羽田空港に降り立った金曜日の夜、出張の疲れを癒してから帰宅しようと思い、京浜急行電鉄・蒲田駅から徒歩数分のところにある『蕎麦・津右衛門』(つゑもん)さんに立ち寄ってみました。
お店に到着し、小さめながら温もりの感じられる和風の暖簾を潜ってみると、フロアに並べられている椅子やテーブルがお洒落で、一人一人にランチョンマットが用意されているなど、マンションの広告に出てきそうな和風モダンなリビングといった雰囲気が感じられます。
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そして、店内一番奥の2人掛けテーブル席に着いてメニューを眺めていると、目の前に野沢菜(?)が置かれたので、お通しを兼ねた一品で、お酒を注文しなくてもいただけるのかと思いましたが、後で蕎麦味噌が差し出されたので、お通しを兼ねている訳では無く、訪れたお客さん全員に野沢菜が提供されるようです。
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お店に到着したのが19時半前で、ラストオーダーまで45分ということなので、初めからお酒にして料理も時間の掛からない物で軽く・・・と考えましたが、「富山県氷見港より直送」という文字に目が止まってしまったことから、魚の味醂干しらしい「桜干し」と「鴨の南蛮焼」を、瓶ビールと一緒にお願いします。
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蕎麦前の注文を終え、再びメニューをじっくり眺めていると、ご主人は信州出身の方なのか、蕎麦が戸隠産だったり、醤油が小諸で造られている物だったり、いただいた野沢菜が和田峠の麓の物だったりと、お酒や蕎麦を盛り付ける器も含め、信州産の物を使用しているようです。
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「飛騨こんろであぶってお召し上がりいただきます」とメニューに説明書きされている通り、小さなコンロで炙られながら運ばれてきた「桜干し」は、シシャモ、イワシ、アジという3種類の味醂干しを自分で炙りながらいただく料理で、口の中が火傷だらけになりながらも止めることのできないとても美味しい味醂干しでした。
いや~、それにしても、「こんなに美味しい味醂干しが750円だなんて・・・」と、そのコストパフォーマンスの高さにも十分満足です。
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純和風な雰囲気の「桜干し」」と打って変わって洋風な雰囲気の「鴨の南蛮焼」は、控えめな山椒の風味がなかなか心地良い、柔らかく食べ易い鴨焼きでした。
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味醂干しをいただいている途中でビールが空になったことから、長野県の地酒をいただかないといけないかな?と思いながらも新潟県の地酒「純米吟醸酒・天神囃子」をいただいてしまいましたが、やや甘目の口当たりながらおとなしい旨味がとても美味しく、いくらでも飲めてしまいそうな日本酒でした。
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料理もお酒も美味しく、もう少し蕎麦前を楽しみたいところではありますが、20時半の閉店時間も迫っていることから、おすすめメニューにある海老2本の「海老天せいろ」ではなく、海老1本の普通の「天せいろ」と天神囃子のおかわりをお願いします。
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木曽檜で特別に作った箱に盛り付けられた戸隠産の蕎麦は、コシのある程良い歯応えの蕎麦で、出汁の効いた穏やかな辛汁に付けて美味しくいただきました。
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今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦・津右衛門』さんは、信州の物にこだわったお蕎麦屋さんではありましたが、いただいた富山県産の味醂干しにしても、新潟県の地酒にしても、その一つ一つに「良い物を・・・」という味に対するこだわりの感じられるお蕎麦屋さんでした。
そして、出張の疲れをそっと癒すことのできる、どうしてもっと早く足を運ばなかったのだろうか?と少々後悔ぎみに思ってしまった、心安らぐ大人のお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。
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