江ノ電が道路の真ん中を走っている、昔懐かしい面影の残る「腰越」の町。
その、江ノ島に程近い腰越の町にある『そば切り・佳人』(かじん)さん。
町の景観に違和感無くマッチした、派手さの無い静かなお蕎麦屋さんで、腰越にあるお店らしく、蕎麦屋の定番料理と一緒に「しらす」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんですが、「手打そば」という提灯が無ければ「鎌倉スモーク」を扱う薫製屋さんにしか見えません。
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そんな『そば切り・佳人』さんに到着したのはお店の開店時間少し前の11:25で、お店の入口を見ると、「支度中」なのか「商い中」なのか判断に迷う微妙な暖簾の掛かり具合です。しかし、ガラス越しに店内を覗いてみると既に女性の2人客が席に着いているようなので、「商い中」と判断して店内に入ります。
店内は、テーブルが4卓と小上がりが2組分あるのみのけして広いとは言えない広さではありますが、落ち着いた雰囲気が感じられます。
そして、うちの奥さんと2人で2人掛けのテーブル席に着いてメニューを広げ、生・釜揚・燻製のしらすがセットになった「しらす3種盛り」と、数ある薫製料理の中から「自家製・厚焼きベーコンの燻製」、そしてお蕎麦屋さんで外せない「玉子焼き」の3品をお願いします。
まず運ばれてきたのは今日一番の楽しみ「しらす」です。
3種類の盛り合わせということで、味見程度の量で3種類出てくるのかと思いましたが、一つ一つの盛りが多く、2人で食べても食べ応えのある量です。
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で、まずはやっぱり「生」(写真右)。
それだけで食べると味は薄く、生姜醤油でいただくと「まぁ、こんなもんかな?。」という感じですが、「醤油とお酢の両方を付けてどうぞ。」とのことでしたので、生姜醤油とお酢の両方を付けていただいてみると、これがまた何とも言えない味わいで、とても美味しいです。
続いて「釜揚」(写真中央)。
まぁ、こちらは予想通りの味わいかもしれませんが、それでもやっぱりスーパーの「しらす」とは異なる美味しい釜揚げしらすです。
そして最後に初体験の「薫製」(写真左)。
ほぉ~、確かに薫製です。なるほど、これはこれで十分美味しい一品と思いますが、やはり「しらす」は「生」でいただくのが一番でしょうか?。
「しらす」をあれこれ食べ比べている最中に運ばれてきた「自家製・厚焼きベーコンの燻製」は、正直、「切って盛り付けるだけ。」かと思いましたが、皿には切っただけのベーコンと焼いたベーコンの2種類が盛り付けられていて、更にゴーヤと茄子と南瓜の素揚げが添えられています。
「なるほど時間が掛かるはずだ。」と納得しながらベーコンをいただいてみると、明らかに酒のつまみではありますが、むちゃくちゃ美味しいです。また、皿にはケチャップと辛子が添えられていましたが、何も付けずにいただいた方が美味しいように思います。
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今日はビールだけにしようかしようかと思っていましたが、「しらす」と「ベーコン」が美味しく、ついついお酒が進んでしまう料理だったことから、富山県の地酒「吟醸酒・銀盤」をいただきます。
そうそう、美味しい料理とお酒をいただきながら窓の外に目を向けると、窓のすぐ外、手を伸ばせば手が届きそうな程近くを江ノ電が走っていきます。そして江ノ電が通るたびにガタガタガタと振動が伝わってきて、腰越の町ではありますが、どことなくのんびりした下町の風情が感じられます。
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そんなことを感じながら「しらす」と「ベーコン」をいただいていると「玉子焼き」が運ばれてきます。
そのままの姿を見ても断面を見てもやや茶色掛かった色合いで、正直「色味がイマイチかな?。」という印象でしたが、この「玉子焼き」、程好い柔らかさと甘さで驚くほど美味しいです。
メニューには「玉子焼き」となっていますが、色味からして蕎麦汁を使用しているのか明らかに「出汁巻き玉子」で、久しぶりに感動させてくれる美味しい「玉子焼き」でした。
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さて、そろそろ蕎麦を頂くタイミングとなり、再度メニューを広げます。
蕎麦のメニューにも、釜揚げしらすとせいろのセット、しらすのかき揚げとせいろのセット、釜揚げしらす丼とせいろのセットなど、しらすとせいろをセットにしたそそるメニューが多数並んでします。
今日はそんな中から、しらすのかき揚とせいろがセットになった「しらすかき揚げせいろ」と、京水菜と豚肉の入った温かい付け汁でいただく「はりはりせいろ」をお願いします。ところが、「今日は水菜が品切れで、はりはりせいろは葱になります。」とのこと、しかし既に気持ちが温かい蕎麦汁に向いてしまっているので、そのまま葱の「はりはりせいろ」をいただくことにしました。
まず登場した「しらすかき揚げせいろ」。
かき揚げは、先客の女性2人が揃って「残してしまってすみません。」と言っていたほど大きいです。確かに、うちの奥さんと2人で半分ずつ食べましたが、最後は頑張って食べたという感じです。
なお、蕎麦汁はやや濃い目&辛め目という印象ですが、悪くは無いです。
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続いてカツオブシと葱がタップリ入った「はりはりせいろ」。
「豚肉は少ないだろう。」と思っていましたが、思いのほかたくさん入っていて、まずは具をある程度食べないと蕎麦を通すことが出来ない程具沢山です。
そして、1人前にしては量の多い蕎麦を温かい蕎麦汁にくぐらせていただいてみると、コシのあるしっかりした蕎麦でしたが、蕎麦がブツブツ切れてしまい、蕎麦汁に付けてズルズルっといただく感じでは無かったように思います。
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今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば切り・佳人』さんは、腰越の町にあるお店らしく美味しい「しらす」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんでしたが、それよりも、薫製の美味しさに感動したお蕎麦屋さんでした。
ちなみに、今回は「厚焼きベーコンの薫製」をいただきましたが、メニューを見ると、「かまぼこ」、「虹ます」、「アジ」といった、あれも食べたいこれも食べたいと思ってしまう美味しそうな薫製が色々並んでいて、更には、薫製の鮎が1尾付いた「鮎骨酒」といったヨダレの垂れそうなメニューまであって、申し訳ありませんが、「蕎麦を食べる」ことよりも、「飲みながらしらすと薫製を食べる」ことを楽しみに訪れたいお蕎麦屋さんでした。
美味しい数々の料理をごちそうさまでした。
とても美味しかったです。
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■専用軌道区間を抜けて江ノ島-腰越間の併用軌道区間へ進入する鎌倉行き電車■