蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『路庵@下北沢』さんの旨味のある自家製特濃豆腐「厚揚げと冷奴」

2018-02-24 17:15:00 | 東京23区(世田谷区)

一人で夕食を取ることになった週末土曜日。
この日は朝から予定も無く時間に余裕のある休日だったことから、わざわざ夕食を取るために遠出をしてみようと思い、日頃訪れる機会の無い、小田急電鉄・下北沢駅から徒歩5分程度のところにある『玄蕎麦・路庵』(ろあん)さんを訪れてみることにしました。

お店に到着したのは、開店間もない17時過ぎという混雑するには早い時間であり、かつ駅から少々離れていることから空いているかと思いましたが、4卓程(?)ある4人掛けのテーブル席の多くは家族連れや年配の女性4人組などで既に埋まっていて、予想に反して賑やかな店内です。

そして、花番さんの案内に従い、ゆったりした6人掛けのテーブル席に着いて早速メニューを開きますが、この後それ程時間がかからず満席になるのではないかと思われるため、時間のかからない料理を中心にお願いしようと思い、「あさりの佃煮」と自家製特濃豆腐「厚揚げと冷奴」を生ビールと一緒にお願いします。


まずいただいた「あさりの佃煮」は、硬くも柔らかくも無いクニュクニュっとした程良い食感と、ほんのり感じる甘味がなかなか良い感じです。


豆腐料理を特長としているのか、メニューにあった「自家製特濃豆腐」というカテゴリから選んだ「厚揚げと冷奴」は、その名の通り厚揚げと冷奴(豆腐)の盛り合わせで、豆腐はネットリした食感の中に旨味がしっかりと感じられとても美味しいです。また、厚揚げはカリカリの硬い皮と柔らかい中身との対照的な組み合わせが面白く、これもまたなかなかの一品です。


料理をいただきながら、何気なくメニューをパラパラと眺めているとビールが空になったので、改めてお酒のメニューを開いてみると・・・。

悪くはありませんが、個人的な好みで言わせていただくなら迷う品揃えで、どうしようか?と迷った結果、美味しいお酒が実は多いという印象を持っている静岡県の地酒、「特別本醸造・喜久醉」(きくよい)をいただくことにします。


錫(?)でできているのか、いつまでも冷えている片口で運ばれてきた「特別本醸造・喜久醉」は、綺麗な旨味が感じられ、とても美味しいです。


それ程時間がかからず満席になるのかな?と思ってしまうほど開店早々から席が埋まり始めましたが、その後は落ち着いたのか新しいお客さんの入店も少なく、少々手のかかる料理をお願いすることが可能な状況と思われたため、季節の一品というカテゴリに分類されている(?)「だし巻き玉子」を追加でお願いします。

ちなみに、玉子焼はやはり時間を要するのか、続いてお願いしたお客さんには「少々時間をいただきます」と説明していたので、早目にお願いして正解だったのかもしれません。

追加でいただいた、モワモワと湯気が登っていく焦げ目の無い綺麗な「だし巻き玉子」は、甘さ控えめながら出汁の効いたなかなか美味しい熱々の玉子焼でした。


18時を過ぎ、いつの間にか空席を待つお客さんの姿が見られるようになり、併せて、席に着いているお客さんの注文に対しても「時間がかかります」と案内している状況であることから、そろそろ席を空けなければと思い、「天せいろ」をお願いします。

いただいた蕎麦は、喉越しの良い食べ易い細麺で、キリリと引き締まった辛口の蕎麦汁と共に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『玄蕎麦・路庵』さんは、下北沢という人も多く賑やかな町にあるお蕎麦屋さんであるため、若い方も多数訪れる賑やかなお蕎麦屋さんかと思いました。

しかし、いざ訪れてみると、確かにお客さんは多く賑わってはいましたが、その多くは家族連れ、ご夫婦、年配の女性グループといったお客さんで、人当たりの柔かい好印象な花番さんの接客と併せて、どこかホッとする温かみの感じられるお蕎麦屋さんでした。

また、一人で訪れているお客さんの姿を見ることのできなかったお蕎麦屋さんであることから、一人で訪れお酒を楽しむには肩身の狭い思いをしてしまうかと思えばそうではなく、一人で訪れ蕎麦前を楽しんでいても、居心地の悪さを感じることの無い居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『うさぎや@日本橋・久松町』さんの三つ葉入り「玉子焼き」

2018-02-16 18:05:00 | 東京23区(中央区)

出張で訪れていた仙台からの帰京が予定より早い時間だったことから、少し足を延ばして、人形町にある『蕎麦処・うさぎや』さんで蕎麦前と蕎麦を楽しんでから帰宅することにしました。

お店に到着したのは開店時間の18時を数分過ぎた時間で、木製の窓の無い引戸をガラガラと開けてみると、無駄な物は何一つとして見当たらない清潔感の漂うフロアが目の前に広がり、店内に一歩足を踏み入れただけで居心地の良さが感じられます。


メニューすら置かれていないスッキリした4人掛けのテーブル席に着いて差し出されたメニューをパラパラと眺めてみると、「季節の野菜天ぷら」に目が止まります。そろそろ山菜の天婦羅がいただける季節かな?と思い花番さんに内容を確認してみると、野菜は入るが山菜が中心との回答だったことから、追ってお願いすることとし、まずは生ビールと「玉子焼き」をお願いします。


お通しの「梅水晶」(で良いのかな?)を肴にビールをいただいていると、これまでに何度かいただいたことのある三つ葉の入った「玉子焼き」が運ばれてきます。

その、姿形の整った綺麗な「玉子焼き」を早速一切れいただいてみると、出汁と三つ葉の味わいがしっかりと感じられる甘さの抑えられた玉子焼で、醤油を軽く垂らした大根おろしを添えて美味しくいただきました。


ビールが残り少なくなったところで日本酒をいただこうと思い再びメニューを開いてみると、ご主人は新潟県出身の方なのか、見たり聞いたりする機会の多い銘柄ではありますが、間違いの無いであろう新潟県の地酒が並んでいます。

そんな拘りの感じられるメニューを眺めながら、そして、「峰乃白梅」も並べていただき「越の三梅」を飲み比べてみるのも楽しそうかな?なんて思いながら「雪中梅」をいただくことに決め、併せて「季節野菜の天ぷら」を一緒にお願いします。


時間がかからず運ばれてきた見た目も美しい「季節野菜の天ぷら」は、必要なら天汁も用意していただけるとのことでしたが、添えられていたほんのりピンク色の岩塩で美味しくいただきました。


天婦羅と「雪中梅」を楽しみながら、しばしくつろぎの一時を過ごさせていただいた後、季節の変わりそば「ゆず切り」をお願いします。

いただいた季節の変わりそば「ゆず切り」は、蕎麦汁を付けづにそのままいただいても十分に美味しい蕎麦でしたが、雑味の感じられない味わい豊かな辛口の蕎麦汁がかなり美味しかったことから、蕎麦汁に付けたり付けなかったりと、あれこれ食べ方を変えながら楽しくいただきました。

また、蕎麦汁は美味しいだけでなくしっかりした蕎麦汁でもあったことから、濃い目の蕎麦湯を注いでも味が崩れることはなく、最後の最後まで美味しくいただくことができました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦処・うさぎや』さんは、最後に出口まで送ってくれた人当たりの良い花番さんの丁寧な接客がとても好印象で、柔らかく温かみの感じられるお店の雰囲気に包まれながら、仕事の疲れを癒すことのできる上品で落ち着きのあるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。