蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『朴仙@押上』さんのしっかりした食感の「青豆とうふ」

2018-05-30 17:35:00 | 東京23区(墨田区)

東京都心での仕事が予定よりも早く終わったため、自宅とは反対方向へ少し足を延ばして、東武鉄道&都営浅草線・押上駅から徒歩3分程度のところにある『手打ち蕎麦・朴仙』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

お店に到着したのは17時半を少し過ぎた時間でしたが、雨の影響もあってか綺麗で落ち着いた店内に先客の姿は無く、そっと静かに仕事の疲れを癒すことができそうな雰囲気です。


そして、案内された店内一番奥の席に着いてメニューに手を伸ばしてみると、一品料理のメニューには「蕎麦屋の肴」と「夜のおつまみ」の2種類があり、驚くような料理は無いのかもしれませんが、仕事帰りに一人で蕎麦前を楽しむには十分な品揃えです。


2つのメニューを眺めながらあれこれ迷った結果、どちらのメニューにも書かれている「青豆とうふ」と、夜のおつまみに書かれていた「自家製さつま揚」を瓶ビールと一緒にお願いします。


まずいただいた「青豆とうふ」は、箸でつまんでも崩れることの無いギュッと凝縮された豆腐で、しっかりした食感とほんのり感じる甘味がなかなか美味しいです。


次にいただいた「自家製さつま揚」は、フワフワで柔らかく、それでいて中はしっとりとしているとても美味しい「自家製さつま揚」でした。


美味しい料理に気分も良くなったところで「樽酒」をお願いします。


樽酒をお願いすると、まず升と粗塩が目の前に置かれ、追って片口から升に日本酒が注がれます。
表面張力で膨れた樽酒を、こぼさないようにそっと口を付けていただいてみると、升から香る木の香りが心地良く、美味しい地酒もありましたが「これで十分!」と思える納得の樽酒でした。


BGMも無く、他にお客さんの姿も無い静かな店内で女性の花番さんと二人だけという状況に緊張感を感じてしまったものの、それでも気分の良さに料理とお酒は進み、今頃になってから「板わさ」をお願いするのは少々イマイチかな?とも思いましたが、日本酒に合う軽い肴がほしかったので「板わさ」をお願いします。


居心地の良さに満足感を感じていると、お酒と料理の両方がそろって無くなったため、もう少し蕎麦前を楽しませていただこうと思い、山形県の地酒「吟醸・出羽桜<桜花>」と「野菜の天ぷら」を追加でお願いします。

ピチピチピチピチと聞こえてくる天婦羅を揚げる音と、ほのかに香る油の香りに「これは旨そうだ!」と大きな期待を寄せた「野菜の天ぷら」は、2人でいただくことを前提としているのか5品の野菜が2つずつあり、食べ応え十分な野菜の天婦羅盛り合わせでした。


蕎麦前の料理をあれこれいただいたため、腹具合は満腹に近い状態でしたが、最後に「せいろもり」をお願いします。

いただいた「せいろもり」の蕎麦汁は、辛口ではあるものの出汁の旨味がしっかり感じられ美味しいです。また、蕎麦はまろやかな味わいで、喉越し良く食べ易い蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・朴仙』さんは、外観こそ、常連さん達が毎日ように集まりみんなでワイワイガヤガヤと楽しい一時を賑やかに過ごしている下町の食堂にも見えましたが、いざ店内に入ってみると、清潔感の感じられる綺麗なフロアと静かで落ち着いた雰囲気に心地良さを感じることのできるお蕎麦屋さんでした。

また、お店の雰囲気のみならず、若いのにしっかりしている花番さんの接客も好印象だし、ご主人は訪れた時も帰る時も厨房から心のこもった元気な声で挨拶してくれるし・・・、と、一人で憩いの一時を気分良く過ごすのできるとても居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『檑亭@鎌倉山』さんのデザート(くだもの)付き「そば定食」

2018-05-04 11:15:00 | 神奈川県(鎌倉市)

綺麗な青空が広がったゴールデンウィーク後半、うちの奥さんと二人で鎌倉山(神奈川県鎌倉市)にある『そば処・檑亭』さんへと向かいました。

訪れたのが青空の広がった連休後半の休日で、場所が鎌倉であることから混雑を予想してお店の開店時間に到着したいところではありましたが、当日の朝になって急遽出掛けることとなったため出発に時間を要し、開店時間を15分ほど過ぎての到着となりました。

そのため、もしかしたら1巡目のお客さんで席が埋まってしまったかな?と思いましたが、混雑はしているものの、待つこともなく8人掛けの大きなテーブル席に着くことができました。

ちなみに、お店のHPによると、使用しているテーブルと丸太状の椅子は松喰い虫によって枯れてしまった庭内の松の木を活用して作られているようです。


席に着いて早速メニューを眺めてみると、蕎麦前の肴も用意されていることから、休日の一時を楽しませていただこうと思い、小鉢と天婦羅と蕎麦がセットになっている「そば定食」と一緒に、限定品の「だし巻玉子」と生ビールをお願いします。


生ビールをいただきながら店内を眺めたり、店内から見える鎌倉の山々を眺めたりしていると、それ程時間が掛かることも無く、目の前に「だし巻玉子」が置かれます。

いただいた「だし巻玉子」は、熱々でないことが少々残念ではありましたが、甘さの控えられた、酒の肴には何ら問題の無い美味しい玉子焼でした。


いただいた「そば定食」は、喉越しの良い蕎麦に、純白でサラサラな塩でいただく天婦羅、煮物、小鉢、デザート(くだもの)が付くセット料理で、夫婦二人で休日の昼食をゆったりと楽しむことのできる料理でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・檑亭』さんの建屋は、江戸時代に別の地で建造された建屋を昭和4年に移築改築した建屋とのことで、歴史を感じるその佇まいがなかなか良い感じです。

そして、お店から見える風景のみならず、別途甘味処まである広大な廻遊式庭園など見どころも多く、夫婦二人で休日の一時をのんびり楽しむことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『和楽庵@上野・御徒町』さんの季節の逸品「鰆ふき味噌焼き」

2018-05-02 13:45:00 | 東京23区(台東区)

ここ数年、ゴールデンウィーク期間中にある平日を利用して、ぜひ一度訪れてみたいお蕎麦屋さんや日頃なかなか訪れることのできないお蕎麦屋さんを巡っていますが、今年は予定が合わず、平日のお蕎麦屋さん巡りは出来ないと考えていました。

しかし、東京都心を訪れた連休中の平日午後に空き時間ができたため、JR山手線・御徒町駅から徒歩数分の所にある『手打ちそば・和楽庵』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

お店の最寄り駅に到着したのは14時近くで、忙しさのピークは過ぎているだろうと思われる時間であったことからのんびりした一時を過ごすことができるかな?なんて思いながら歩いていましたが、前を歩くご夫婦がお店に入ったことで「もしかして14時でも混雑しているのかな?」と焦りを感じてしまい、お店の外観を写さず(失敗でした)慌てて扉を開けます。

少々焦りながら店内に入ってみると、思いのほかこじんまりとしていると感じた店内はほぼほぼ席が埋まっていて、14時前という時間を考えるならば賑わっているという感じです。

そのため、相席かな?と思いながら一人であることを花番に伝えると、店内奥の、広々とした小奇麗で静かなフロアへと案内されます。


勧められた2人掛けのテーブル席に着いて早速メニューに手を伸ばしますが、一品料理よりも先に「春野菜のベジ天もり」という料理に目が止まります。


「春野菜」という文字を見ると、野菜なのか好物の山菜なのかを確認したくなりますが、山菜であることが明確に書かれているため、本陣房系列のお店に対しては愚問であると思いながらも、一応、天先が可能か確認してから「春野菜のベジ天もり」を天先でお願いし、併せて「炙り明太子」と宮城県の地酒「日高見」をお願いします。


蕎麦前の料理とお酒をお願いしてから改めて店内を見渡していると、お通しの揚げ蕎麦とタオル地のおしぼりが差し出されます。席に着いた時に紙製のおしぼりをいただきましたが、手が汚れるとの配慮からなのか、お酒のお客さんだからなのかは分かりませんが、別途タオル地のおしぼりをいただいたことが何だかとっても嬉しいです。

そして、待つことも無く升に入ったグラスが用意され、グラスに「日高見」が注がれていきますが、グラスが満杯になり、グラスから溢れた「日高見」が今度は升の中に溜まり始め、もうこれ以上入らないという、グラスのみならず升も表面張力で膨れ上がるまで注がれましたが、それでもテーブルに1滴もこぼすことなく注いだ花番さんの腕前は見事しか言いようがありません。

ちなみに、いただいた「日高見」は、美味しいことは分かっているので驚きはありませんが、やはり素直に美味いです。


時間が掛かるかな?と思ったもののさほど待つことも無く運ばれてきた「炙り明太子」は、ヒリヒリ感を感じるほどの辛さで、「日高見」がスイスイと進んでしまいます。


「炙り明太子」を追うように運ばれてきた「春野菜の天ぷら」は、山菜の苦味はそれほど感じられませんでしたが、真ん中に横たわっている、食べ応えのある海老のプリプリ感がなかなか美味しいです。


のんびりと蕎麦前をいただいていると、いつの間にかお客さんの姿も少なくなり、そろそろ蕎麦をお願いしようかと思いましたが、目の前に掲示されている「鰆ふき味噌焼き」が気になってしまい、昼でもお願いできるのか確認したところ大丈夫とのことでしたので、いただくことにします。


料理を追加したので併せてお酒も追加しようと思い、品揃えが素晴らしい日本酒のメニューを再び眺め、福島県の地酒「純米吟醸生原酒・國権」をお願いします。


「日高見」同様、升とグラスの両方が表面張力で盛り上がるまで注いでくれた「國権」は、ほんのり感じられる旨みが素晴らしい、なかなか美味しい日本酒でした。

また、追加でいただいた「鰆ふき味噌焼き」は、少々淡泊な味わいでしたが、それだけでも一品料理になれるまずまずのふき味噌と一緒に美味しくいただきました。


最後にいただいた蕎麦は、やや中太の食感でしたが喉越しの良い食べ易い蕎麦で、2段重ねの蕎麦がアッという間に無くなりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・和楽庵』さんは、日本酒の品揃えが居酒屋に負けないほど素晴らしく、清潔感漂う小奇麗な店内と、花番さんの痒い所に手の届く親しみの感じられる接客がとても好印象な、ついつい長居をしたくなってしまう居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。