蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『椿@京急川崎』さんの春夏の逸品「鴨ロースたたき」

2018-03-24 17:55:00 | 神奈川県(川崎市)

一人で夕食を取ることになった週末土曜日の夜。
所用で出掛けたその帰り道に、京浜急行電鉄・京急川崎駅から徒歩数分のところにある『蕎麦 酒肴 京鴨・椿』さんに立ち寄ってみました。

お店の前に立ち、扉に貼ってある貼り紙を見てみると、「夜の営業は居酒屋になるのでお蕎麦だけの注文は昼の部でお願いしております」とのこと。

その貼り紙を見て、もしかして混雑しているかな?と思いながら扉を開けてみると、先客はカウンター席に座っている男性客一人のみと閑散としており、好きなところにどうぞ!との案内をいただいたことから、2人掛けのテーブル席に着くことにしました。

席に着いて、早速メニューを広げてみると、お店の名前にも「鴨」という文字が付いている通り鴨料理が「おすすめ」のようなので季節限定料理の「鴨焼き」をいただいてみようかと思いましたが、残念ながら「4月から」とのことなので「鴨ロースたたき」をいただいてみることにし、併せて「酒肴三品盛」と生ビールをお願いします。


まずいただいた「酒肴三品盛」は、板わさ、玉子焼き、焼き味噌の盛り合わせで、2枚に見えたものの実は4枚だった蒲鉾のプリプリっとした弾力のある歯応えがなかなか好印象です。また、玉子焼の甘さ具合も程良く、満足感を感じることのできる三品盛でした。


続いていただいた「鴨ロースたたき」は、これもまた美味しく、もっと量が欲しいです。
なお、鴨に掛けられているソースそのものも美味しく、ソースを付けていただいたり付けずにいただいたりと、2種類の食べ方を楽しむことのできた「鴨ロースたたき」でした。


いただいたビールが小グラスだったということもあり簡単に無くなってしまったことから、日本酒をいただこうと思い再びメニューを開きますが、「これしかない!」という一本を既に決めていることから、迷うことも無く「春限定」と書かれている日本酒の中から、栃木県の地酒「<春限定>特別純米 生原酒 五百万石・四季桜」をお願いします。


目の前で一升瓶からグラスに「四季桜」が注がれている様子を何気なく眺めていると、「写真撮りますか?」とのこと。撮らせてもらうことはあってもお店の方から言われることはあまり無いように思いますが、聞いた話によると写真を撮る方が多く、よく言われるとのことでした。
まぁ、確かに写真を撮りたくなる品揃えではないかと思います。

ということで、その、栃木県産の五百万石100%で造られた「<春限定>特別純米 生原酒 五百万石・四季桜」をいただいてみると、安定した旨味とサッパリした爽やかな後味が感じられる切れの良い日本酒で、何も言うこと無く旨いです。


料理と「四季桜」の両方が無くなったため、「山独活の天婦羅」と、魚沼産という産地で選んだ新潟県魚沼の地酒「純米大吟醸 無調整生原酒 一本〆・高千代」をお願いします。


いただいた「純米大吟醸 無調整生原酒 一本〆・高千代」は、キリリとした口当たりと飲んだ後に感じる日本酒らしい旨味が絶妙な、満足度の高いかなり旨い日本酒でした。


美味しい日本酒と共にいただいた「山独活の天婦羅」は、素材の良さが伺える天婦羅で、しょっぱ過ぎないサラサラの塩に付けて美味しくいただきました。


このままずっと美味しい日本酒を飲み続けたいところではありますが、飲み過ぎてしまいそうなので、最後に「せいろ蕎麦」と「純米大吟醸 無調整生原酒 一本〆・高千代」をもう一杯だけいただいて、今日の蕎麦前と蕎麦を〆ました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦 酒肴 京鴨・椿』さんは、一見強面にも見えますがとても親しみ易い男性の花番さんの接客を受けながら、夜な夜な一人で美味しい鴨料理を肴に拘りの感じられる素晴らしいラインナップの日本酒をいただくことのできるお蕎麦屋さんでした。

そして、「蕎麦を食べるために訪れるならお昼にお願いしています」というその貼り紙に書かれていた言葉の意味が何となく理解できると共に、どうしてこのお店が週末の夜なのに空いているのか不思議に思ってしまう、そんなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『たか@川崎』さんの2度美味しい「鴨九条ねぎ焼」

2016-07-01 19:05:00 | 神奈川県(川崎市)

夕食を一人で取ることになった週末金曜日の夜、京浜急行電鉄・京急川崎駅から徒歩10分程度のとこのにある『手打ちそば・たか』さんへと向かってみました。

お店は、歓楽街を抜けたところに立つビルの2階にあることから、歓楽街の客引きを振り切りながら飲食店が立ち並ぶ路地を足早に抜け切り、更に一升瓶が並べられている階段を登っていくと・・・。

小料理屋さんの佇まいすら感じられる落ち着きのある暖簾が出迎えてくれます。


そして、どんな店なんだろうか?とドキドキしながら扉を開けてみると、年配の男性客と女性客とで埋め尽くされているテーブル席はまさに宴会真っ最中といった盛り上がりをみせていて、お蕎麦屋さんというより蕎麦をいただくことの出来る大人の居酒屋といった様相です。

ということで、居酒屋のような賑わいをみせるお蕎麦屋さんのカウンター席に着いて早速メニューを眺めますが、料理の品数が多過ぎて、いただく料理を簡単に決めることが出来ません。

そのため、とりあえず瓶ビールをお願いしてから再びメニューを眺め、あれこれ迷いながら「うど酢みそ和え」と「鴨九条ねぎ焼」をいただくことに決定します。


ようやく料理の注文を終え、ビールをいただきながら店内をグルリと眺めてみると、飲んだことの無い日本酒が並んでいる日本酒用の冷蔵庫に目が止まりますが、なかなかの品揃えで、美味しい日本酒がいただけそうだと期待が高まります。


日本酒用の冷蔵庫やメニューを眺めていると、まず「鴨九条ねぎ焼」が運ばれてきます。
いただいた「鴨九条ねぎ焼」は、肉も葱も硬めですが、柚子胡椒を添えていただく鴨肉が美味しいです。
また、葱のシャキシャキっとした食感と苦味も美味しく、一品でありながら鴨肉と葱の二品いただいているような、お得感の感じられる「鴨九条ねぎ焼」でした。


追って運ばれてきた「うど酢みそ和え」は、青々しくやや苦味があるものの、サッパリした味わいが美味しい酢味噌和えでした。


酢味噌和えを食べ始めたところでビールが無くなったので、品数豊富な地酒メニューの中から、飲んだ事の無い滋賀県の地酒「純米吟醸無濾過生原酒渡舟・萩の露」をお願いします


日本酒は、花番さんが目の前でグラスに注いでくれますが、紺色を基調としたオーソドックスでありながらも落ち着きの感じられるラベルに、自信に満ち溢れた美味しい日本酒ということが感じられます。

そんな、見るからに美味しそうな「純米吟醸無濾過生原酒渡舟・萩の露」を早速いただいてみると・・・。

おっ!。

口当たりの柔らかい、吟醸酒らしいまろやかな旨味が感じられ、蕎麦前としてお酒をいただいているということを忘れてしまい、「今日は飲んじゃおうかな?」という気分になってしまうほど、美味しいです。


美味しいお酒に気分も良くなり、加えて馴染み易い居酒屋の雰囲気が心地良いことから、豊富な品揃えのメニューの中から「黒バイ貝旨煮」を追加でお願いし、併せて、好きな日本酒である秋田県の地酒「純米吟醸生 夏純吟・春霞」を願いします。


好きな日本酒ではありますが初めていただく「夏純吟」であることから、お酒をグラスに注いでいる若い女の子の花番さんに写真撮って良いか確認したところ、「どうぞ、どうぞ」とのことだったので、注いでいるところを撮らせていただきました。


追加でいただいた「黒バイ貝旨煮」は、歯応えこそ硬いものの、しっかりした旨味が感じられ美味しいです。
また、「純米吟醸生 夏純吟・春霞」は夏酒とのことなので軽いのかな?と思いましたが、思った以上にスッキリ爽やかな味わいで、日本酒を飲んでいるということを感じない日本酒でした。って、これが危ないんだな。


美味しいお酒に十分満足しましたが、最初にいただいた「純米吟醸無濾過生原酒渡舟・萩の露」がとても美味しかったので、もう一杯いただくことにしました。

それにしても、この「純米吟醸無濾過生原酒渡舟・萩の露」、実に美味しいです。


お酒のメニューを見ると、いただきたいお酒がまだまだあり、「今日はもう、蕎麦食べなくて良いかな?」なんて思いが頭の中をよぎりますが、やはり蕎麦はいただくことにします。


いただいたのは、せいろと田舎の「二色もり」で、先にいただいたせいろはお酒をいただいた後でもツルツルっと美味しくいただける食べ易い蕎麦でした。


また、別盛りの田舎は太麺というほど太くはありませんが、田舎らしい食べ応えのある蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・たか』さんは、居酒屋に近いお蕎麦屋さんというより、充実した料理と日本酒の品揃えからも感じられる通り、最後に喉越しの良い手打蕎麦をいただくことの出来る居酒屋と言っても違和感を感じない、気さくなお蕎麦屋さんでした。

また、花番さんは若い女の子二人でしたが、親しみ易さと丁寧さの感じられる接客が好印象で、店内はとても賑やかで一人静かに憩うことのできるお店ではないかもしれませんが、気分良く楽しい一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『満留賀@幸町・川崎』さんの柔らかい「そばの薩摩揚げ」

2015-09-26 16:45:00 | 神奈川県(川崎市)

京浜急行電鉄・京急川崎駅から徒歩10分程度の所にある『石臼挽き蕎麦・満留賀』さん。

平日は中休みがあるようですが、土曜日は中休みが無いことから、一人で夕食を取ることになった土曜日の夕方、暖簾を潜ってみました。

お店に到着したのが、夕食には少し早い17時前ということもあってか清潔感の漂う店内は閑散としており、「お好きなところにどうぞ!」との案内だったことから、入口近くの窓際4人掛けテーブル席に着きます。


席に着いて、早速メニューに目を向けると、丁寧に書かれたそのメニューから、何をいただいても美味しそうな雰囲気が感じられます。そして、そんなメニューの中から、直ぐに出て来ると思われる「山葵菜のおひたし」と、どんな薩摩揚げなんだろうか?と興味を引かれた「そばの薩摩揚げ」をお願いします。


まずいただいた「山葵菜のおひたし」は、しっとりとした柔らかい食感で、ピリリと感じる辛さがなかなか良い感じで、申し分の無い冷え具合の生ビール「熟撰」を、より美味しくしてくれます。


興味津々でお願いした「そばの薩摩揚げ」は、外はカリカリで中はフワフワという、たこ焼きの様でもありがんもどきを焼いたような感じでもあり・・・、といった想像とは異なる食感の料理でした。また、味については何と表現したら良いのか迷ってしまいますが、メニューに「これを食べなきゃ帰れない!」と説明書きされているその言葉通りの、かなり美味い薩摩揚げでした。


ビールが無くなったところで冷酒でもいただこうかと思い再びメニューを広げましたが、どうしよう?と迷ってしまうお酒のメニューだったことから、ぜひ一度、お蕎麦屋さんでいただいてみたいと思いながらも一度も飲んだことの無い「(蕎麦)焼酎のそば湯割り」をこの機会に飲んでみることにしました。

いただいた蕎麦焼酎の蕎麦湯割りは、期待したトロミのある「ポタージュ系蕎麦湯で作った蕎麦焼酎の蕎麦湯割り」ではなく、サラリとした普通のお湯割りに近い状態で、少々残念ではありましたがとても美味しい蕎麦焼酎で、これはこれで満足させてくれました。

と、そんなことを思いながら飲んでいると、最後にトロミがでてきました。
どうやらトロミが沈んでいたようです。箸で掻き回しながら飲まなければならなかったのか・・・。


「そばの薩摩揚げ」がなかなか好印象だったことから、もう少し料理をいただこうと思い、蕎麦汁で煮込んだ「そば屋の牛すじ煮」を追加でお願いします。

いただいた牛すじ煮は、蕎麦汁で煮込んでいるとのことですが、蕎麦汁の味わいは感じられませんでした。
しかし、甘辛い味付けの、柔らかく美味しい煮込みで、板そばを絡めて一緒に煮込んでいるという、なかなか面白い料理でした。


さて、最後にいただく蕎麦ですが、こちらの『石臼挽き蕎麦・満留賀』さんは、全国で提供できるお蕎麦屋さんが現在15店舗しかないという、商標登録されている「きざみ鴨せいろ」をいただくことのできるお蕎麦屋さんであることから、その「きざみ鴨せいろ」をいただいてみることにしました。

いただいた「きざみ鴨せいろ」は、蒸篭2段に盛られている二八の蕎麦を、刻んだ鴨肉の入った鴨汁でいただく蕎麦ですが、鴨汁は手で持つことが出来ない程の熱さで、更には、小さな器に刻んだ鴨肉がタップリと入っていることから蕎麦を入れ難く、少々食べ難いという印象をどうしても抱いてしまいますが、鴨の旨味をしっかり味わうことの出来るとても美味しい鴨汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『石臼挽き蕎麦・満留賀』さんは、場所柄もあって、平日の日中はビジネスマンで混雑するのか、平日の昼営業時間帯は蕎麦前不可のお蕎麦屋さんではありますが、中休みの無い土曜日は、清潔感漂う気持ちの良い店内で、特長ある美味しい料理をいただきながらのんびりした一時を一人静かに過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『一寸棒@宮前平』さんの新鮮な「グリーンアスパラ天」

2015-07-19 14:00:00 | 神奈川県(川崎市)

遅い昼食を取るために訪れた、東急田園都市線・宮前平駅近くにある『手打蕎麦・一寸棒』さん。

日曜日とはいえ、14時ならそれ程混雑していないだろうと思いながら窓ガラス越しに店内の様子を伺ってみると、蕎麦を待っているお客さんの姿が見られるなど、まだまだ昼食時が終わっていない様子です。

しかし、満席という訳でも無さそうなので早速お店の扉を開けてみると、20人程で満席となる店内は半数が埋まっている状況で、席は十分に空いているものの食べ終わった食器類が置かれたままになっていて、花番さんがバタバタと忙しそうに動き回っています。

そんな、少々飲み難い状況ではありましたが、店内中央に配置されている12人掛けの大きなテーブルに使用可能状態(?)の空席があったことから、席に着いて周囲の空気を読みながらメニューを広げます。

メニューを眺めながら店内を今一度ザッと見渡してみると、お店には食事のお客さんしかおらず、花番さんも後片付けが追いつかないほどバタバタと忙しそうで、空気をどこからどう読んでも「とりあえずビール」という雰囲気は全く感じられませんが、折角来たのだから・・・と思い、「時間掛かっても大丈夫ですから。」と一言添えて、生ビールと一緒に「そば焼き味噌」と「鍬焼き(やきとり)」をお願いします。


どんなに混んでいてもさすがにビールは直ぐに出るだろうと思いましたが、よほど忙しいのかビールが出てくる前に「そば焼き味噌」が出てきてしまったので、いくらなんでもそれは無いかな?と思い確認してみると、どうやら忘れていたようです。まぁ、そういうことも時にはあるのかな?。

注がれたばかりの冷たいビールをいただきながら「そば焼き味噌」をつまんでみると、ピリ辛な口当たりで、焦げ目の苦味と併せて日本酒が欲しくなる「そば焼き味噌」でした。


花番さんは何だかとっても忙しそうでしたが、料理にそれほど時間が掛かることは無く、さほど待つことも無く次の「鍬焼き(やきとり)」が運ばれて来ます。この時点でビールはまだ残っていましたが、相変わらず忙しそうだったので、少々早めに、みなさんおとなしくお蕎麦をいただいている最中ではありますが、そんな雰囲気を気にすることも無く、宮城県の地酒「純米吟醸・伯楽星」をお願いします。


いただいた「純米吟醸・伯楽星」は、口当たりの甘いまろやかな味わいでしたが、日本酒用の冷蔵庫が店内では無く厨房にあることが影響しているのか冷え具合がやや緩く、もう少ししっかり冷えていると良いかな?という「純米吟醸・伯楽星」でした。

また、柔らかい鳥肉を甘いタレに絡めていただいく「鍬焼き」は、食感も良く、甘さ具合も適当で美味しいことから、もう少し量がほしいかな?って感じでした。


お店に到着した時は席の半分が埋まっていましたが、さすがに14時半近くになると新たに訪れるお客さんの数はグッと少なくなり、何となく「まもなく閉店です」という雰囲気が感じられたことから、確か中休みは無かったハズだけど・・・、と思いながら花番さんに確認してみると、「通常はありませんが、蕎麦が無くなると、一旦お店を閉めて蕎麦を打ちます。」とのこと。

そういうことですか、今日は忙しそうだから中休みがあるのかな?。

蕎麦をいただく前にもう少し料理をいただきたい腹具合ですがどうしようかな?と迷っていると、次に訪れた年配男女4人組のお客さんへ、4人に同じ蕎麦を出すことができず、「せいろ」と「変わり蕎麦」を組み合わせて4人前を用意することになってしまうと説明しています。

えっ?、それって蕎麦が無くなってしまったということなのかな?。
と、少々不安に思っていると花番さんが蕎麦の確認にやって来たので、日曜日限定の「北海道雨竜産・細打ち粗挽きそば」が希望であることを伝えると、「大丈夫です。取ってあります。」とのこと。
それって、「このお客さんの〆はおそらく粗挽き蕎麦。」と読まれているってことでしょうか?。


蕎麦の確認ができてホッとしていると、最後に訪れたお客さん達が蕎麦の他に天婦羅やビールをあれこれ注文していたことから、ならばもう一杯と思い、「純米吟醸・伯楽星」のおかわりと壁に張り紙されていた「グリーンアスパラ天」を追加でお願いします。

追加でいただいた「グリーンアスパラ天」は、薄い衣でサクサク感はさほど感じられず、柔らかい食感ではありましたが、素材の持ち味がしっかり活かされた新鮮さの感じられる美味しいアスパラ天でした。


最後にいただいた日曜日限定の「北海道雨竜産・細打ち粗挽きそば」は、その名前の通りの細麺で、「粗挽き」という言葉から想像する荒々しさは感じられず、喉越しの良い食べ安い蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・一寸棒』さんは、こじんまりとした店内ではありましたが、清潔感の漂う小奇麗なお蕎麦屋さんでした。そして、花番さんもご主人も常に丁寧な接客を心掛けているようで、お店を出る際、お二人に深々と頭を下げられるなど、美味しい料理をいただきながら気持ちの良い一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

また、その丁寧さは料理にも表れていて、正直、もう少し量が欲しいかな?というそれ程重要ではない希望はあるものの、いずれの料理も美味しく、納得の蕎麦前&蕎麦でした。

ごちそうさまでした。


『たけうち@鹿島田』さんの自家製「いか塩辛」

2014-01-13 23:59:45 | 神奈川県(川崎市)

天気は良いものの、寒さの厳しい3連休最終日。
まず息子が部活動のために学校へ向かい、次にうちの奥さんと娘が二人で出掛け・・・。
これって、「中休みの無い、お酒が充実している昼酒OKのお蕎麦屋さんでまったりした昼下がりを過ごせ!。」ということなのかな?と都合の良いように解釈し、憩いの一時を求めて一人でお蕎麦屋さんへと向かいました。

向かったのは、JR南武線・鹿島田駅から徒歩12分程度のところにある『手打・たけうち』さん。

お店に到着して扉を開けると、3~4名程度が座れるカウンター席と、8人掛けの大きなテーブル席と4人掛けのテーブル席が1つという、こじんまりとしたフロアが目の前に広がりますが、13時半という時間もあってかお客さんは4人掛けのテーブル席を利用しているご家族のみで、「どうぞ。」と案内されて大きなテーブル席に着きます。

席に着いてメニューを広げますが、店内のあちこちに蕎麦や肴のメニューが書かれた紙が多数貼られていて、一通り眺めないと料理を決めることが出来そうもないので、とりあえず瓶ビールを先にお願いし、メニューと店内の張り紙を一通り眺めてから、自家製「いか塩辛」と「霞ヶ浦ワカサギ天麩羅」と「鴨串焼き」をお願いします。

お通しの揚げ蕎麦と漬物を肴にしてビールを飲みながら店内を見渡すと、カウンターにはお酒の一升瓶が並び、壁にはメニューが書かれた紙が多数張られていて、更には明るい曲調のBGMが流れているなど、お蕎麦屋さんというより昼から営業している居酒屋の雰囲気です。


そんな、なんだかとっても落ち着く、ついつい長居してしまいそうな悪くない雰囲気に浸っていると、まず小鉢にタップリ入った自家製の「いか塩辛」が運ばれてきます。

「どれどれ。」と思いながら「いか塩辛」をいただいてみると、歯応えも良く、控えめな味わいと柚子の香りがなかなか良い感じの、熱燗がほしくなる美味しい「いか塩辛」です。


つづいて京鴨を使用しているらしい「鴨串焼き」。鴨肉を焼くということで少し硬めの歯応えになるかと思いましたが、予想に反して柔らかい鴨肉で、添えられている味噌(?)を付けていただくと美味しいです。


「鴨串焼き」をいただいている途中でビールが無くなったので、日本酒をお願いしようと思い再びメニューを広げますが、あれこれ考える前に新潟県の地酒「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」というそそるお酒に目が止まってしまったので、迷わずお願いします。

いただいた「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」は、サッパリした口当たりとまろやかな旨みの感じられる日本酒で、塩辛を肴にグイグイと行ってしまいそうです。


最後に「霞ヶ浦ワカサギ天麩羅」が運ばれてきましたが、量が多く食べ応えのありそうな天麩羅です。
温かいうちにいただこうと思い、早速天汁でいただいてみると、程好い苦味が感じられ美味しいです。


美味しい肴にお酒も進み、アッ!という間に「八海山・しぼりたて原酒(生酒)」が無くなってしまいました。
しかし、今日は最初から飲むつもりで訪れているし、後は帰るだけだし、どうせ家族みんな帰宅が遅い(と思っていたら息子の方が先に帰宅していた。)だろうし、後から来店した男性3人組も盛り上がっている最中だし、と迷う要素がまったく無いことから、次のお酒を選ぶために再びメニューを広げます。

そして次の日本酒に選んだのは福島県の地酒「親父の小言」。
また、どの肴も量が多く、腹具合もそこそこ満たされつつありますが、最初にいただいた漬物がとても美味しかったので、気になって仕方の無い「三浦のたくあん」を一緒にお願いします。

小皿に少量のたくあんが盛り付けられて運ばれてくるかと思った「三浦のたくあん」は、他の肴同様量が多く少々驚きですが、塩梅が絶妙で、箸が止まらなくなってしまうサッパリした美味しいたくあんです。
また、「親父の小言」はキリッとした辛口の日本酒で、これまた美味しいです。

なお、この「親父の小言」という日本酒は、震災の被害を受けた福島県浪江町の酒蔵(現在、山形県で事業再開中)で造られている日本酒で、ラベルには浪江町にあるお寺の住職が家族に残した数々の小言が書かれていて、小言を読みながら味わうお酒とされています。(小言を読む間も無く一升瓶を下げられてしまいましたが。)

それにしても、多くのお酒、それも吟醸酒だったりしているのに、どれも驚くほど安価で提供されており、その安さに気持ちも緩んでしまい、ついつい飲み過ぎてしまいそうです。


さて、お酒も肴も美味しく、価格も安いことからもっともっと飲んでいたいところではありますが、いつもより多くお酒をいただいているし、蕎麦をしっかり味わいたいのでそろそろ蕎麦をいただくことにします。

こちらの『手打・たけうち』さんでは自家製粉の蕎麦粉で打った蕎麦をいただくことが出来るので、まずはダメもとで、1日10食限定の「手挽きそば」が残っているか確認したところ、「大丈夫です。」とのことだったので、奈川在来種を手挽きして作った「手挽きそば」をいただくことにします。

蕎麦をお願いすると、まずタップリのネギとワサビの薬味が運ばれてきますが、ネギはきちんとほぐされていてフワフワしています。

そして待つこと数分、やや濃いグレー色した「手挽きそば」が目の前に運ばれてきます。
手挽き&手打ちらしく星が点在している蕎麦をまずはそのままいただいてみると、ボソボソ感は感じられず、程好いコシと冷たい水でシャキッと締められた食感がなかなか良い感じです。

なお、蕎麦汁は色味も味わいも濃い目ですが、まろやかな出汁の旨味がしっかり感じられる、熟成した蕎麦汁という印象の蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前(これだけ飲んで食べると蕎麦前とは言わない?。)と蕎麦をいただいた『手打・たけうち』さんは、毎日石臼で挽いた挽きたての蕎麦粉で蕎麦を打っているお蕎麦屋さんではありますが、充実した品揃えの美味しいお酒と肴を低価格で提供してくれるお蕎麦屋さんでもあり、休日の昼下がりに一人のんびりお酒をいただきながら憩いの一時を過ごすことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そうそう、お店に入った時、蕎麦を注文した時、蕎麦を食べ終えた時の3回蕎麦茶をいただきましたが、とても美味しい蕎麦茶でした。確かに、3回のうち2回はお酒をいただいた後だったので、「飲んだ後だったので美味しく感じたのではないのか?。」と言われてしまいそうですが、間違い無く美味しい蕎麦茶でした。
(と思います。自信はありませんが。)

ごちそうさまでした。