蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『佳人@腰越』さんの「生しらす&ベーコンの薫製」

2013-07-28 23:46:17 | 神奈川県(鎌倉市)

江ノ電が道路の真ん中を走っている、昔懐かしい面影の残る「腰越」の町。
その、江ノ島に程近い腰越の町にある『そば切り・佳人』(かじん)さん。

町の景観に違和感無くマッチした、派手さの無い静かなお蕎麦屋さんで、腰越にあるお店らしく、蕎麦屋の定番料理と一緒に「しらす」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんですが、「手打そば」という提灯が無ければ「鎌倉スモーク」を扱う薫製屋さんにしか見えません。


そんな『そば切り・佳人』さんに到着したのはお店の開店時間少し前の11:25で、お店の入口を見ると、「支度中」なのか「商い中」なのか判断に迷う微妙な暖簾の掛かり具合です。しかし、ガラス越しに店内を覗いてみると既に女性の2人客が席に着いているようなので、「商い中」と判断して店内に入ります。

店内は、テーブルが4卓と小上がりが2組分あるのみのけして広いとは言えない広さではありますが、落ち着いた雰囲気が感じられます。

そして、うちの奥さんと2人で2人掛けのテーブル席に着いてメニューを広げ、生・釜揚・燻製のしらすがセットになった「しらす3種盛り」と、数ある薫製料理の中から「自家製・厚焼きベーコンの燻製」、そしてお蕎麦屋さんで外せない「玉子焼き」の3品をお願いします。

まず運ばれてきたのは今日一番の楽しみ「しらす」です。
3種類の盛り合わせということで、味見程度の量で3種類出てくるのかと思いましたが、一つ一つの盛りが多く、2人で食べても食べ応えのある量です。


で、まずはやっぱり「生」(写真右)。
それだけで食べると味は薄く、生姜醤油でいただくと「まぁ、こんなもんかな?。」という感じですが、「醤油とお酢の両方を付けてどうぞ。」とのことでしたので、生姜醤油とお酢の両方を付けていただいてみると、これがまた何とも言えない味わいで、とても美味しいです。

続いて「釜揚」(写真中央)。
まぁ、こちらは予想通りの味わいかもしれませんが、それでもやっぱりスーパーの「しらす」とは異なる美味しい釜揚げしらすです。

そして最後に初体験の「薫製」(写真左)。
ほぉ~、確かに薫製です。なるほど、これはこれで十分美味しい一品と思いますが、やはり「しらす」は「生」でいただくのが一番でしょうか?。

「しらす」をあれこれ食べ比べている最中に運ばれてきた「自家製・厚焼きベーコンの燻製」は、正直、「切って盛り付けるだけ。」かと思いましたが、皿には切っただけのベーコンと焼いたベーコンの2種類が盛り付けられていて、更にゴーヤと茄子と南瓜の素揚げが添えられています。

「なるほど時間が掛かるはずだ。」と納得しながらベーコンをいただいてみると、明らかに酒のつまみではありますが、むちゃくちゃ美味しいです。また、皿にはケチャップと辛子が添えられていましたが、何も付けずにいただいた方が美味しいように思います。


今日はビールだけにしようかしようかと思っていましたが、「しらす」と「ベーコン」が美味しく、ついついお酒が進んでしまう料理だったことから、富山県の地酒「吟醸酒・銀盤」をいただきます。

そうそう、美味しい料理とお酒をいただきながら窓の外に目を向けると、窓のすぐ外、手を伸ばせば手が届きそうな程近くを江ノ電が走っていきます。そして江ノ電が通るたびにガタガタガタと振動が伝わってきて、腰越の町ではありますが、どことなくのんびりした下町の風情が感じられます。


そんなことを感じながら「しらす」と「ベーコン」をいただいていると「玉子焼き」が運ばれてきます。
そのままの姿を見ても断面を見てもやや茶色掛かった色合いで、正直「色味がイマイチかな?。」という印象でしたが、この「玉子焼き」、程好い柔らかさと甘さで驚くほど美味しいです。

メニューには「玉子焼き」となっていますが、色味からして蕎麦汁を使用しているのか明らかに「出汁巻き玉子」で、久しぶりに感動させてくれる美味しい「玉子焼き」でした。


さて、そろそろ蕎麦を頂くタイミングとなり、再度メニューを広げます。
蕎麦のメニューにも、釜揚げしらすとせいろのセット、しらすのかき揚げとせいろのセット、釜揚げしらす丼とせいろのセットなど、しらすとせいろをセットにしたそそるメニューが多数並んでします。

今日はそんな中から、しらすのかき揚とせいろがセットになった「しらすかき揚げせいろ」と、京水菜と豚肉の入った温かい付け汁でいただく「はりはりせいろ」をお願いします。ところが、「今日は水菜が品切れで、はりはりせいろは葱になります。」とのこと、しかし既に気持ちが温かい蕎麦汁に向いてしまっているので、そのまま葱の「はりはりせいろ」をいただくことにしました。

まず登場した「しらすかき揚げせいろ」。
かき揚げは、先客の女性2人が揃って「残してしまってすみません。」と言っていたほど大きいです。確かに、うちの奥さんと2人で半分ずつ食べましたが、最後は頑張って食べたという感じです。
なお、蕎麦汁はやや濃い目&辛め目という印象ですが、悪くは無いです。


続いてカツオブシと葱がタップリ入った「はりはりせいろ」。
「豚肉は少ないだろう。」と思っていましたが、思いのほかたくさん入っていて、まずは具をある程度食べないと蕎麦を通すことが出来ない程具沢山です。

そして、1人前にしては量の多い蕎麦を温かい蕎麦汁にくぐらせていただいてみると、コシのあるしっかりした蕎麦でしたが、蕎麦がブツブツ切れてしまい、蕎麦汁に付けてズルズルっといただく感じでは無かったように思います。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば切り・佳人』さんは、腰越の町にあるお店らしく美味しい「しらす」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんでしたが、それよりも、薫製の美味しさに感動したお蕎麦屋さんでした。

ちなみに、今回は「厚焼きベーコンの薫製」をいただきましたが、メニューを見ると、「かまぼこ」、「虹ます」、「アジ」といった、あれも食べたいこれも食べたいと思ってしまう美味しそうな薫製が色々並んでいて、更には、薫製の鮎が1尾付いた「鮎骨酒」といったヨダレの垂れそうなメニューまであって、申し訳ありませんが、「蕎麦を食べる」ことよりも、「飲みながらしらすと薫製を食べる」ことを楽しみに訪れたいお蕎麦屋さんでした。

美味しい数々の料理をごちそうさまでした。
とても美味しかったです。

■専用軌道区間を抜けて江ノ島-腰越間の併用軌道区間へ進入する鎌倉行き電車■

老舗『あさだ@浅草橋』さんの「あさだ味噌・杉板焼」

2013-07-18 23:37:29 | 東京23区(台東区)

一度、夜営業の時間に蕎麦前をいただきたいと思っていた、JR総武本線&都営浅草線・浅草橋駅から徒歩3~4分の所にある『江戸蕎麦手打處・あさだ』さん。

1854年(江戸安政元年)創業ということなので、既に150年以上も蕎麦を打ち続けている歴史ある老舗のお蕎麦屋さんで、「江戸の風流人が愛してきた蕎麦前の粋なひとときを楽しんで頂きたい。」という思いから、一つ一つの料理に対しても、そしてお酒選びにも情熱を持って取り組んでいるお蕎麦屋さんです。

仕事を終え、お店に到着したのは夜営業開始時間の17:30丁度で、暖簾が掛かり、写真を撮って早速お店に入ると、老舗らしい「凛」とした空気が感じられるものの堅苦しさの無い、「どうぞゆっくり飲んでいってください。」という心温まる雰囲気が感じられます。

そんな雰囲気を感じながら2人用のテーブル席に着き、「これって、毎日用意するんだろうか?。」とついつい思ってしまう、7月18日のおすすめ料理とお酒が書かれた1枚物のメニューを広げますが、今回は予習を行ってから訪れているということもあり、ビールを飲むのか、それとも最初から日本酒にしてしまうのかを迷った程度で、さほど迷うことも無く「夏野菜お浸し」、「合鴨ロース赤ワイン煮」、「玉子焼」の3品を瓶ビールと一緒にお願いします。


まず運ばれてきた「夏野菜お浸し」(野菜が何だかは分りません。)とお通しの「鰊の昆布巻き山椒煮」を肴にビールを飲みながら、再度じっくりメニューに目を通してみると、あれも食べたいこれも食べたい、あれも飲みたいこれも飲みたいと思ってしまう美味しそうな料理とお酒がズラリと並んでいて、「やっぱり最初から日本酒だったかな?。」と思ってしまう品揃えです。


続いて登場した「合鴨ロース赤ワイン煮」。
江戸時代から続く老舗蕎麦屋の「赤ワイン煮」がどういう料理なのか想像出来なかった「合鴨ロース赤ワイン煮」ですが、鴨肉に白髪葱をはさみ、マスタードを付けていただいてみると、柔らかく程良い歯応えの鴨肉で、ほんのり感じられる赤ワインの香りがなかなか良い感じで美味しいです。


そして楽しみにしていた老舗蕎麦屋の「玉子焼」。
甘さ控え目でしたが、どっしりした姿と歯ごたえに貫禄の感じられる「玉子焼」です。


最初にお願いした3品がほぼほぼ無くなってきたところでビールも無くなったことから、日本酒と『江戸蕎麦手打處・あさだ』さんの名物料理「あさだ味噌・杉板焼」をお願いします。

なお日本酒は、いつもなら迷わず福島県の「飛露喜」を選ぶところではありますが、好きな福井県の「大吟醸・黒龍」にしようか、生まれ故郷千葉県の「純米大吟醸・あさだ」にしようか迷ってしまったことから、いずれも選ばず静岡県の「吟醸生酒・磯自慢」をいただくことしました。
まぁ、「磯自慢」だって美味しいお酒なので何ら問題はありませんが・・・。


さて、お願いした「あさだ味噌・杉板焼」ですが、蕎麦の実や季節の野菜、海老などを細かく砕き、西京味噌と練り合わせて杉の木に薄く延ばして焼いた料理ですが、味噌の甘味と焦げ目が何とも言えず美味しく、日本酒がグイグイ進んでしまう素晴らしい一品です。う~ん、やっぱり「飛露喜」だったかな・・・。


美味しい料理とお酒をいただき、腹も膨れてきたところで「せいろそば」をお願いします。
十割蕎麦の「せいろそば」は歯応えと喉越しも良く、辛目の蕎麦汁と一緒に美味しくいただきました。


今日、美味しい蕎麦前と蕎麦をいただいた『江戸蕎麦手打處・あさだ』さんは、4名(?)の花番さんがそつなくお客さんの対応に当たっていましたが、「仕事でやっている。」という業務的な印象は無く、一人和服を着た花番さんがテキパキと店内を仕切っていて、そしてお客さんには愛想良く自然体で接していて、老舗特有の引き締まった気持ちの良さと、下町特有の人情味溢れる雰囲気を感じることの出来るお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『深山@横浜・本郷台』さんの「ハモの天ぷら」

2013-07-13 11:05:00 | 横浜市(栄区)

家族みんながそれぞれの予定で出掛けてしまい、一人取り残された3連休初日の暑さ厳しい土曜日。
お台場にある日本科学未来館で開催されている「サンダーバード博」にでも行ってみようかと思いましたが、暑さもあって遠出する気持ちにならず、結局、近場のお蕎麦屋さんへビールを飲みに・・・、ではなく昼食を兼ねて蕎麦を食べに行くことにしました。

と思ってはみたものの、身近な所に、訪れたことの無いそそるお蕎麦屋さんが無くなってきたことから、「大船・鎌倉あたりまで行かないとダメかな?。」と迷いましたが、大船駅の1つ手前、JR根岸線・本郷台駅前に北海道幌加内産の蕎麦粉で打った手打ち蕎麦を食べることの出来る『そば処・深山』さんというお蕎麦屋さんがあることを思いだし、ビール1本飲むためにわざわざ電車に乗って本郷台まで行くことにしました。まぁ、ひまだし。

お店に到着して扉を開けて店内に入ると、座敷あり、囲炉裏風の7人程度が座れる大きなテーブル席あり、4人掛けのテーブル席あり、2人掛けのテーブル席ありと、思っていた以上に広いです。


そして、一人で訪れたことから相席のできる大きなテーブル席に案内されるかと思いましたが、特に席を指定されることも無かったことから、2人掛けのテーブル席に座ってカードケースのメニューに目を通します。

料理についてはカードケースのメニューのみならず壁にもベタベタと色々貼ってあり、更にはお勧めメニューなのか黒板まであって、何となく居酒屋の雰囲気です。

それら一品料理のメニューを見ていると、食事の「おかず」というよりお酒の「おつまみ」という印象の料理が多いことから、「これって昼から食べることが出来るんだろうか?。もしかしたら一品料理は夕方から?。」という不安が湧いてきたので、お昼でも大丈夫か確認してから、「冷奴」、「ハモの天ぷら」、「焼鳥(タレ)」をお願いします。

ビールを飲み始めると、まず「冷奴」が運ばれてきます。
「冷奴」は、水を張った器の中に豆腐が入っていて、網でお皿にすくい、薬味を乗せていただくという「冷奴」の一番好きなスタイルで登場です。


「冷奴」が食べ終わらないうちに運ばれてきた今日一番の楽しみ「ハモの天ぷら」は、価格が380円という低価格(というより、ほとんどの料理が380円均一です。)だったことから、正直、あまり期待せず待っていましたが、いざ抹茶塩でいただいてみると、肉厚で、熱々で、そしてハモのフワフワ感がなんとも言えず良い感じの、とても380円とは思えない美味しい天ぷらです。


「ハモの天ぷら」を美味しくいただいていると「焼鳥」が運ばれてきます。
焼き鳥屋さんの焼鳥(串焼き)だったら少々残念ではありましたが、串焼きではないお蕎麦屋さんならではの「焼鳥」だったのでホッと一安心です。ちなみに、「焼鳥」は塩とタレの選択でしたが、お蕎麦屋さんでいただく「焼鳥」なので、やはり、蕎麦汁の基となる「返し」で作るといわれているタレでいただきたいです。

ここで、丁度ビールが無くなったので、長野県の「自然酒・菊秀純米」(冷酒)をお願いします。

どれどれ、と思いながら「焼鳥」を一ついただいてみると、トロミのある濃い目のタレですが、まずまずです。
そして、「焼鳥」に合わせていただいた長野県の「自然酒・菊秀純米」(冷酒)は、やや辛口の口当たりですが、まろやかな味わいで美味しいです。


11:30を過ぎてお客さんがポツポツと増えてきたこともあり、また、お酒と料理を楽しませていただいたことから、そろそろ蕎麦をいただこうと思い「鴨せいろ」をお願いします。

いつもなら「せいろ」をお願いするところですが、『そば処・深山』さんの「鴨せいろ」は単純な鴨汁ではなく、厚切りの鴨肉に、素揚げした茄子とピーマンと椎茸がトッピングされた器と蕎麦汁と蕎麦とが別々になっていて、色々な味と食べ方が楽しめそうな「鴨せいろ」です。

そして、さほど待つことも無く運ばれてきた「鴨せいろ」。


まずは、野菜と柔らかい鴨肉をいただきながら、鴨肉の旨味がタップリ出た汁に蕎麦汁を少々加え、その汁に蕎麦を付けていただきます。


次に、野菜と鴨肉を食べ終えた器に蕎麦猪口から蕎麦汁を注ぎ、「せいろ」としていただきます。
蕎麦汁は、辛いというより少々しょっぱいかな?という印象ですが、蕎麦との相性も良く、蕎麦を美味しくいただくことのできる蕎麦汁です。また、若干細めの麺は、適度な歯応えの感じられるいかにも手打ちらしい麺でした。


今日訪れた『そば処・深山』さんは、堅苦しい雰囲気を感じることもなく、蕎麦前と蕎麦を手軽にいただくことの出来る町中のお蕎麦屋さんでしたが、おつまみ(一品料理)の品数も多く、また、ビール・日本酒・焼酎のいずれか1杯とおまかせおつまみ4品、そして蕎麦(せいろ または かけ)がセットになった「ほろ酔セット」(夕方4時から。1300円。)というセットがあるなど、どちらかというと、昼食をいただくお店というよりも、夜、仕事帰りに軽く1杯いただきたくなるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『蕎家・佳@多摩センター』さんの美味しい「土佐醤油」

2013-07-06 23:41:24 | 東京都(多摩市)

多摩ニュータウンの近くで行なわれた社会人ラグビーの試合を観戦したその帰り道、小田急&京王電鉄・多摩センター駅近くにある『手打そば・蕎家 佳』(きょうや よし)さんを訪れました。

お店に到着したのが13時を少し過ぎた頃ということもあって、店内奥見える座敷は埋まっているようですが、7人程度が座れるカウンター席にお客さんの姿は無く、また、2つある2人掛けのテーブル席にも空席が見られます。

その様子を見て、のんびり出来るかな?と思いながら、そして流れる汗を拭きながらカウンター席に腰を下ろそうとすると、「お茶・・・、よりお水の方が良いですか?。」と声を掛けられますが、空席も見られることから「ビールもらっても良いですか?。」と確認すると笑顔で「はい!。」とのことだったので、エビスビール(瓶)をお願いします。

席に着いて早速メニューを広げると、解説が書かれた美味しそうな一品料理が多数並んでいます。
「さて、時間もあるし・・・。」と思いながら料理を選んでいると、後から後から続々とお客さんが来店してきます。そして、のんびり出来るかと思って「野菜天ぷら盛合せ(6種)」、「出し巻玉子」、「鴨ロース」という時間の掛かる物ばかりを頼んでしまいましたが、料理をお願いした時にはカウンター席も埋まってしまう程の盛況振りで、「(忙しい時に手間の掛かる物を頼んでしまい)まずかったかな?。」って感じです。

そんなことを思いながらカウンター席の端っこで一人ビールを飲み始めると、しばらくしてお通しの、酢味噌が添えららえた「青柳」(和えていません)が運ばれてきます。

目の前に置かれた「青柳」は、丁寧かつ綺麗に盛り付けられていて、この料理を見ても、お店の「料理に対するこだわり」と「おもてなしの心」みたいなものが感じられ、この後登場する料理への期待が膨らみます。


お通しの「青柳」をいただいていると、まず「野菜天ぷら盛合せ」が運ばれてきます。
6種類が盛られている天婦羅は、運ばれてきた時に説明していただきましたが、確か、記憶によると、トマト&明日葉&茄子&ミョウガ&パプリカ&ブロッコリーという、なかなかいただく機会の無い種類ばかりで、天つゆに付けたり塩を振りかけたりして美味しくいただきました。


「野菜天ぷら盛合せ」をいただいている途中でビールが無くなり、陽気が暑いということもあってもう1本ビールをお願いしようかと思いましたが、折角の美味しい料理なので、「混雑している時に申し訳無い。」と思いながらもやはりお酒をいただくことにします。

酒度と精米歩合の書かれている日本酒のラインナップから選んだ今日のお酒は、米の旨味と甘さがほんのり残り、最後まで呑み飽きないと言われている青森県の地酒「豊盃・特別純米」で、日頃積極的に飲まない種類のお酒ということもあって、新鮮さの感じられるまろやかな日本酒です。

お酒を飲みながらいただいた「鴨ロース」は、脂が少なくとても柔らかい鴨肉で、コンガリ焦げ目となっている網目部分の香ばしさがとても美味しいです。


そして、お蕎麦屋さんで外すことの出来ない「出し巻玉子」。
ふっくらした食感がなかなか良い感じですが、薄っすら黄色い色合いと同様に味わいも薄味という印象です。しかし、「出し巻玉子」と一緒に運ばれてきた自家製の土佐醤油を「出し巻玉子」に直接掛けて食べてみると、少々キリッとした口当たりながらも、味わい豊かな優しい「出し巻玉子」に変身し、とても美味しいです。
玉子焼に醤油を掛けて食べるのって、想像できないかもしれませんが、本当に美味しいです。
この自家製土佐醤油、購入できるものなら購入して帰りたいほど実に素晴らしい醤油でした。


「出し巻玉子」が食べ終わる頃になってようやくお客さんの出入も落ち着きだし、「これからがお酒の時間」といった雰囲気になりますが、ちょっと食べ過ぎたかな?と思ってしまうほどたくさんの料理をいただき、また、中休み(昼の営業時間と夜の営業時間の間)の時間が近付いてきたことから締めの「せいろ」をお願いします。

まずは蕎麦汁。東京の老舗蕎麦屋でいただく蕎麦汁とは異なる、濃さと辛さの抑えられた、「やや甘口」と表現しても良いかと思うほど穏やかでまろやかな蕎麦汁です。
そして蕎麦は、細さの割にはしっかりした腰のある蕎麦という印象で、まろやかな蕎麦汁との相性も良く、一緒に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・蕎家 佳』さんは、料理はもちろんのこと接客も丁寧で、ご主人を始めスタッフ全員が、真面目に丁寧な仕事を心掛けているということがひしひしと伝わってくるお蕎麦屋さんでした。

また、カウンターに座っていたということで厨房の様子を伺うこともできましたが、活気ある雰囲気の中でテキパキと無駄なく仕事が進められていて、お店としてのレベルの高さが伺えます。

しかし、だからと言って店内に緊張した堅苦しい雰囲気は無く、入口で靴を脱いで店内に入るというスタイルということもあって、リラックスして美味しい料理と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんではないかと思います。

ごちそうさまでした。