蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『鶴岡@横浜・根岸』さんの分厚い「鴨くんせい」

2013-05-25 13:25:00 | 横浜市(磯子区)

所用で外出した帰り道、昼食を取ろうと思い、JR根岸線・根岸駅から徒歩7~8分程度のところにある、「匠蕎麦切り会」所属の『そば処・鶴岡』さんへ行ってみました。

お店に到着したのは午後1時半頃で、約半分程のテーブルが埋まっている状態だったことから、「こちらの席でお願いします。」と相席の出来る大きなテーブルに案内されるかと思いましたが、「どちらでもどうぞ。」とのこと。

店内を見渡すと4人掛けのテーブル席がいくつか空いていたので端っこの4人席に座ろうかと思いましたが、座る直前にお店の扉が開いて次のお客さん(サラリーマンらしき男性4人組)が顔を出します。
お昼のピークを過ぎた午後1時半過ぎではありますが、まだまだお客さんが来そうな気配を感じたことから、4人席に着くのはやめ、お店の奥に1つだけポツンと空いていた2人席に着くことにしました。

席に着いて早速メニューを広げると、まず目に止まったのが日本酒のラインナップ。
種類が多いとか銘酒が並んでいるとかではなく、新潟県の地酒「久保田」の「百寿」、「千寿」、「紅寿」、「碧寿」、「万寿」がズラリと並んでいます。「百寿」、「千寿」は普通にあるにしても、「万寿」まであると「へ~!。」って感じですが、さすがに「万寿」は(高額で)飲めません。

さて、何をいただこうかと考えていると、その間にもお客さんが入れ替わり、アッと言う間にほとんどの席が埋まってしまう盛況ぶりです。
「長居は迷惑かな?。」という状況だったことから、「おつまみ、頼んでも大丈夫ですか?。」と愛想の良い女性店員さんに確認したところ、当たり前のように笑顔で「大丈夫ですよ。」とのこと。
ということで、瓶ビール(小)と一緒に「玉子焼」と「鴨くんせい」をお願いします。

まず冷えた瓶ビールがお通し(「しば漬けとたくあんの盛り合わせ」と「枝豆」の2品)と一緒に出てきます。


そして、久しぶりにいただく枝豆をつまみ始めたところで「鴨くんせい」が登場です。

目の前に置かれた肉が鴨肉であることは明らかですが、まるで厚切りハムのような厚みで驚きです。
早速、その肉厚の「鴨くんせい」を1ついただいてみると・・・。
「んっ!、美味いです。」
満足感の感じられる歯応えとレモンの風味がいい感じで、おまけにビールとの相性が良く、「(ビールは)大瓶にすれば良かった。」と後悔です。


続いて「ドンッ!」と登場したアツアツの「玉子焼」。
目の前に置かれた「玉子焼」は2~3人前程の大きさで、これもまた驚きのサイズです。
早速1ついただいてみると・・・。
「うっ!、美味いです。」
甘さ加減(やや甘いです)、硬さ具合(歯応え)、ボリューム感ともに納得の「玉子焼」です。
いや~、「鴨くんせい」といい「玉子焼」といい、実に美味しいです。


席に着いてからここまで約20分、その間もポツポツとお客さんが来店していて常に混雑しているという状態ですが、お酒を飲んでいるお客さんはほとんどおらず、多くのお客さんは食事をしてサッと席を立つという感じです。

そんな状況を背中越しに感じていると、「長居をせずさっさと帰った方が良いのだろうか?。」という気分になってしまいますが、「鴨くんせい」がまだ残っているので、混雑していることを承知しながらも「もう1杯くらい良いだろう。」と思い、山形県の地酒「出羽桜・吟醸」をお願いします。

「出羽桜・吟醸」をお願いした時、空になった「玉子焼」の皿を下げてくれましたが、「(食べるのが)早いですね。」とお店の女性店員さんに言われます。
「食べるのが早い。」と言うより、お店が混雑しているので「少し急いで食べている。」というのが本音ですが、これだけ混雑しているにも関わらず「急がずゆっくりしていって良いんですよ。」って言われているようで、何となく複雑な感じです。確かに、次から次へと来店するお客さんに席を指定することも無く「どうぞお好きな所に。」と言っているので、お客さんを回転させることを最優先には考えていないようです。
ならば遠慮せず、もう1品いただこうかと思い、テーブルの上に置いてあった別のメニューの中から、価格が安いので量も少ないだろうと思った「さしみこんにゃく」をお願いします。

そして時間もかからず登場した「さしみこんにゃく」は・・・。
「どうしよう。鴨も残っているし、最後に蕎麦も食べるんだけど・・・。」
思っていた以上に量が多く、一生懸命食べないと食べ終えない感じです。
その「さしみこんにゃく」を試しにそのまま食べてみると、こんにゃくなので味はほとんど感じませんが、少々ピリ辛の酢味噌を多目にタップリ付けていただくと、とても美味しいです。


良く冷えた出羽桜を飲みながら「さしみこんにゃく」をいただいている最中に午後2時を迎えましたが、お客さんの出入が落ち着き、活気ある空間がゆったりした空間に変わります。
いや~、なんか居心地が良いです。

同時に、「飲むならこれから。」という雰囲気になりましたが、腹も満腹になり始めていたので蕎麦をお願いすることにします。いつもなら迷わず「もり」をお願いするところですが、「信州戸隠より取寄せ大辛み大根・辛みそば」という蕎麦が気になったことから、その「辛みそば」をいただくことにしました。

まずは徳利で提供された蕎麦汁。
カツオ出汁を前面に出している蕎麦汁とは異なり、また、いただく機会の多いキリッとした辛口の蕎麦汁とも異なり、蕎麦をしっかりくぐらせても美味しくいただけそうなマイルドな蕎麦汁で、なかなか美味しいです。

蕎麦は細麺で盛りも良く(量が多い)、見た目も綺麗で食べる前に美味しくいただける気分にしてくれる蕎麦です。
そして早速いただいてみると、誰もが普通に抵抗感無く食べることの出来る「食べやすい」蕎麦という印象です。

最後にいただいた蕎麦湯ですが、そのままいただいても美味しくいただける蕎麦湯で、マイルドな味わいの蕎麦汁との相性も良く、満足感を崩すことなく今日の昼食をしっかり締めてくれる蕎麦湯でした。


さて、満足感タップリで席を立ちましたが、支払いをする時、「たくさん食べていただいて・・・。」なんてお礼まで言われてしまい、単純ではありますが、気分良くお店を後にしました。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・鶴岡』さんは、以前からその存在を知っていたものの、特に理由も無く足を運んでいなかったお蕎麦屋さんです。しかし、いざ訪れてみると、料理良し、お酒良し、接客はとっても良しの、気取らず飾らずの親しみやすく居心地の良いお蕎麦屋さんで、「もっと早く訪れれば良かった!。」と少々良い意味で後悔を感じさせてくれた町のお蕎麦屋さんでした。

営業時間を確認すると夜8時までとのこと。
今度はぜひ、お客さんの出入の少ないゆったりした時間にのんびり過ごさせていただきたいと思います。

ごちそうさまでした。
腹も気分もとっても満足です。


老舗蕎麦屋『蓮玉庵@上野』さんの「鴨の薫製」

2013-05-19 14:05:00 | 東京23区(台東区)

所用で埼玉県の志木を訪れ、午後1時頃に昼食時を迎えました。
今日は事前に昼食をどうするか考えていなかったことから、どうするか考えながら駅へと向かいましたが、朝からずっと屋外にいて喉が渇いていたこともあり、「とりあえず、どこかのお蕎麦屋さんでまったりした時間(昼時を過ぎた午後2時頃)にビールでも飲んで帰るか!。」と思い、東武東上線・志木駅から所要時間1時間程度の場所にあって、日曜日に通し営業をしているお蕎麦屋さんをスマホで検索します。

既に電車に乗っていることからあれこれ検討する時間は無く、思いつくところを順番に当ってみた結果、上野広小路にある、森鴎外、樋口一葉、池波正太郎といったそうそうたる文豪や作家達が利用したと言われている、安政6年(1859年)創業の老舗蕎麦屋『蓮玉庵』(れんぎょくあん)さんが条件にあてはまったことから、一路上野広小路へと向かうことにしました。

風情ある店構えの『蓮玉庵』さんに到着したのは予定通り午後2時で、早速お店の扉を開けてみると、店内は外観のイメージとは異なる近代的な雰囲気で、壁には蕎麦猪口のコレクションがディスプレイされているなど、「情緒あるお蕎麦屋さんで玉子焼でもつまみながら菊正宗をいただく。」という風景をイメージすることの出来ない、若い女性が1人でも利用し易い「おしゃれ」で綺麗なお蕎麦屋さんです。

お昼時を終えたお蕎麦屋さんの「まったりとした時間」に訪れたということもあり、先客は年配女性の集り1組のみで、「お好きな席にどうぞ。」とのことでしたので店内中程の明るいテーブル席に着きます。

席に着いてメニューを見ると、まず「(玉子焼とつくねは)午後5時から」という注意書が目に止まります。
「事前の確認を怠るとこういう事になる。」という状況ではありますが、仕方の無いことなので、お蕎麦屋さんの定番メニューから「月見いも」と、壁に貼られていた「鴨の薫製」をビールと一緒にお願いします。そして、午後2時ということで空腹を感じていたことから、「天せいろそば」を「お声かけ」でお願いします。

それにしても、まったりした午後2時に老舗蕎麦屋で一人静かに飲むビールは美味しく、実に贅沢な一時です。
そんなことを感じながら冷えたビールをグッと飲んでホッと一息ついていると「月見いも」が運ばれてきます。


「月見いも」は、ネットリした山芋に濃厚な卵(黄身)が乗っていて、辛目の汁を掛けていただきます。
オーソドックスな一品ではありますが、お蕎麦屋さんならではの一品です。

次に「鴨の薫製」。既に味の付いている「鴨の薫製」は長葱と一緒にいただきましたが、鴨肉だけで食べても十分に美味しい一品です。


そろそろ蕎麦をお願いしようかと思いましたが、今日は喉も渇いていておまけに空腹で、更には午後2時過ぎのまったりした時間ということもあって「もう少し食べようかな?。」と思い、「たらこと柚子の昆布の佃煮」と銘柄の書いていない御酒(「御酒」と書いて「ごしゅ」と読む。)をお願いすると、「(天せいろそばの)天麩羅だけ先にお持ちしましょうか?。」と声を掛けられたので、お言葉に甘えて天麩羅だけ先にいただくことにします。

お酒ですが、メニューを見ると冷酒は「菊水の辛口」と「菊水の四段仕込」の2種類しかなく、あれこれ選ぶ楽しみはありませんが、「色々な地酒を試した結果、新潟の酒を一種類だけ置いている。」という話をどこかで見たこともあるので、それはそれで良いと思います。

そもそも、銘酒をズラリと並べていることが必ずしも良いとは限らず、店主が「うちの店はこれだ!。」と選んだこだわりの1本ならそれを美味しくいただきたいと思います。

そうなると、菊正宗だと思っていた、銘柄の書いていない「御酒」も実は菊水なのかな?。と思ってしまいますが、どうなんでしょうか?。さすがに飲んだだけで銘柄までは分かりませんが、樽の香りは感じられなかったので、菊正宗の「樽」ではなさそうです。

そうそう、「御酒」は常温で出てくるものと思いましたが温かく(ぬる燗?)、問題はありませんが想定外だったということもあり少々驚きです。

佃煮をつまみにちょっと懐かしい温かいお酒を飲み始めると、さほど待つことも無く天麩羅が運ばれてきます。
お客さんが少ないということも影響しているのかもしれませんが、これまでの料理はいずれも運ばれてくるまでに時間が掛からず、他のお蕎麦屋さんと比べても料理が「早い」という印象です。

「たらこと柚子の昆布の佃煮」に手を付け始めたところでしたが、佃煮は冷えないので温かい天麩羅を先にいただくことにします。天麩羅の具材はししとう、海苔、海老2本という内容で、抹茶塩でいただきましたが、海老がプリプリで食べ応えのある天麩羅でした。


「たらこと柚子の昆布の佃煮」はどんなものかと楽しみでしたが、厚みのある昆布にたらこが混ざっていて、ほんのり感じる柚子の風味がなかなか良い感じの日本酒に合う佃煮でした。


徳利が空になったところで蕎麦をお願いします。
今日は蕎麦前を色々いただいたので蕎麦は少なめで十分ですが、そう思いながらも運ばれてきた蕎麦については「少々少な目かな?。」という印象で、大人が蕎麦のみで空腹を満たそうとするならば初めから2枚頼んだ方が良いのかもしれません。そういえば、後から2人で来店した夫婦があたりまえのように2人で「もり4枚」を注文していましたが、そんな感じかもしれません。

そうそうそれから、蕎麦が盛られている蒸篭(せいろ)が「丸」なんです。
もりそばは、笊(ざる)または四角い蒸篭に盛られて登場することが多く、昔は良く見掛けたように記憶している丸い蒸篭は今では珍しいかもしれません。

さて蕎麦ですが、まず、初めから蕎麦猪口に入れられている蕎麦汁を舐めてみるとキリッとした辛めです。
続いて細麺の蕎麦をいただいてみると、しっかりした歯応えが感じられます。どちらかというと、腰があるというより麺そのものが硬いという印象ですが、スルスルッと食べることのできる美味しい蕎麦です。


最後に蕎麦湯をいただきますが、ここ『蓮玉庵』さんでは蕎麦湯は大きなヤカンでテーブルに運ばれてきます。
最初席に着いた時、テーブルの上に鍋敷きが置かれていて「?」と思いましたが、蕎麦湯のヤカンを置くための鍋敷きということのようです。

その蕎麦湯はお茶の代わりに飲んでいただく物(お茶は出ません。)と位置付けているようで、ドロドロ&コッテリした物では無くサラサラ&スッキリした蕎麦湯でした。

今日は急遽訪れることになった老舗蕎麦屋の『蓮玉庵』さんでまったりした時間に一人でのんびりくつろがせていただきました。

ごちそうさまでした。


『砂場@浦安』さんでいただく心温まる美味しい蕎麦前

2013-05-18 23:46:37 | 千葉県

午後1時に試合開始となる社会人ラグビーの試合を観戦するために千葉県市川市へと向かいました。
そして、試合開始前に昼食を取ろうと思い、JR京葉線・新浦安駅で途中下車しました。

今日訪れたお蕎麦屋さんはJR京葉線・新浦安駅から徒歩15分程度の、住宅街の外れにある『蕎麦処・砂場』さんで、以前訪れた東京・虎ノ門にある「名代 虎ノ門 大坂屋 砂場」さんで修行を積まれご主人が営んでいるお蕎麦屋さんとのことです。

お店に到着したのは開店間もない11:05で、扉を開けてお店の中に1歩足を踏み入れると、思っていた以上に広いフロアが目の前に広がり、併せて全ての椅子に付けられている白い座布団が目に止まります。


お店のお姉さんに1人であることを告げると、先客はありませんでしたが8名程度が座れる相席用の大きなテーブル席に案内されます。席に着いて早速メニューを広げ、「おつまみはお昼でも大丈夫ですか?。」と念のため確認すると、「何言ってんの?。当たり前じゃないですか!。飲んで行って下さい。」と言わんばかりの笑顔で「大丈夫ですよ。」と即答で答えが返ってきます。
ということで、ビールと一緒に「玉子焼」と「冷奴」、そして「いいだこのうま煮」をいただくことにしました。

料理を待っている間に店内を見渡すと、静かに時が流れる落ち着いた雰囲気で、美味しい蕎麦前と蕎麦をいただきながら楽しい休日を過ごすことが出来そうです。

そんなことを感じながら料理を待っていると、まず「冷奴」が運ばれてきます。
その大きさに少々驚いた「冷奴」は、単に豆腐を切って器に入れただけのように見えますが、やや固めの食べ易く美味しい豆腐で、薬味を控え目に使いながら美味しくいただきました。


続いて甘い香りを漂わせながら登場した湯気の立ち上るアツアツの「玉子焼」。
焦げ目の付いていない綺麗な「玉子焼」を見掛ける機会が多いように思いますが、やはり焦げ目が付いていた方が美味しく感じられるように思います。

その「玉子焼」を1つ食べてみると甘いです。甘い方が好きなので全く問題ありませんが、甘い玉子焼の好きな者が「甘い」と感じる甘さです。でも美味しい「玉子焼」でとても満足です。


そして「玉子焼」を食べている最中に運ばれてきた「いいだこのうま煮」。
しっかり味付けされた温かく美味しいイイダコで、その温かさがそのままお店の温かさにつながっていると思える嬉しい一品です。


美味しい料理が続いたので、もう1品頼んで冷えた千葉県の地酒でもいただきたいところですが・・・。
今日はこの後予定があることから日本酒は頼まず蕎麦をいただくことにします。

迷わず頼んだ「もり」は細麺で量が多く、やや固めの歯応えで美味しいです。
また、蕎麦汁は引き締まった辛口で、蕎麦を美味しく食べさせてくれる蕎麦汁です。


最後に、鉄瓶で運ばれてきた蕎麦湯をいただき、今日の蕎麦前と蕎麦が終了となりました。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた浦安の『蕎麦処・砂場』さんは、お酒を飲むお客さん慣れした花番さん達の気さくで温かい接客がとても好印象で、おまけに料理も蕎麦も美味しく、「料理」と「蕎麦」と「接客」の三拍子揃った、町のお蕎麦屋さんとは思えない素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

そして今日、改めて「砂場」さんの実力をじっくり味わうことが出来たように思います。
ごちそうさまでした。


『長生庵@築地』さんの「アスパラの天婦羅」

2013-05-10 23:56:13 | 東京23区(中央区)

東京での仕事が早く終わったので、築地場外市場の一番奥まった奥にひっそりと佇んでいる『長生庵』さんへ行ってみることにしました。この『長生庵』さんは、観光客や蕎麦を食べに来るお客さんのためのお店というよりも、築地で働く市場関係者の方々が一仕事終えた後にビールを飲みながら食事をするお店ということもあり、日本酒や築地市場の新鮮素材を使った料理が充実しているお蕎麦屋さんです。

お店に到着し、まずは亀の元気な姿を眺めてから暖簾をくぐると、何となく気まずい雰囲気です。
「暖簾は出ているけど、まずいのかな?。」と思っていると、「すみません。予約で満席となっていて、1時間なら大丈夫なんですが・・・。」とのこと、1時間か・・・。まぁ、多くの場合、飲んで食べてだいたい1時間程度なので大丈夫だろうと思い、「大丈夫です。」と返事をして席に着きます。

時間に余裕が無いのでビールも大瓶ではなく小瓶でお願いします。
すると、「時間がなくて申し訳ないので・・・。」と言われながら「鮪の刺身」をいただいてしまいます。どちらかというとこちらが無理をさせているのに、「申し訳ないので・・・。」なんて言われてしまうとこちらが恐縮してしまいます。


さて、くどいようですが、時間が無いので料理も一度にお願いしてしまいます。
「何をいただこうか?。」と思いながらメニューを開くと、大きなメニューの見開き2ページに渡ってビッシリと一品料理が書かれていて、その多さに驚かされてしまいます。

「う~ん、どうしよう?。」と迷いながら、とりあえず「出汁巻き玉子(もりつゆ味)」と興味津々の「アスパラのおひたし」をお願いします。そして、新鮮な素材を使った料理を求めてやって来たので、評判の良い天婦羅をいただくことにしますが、天婦羅だけでも種類が多くやはりここでも迷ってしまいます。

しばし迷った結果、「キスと野菜の天ぷらそば」(今日のキスは大分県産とのことです。)というお勧め料理に目が止まったので、「(メニューには無い)キスと野菜の天婦羅って単品でお願いできますか?。」と聞いてみると、「最後に蕎麦を食べるなら、(キスと野菜の天ぷらそばで)天婦羅を先に出して、最後に蕎麦を出すことも出来るけど・・・。まぁ、蕎麦食べなくてもいいけど。」と提案されます。

お蕎麦屋さんで「蕎麦食べなくてもいいけど。」と言われたのは初めてですが、結局、「キスが品切れで・・・。」とのことでしたので、「アスパラのおひたし」をキャンセルして「アスパラの天婦羅」をお願いすることにしました。
なお、もちろん最後に蕎麦はいただきます。

また、「出汁巻き玉子(もりつゆ味)」と「アスパラの天婦羅」という、時間の掛かりそうな物を頼んでしまったように思うので、すぐに出てきそうな「京都産 冷奴(寄せ豆腐 薬味5種)」を追加でお願いします。


迷っている時間も多く、料理を選ぶだけで時間を要してしまったことから、サービスでいただいた「鮪の刺身」に手を付ける前にビールが無くなってしまいました。小瓶だし・・・。

ということで、今度は日本酒を選ぶために再びメニューを広げると、これもまた驚くほど種類が多く、目の前にある冷蔵庫を見ても銘酒がズラリと並んでいます。そして、これまたあれこれ迷いましたが、「5月の日本酒メニュー」という限定酒の中から「白岳仙 特別純米生酒」という福井県の地酒をいただくことにしました。

お酒を頼むと、すぐ近くで日本酒を冷蔵庫に詰めていた女の子(女性?)が厨房に向って「私がやります!。」と応えていたので、日本酒担当なのかな?と思いましたが、この子がまた凄い子で・・・。

まずは冷蔵庫から出されたグラスと受け皿がテーブルの上に置かれ、そのグラスと受け皿になみなみと「白岳仙 特別純米生酒」が注がれます。そして、ようやくサービスでいただいた鮪の刺身に手を付け始めると、時間が掛かるかと思った「出汁巻き玉子」が登場します。

「出汁巻き玉子」をお願いする時、「ハーフにも出来ますが・・・。」と言われてハーフサイズをお願いしましたが、「これでハーフ?。」と思ってしまうほどの大きさです。そして、写真を撮ろうとしたら「アスパラの天婦羅」も続いて登場してしまい、結局、玉子焼と天婦羅を待つ間に食べようと思ってお願いした冷奴は、その役目を果たすこと無く、普通に一つの料理になってしまいました。


柔らかい旨味の感じられる「白岳仙 特別純米生酒」を飲みながらいただいた「出汁巻き玉子」は、甘さは控えめですが、出汁のしっかり効いた食べ応えのある「出汁巻き玉子」でした。また、「アスパラの天婦羅」は塩でいただきましたが、こちらも素材が良いのかしっかりした歯応えがなかなか好印象で、スッキリした爽やかなお酒との相性が良さそうな美味しい天婦羅でした。

今日は築地場外市場のお蕎麦屋さんということで海鮮の天婦羅をいただく予定でしたが、「野菜も悪くないじゃん!。」という感じで、時間があれば食べたことの無い「新しょうがの天婦羅」もいただきたいところではありますが、今回は残念ながらパスすることにします。


「白岳仙 特別純米生酒」が無くなり、時計を見ると「のんびりは出来ないけど、もう1杯大丈夫かな?。」という残り時間だったことから、美味しいと思っている福島県の地酒「飛露喜 特別純米」を先程の女の子にお願いすると、冷蔵庫の中をごそごそと探してくれましたが見つからず、「すみません。品切れのようです。」とのこと。

まぁ、仕方の無いことなので別の物を頼みますが、「お勧めは?。」と聞いてみると「どんな感じが好みですか?。」と返ってきたので、「生貯蔵原酒。日本酒度+4~5くらい。」と伝えると、神奈川県の地酒「相模灘 純米吟醸 無濾過」を勧められたので、いただくことしました。

今回初めて口にした地元神奈川県の「相模灘 純米吟醸 無濾過」ですが、日本酒独特の豊潤な旨味と透明感のある爽やかさのバランスが心地良いお酒で、「へぇ~、こんな酒が神奈川にあるんだ!。」と新たな発見です。

この後、時間が過ぎるのも忘れてしまい、この女の子と日本酒の話で盛り上がってしまいましたが、単に知識として「知っている」ということではなく、「好き」で実際に「飲んでいる」という印象で、お酒を注ぐときにラベルをちゃんと見せたり、お客さんの好みに合わせてお酒を選べるなど、日本酒ソムリエのような女の子でした。

お酒の話をしながら時計を見ると、「(残り時間が)ヤバイ!。まだ冷奴に手を付けてないし、蕎麦も食べてない。」ということで、「京都産 冷奴(寄せ豆腐 薬味5種)」に手を付けますが、豆腐とはいえそこそこ量があります。
そもそも、これもハーフサイズを頼んだんですが、これで本当にハーフサイズなんでしょうか?。

この「京都産 冷奴」には薬味が5種類付いていますが、豆腐そのものが十分美味しいので、薬味は味見をしただけで使用せず、豆腐にもり汁(蕎麦汁)を少々付けただけで美味しくいただきました。


さて、「食べなくてもいいけど。」と言われた蕎麦ですが、まずは甘辛のバランスが絶妙の蕎麦汁がとても良い感じで、また、カツオ出汁が明確に感じられるものの、自己主張しない落ち着いた味わいがとても美味しいです。
麺はやや硬めかな?という印象ですが、細麺で食べ易く、相性の良い蕎麦汁と併せて美味しくいただきました。


今日は予約のお客さんが入っているとのことで、蕎麦前と蕎麦をいただく時間が限られていましたが、それでも1時間という時間であり、普通のお蕎麦屋さんなら十分な時間と思います。

しかし、今日訪れた『長生庵』さんは品数も多く、築地市場の新鮮な素材を使用したあれも食べたいこれも食べたいと目移りしてしまうオリジナル料理がズラリと並んでいて、選ぶだけでも時間がかかり、おまけに量も多く、更にはお店の方々が気さくな方々ばかり(場所柄か?)で、カウンター席ではなく一番端っこの席にいるにも関わらず色々話をする機会も多く、最後はバタバタと慌ててしまったアッと言う間の1時間でした。

また、仕事を終えた金曜日の夜に訪れるお蕎麦屋さんは、1週間分の疲れを癒す憩いの一時を過させてくれますが、今日訪れた『長生庵』さんは、「1週間分の疲れを癒してくれる」というより「来週1週間分の鋭気を与えてくれる」といった、元気付けてくれる温かい雰囲気の感じられるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。

そうそう、お店の外に亀が一匹。
インターネットで調べたところ、「亀吉」という男らしい名前だそうですが、実はメスなんだそうです。
そんな愛らしい亀にも出会える蕎麦屋さんでした。


『藤かけ@横浜・平戸』さんの美味しい「だし巻き玉子」

2013-05-05 23:17:32 | 横浜市(戸塚区)

夫婦2人で昼食を取ることになった連休終盤の日曜日、たまたま車で外出している最中だったことから、「徒歩やバスで行くことは出来るが、車でなければ訪れるのが難しい。」と思っていた国道1号線沿いにある『手打ち蕎麦・藤かけ』さんへ行ってみることにしました。

お店に向いながら時計を見ると、お店に到着するのが12時少し過ぎになりそうで、また、祝日と日曜日が重なった5月5日に営業しているかどうかも分らなかったことから、うちの奥さんには「休みかもしれないし、混んでいたら別のお店に移動する。」ということを予め伝えてお店に向いました。

お店に到着したのは12時少し過ぎの昼時ではありましたが、先客は年配の夫婦1組だけで、「いらっしゃいませ!。」という年配男性の活気ある一言に迎えられながら4人掛けのテーブル席に着きます。

広々としたテーブル席に着いて早速メニューを広げてみると、蕎麦も料理も充実していて楽しい一時が過せそうでしたが、残念ながら車で訪れていることから今日は蕎麦茶で料理と蕎麦をいただきます。

メニューを眺めながらあれこれ考えた結果、美味しい料理を並べてしまうと飲みたくなってしまうので、「鴨」はパスすることにして、お蕎麦屋さんで外すことのできない「だし巻き玉子」と天ぷらをいただくことにします。
なお、天ぷらは、「舞茸天ぷら」、「野菜天ぷら」、「かき揚げ天ぷら」など様々なメニューがありましたが、その中から「穴子・野菜天盛り合せ」をいただくことにしました。そして、今日は飲まないので最初から蕎麦(せいろ&とろろせいろ)を注文します。

すると、女性の店員さんから、「穴子・野菜天盛り合せ」&「せいろ」を注文するならば、「穴子・野菜天盛りせいろ」(天せいろ)の方が安いです。と提案され、内容が変わらないことと、蕎麦汁と天汁が別ということを確認して、「穴子・野菜天盛りせいろ」に変更してもらうことにしました。
お蕎麦屋さんで天ぷらをいただく時ですが、蕎麦汁で天ぷらを食べることに抵抗も問題もありませんが、蕎麦と天ぷらを同じ猪口で食べることを好まず器は分けたいと思っていることから、1つの猪口で両方を食べるお店では基本的に「天せいろ」は注文せず、「天ぷら単品」と「せいろ」の組み合わせで注文するようにしています。
まぁ、「それでも良い。」という場合もありますが・・・。

清潔感の漂う、とても静かな空間の中で料理を待っていると、まずアツアツの「だし巻き玉子」が運ばれてきます。
熱いうちにいただきたいので早速いただいてみると、箸で挟んで持ち上げることが大変な程柔らかく、どっしりした重量感が感じられます。そして一口いただいてみると、甘さ控えめながら出汁の効いた美味しい「だし巻き玉子」です。さらには、混ぜられている「三つ葉」(かな?)がちょっとしたアクセントになっていて、他のお店でいただく「だし巻き玉子」とはまた一味違った一品に仕上がっています。


美味しい「だし巻き玉子」をいただきながら蕎麦を待っていると、タイミング良く「穴子・野菜天盛りせいろ」が運ばれてきます。天ぷらは、穴子も大きく、野菜の品数も多いことから2人でいただくには十分な量で、穴子に少し生々しさが感じられるものの、程好い食感でいずれも美味しいです。

さて、あまり見かけない、白木の蒸篭(箱?)に入れられている主役の蕎麦ですが、思っていた以上にしっかりした歯応えの蕎麦で、「腰がある」というより「やや硬めに茹で上がっている」といった印象です。そして、控えめでスッキリしたやや辛口の蕎麦汁と一緒にいただくと、キリッとした食感がとてもいい感じで、うちの奥さんも満足してくれるサッパリした美味しい蕎麦でした。
なお、蕎麦の量が少なく見えますが、実際にいただいてみると少ないという印象は無く、十分な量だと思います。


今日、急遽思い立って蕎麦をいただくことになった『手打ち蕎麦・藤かけ』さんは蕎麦と料理が美味しいのはもちろんのこと、清潔感の漂う綺麗な店内と、接客を担当している女性の丁寧な対応と、厨房から聞こえてくる「いらっしゃいませ!。」、「ありがとうございました!。」という活気のある大きな声(ご主人の声?)がなかなか好印象のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。