蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

賑わう『やぶそば@小岩』さんの「にしん棒煮」

2015-03-21 15:35:00 |  東京23区(江戸川区)

所用で千葉県へ出掛けたその帰り道、少々小腹が空いたので、JR総武本線・小岩駅から徒歩15分程度のところにある『小岩・やぶそば』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店に到着したのは午後3時半ということで店内は閑散としているかと思いましたが、お店の前にある駐車場は満車に近い状態で、50人程度が入れるのではないかと思われる店内は半分程度が埋まっていて、「混雑している」というより「賑わっている」という感じです。

また、入口を入って正面奥が厨房で、右半分が座敷席、左半分がテーブル席となっていますが、座敷席側の外に小さな庭があり、ミミズクとハリスホーク(タカ科の一種)が籠などに入っていない状態で飼われていて、反対側のテーブル席壁側には熱帯魚の大きい水槽がテーブル毎に置かれています。


そして、席を指定されなかったことから店内端っこの4人掛けテーブル席に着いてカードケースのメニューを眺め、瓶ビールと一緒に「砂ぎも」と「にしん棒煮」をお願いします。


まずいただいた「砂ぎも」は、メニューに「ピリ辛」という一言が添えられていましたがそれ程辛くは無く、七味唐辛子を振り掛けて美味しくいただきました。


次にいただいた「にしん棒煮」は、花番さんから「お好みでどうぞ!。」と山椒をもらったので使ってみましたが、そのままの方が美味しいかな?と感じるまずまずの鰊でした。


さて、軽く小腹を満たそうと思って立ち寄ったものの、ついついいつも通りに蕎麦前をいただいてしまったことからそれだけで空腹が満たされてしまいましたが、それでも蕎麦はいただこうと思い「もり」をお願いします。

いただいた「もり」は蕎麦の量が多く、食べ過ぎたと感じるほど満腹になってしまいましたが、最後にいただいたほんのり甘い蕎麦湯がなかなか好印象で、今日の蕎麦前と蕎麦を美味しく締めくくってくれました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『小岩・やぶそば』さんは、夕方16時という時間にも関わらず1組帰っては1組やって来るという、お客さんの途切れない、賑わいを見せるお蕎麦屋さんでした。

また、愛想良くテキパキと動いている高校生(男子)かな?と思われる花番さんの仕事振りも見ていて気分が良く、家族で楽しい一時を過ごすことのできる、地元に根付いた活気ある町のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『遊庵@五反田』さんの「たらの芽とこごみの天ぷら」

2015-03-17 17:15:00 | 東京23区(品川区)

都内での仕事を終えたその帰り道・・・。
というより、仕事を終えたその場の近くに以前から訪れてみたいと思っていたお蕎麦屋さんがあったことから、ビールでも飲んでから帰ろうと思い、暖簾を潜ってみることにしました。

暖簾を潜ったお蕎麦屋さんは、JR五反田駅から徒歩10分程度の所にある『蕎麦処・遊庵』さんで、時間が早いということもあってかテーブル席のみのゆったりしたフロアに先客の姿は無く、「どうぞ~。」との丁寧な案内を受けて2人掛けのテーブル席に着きます。

席に着いて「どれどれ」と思いながら目を向けたメニューは、定番メニューの他に手書きのおすすめ&季節物のメニュー(?)が用意されていて、その品揃えに珍しくどうしようか迷いましたが、定番メニューから「そば味噌と葱」をいただくこととし、手書きのメニューから「菜の花おひたし」をいただくことにします。


最初に運ばれてきた「そば味噌と葱」ですが、この料理を選んだのは単純な「蕎麦味噌」ではなく「と葱」という文字が付いていたからで、葱と蕎麦味噌がどのように絡んでいるのかと思いましたが、大きめに切られた生の葱に蕎麦味噌が添えられているという形で、モロキュウのキュウリが葱になったような料理でした。

そして、まずそれぞれを別々にいただいてみると、見るからに辛そうな葱はそのまま辛く、じゃあ、蕎麦味噌は甘いのかな?と思いましたがこちらもピリ辛で、「ピリ辛の蕎麦味噌を辛い葱に乗せて食べるのか・・・。」と思いましたが、いざ食べてみると新鮮さの感じられるシャキシャキっとした葱の歯応えがなかなか良い感じで、更に、辛いと思った辛さもそれ程では無く、ビールとの相性がとても良い一品でした。


この季節になると、食べたばかりなのに見掛けるとついついお願いしてしまう「菜の花おひたし」は、量も多く、軽く味付けされているのかまずまずの美味しいおひたしでしたが、鼻にツーンとくる辛さの感じる料理で、辛い料理が重なってしまったかな?という感じです。

ということで、ビールの進む料理ばかりだったということもあってサッサとビールが空になってしまったことから、福島県の地酒「生もと・大七」と「たらの芽とこごみの天ぷら」を追加でお願いします。


お酒と料理を追加する頃になると席も随分と埋まり、花番さんもフル稼働状態になったことから料理に時間が掛かるかな?と思いましたが、さほど待つことも無く「たらの芽とこごみの天ぷら」がテーブルに置かれ、併せて「蕎麦茶塩でどうぞ!。」と塩が差し出されます。

蕎麦茶塩?。
最初は聞き間違いかと思いましたが、塩の入っている器に間違い無く「蕎麦茶塩」と書いてあります。
そして、その初体験の蕎麦茶塩を舐めてみると、確かに、通常の塩ではなく蕎麦茶の味がします。


そんな、少々珍しい塩(なのかな?。個人的には初体験)でいただいた「たらの芽とこごみの天ぷら」は、ベタベタすることも無くカラっと揚がっていて、なかなか美味しい天婦羅でした。


さて、いただきたい料理は他にもありましたが、ついつい飲み過ぎてしまいそうだったので、最後に「もりそば」をいただいて今日の蕎麦前と蕎麦が終了となりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦処・遊庵』さんは、蕎麦と一品料理の品揃えが充実していて、蕎麦のお客さんも蕎麦前のお客さんも、どちらも楽しい一時を過ごすことの出来るお蕎麦屋さんでした。

また、バタバタと忙しい状況にも関わらず雑になることの無い丁寧な接客と、温かみの感じられる柔らかい店内の雰囲気が好印象で、仕事帰りにフラッと立ち寄って、美味しい料理をつまみながら一人のんびりくつろぐことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『石の森@町田』さんの昼の「ほろ酔いセット」

2015-03-06 13:35:00 | 東京都(町田市)

平日に所用で外出したことから、日頃訪れる機会の少ない場所にあるお蕎麦屋さんへ行ってみようと思い、外出先から更に足を遠く伸ばして、JR横浜線&小田急電鉄・町田駅近くにある『手打そば・石の森』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

お店に到着したのはお昼時を過ぎた13時半過ぎということで、先客は一人で蕎麦を食べながらビールを飲んでいる初老の男性2名と、おしゃべりに夢中になっている買い物帰りの年配女性1組2名のみで、蕎麦前を楽しみながらのんびりくつろげそうな雰囲気です。

そして、陽の当たる座敷席に案内され、カードケースになっているメニューに早速目を向けると・・・。
見つけてしまいました、特別サービスメニューの「ほろ酔いセット」。


仕事帰りに立ち寄ったお蕎麦屋さんでお酒と料理と蕎麦がセットになったメニューを見掛けることはありますが、その多くは夜のお徳なメニューになっています。

しかし、ここ『手打そば・石の森』さんでは「平日は13時より」となっていて、昼時の忙しい時間が終わったら昼営業終わりの15時までゆっくり飲んでいって下さいという嬉しいサービスになっています。

ということで、まずはその「ほろ酔いセット」をビール(中瓶)でお願いします。
セットは、「そば豆腐」と「そば味噌」と「3点の肴(3点盛り)」というおつまみ3品に、中瓶のビールまたは地酒一合と「せいろ」が付いて1400円というお得な内容になっています。

そしてこのセット、あまりにもお得な内容であることから料理は少量ずつ多品種かと思いましたが、「そば豆腐」にしても「そば味噌」にしても立派な一品料理で、中でも「3点の肴」の中の一つ玉子焼は出来立てのアツアツをいただきたいと思ってしまうほど美味しい玉子焼でした。


なお、「ほろ酔いセット」の「平日は13時より」という記述の解釈ですが、土・休日は昼でも混雑するので夕方からで、平日は混雑する昼時を外した13時からいただけると解釈しましたが、何気なく壁に貼られていた張り紙を見ていると、「土・休日以外は1時まで有りません」とのこと。これって、平日は13時からだけど、土・休日は11時の開店と同時にいただけるという解釈も出来ますが、そういうことなんでしょうか?。


さて、お昼なので「ほろ酔いセット」のビールと料理だけで十分な蕎麦前でしたが、次の予定まで少々時間があるので、豊富な一品料理の中から「江戸前天盛り」をお願いし、併せて拘りの感じられる日本酒のラインナップの中から三重県の地酒「純米吟醸・作」(ざく)を追加でお願いします。


蕎麦汁をベースにして作られた(のかな?)天汁と添えられていた塩でいただいた見た目も美しい「江戸前天盛り」は、キス、ハゼ、メゴチ、穴子、野菜といった充実した内容の天婦羅盛り合わせでしたが、キスにしてもハゼにしてもメゴチにしてもホンワカふっくら肉厚で、とても美味しいです。

また、天婦羅と一緒にいただいた「純米吟醸・作」は、サラリとスッキリした辛口でしたが、旨味のある日本酒らしい日本酒で、これまた高い満足感を感じさせてくれる美味しいお酒でした。


やや小さ目の丸い「せいろ」2枚が、重ねられているのではなく横並びで運ばれてきた締めの「せいろ」は、多くの方々が違和感なく美味しくいただくことの出来る、食べ易く喉越しの良い美味しい蕎麦でした。

また、辛さの抑えられた蕎麦汁はしっかりした旨味の感じられる蕎麦汁で、サラッとした蕎麦湯を注いで薄めても、美味しくいただくことの出来る蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・石の森』さんは、お酒をいただくお客さん慣れした(?)花番さんが作る居心地の良い雰囲気に浸りながら、そして美味しい天婦羅とお酒をいただきながら平日の昼下がりを気兼ね無く一人のんびり過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

また、今日は「そば豆腐」、「そば味噌」、「3点の肴」に加えて「江戸前天盛り」を肴に瓶ビール(中瓶)と三重県の地酒「純米吟醸・作」をいただき、最後に「せいろ」で締めるという充実した蕎麦前&蕎麦となりましたが、お得なセットメニューをいただいたということもあって、充実した内容でありながら3000円でおつりがくるという、コストという点でも高い満足感を得ることの出来た蕎麦前&蕎麦となりました。

いや~、満足、満足!。ごちそうさまでした。


『旭庵@新小岩』さんの出来立て「こだわり豆腐」

2015-03-05 11:05:00 | 東京23区(葛飾区)

所用で生まれ故郷の千葉県へ向かうその途中、JR総武本線・新小岩駅から徒歩5分程度のところにある『手打蕎麦・旭庵』さんに立ち寄って昼食を取りました。

お店には開店直後の11時少し過ぎに到着したことから先客はいませんでしたが、駅からさほど遠く無い大通り沿いにあることからお昼近くになれば混雑すると思われるため、小さいながらも趣のある庭を眺めることの出来る4人掛けテーブル席ではなく、壁側の2人掛けテーブル席に着くことにします。


今日は予め注文する料理を決めていることからメニューを広げるまでもありませんが、「え~、こんな料理もあったんだ。」と後になって後悔しないよう念のためメニューを確認してから、当初の予定通り瓶ビールと一緒に「こだわり豆腐」をお願いします。

なお、お蕎麦屋さんの瓶ビールといえば中瓶と思っていると、「ビール・税抜価格750円」という価格は「少々高いかな?。」と思ってしまうかもしれませんが、『手打蕎麦・旭庵』さんの瓶ビールは大瓶なので、まぁ、こんなもんかな?といったところでしょうか。また、メニューに「缶ビール」があるんですよね・・・。


さて、「ひじきの煮物」(お通し)をつまみながら大瓶の瓶ビールをいただいていると、年配の御夫婦を中心に次から次へとお客さんが訪れ、お昼前までは空いているだろうと思っていた予想に反して店内は思いのほか早いペースで席が埋まっていきます。


そんな、昼時には少し早い時間にも関わらず賑わいを見せる状況に少々驚いていると、楽しみにしていた「こだわり豆腐」が運ばれてきます。いただいた「こだわり豆腐」は、注文を受けてから土鍋を使用して「豆乳」と「にがり」から作る豆腐で、土鍋に入ったまま運ばれて来ます。

そして、出来立ての柔らかい豆腐であるため箸で掴むことはできず、用意されているレンゲでそっと一口いただいてみると、まろやかでクリーミーな大豆の甘味がとても美味しいです。

それにしてもこの豆腐、どうやっていただくのが良いのでしょうか?。
「正しい食べ方」というのは無いにしても、豆腐をすくってタップリ入っている汁の中入れるのが良いのか、それとも汁を豆腐に掛けて食べるのが良いのか、少々迷ってしまいます。

結局、あれこれ試した結果、豆腐そのものが美味しく汁がキリッと辛いことからどうやって汁を少量だけ付けるかを考え、まずレンゲで豆腐をすくい、その上に薬味を乗せ、豆腐と薬味をのせたレンゲをそっと汁に付けることにしました。そうすることで、辛い汁を少しだけ付けてそのまま口に運ぶことが出来るので、まぁ、自分なりにベストな食べ方ではないかと思います。


さて、今日の蕎麦前は豆腐と瓶ビール1本だけの予定なので蕎麦をお願いすることにします。
事前に確認したところでは、天婦羅の付いた冷たい蕎麦は車海老を使用した普通の「天せいろ」しかありませんでしたが、いざお店を訪れてみると、野菜を中心とした「野菜天せいろ」というメニューが壁に貼られていたことから、その「野菜天せいろ」をお願いすることにします。

なお、お客さんの多くが天婦羅の料理をお願いしているようでしたが、お願いすると海老を切るかどうかその都度確認しています。これはきっと、海老が大きいため、食べ易いように「一口サイズに切りましょうか?。」というお客さんへの配慮ではないかと思います。

もちろん、お願いした「野菜天せいろ」にも海老が1本付くので「切りますか?。」と聞かれましたが、大きいならばあえて切らずにそのままかぶりつきたいので、「海老は切らない」でお願いします。

蕎麦をお願いすると、まず、薬味と一緒に蕎麦汁と天汁を兼ねた汁が運ばれてきて、その後、さほど待つことも無く天婦羅の盛り合わせと「せいろ」が運ばれてきます。


食欲を刺激する油の香りがほんのり感じられる天婦羅は、プリプリの海老(1本)と海苔、芋、椎茸、カボチャ、ししとう、茄子と多彩で量も多く、また、油っこさを感じることも無くサラッと揚がっていて、なかなか美味しい食べ応えのある天婦羅でした。

また、細目の蕎麦は喉越しが良く、豆腐の汁とは明らかに異なる辛さ控えめの蕎麦汁にしっかり付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・旭庵』さんは、割烹料理屋さんのような趣のある外観のお蕎麦屋さんで、交通量の多い大通り沿いにあるにもかかわらず広々とした店内はとても静かで、しっとり落ち着いた老舗の雰囲気を感じながら美味しい豆腐と天婦羅をいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。