到着して扉を開けると、3~4名程度が座れるカウンター席と、8人掛けの大きなテーブル席と4人掛けのテーブル席が1つという、こじんまりとしたフロアが目の前に広がりますが、13時半という時間もあってかお客さんは4人掛けのテーブル席を利用しているご家族のみで、「どうぞ。」と案内されて大きなテーブル席に着きます。

席に着いてメニューを広げますが、店内のあちこちに蕎麦や肴のメニューが書かれた紙が多数貼られていて、一通り眺めないと料理を決めることが出来そうもないので、とりあえず瓶ビールを先にお願いし、メニューと店内の張り紙を一通り眺めてから、自家製「いか塩辛」と「霞ヶ浦ワカサギ天麩羅」と「鴨串焼き」をお願いします。

お通しの揚げ蕎麦と漬物を肴にしてビールを飲みながら店内を見渡すと、カウンターにはお酒の一升瓶が並び、壁にはメニューが書かれた紙が多数張られていて、更には明るい曲調のBGMが流れているなど、お蕎麦屋さんというより昼から営業している居酒屋の雰囲気です。


そんな、なんだかとっても落ち着く、ついつい長居してしまいそうな悪くない雰囲気に浸っていると、まず小鉢にタップリ入った自家製の「いか塩辛」が運ばれてきます。

「どれどれ。」と思いながら「いか塩辛」をいただいてみると、歯応えも良く、控えめな味わいと柚子の香りがなかなか良い感じの、熱燗がほしくなる美味しい「いか塩辛」です。


つづいて京鴨を使用しているらしい「鴨串焼き」。鴨肉を焼くということで少し硬めの歯応えになるかと思いましたが、予想に反して柔らかい鴨肉で、添えられている味噌(?)を付けていただくと美味しいです。


「鴨串焼き」をいただいている途中でビールが無くなったので、日本酒をお願いしようと思い再びメニューを広げますが、あれこれ考える前に新潟県の地酒「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」というそそるお酒に目が止まってしまったので、迷わずお願いします。

いただいた「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」は、サッパリした口当たりとまろやかな旨みの感じられる日本酒で、塩辛を肴にグイグイと行ってしまいそうです。


最後に「霞ヶ浦ワカサギ天麩羅」が運ばれてきましたが、量が多く食べ応えのありそうな天麩羅です。
温かいうちにいただこうと思い、早速天汁でいただいてみると、程好い苦味が感じられ美味しいです。


美味しい肴にお酒も進み、アッ!という間に「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」が無くなってしまいました。
しかし、今日は最初から飲むつもりで訪れているし、後は帰るだけだし、どうせ家族みんな帰宅が遅い(と思っていたら息子の方が先に帰宅していた。)だろうし、後から来店した男性3人組も盛り上がっている最中だし、と迷う要素がまったく無いことから、次のお酒を選ぶために再びメニューを広げます。

そして次の日本酒に選んだのは福島県の地酒「親父の小言」。
また、どの肴も量が多く、腹具合もそこそこ満たされつつありますが、最初にいただいた漬物がとても美味しかったので、気になって仕方の無い「三浦のたくあん」を一緒にお願いします。

小皿に少量のたくあんが盛り付けられて運ばれてくるかと思った「三浦のたくあん」は、他の肴同様量が多く少々驚きですが、塩梅が絶妙で、箸が止まらなくなってしまうサッパリした美味しいたくあんです。
また、「親父の小言」はキリッとした辛口の日本酒で、これまた美味しいです。

なお、この「親父の小言」という日本酒は、震災の被害を受けた福島県浪江町の酒蔵(現在、山形県で事業再開中)で造られている日本酒で、ラベルには浪江町にあるお寺の住職が家族に残した数々の小言が書かれていて、小言を読みながら味わうお酒とされています。(小言を読む間も無く一升瓶を下げられてしまいましたが。)

それにしても、多くのお酒、それも吟醸酒だったりしているのに、どれも驚くほど安価で提供されており、その安さに気持ちも緩んでしまい、ついつい飲み過ぎてしまいそうです。


さて、お酒も肴も美味しく、価格も安いことからもっともっと飲んでいたいところではありますが、いつもより多くお酒をいただいているし、蕎麦をしっかり味わいたいのでそろそろ蕎麦をいただくことにします。

こちらの『手打・たけうち』さんでは自家製粉の蕎麦粉で打った蕎麦をいただくことが出来るので、まずはダメもとで、1日10食限定の「手挽きそば」が残っているか確認したところ、「大丈夫です。」とのことだったので、奈川在来種を手挽きして作った「手挽きそば」をいただくことにします。

蕎麦をお願いすると、まずタップリのネギとワサビの薬味が運ばれてきますが、ネギはきちんとほぐされていてフワフワしています。

そして待つこと数分、やや濃いグレー色した「手挽きそば」が目の前に運ばれてきます。
手挽き&手打ちらしく星が点在している蕎麦をまずはそのままいただいてみると、ボソボソ感は感じられず、程好いコシと冷たい水でシャキッと締められた食感がなかなか良い感じです。

なお、蕎麦汁は色味も味わいも濃い目ですが、まろやかな出汁の旨味がしっかり感じられる、熟成した蕎麦汁という印象の蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前(これだけ飲んで食べると蕎麦前とは言わない?。)と蕎麦をいただいた『手打・たけうち』さんは、毎日石臼で挽いた挽きたての蕎麦粉で蕎麦を打っているお蕎麦屋さんではありますが、充実した品揃えの美味しいお酒と肴を低価格で提供してくれるお蕎麦屋さんでもあり、休日の昼下がりに一人のんびりお酒をいただきながら憩いの一時を過ごすことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そうそう、お店に入った時、蕎麦を注文した時、蕎麦を食べ終えた時の3回蕎麦茶をいただきましたが、とても美味しい蕎麦茶でした。確かに、3回のうち2回はお酒をいただいた後だったので、「飲んだ後だったので美味しく感じたのではないのか?。」と言われてしまいそうですが、間違い無く美味しい蕎麦茶でした。
(と思います。自信はありませんが。)

ごちそうさまでした。


『神田尾張屋本店@神田』さんで2014年「蕎麦前初め」

2014-01-04 23:17:49 | 東京23区(千代田区)

正月休みも残り2日となった土曜日、社会人ラグビー「トップリーグ」の試合を観戦するために東京・青山にある秩父宮ラグビー場へ出掛けました。

試合は12時キックオフなので、試合終了後にどこかのお蕎麦屋さんで2014年の「蕎麦前初め」を行なおうと思い、「1月4日に通し営業している」を条件にお店を検討し、ビジネス街なので正月休み中はお客さんが少ないだろうと思われる『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんへ行ってみることにしました。

試合終了後、地下鉄で神田へ向い、階段を登って地上に出てみると・・・。
目の前に、人通りの少ない、神田とは思えない閑散とした風景が広がります。

そして14時過ぎ、東京メトロ・神田駅の真上にある、大正9年創業の「木鉢会」にも所属している『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんに到着します。

暖簾を潜ってお店に入り、女将さんに1人であることを伝えると「上へどうぞ。」と案内されます。
こちらの『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんは5階建ての立派なビルで、1階と2階がお店になっていますが、1階は更に小さな階段で半地下と半2階とに分かれている変則的な構造になっていて、「上へどうぞ。」というのは「半2階部分へどうぞ。」ということなので、数段の小さな階段を上がって4人席が4卓ほどあるこじんまりとした半2階フロアのテーブル席に着きます。


メニューは、一品料理&蕎麦のメニューとアルコールのメニューが別になっていて、お酒の品数は限られていますが、蕎麦と一品料理については充実した品揃えです。

今日は、温かい蕎麦を食べたい気分だったことから蕎麦前を軽くして、冷たい蕎麦と温かい蕎麦の両方をいただこうかと思いましたが、温かい蕎麦に「花巻」が無かったので、結局、「板わさ」と「厚焼玉子」と「かつ煮」を肴に瓶ビール(大瓶)をいただき、締めに「もりそば」をいただくことにしました。

まず運ばれて来た「板わさ」ですが、焼き蒲鉾でしょうか?。
食感が普通の蒲鉾とは少々異なるように思いますが、ビールとの相性が良い一品です。


続いて「厚焼玉子」。
優しい甘さの感じられる玉子焼ではありますが、甘過ぎることのない程好い甘さの美味しい玉子焼です。
お蕎麦屋さんでいただく玉子焼には多くの場合大根おろしが添えられていますが、『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんの玉子焼は醤油を垂らした大根おろしと一緒にいただくと、更に美味しさが増すように思います。


最後に運ばれて来た「かつ煮」。
「カラッとしている」というより「カリカリっとした歯応え」という印象のカツで、思いのほか肉厚です。しかし、油っこくも無く、タレが甘過ぎることも無い、サッパリいただくことのできる「かつ煮」です。


さて、締めの「もりそば」ですが、まず蕎麦汁を舐めてみると、甘いのか辛いのかを明確に判別することの出来ない、「しっかり熟成された濃い口」という印象の美味しい蕎麦汁で、蕎麦をしっかり蕎麦汁に通していただいてみると辛いので、やはり辛口なのかもしれません。

なお、いただいた「もりそば」は500円という記憶に無い低価格で、控えめな量かもしれませんが、蕎麦前をいただいた後の蕎麦としては十分な量と思います。


今日は正月休み中ということで、いつもはビジネスマンの多い神田の町中も閑散としており、また、時間も14時過ぎの中途半端な時間であったことからお店も空いていて、花番を務める女の子も女将さんも手持ち無沙汰のようで、のんびりゆったりした緩い雰囲気が店内に漂っています。

また、半2階という工夫された席で蕎麦前と蕎麦をいただきましたが、狭さを感じることも無く、しっとり落ち着いた清潔感の漂う店内で、休日の昼からお酒をいただくには何とも心地良いお蕎麦屋さんでした。

そうそう、会計の際、「お年賀です。」と言われて「神田尾張屋」の屋号が入った大入袋をいただきました。
中にはお茶漬け海苔が2つ入っていましたが、東京の老舗蕎麦屋ということが感じられる、2014年の蕎麦前初めに相応しい出来事でした。

ごちそうさまでした。