蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『蕎家・佳@多摩センター』さんの美味しい「土佐醤油」

2013-07-06 23:41:24 | 東京都(多摩市)

多摩ニュータウンの近くで行なわれた社会人ラグビーの試合を観戦したその帰り道、小田急&京王電鉄・多摩センター駅近くにある『手打そば・蕎家 佳』(きょうや よし)さんを訪れました。

お店に到着したのが13時を少し過ぎた頃ということもあって、店内奥見える座敷は埋まっているようですが、7人程度が座れるカウンター席にお客さんの姿は無く、また、2つある2人掛けのテーブル席にも空席が見られます。

その様子を見て、のんびり出来るかな?と思いながら、そして流れる汗を拭きながらカウンター席に腰を下ろそうとすると、「お茶・・・、よりお水の方が良いですか?。」と声を掛けられますが、空席も見られることから「ビールもらっても良いですか?。」と確認すると笑顔で「はい!。」とのことだったので、エビスビール(瓶)をお願いします。

席に着いて早速メニューを広げると、解説が書かれた美味しそうな一品料理が多数並んでいます。
「さて、時間もあるし・・・。」と思いながら料理を選んでいると、後から後から続々とお客さんが来店してきます。そして、のんびり出来るかと思って「野菜天ぷら盛合せ(6種)」、「出し巻玉子」、「鴨ロース」という時間の掛かる物ばかりを頼んでしまいましたが、料理をお願いした時にはカウンター席も埋まってしまう程の盛況振りで、「(忙しい時に手間の掛かる物を頼んでしまい)まずかったかな?。」って感じです。

そんなことを思いながらカウンター席の端っこで一人ビールを飲み始めると、しばらくしてお通しの、酢味噌が添えららえた「青柳」(和えていません)が運ばれてきます。

目の前に置かれた「青柳」は、丁寧かつ綺麗に盛り付けられていて、この料理を見ても、お店の「料理に対するこだわり」と「おもてなしの心」みたいなものが感じられ、この後登場する料理への期待が膨らみます。


お通しの「青柳」をいただいていると、まず「野菜天ぷら盛合せ」が運ばれてきます。
6種類が盛られている天婦羅は、運ばれてきた時に説明していただきましたが、確か、記憶によると、トマト&明日葉&茄子&ミョウガ&パプリカ&ブロッコリーという、なかなかいただく機会の無い種類ばかりで、天つゆに付けたり塩を振りかけたりして美味しくいただきました。


「野菜天ぷら盛合せ」をいただいている途中でビールが無くなり、陽気が暑いということもあってもう1本ビールをお願いしようかと思いましたが、折角の美味しい料理なので、「混雑している時に申し訳無い。」と思いながらもやはりお酒をいただくことにします。

酒度と精米歩合の書かれている日本酒のラインナップから選んだ今日のお酒は、米の旨味と甘さがほんのり残り、最後まで呑み飽きないと言われている青森県の地酒「豊盃・特別純米」で、日頃積極的に飲まない種類のお酒ということもあって、新鮮さの感じられるまろやかな日本酒です。

お酒を飲みながらいただいた「鴨ロース」は、脂が少なくとても柔らかい鴨肉で、コンガリ焦げ目となっている網目部分の香ばしさがとても美味しいです。


そして、お蕎麦屋さんで外すことの出来ない「出し巻玉子」。
ふっくらした食感がなかなか良い感じですが、薄っすら黄色い色合いと同様に味わいも薄味という印象です。しかし、「出し巻玉子」と一緒に運ばれてきた自家製の土佐醤油を「出し巻玉子」に直接掛けて食べてみると、少々キリッとした口当たりながらも、味わい豊かな優しい「出し巻玉子」に変身し、とても美味しいです。
玉子焼に醤油を掛けて食べるのって、想像できないかもしれませんが、本当に美味しいです。
この自家製土佐醤油、購入できるものなら購入して帰りたいほど実に素晴らしい醤油でした。


「出し巻玉子」が食べ終わる頃になってようやくお客さんの出入も落ち着きだし、「これからがお酒の時間」といった雰囲気になりますが、ちょっと食べ過ぎたかな?と思ってしまうほどたくさんの料理をいただき、また、中休み(昼の営業時間と夜の営業時間の間)の時間が近付いてきたことから締めの「せいろ」をお願いします。

まずは蕎麦汁。東京の老舗蕎麦屋でいただく蕎麦汁とは異なる、濃さと辛さの抑えられた、「やや甘口」と表現しても良いかと思うほど穏やかでまろやかな蕎麦汁です。
そして蕎麦は、細さの割にはしっかりした腰のある蕎麦という印象で、まろやかな蕎麦汁との相性も良く、一緒に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・蕎家 佳』さんは、料理はもちろんのこと接客も丁寧で、ご主人を始めスタッフ全員が、真面目に丁寧な仕事を心掛けているということがひしひしと伝わってくるお蕎麦屋さんでした。

また、カウンターに座っていたということで厨房の様子を伺うこともできましたが、活気ある雰囲気の中でテキパキと無駄なく仕事が進められていて、お店としてのレベルの高さが伺えます。

しかし、だからと言って店内に緊張した堅苦しい雰囲気は無く、入口で靴を脱いで店内に入るというスタイルということもあって、リラックスして美味しい料理と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんではないかと思います。

ごちそうさまでした。