蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『甚五郎@東京・国分寺』さんの納得の「鴨スモーク」

2016-05-05 14:15:00 | 東京都(国分寺市)

ゴールデンウィーク最終日の5月5日子供の日、所用で国分寺を訪れたその帰り道、JR中央線・国分寺駅から徒歩5分程度の所にある『手打ちそば・甚五郎』さんに立ち寄ってみることにしました。

お店に到着し、駄菓子屋の雰囲気が感じられる外観を撮らせていただいてから暖簾を潜ってみると、14時過ぎだというのにテーブル席はほぼ埋まっていて、壁に向いて座るカウンター席に案内されます。

席に着いて早速カードケースのメニューに手を伸ばしますが、目の前の壁にあれこれ貼られている張り紙の中に、美味しいと思っている「そばビール」を見つけたことから、とりあえず「そばビール」をお願いします。


ビールを頼んでから「酒のつまみ」というメニューを眺めてみると、品数は多く無いものの価格が350円から650円といずれも低価格に設定されていることから、小鉢で少量ずつの提供なのかな?なんて思いながら「鴨スモーク」と「もつ煮込(小)」をお願いします。


ビールを飲みながら、壁の張り紙やテーブルの上に置かれている様々なカードケースに目を向けますが、見る物が多くなかなか忙しいです。また、壁には昭和の雰囲気が感じられる昔懐かしい看板や古い時計が多数掛けられていて、何だかとっても楽しいです。


まず目の前に置かれた「鴨スモーク」は、この一品だけで満腹になってしまいそうな程の驚きの量で、その上とても美味しく、これで500円は安いと思える納得の「鴨スモーク」でした。


暑い陽気の中を歩き回った後なのでどうだろうか?と思ったものの、メニューに書かれていた「うまい!」という文字が決め手となっていただくことにした「もつ煮込(小)」は、お~っ!と思わず唸ってしまうほど美味しく、大きいサイズでも良かったかな?と素直に思ってしまった「もつ煮込」でした。
しかし、小さいサイズでも十分な量なのに、大きいサイズってどんな器で登場するのでしょうか?。


美味しいビールと料理を楽しみながら店内をあらためて見渡してみると、若い男性一人客が多いものの若い男女も多く、14時半を過ぎた時間ではありますがお客さんの姿を入れずに店内の写真を撮ることのできるタイミングはほんの一瞬しか無く、常に賑わっている状況です。

そして、ボリューム感タップリの料理をいただき、そろそろ蕎麦かな?という腹具合でしたが、直ぐ近くに置かれている日本酒用の冷蔵庫で冷やされている東京都の珍しい地酒が気になってしまい・・・。


さらに、目の前に置かれている澤乃井のメニューが気になってしまい・・・。


う~ん、青梅の小澤酒造さんと関係があるのかな?澤乃井の樽やのぼりもあるし。


まぁ、もう一品ぐらいなら大丈夫だろうと思い、澤乃井「純米吟醸・蒼天」と一緒に日本酒との相性が良く、手頃な量だろうと予想した「塩から」をお願いしますが、これが・・・。

ということで、目の前にグラスが置かれ、そして澤乃井「純米吟醸・蒼天」がグラスに注がれますが、タップリ注がれグラスから溢れた澤乃井が今度は袴に溜まっていき・・・。

グラスにも袴にも澤乃井がタップリ注がれているので、まずはグラスに口を付けて表面張力を無くし、次にグラスを持ち上げて袴に溜まっている澤乃井を少し飲んでから再びグラスを袴に戻すということを行いますが、それにしても結構な量です。

600円でこれだけ飲めるのは嬉しいことですが、美味しいだけに飲み過ぎが心配です。

また、追加でいただいた「塩から」は、辛さもしょっぱさも無くなかなか美味しくて良いのですが、量が多く食べても食べても無くならないです。


蕎麦前だけで既に満腹に近い状態なのに、なんだかもう少し蕎麦前を楽しみたい気分です。
しかし、何をいただいても食べきれそうに無い量の料理が出てきそうなので蕎麦をいただくことにします。

ということで、蕎麦のメニューを見てみると、汁と麺とサイズを選ぶつけ麺の形が基本で、うどんと蕎麦の合盛もありましたが、やはり基本の「もりそば」をいただくことにします。

そして、サイズは・・・。

メニューによると、小、普通、大、特大の4サイズあり、普通サイズでも500gあります。
既に満腹に近い腹具合なので、300gの小サイズでも多いように思いましたが、やはり「普通」をいただかなければお店の普通が分からないので、500gの普通サイズをいただくことにします。

そう、大丈夫。
「食べきれなかった麺を持ち帰れるようにビニール袋を用意しています。」とあるし・・・。


いただいた500gの普通サイズ「もりそば」は、田舎風の蕎麦でしたが、歯応えも良く蕎麦らしい風味もしっかり感じられ、なかなか美味しい蕎麦でした。また、徳利にタップリと入っている蕎麦汁は、やや甘口ではありましたが、鰹出汁がしっかり効いている美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・甚五郎』さんは、若いお兄さん達数名で営んでいる自家製麺の手打蕎麦とうどんのお店ですが、お蕎麦屋さんなのかうどん屋さんなのかを問うならば、「武蔵野うどん」のお店が正しいようです。

そして、初めて訪れたお店なのに何だかやけにくつろげる雰囲気の、低予算で美味しい料理とお酒をガッツリいただくことのできるお蕎麦屋さん(うどん屋さん)でした。

ごちそうさまでした。


『やなか@谷中』さんの「わさびのおろし和え」

2016-05-02 13:40:00 | 東京23区(台東区)

昨年同様、下町のお蕎麦屋さんをいくつか巡ってみようと思い訪れた「谷根千」。

まずは11時の開店時間に合わせて根津の「蕎心」さんを訪れ、その後「谷根千」の町をぶらぶらと散策し、そろそろお昼のお客さんも一段落した頃かな?という時間を見計らって、今度は谷中にある『手打ち蕎麦・やなか』さんを訪れてみました。

お店に到着し、スリッパに履き替えピアノの音色が流れる明るく綺麗なフロアに上がってみると、13時半過ぎという時間ではありましたが満席で、1組2人のお客さんが席を待っています。しかし、それほど待つことは無いだろうと思い蕎麦打ち場の前に用意されている椅子に座って席を待っていると、5分程度の待ち時間でコの字型をした6人掛けのテーブル席に案内されます。


席に着いてメニューを眺めながら、谷根千の町をぶらぶらと歩き喉が乾いていたことからやはりビールかな?なんて思いもしましたが、今日の蕎麦前は日本酒と美味しい料理で「平日の昼酒」を楽しもうと決めていたので、山形県の地酒「桜花吟醸本生・出羽桜」をお願いします。

そういえば、「蕎心」さんでいただいた「羽前白梅」も山形県の地酒で、先月訪れたお蕎麦屋さんでいただいた日本酒も山形県の地酒と、意識はしていませんが最近山形県の地酒が続いていますね。


次に料理ですが、「本日のおつまみ」というメニューに「手作り そばとうふ」という、赤文字で書かれたいかにもオススメ看板料理という料理があったのでお願いすると、「品切れです。」とのこと。

まぁ、品切れは仕方の無いことなので、「いたわさ」と「わさびのおろし和え」をいただくことにします。


つい数時間前に蕎麦前と蕎麦をいただいたばかりであるため、軽い料理にしようと思いお願いした「いたわさ」は、噛むと反発してくるしっかりした弾力感の感じられる蒲鉾で、「蕎心」さんでいただいたばかりではありますが、食べ飽きることの無い美味しい蒲鉾でした。

また、いただいた山形県の地酒「桜花吟醸・本生 出羽桜」は、華やかでフルーティーな味わいと、いつ飲んでも安定している落ち着きのある旨さがなかなか美味しく、とても満足です。


「何だろう?」と思いいただくことにした「わさびのおろし和え」は、細かく刻まれた山葵だけをつまんでいただいてみるとそれ程辛くはありませんが、大根おろしと一緒にいただくと結構な辛さで、更に、醤油を軽く垂らして海苔を混ぜると、ツ~ンとくる辛さに海苔の風味が加わりとても美味しいです。


さて、そろそろお客さんも少なくなってきたので蕎麦をいただこうと思い、季節限定早春の変わりせいろ「よもぎ切りせいろ」をお願いすると、こちらも品切れで「せいろそば」しか無いとのこと。

う~ん、そうですか・・・。
と、少々残念に思いながら「せいろそば」をツルツルっといただき、今年の「下町のお蕎麦屋さんを飲み歩く」が終了となりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・やなか』さんは、少々遠くからでも「あっ、あそこだ!」と気付く大きめの看板が目印になっていますが、「下町」という言葉から勝手に想像する下町風情のイメージとは少々異なる、モダンな佇まいのお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『蕎心@谷根千』さんの「炙り板わさ」

2016-05-02 11:00:00 | 東京23区(文京区)

昨年のゴールデンウィーク、「下町のお蕎麦屋さんを飲み歩く」をテーマにいくつかのお蕎麦屋さんを巡ってみましたが、「飲み歩く」とは言えない少々不完全燃焼な結果に終ってしまったことから、今年のゴールデンウィークも、昨年と同じテーマで再び下町のお蕎麦屋さんをいくつか巡ってみることにしました。
とは言ってみたもの、1日だけのイベントなので2軒訪問ってとこでしょうか?。

ということで、最初に訪れたのは、昨年訪れた「鷹匠」さんと同じ根津にある『江戸流手打ち蕎麦・蕎心』(そばこころ)さんで、「連休中とは言え平日なのできっと一番客だろう。」なんて思いながら開店10分前に訪れてみると、既に若い女性が一人、お店の前で開店を待っています。

そして開店時間の午前11時、2人掛けテーブル席が5卓並んでいる細長い店内に2人続けて入店し、先に入った女性が店内一番奥のテーブル席に着いたことから逆の店内一番手前のテーブル席に着きます。
開店と同時に1人客が2人入り、店内一番奥と一番手前の席に一人ずつ着くという、何とも不思議な光景が出来上がった感じです。

さて、平日11時なので直ぐに混雑することは無いだろうしせっかくのゴールデンウィークなので、日本酒をいただきながらのんびりさせていただこうと思い、壁に掛けられている「MASTER'S DREAM 取扱店」という文字が気にはなるものの、山形県の地酒「羽前白梅 純米酒 穂の香」をお願いします。


お酒をお願いしてから料理のメニューを眺めてみると、昼なので料理は少ないかと思いましたが、「昼の酒肴」として7品用意されていたことから、「炙り板わさ(鈴廣かまぼこ)」と「そば刺し」をいただくことにします。


まずいただいた「炙り板わさ(鈴廣かまぼこ)」は、「焼き」ではなく「炙り」というその言葉通り軽めに焼かれていて、何と表現したら良いのか・・・、外側はいかにも「炙りました」という食感ですが、中は弾力感の感じられる質の良い蒲鉾らしい歯応えでなかなか美味しいです。

また、いただいた山形県の地酒「羽前白梅 純米酒 穂の香」は、メニューに書かれていた説明書きの通り、ほのかな柔らかい香りと旨味の感じられる、スッキリした辛口の日本酒でした。


キリリとした辛口のタレ(蕎麦汁)が添えられていた「そば刺し」は、タレを付けづに蕎麦だけでいただいても十分に美味しい蕎麦刺しで、クニュっとした食感が美味しさをさらに盛り上げてくれました。


日本酒をいただきながらくつろいでいると、パラパラと途切れること無くお客さんがやって来て、直ぐに混雑することは無いだろうという予想に反して、開店早々に満席になってしまいました。しかし、狭く急な階段を登る2階にも席があるようで、1階が満席になった以降は2階へと案内されており、混雑はしているものの席を待つお客さんは発生していませんでした。

そんな賑わいを見せるお蕎麦屋さんではありますが、ほとんどのお客さんが蕎麦をいただくお客さんで、お酒を飲んでいるのは開店と同時に入った2人だけなので回転は早く、急いで席を空けなければならない状況にはなりませんでしたが、お客さんがほぼ一巡したところで蕎麦をいただくことにします。

いただいたのは「もり」で、しっかりした腰がありながらも喉越しの良い細麺でした。また、蕎麦汁はキリリとした辛さの感じられる強めの辛口でしたが、雑味の無いクリアな味わいで、藪蕎麦の老舗蕎麦屋にも負けない立派な蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『江戸流手打ち蕎麦・蕎心』さんは、下町風情の感じられる板張りのお蕎麦屋さんで、一見古そうにも見えますがコンパクトにまとめられた店内には清潔感が漂い、気持ちよく蕎麦前と蕎麦を楽しむことのできる居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

そして、席に着いたときは、すぐ目の前が厨房で、手を伸ばせば届きそうなほど近くに花番さんが立っていることから何となく落ち着かないかな?と思ったものの、若い花番さんの落ち着きのある馴染み易い接客がなかなか良い感じで、お酒をいただきながらのんびりと憩いの一時を過ごすことができました。

ごちそうさまでした。