蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『ときそば@新橋』さんの甘口味噌が美味しい「厚揚げ味噌焼き」

2018-08-09 18:25:00 | 東京23区(港区)

東京都心での仕事を終え、冷えたビールでも飲んでから帰宅しようと思い、JR東海道線・新橋駅から人混みの中を7~8分程度歩いたところにある『新橋ときそば』さんに立ち寄ってみました。

お店に到着したのは18時半近くで、駅から離れているとはいえビジネス街にある人気のお蕎麦屋さんであることから、既にビジネスマンで盛り上がっているかな?と思いましたが、先客は年齢の若いお客さんが5名程度と、「まだ、時間が早いのかな?」といった感じです。

そして、勧められたカウンター席に着きながらとりあえず瓶ビールをお願いし、一息ついたところで「塩たこぶつ」と「厚揚げ味噌焼き」をお願いします。


拭っても拭っても溢れ出てくる汗を更に拭いながらいただいた「塩たこぶつ」は、その名前からしょっぱいのかな?と思いましたが、しょっぱさを感じることは無く、赤星(瓶ビール)と一緒に美味しくいただきました。


日中は暑さも厳しく喉が渇いていたことからビールの進みも早く、アッという間に瓶ビールが残りグラス1杯になってしまったことから、静岡県の地酒「超辛口純米・花の舞」をお願いします。


いただいた「超辛口純米・花の舞」は、口当りこそ柔らかく穏やかな印象でしたが、辛さがしっかり余韻に残る日本酒でした。


次にいただいた「厚揚げ味噌焼き」は、「厚揚げの間に味噌が挟まっているので醤油をつけずにそのまま食べてください」という花番さんの説明に従いそのままいただいてみると、熱々でカリッとした食感とほんのり甘い味噌の味わいが程良く、とても美味しいです。


美味しい料理とお酒に気分も良く、更に5勺でいただいたということもあり「超辛口純米・花の舞」が見る見るうちに無くなってしまったため、再び日本酒のメニューを眺め、福島県の地酒「生貯蔵 純米・奈良萬」をお願いします。

なお、日本酒は一合や二合でもいただくことができるとのことですが基本は五勺となっており、どれにしようか迷った時やあれこれいただきたい時などには嬉しいメニューとなっています。


お店は、まだまだ空席がみられるものの多くの席が埋まってきていることから、早目に「だし巻き玉子」(卵2個)をお願いし、残っている料理をいただきながら玉子焼の出来上がりを待っていましたが、もしかしたら時間が掛かるかな?と思ったことから、直ぐに出てくると思われる「花わさびの醤油漬け」を追加でお願いします。

すると、直後に玉子焼が・・・。

いただいた「だし巻き玉子」は、熱々で焦げ目の無いとても綺麗な玉子焼で、美味しいです。

ちなみに、玉子焼のサイズは卵の数が2個と3個の2種類があるようですが、1個や4個以上のサイズも受けていただけるとのこと。一人で訪れ少しだけあれば良い時や、数人で訪れてみんなでいただく時に良いのかもしれません。


さて、「だし巻き玉子」をいただいたところで空腹も満たされてきたことから、「花わさびの醤油漬け」をいただいたところで蕎麦をお願いします。


蕎麦のメニューを見てみると、「剣客そば」という、岩のりがのった生姜風味のぶっかけ蕎麦に目が止まり心が引かれましたが、細打ちの「ざる」と太打ちの「田舎」とが普通盛りサイズでセットになった「二色そば」をいただくことにします。


蕎麦の注文を終えると、お酒はよいですか?と花番さんに声を掛けられます。

「もう、お酒は終わり」と考えていましたが、声を掛けられると不要と思いながらもついつい「じゃあ、もう一杯だけ。五勺があるし・・・」と思ってしまい、福井県の地酒「純米・雲乃井」を五尺をお願いしてしまいます。

五勺というサイズは、重宝であり嬉しいサイズと思いますが、ついつい「もう一杯、五勺なら・・・」と飲み過ぎてしまうサイズなのかもしれません。


若い女性の花番さんとお酒の話をしながら蕎麦を待っていると、カウンター越しに笑顔のご主人から細打ちの「ざる」が差し出されます。

受け取った蕎麦を見ると量も多く、2枚は多かったかな?という思いが湧いてきましたが、まず蕎麦汁を付けずに一口いただいてみると・・・。

おっ、なかなか美味しいじゃないですか!。

蕎麦汁を付けても美味しいですが、蕎麦汁を付けなくても十分に美味しいです。


追って差し出された太打ちの「田舎」は、太打ちでありながら喉越しが良く食べ易い蕎麦でした。
1枚目の「ざる」を受け取った時は、多かったかな?とも思いましたが、なかなか美味しい蕎麦で、ツルツルっと2枚を一気に食べてしまいました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『新橋ときそば』さんは、外見こそしっとりとした落ち着いた佇まいのお蕎麦屋さんですが、ご主人も若く、お店を出る時にお店の外まで出てきて見送りをしてくれた若い女性の花番さんの気さくな接客も好印象で、落ち着きの中にカジュアルな雰囲気も感じることのできたお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『煌味家@浜松町』さんのフンワリした「とちお油揚」

2016-09-23 18:15:00 | 東京23区(港区)

出張帰り等で東京駅に降り立ち真っ直ぐ帰宅する場合、通常は品川駅でJRから京浜急行電鉄に乗り換えますが、「ビールでも飲んでから帰ろうかな?」と思った時は、お蕎麦屋さんが多く京浜急行電鉄に乗り換え可能な日本橋界隈や、新橋・浜松町(大門)付近でお店を探す機会が必然的に多くなります。

ということで、今月2回目の浜松町・大門。

今回、出張帰りに立ち寄ったのはJR山手線・浜松町駅から徒歩3分程度のところにある『手打ちそば・煌味家』(こうみや)さんで、充実した蕎麦前を期待しながらお店に入ってみると・・・。

週末金曜日の18時過ぎということで、仕事を終えたビジネスマンで混雑しているかもしれないと予想しましたが、予想に反して店内に先客の姿は無く、「お好きな所にどうぞ」との案内だったことから店内一番奥の2人掛けテーブル席に着き、生ビールと一緒に、「本日のおすすめ」メニューの中から自家製の「長芋ぬか漬」と空腹を満たしてくれるであろう「焼鴨九条ねぎ」をお願いします。


まずいただいた自家製の「長芋ぬか漬」は、シャクッとした歯応えがなかなか良い感じですが、ぬか漬けらしさはあまり感じられず、サッパリした糠漬でした。


空腹を満たしてくれることを期待してお願いした「焼鴨九条ねぎ」は、程良い食感の鴨肉で、柚子胡椒をタップリ添えて美味しくいただきました。


ビールが無くなったことから日本酒をいただこうと思い、日本酒のメニューを手にしますが、「本醸造」とか「純米吟醸」とかの種類も日本酒度も書かれていないことから、十分な品揃えでありながら「これだ!」という銘柄を選ぶことが出来ません。

そのため、「1000円以上の磯自慢や飛露喜なら間違いないだろう」とか「無難な獺祭50にしようかな」とかあれこれ考えましたが、結局、「新潟」という産地と「飲んだことが無い」という理由で、新潟県の地酒「村佑」(むらゆう)をいただくことにします。

あれこれ考えた末にいただいた「村佑」は、やや甘いかな?という口当たりでしたが、香りも良く、透明感と米の旨味がしっかり感じられるまずまずの日本酒でした。


喉も潤い、空腹もほぼほぼ満たされてきましたが、貸切状態で他にお客さんもいないことからもう少し蕎麦前を楽しませていただこうと思い、枡酒をお願いします。

お酒を目の前で枡に注いでくれた枡酒は、ほんのり香る木の香りが心地良く、感じたままをそのまま表現するなら「新築の家の味がする」(?)という味わいの、とても美味しい枡酒でした。


また、枡酒と一緒に栃尾(新潟県長岡市)名物の「とちお油揚」をいただきましたが、フンワリ柔らかい口当たりの美味しい油揚げでした。

なお、栃尾油揚にはズッシリした食べ応えのある油揚もあるとのことですが、フンワリした油揚しか食べたことが無いので、ぜひ一度、ズッシリした油揚をいただいてみたいです。



さて、料理もお酒も十分いただいたので蕎麦をいただくことにします。
先日、斜向かいの「嘉一」さんでいただいた「ゆず切り」がとても美味しかったので、「ゆず切り」を単品でいただいても良かったのですが、やはり「二色」とか「三色」とかの文字を見てしまうとどうしても気持ちがそちらを向いてしまい、それ程空腹でもないのについつい「三色もり」をお願いしてしまいました。


まず最初にいただいた「ゆず切り」は、予想通り美味しく、満足度がとても高いです。


「ゆず切り」の写真を撮っている間に運ばれてきてしまった「せいろ」は、お酒を飲んだ後でもサッパリいただくことの出来る喉越しの良い蕎麦でした。


最後にいただいた「田舎」は、硬過ぎることもなく、美味しくいただける「田舎」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・煌味家』さんは、先日蕎麦前と蕎麦をいただいた「嘉一」さんと同じ系列のお蕎麦屋さんで、料理と日本酒の品揃えが充実しており、併せて馴染み易い居酒屋の雰囲気であることから、ついつい長居してしまうなかなか居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『嘉一@浜松町』さんの甘味ある「アスパラ塩茹で」

2016-09-01 18:05:00 | 東京23区(港区)

出張で地方へ出掛け、東京都心まで戻ってきたその帰り道、喉の渇きを潤してから帰宅しようと思い、JR山手線・浜松町駅から徒歩3分程度のところにある、お酒と料理が充実している『手打ちそば・嘉一』さんへ立ち寄ってみることにしました。

お店に到着したのは夕方18時を少し過ぎた時間であったことから、そろそろ芝大門界隈のビジネスマンで賑わい始める頃かな?と思いましたが、けして広くは無いものの居心地の良い適当な広さの「居酒屋風の店内」に先客は2組で、どちらもお客さんも・・・、既に「出来上がって」います。


まぁ、こんな雰囲気かな?と何ら違和感を感じることもなく、進められた2掛けテーブル席で上着を脱ぎながらカードケースになっているメニューをチラリと見て、迷うことも無く生ビールをお願いします。


席について、紙でもなくビニールの袋に入ったおしぼりでもない、水分タップリ熱々の「元祖おしぼり」に嬉しさを感じながら何をいただこうかあれこれ悩んだ結果、最近毎回のようにいただいている「鴨のくんせい」と、おすすめ料理の「アスパラ塩茹で」をお願いすることにします。


まずいただいた「鴨のくんせい」は、普通と言ってしまえば普通ですが、アッサリした味わいと柔らかい食感がなかなか美味しいです。

なお、やや濃い目に味付けされたお通しの「ホタテ煮」がとても美味しいです。
あまりにも美味しいので単品でいただこうかと思いましたが、メニューには無い(と思う)ようで、お通しでしかいただけないようです。う~ん・・・、食べることに集中してしまい写真を撮り忘れてしまいました。


続いていただいた、見るからに美味しそうな「アスパラ塩茹で」は、太さを感じるしっかりした食感と、温かく甘味のある美味しさがとても良い感じです。ちなみに、冷めても美味しさは変わらず、ゆっくりいただいても最後まで美味しい「アスパラ塩茹で」でした。


今日は暑かったことから汗もかき、喉もカラカラだったことからビールの減りも早く、もう1杯ビールかな?という気分でしたが、ビールのおかわりはせず、山形県の地酒「純米吟醸・くどき上手」をお願いします。
また、ちょうど「鴨のくんせい」がなくなったことから、追加で「炙り明太子」をお願いします。


「もしかして、前もって炙ってあった?」と思うほど短時間で運ばれてきた「炙り明太子」は、表面がほんのり軽く炙られていますが中は生に近いレアな状態で、ピリッと感じる辛さが美味しく、「純米吟醸・くどき上手」がついつい進んでしまいます。

美味しい料理についついお酒も進んでしまい、それほど時間が掛からず「純米吟醸・くどき上手」が空になってしまったことから、青森県の地酒「純米・陸奥八仙」」をいただきました。


さて、汗も引き、喉も十分に潤ったところで、「ゆず切り」(変わり蕎麦)、「せいろ」、「田舎」の3種類をいただくことのできる「三色もり」をお願いします。


まずは、高知県産の新ゆずを使用した、柚子の香りと味わいを存分に楽しむことのできる「ゆず切り」が運ばれて来ましたが、蕎麦汁を付けずにそのまま食べても十分に美味しく、結局、蕎麦汁をほとんど使うことなく食べてしまいました。それにしても、この「ゆず切り」、かなり美味しいです。


次に運ばれて来た「せいろ」は、けして悪くはありませんが、「ゆず切り」が美味し過ぎたためか、普通としか言えない蕎麦になってしまったように思います。なお、お店の入口付近に掲げられていた案内によると、この日の蕎麦は「北海道雨竜町産のキタワセ」とのことでした。


最後にいただいた「田舎」は、やや硬めの歯応えでしたが、蕎麦を引き立ててくれるおとなしい蕎麦汁をしっかり付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・嘉一』さんは、仕事帰りに立ち寄った居酒屋で料理とお酒をいただいているという感じのお蕎麦屋さんでしたが、料理は美味しく、丁寧で馴染み易い接客の花番さんは隅々まで目配りと気配りが行き届いていて、ちょっと高額な支払いとなってしまいましたが、仕事の疲れをしっかり気分良く癒してくれるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『川上庵@青山・表参道』さんの柔らかい「鴨たたき」

2015-11-29 11:30:00 | 東京23区(港区)

芸能人の方も足を運んでいる(らしい)表参道にある『青山・川上庵』さん。

表参道という場所柄とオープンテラス席のあるお洒落なお蕎麦屋さんということから、一人でのんびりお酒をいただくお蕎麦屋さんではないかな?という勝手なイメージを作ってしまったことから、何となく足を運ばなかったお蕎麦屋さんではありますが、所用で青山へ行く機会が生まれたことから訪れてみることにしました。

お店は、国道246号線からほんの少し路地に入った所にあって、フロアをまとめている男性も、「花番さん」という言葉の似合わない女性スタッフも、みな黒を基調とした服で統一されていて、お蕎麦屋さんというよりカフェという雰囲気ではありますが、堅苦しさの感じられないカジュアル感がなかなか良い感じです。

そして、案内された窓際の4人掛けテーブル席についてメニューを開いてみると、創作料理やカタカナで書かれた料理がズラリと並んでいるかと思いましたが、「自家製ぬか漬けの盛り合わせ」や「だし巻き玉子」といった和風の料理が並んでいます。


ということで、まずは「お昼の一品料理」というページから「鴨たたき」と「ニシンの煮付け」をお願いし、お酒は、お店の雰囲気に合わせて「琥珀の時間」(生ビール)をお願いすることにします。

最初に運ばれてきた「鴨たたき」は、柔らかい歯応えと臭みの無い旨味がなかなか好印象で、上品な辛さのワサビを添えて美味しくいただきました。


続いて運ばれてきた「ニシンの煮付け」は、ふっくらした柔らかい食感の鰊で、ネギと一緒にサッパリ美味しくいただきました。


さて、来店するお客さんも多く、何となく一人でのんびりする雰囲気でもないことから早めに蕎麦をお願いしようと思い、メニューの「冷たいお蕎麦」というページを開きます。

メニューを見ると、多くのお客さんが注文している天婦羅付きのせいろに添え書きされている「当店自慢の一品」という文字に目が止まります。確かに、目の前を通り過ぎて行く天婦羅を見ると、メニューに添え書きされている通り「サクサクの食感」であることが伺える美味しそうな天婦羅です。

しかし、やはりここは基本の「せいろ」をいただくことにしようと思い、「半せいろ」から「三段せいろ」まで4段階ある「せいろ」の中から、「二段せいろ」をお願いします。


いただいた「せいろ」は、よく冷えた腰のある細麺で、蕎麦汁を付けなくても十分美味しい蕎麦でした。
また、蕎麦だけでパクパクと食べてしまったことからあまり使わなかった蕎麦汁は、辛口で雑味の感じられないクリアな味わいのスッキリした蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『青山・川上庵』さんは、原宿・表参道にある、「蕎麦前」とか「花番さん」という言葉が似合わないオープンテラスのあるお洒落なお蕎麦屋さんでした。

そして、正直、「まぁ、蕎麦は普通だろう。」なんて失礼なことを勝手に思っていましたが、いざいただいてみると、思わず「お~!」と唸ってしまう程美味しい蕎麦で、やはり天婦羅付きにすれば良かったかな?と良い意味で後悔させてくれた蕎麦でした。

ごちそうさまでした。


『室町砂場赤坂店@赤坂』さんの季節の一品「筍土佐煮」

2015-04-04 10:55:00 | 東京23区(港区)

うちの奥さんと二人で、ラグビーの試合を観戦するために東京・青山へと向かうその途中、東京メトロ千代田線・赤坂駅近くにある『室町砂場赤坂店』さんへ立ち寄って昼食を取ることにしました。

立ち寄った『室町砂場赤坂店』さんは、日本橋にある「室町砂場」さんの支店で、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)創業の、「赤坂」という都心にありながら風情の感じられるお蕎麦屋さんです。

お店は、開店と同時にアッと言う間に席が埋まってしまうことも考えられるため、午前11時の開店時間前に到着するよう向かいましたが、お店に到着すると既に開店を待っているお客さんの姿が見えます。
そして、その様子に「へぇ~、さすがだ。」なんて思いながら開店を待っていると、少し早めに暖簾が掛かり、店内へと案内されます。

店内は、大小併せて4つのテーブル席と4人掛けの座敷席が4卓というこじんまりとした作りになっていて、珍しくテーブル席にしようか座敷席にしようか迷っていると、花番さんからお座敷を勧められたので2人して店内奥の座敷席に着き、ホッと一息ついて早速メニューを眺めます。

まず飲み物ですが、今日はビールだけでお酒は飲まない予定なので大瓶のビールをいただくこととし、料理は定番メニューから「玉子焼」と「焼き鳥(たれ)」をお願いし、併せて壁に貼られていた季節の料理(?)から「筍土佐煮」をお願いします。


料理を待ちながら店内を見渡してみると、昨年改装されたということもあってか、無駄と余計な物のないスッキリした店内はサッパリ綺麗で、趣のある落ち着いた雰囲気が感じられなかなか心地良いです。

さて、お通しのアサリを肴にビールをいただいていると、思いのほか早く「玉子焼き」が運ばれてきます。
いただいた「玉子焼き」は、フンワリフワフワという程フワフワではありませんが、ほんのり感じられる甘さ具合が申し分なく、何も言うことの無い見事な玉子焼でした。


壁に貼られていたメニューから選んだ「筍土佐煮」は、個人的にはもう少し、シャクっとした歯応えがあっても良いかな?と思ってしまう程柔らかく煮込まれていて、少々薄めの味わいもなかなか良く、菊正宗が欲しくなってしまう美味しい「筍土佐煮」でした。


続いて運ばれてきた「焼き鳥(たれ)」は、串に刺さっていないお蕎麦屋さんならではの焼き鳥で、やや大きめの鶏肉に甘辛いタレがしっかり絡まっていて、やっぱり菊正宗をいただこうかな?と心が揺れ動いてしまう美味しい焼き鳥でした。


お願いした料理をいただいたところで蕎麦をいただこうかと思いましたが、珍しくビールがまだ残っていたので、直ぐに出てくるであろう「うめくらげ」を追加でお願いします。

追加でいただいた「うめくらげ」は、まぁ、普通と言ってしまえば普通かもしれませんが、クニュっとした食感と爽やかな梅の酸味がなかなか良い感じでした。


さて、蕎麦をお願いするタイミングとなり、うちの奥さんはお馴染みの「天もり」をお願いします。
『室町砂場赤坂店』さんの「天もり」は、「もりそば+天麩羅」では無く、かき揚げの入った暖かい蕎麦汁に蕎麦を付けていただくスタイルで、天婦羅の旨味が絡まった味わい深い蕎麦汁を楽しむことができます。


ということで、今回はうちの奥さんと同じく「天もり」をいただこうかと思いましたが、老舗のお蕎麦屋さんで蕎麦をいただく時は基本の「もり」をいただきたいと思っていることから、やはり「もり」をお願いすることにします。
しかし、老舗のお蕎麦屋さんを訪れた時は「花まき」をいただきたいという思いも強く、どうしようか迷った結果、後になって後悔しないよう両方いただくことにします。
まぁ、気にはしていない価格の話をするならば、「もり+花まき < 天もり」だし・・・。

まずいただいた「もり」は、しっかりした旨味の感じられる濃い目の辛汁と、程良い歯応えの蕎麦との相性がとても良く、「美味しい、美味しい」と思いながら一気に食べてしまいました。


また、絶妙の間合いで運ばれてきた「花まき」は、蓋が無かったことから、蓋を開けた時にフワッと香る海苔の香りを楽しむことは出来ませんでしたが、蕎麦汁に浸っていてもフニャフニャにならないしっかりした海苔の香りと味わいがとても美味しい納得の「花まき」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『室町砂場赤坂店』さんは、赤坂という場所柄、「会社員と年配の方を中心とした大人が集う場所」というイメージのお蕎麦屋さんでしたが、いざ暖簾を潜ってみると、土曜日ということもあってか店内に会社員の姿は無く、代わりに、予想もしなかった若い男女のお客さんがとても多いという、明るく賑わっているお蕎麦屋さんでした。

そして、お酒のお客さんにも、お蕎麦のお客さんにも、若い男女のカップルにも、外国人のお客さんにもそつなく対応している花番さんの、余裕すら感じられる落ち着きと穏やかな接客に居心地の良さが感じられる、どんなお客さんにも満足してもらえるお蕎麦屋さんでした。

まぁ、老舗であることを感じさせない、老舗の実力がしっかり感じられるお蕎麦屋さんってとこでしょうか?。

ごちそうさまでした。