蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『盛絽屋@高円寺』さんの「前菜盛り」

2017-11-04 11:00:00 | 東京23区(中野区)

3連休となった11月最初の土曜日、所用で六本木へ向かうこととなったため、少し早めに家を出てJR中央線・高円寺駅から徒歩12分程度のところにある『石臼手挽き蕎麦・盛絽屋』(せいろや)さんで蕎麦前と蕎麦をいただくことにしました。

お店には開店時間の11時丁度に到着し、個性ある外観の写真を撮らせていただいてから店内に入り、人当たりの柔らかい花番さんの「お好きな席にどうぞ!」との案内に従い、日差しが当たる8人掛けテーブル席の窓側に着きます。

席に着いて、とりあえず生ビールをお願いしてからメニューを開きますが、正面に座る方との間に垣根のような仕切り(?)が作られているなど、大きな相席用のテーブル席に着くお客さんにもゆったりとくつろいでもらえるよう配慮がなされているようです。


そんな心遣いに関心しながら料理を選び、「前菜盛り」と「鴨肉の漬け焼き」をお願いします。


まずいただいた「前菜盛り」は、ほんのり感じられる生姜(かな?)の風味がアクセントになっている鴨まんじゅうと、熱々の状態でいただきたい程良い甘さが好印象な出汁巻き玉子に、燻りガッコにチーズを挟んだ一品が日替わりの一品として加えられた盛り合わせ料理で、ちょっとつまみたい料理としてはまずまずの一品ではないかと思います。


前菜の盛り合わせを肴に生ビールをいただき、グラスが空になったところで日本酒をいただこうと思い再びメニューを広げ、岩手県の地酒「しぼりたて原酒・わしの尾」をお願いします。


次にいただいた「鴨肉の漬け焼き」は、山椒と一味(かな?)それぞれでいただいてみましたが、どちらも使用せずそのままいただくのが一番美味しく感じられた鴨料理でした。

また、片口にタップリと注がれた初めていただく「しぼりたて原酒・わしの尾」は、口当たりこそ辛口という印象ではありますが、やや甘目の穏やかな味わいがとても美味いです。


いただいた料理はいずれも満足度の高い美味しい料理ばかりであったことから、天婦羅もいただいてみたくなり、静岡県の地酒「純米吟醸・志太泉」と一緒に「天ぷら盛り合わせ」を追加でお願いすることにします。

薄い衣でサクッと軽い食感の「天ぷら盛り合わせ」には塩と天汁の両方が添えられ、それら塩と天汁を交互に使用して異なる食べ方を楽しみながらいただきました。なお、海老は初めから4つにカットされており、かぶりつきたい方には残念な姿になっているかもしれませんが、誰もが食べ易いよう配慮された結果ではないかと思います。

なお、静岡県の地酒「純米吟醸・志太泉」は、天婦羅との相性も良く、なかなか美味しいです。
そういえば、静岡県の地酒って、失敗した!と思うことはほとんど無く、実は美味しい日本酒が生まれる土地柄なのかもしれません。


BGMのクラシックが流れる店内で一人静かに蕎麦前を楽しんでいるとアッという間に時間が経過し、間も無くお昼時12時という時間に近づいたことから、蕎麦をいただくことにします。

蕎麦は、お店の逸品として紹介されている「鴨せいろ」がお勧めのようですが、基本の「もりそば」を普通サイズでいただくことにします。


いただいた蕎麦は、蕎麦の風味がしっかり感じられる味わい豊かな蕎麦で、キリリとした蕎麦汁と共に美味しくいただきました。なお、薬味には山葵ではなく「紅葉おろし」が付いていて、どんな味になるのだろうか?とも思いましたが、けして悪くは無い、これはこれでなかなか良い組み合わせとなる薬味ではないかと思います。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『石臼手挽き蕎麦・盛絽屋』さんは、若い男性花番さんの接客も良く、休日の昼下がりを、一人でも二人でも、そして家族連れでも(子供用の御前が用意されている)のんびりくつろぐことのできるお蕎麦屋さんで、今度はぜひ、夜に訪れてみたいと強く感じたお蕎麦屋さんでもありました。

ごちそうさまでした。


『さらしな総本店@中野駅北口』さんで春の食材を楽しむ

2016-03-21 11:00:00 | 東京23区(中野区)

所用で東京都心へと向かった3連休最終日、時間に余裕があったことから少し(大きく?)遠回りをして、JR中央線・中野駅から徒歩数分のところにある『手打ち蕎麦・さらしな総本店中野北口店』さんでまず昼食を取ることにしました。

お店に到着し、早速暖簾を潜ると、穏やかな笑顔の花番さんに気分良く迎えられ、カウンター席と2人掛けテーブル席が6卓ほど配置されている1階席に案内されます。

そして、入口近くの明るい2人掛けテーブル席に着いてメニューを開いてみると、山菜や筍といった春らしい食材を使った料理が目に付いたことから、今日は春を楽しむ蕎麦前にしようと思い、「菜の花のお浸し」と「若筍煮」と、「たらの芽の天婦羅」をお願いします。


開店時間の11時丁度に訪れたことから、それ程時間が掛からず最初の料理が運ばれてきましたが、最初に運ばれてきたのはすぐに出てくるだろうと思った「菜の花のお浸し」ではなく、時間が掛かるだろうと思っていた「たらの芽の天婦羅」でした。

天婦羅には塩と蕎麦汁仕立ての温かい天汁が用意されていたことから、塩でいただいたり、天汁でいただいたりとあれこれ楽しませていただきましたが、どちらでいただいても美味しい天婦羅でした。

また、今日は最初から日本酒をいただきましたが、いただいた新潟県の地酒「冷酒・雪蔵」は、日本酒らしい味わいをサッパリ味わうことのできる、まずまずの日本酒でした。


続いて運ばれて来た、器にタップリ盛られた「菜の花のお浸し」は、鰹節の風味とも相性が良く、春らしさの感じられるお浸しでした。


入口近くの席で、蕎麦前を楽しみながら続々と来店するお客さんの様子を見ていると、多くは2階席へ案内されていて、1階席は空席が目立つ状況です。中には自ら2階席を望んでいるかのように上がっていくお客さんも見られ、2階がどのようなフロアかは分かりませんが人気フロアのようです。

それにしても、そろそろ「若筍煮」が登場してもよい頃と思いますが、来ないです。
お酒も無くなってしまったし・・・。

ということで、気になる灘の地酒「凍結酒・生原酒(福寿)」という興味津々の日本酒を追加しようかと思いましたが、「冷酒・雪蔵」がなかなか美味しいので、おかわりをお願いして「若筍煮」を待つことにします。


もしかして、忘れられているのかな?とも思いましたが、おかわりの日本酒を追うように、朱色の器に入った「若筍煮」が目の前に置かれます。


どんな若筍煮なんだろうか?と期待が大きく膨らんだ「若筍煮」の蓋をそっと開けてみると、フワッと広がった白い湯気の奥にタップリ入った筍とワカメが見え、とても美味しそうです。

そして、どれどれと思いながらいただいてみると、柔らかい食感の筍と汁の優しく穏やかな味わいがとても美味しい、ホンワカ温かい嬉しさの感じられる「若筍煮」でした。


さて、美味しい料理とお酒に十分満足したところで蕎麦をお願いします。
お店の名前に「さらしな」という文字が付いていることからやはり更科にしようか、それとも四季の素材を盛り入れた三色そばにしようか迷いましたが、月変わりで提供される蕎麦(季節の変わり蕎麦)があり、3月は「草(よもぎ)切り」とのことなので、その「草切り」を単品でいただくことにしました。

二十四節季毎に季節の変わり蕎麦を変えているお蕎麦屋さんにはかなわないかもしれませんが、月変わりで季節の変わり蕎麦がいただけるのも、訪れる楽しみの一つになって良いと思います。


いただいた「草切り」は、ほんのり緑色の、ツルツルっと喉越し良くいただける蕎麦で、蕎麦汁は甘過ぎず辛過ぎずのバランスの良い蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・さらしな総本店中野北口店』さんは、お昼時ということもあってかお客さんが続々とやって来る人気店でした。

そして、席が3階まであることを考えると、同時に多くのお客さんの対応に当たっていて、多少のバタバタ状態が見られてもおかしく無い状況かと思いますが、料理に時間が掛かることも無く、終始好印象だった穏やかな花番さんの接客が雑になることも無く、「流石です」という印象のお蕎麦屋さんでした。

また、そんな好印象な雰囲気の中、春をしっかり満喫させてもらい、腹も気分も満復状態で気分良くお店を出ることができました。

ごちそうさまでした。