蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

竹林の蕎麦屋『竹葉庵@海老名』さんの「たけのこ煮物」

2014-05-31 13:35:00 | 神奈川県(海老名市)

今日は朝から所用で相模鉄道沿線の希望ヶ丘(横浜市旭区)へと出掛け、所用が終わったお昼前、海老名にある竹林の蕎麦屋『そば御膳・竹葉庵』さんへと向かいました。

実は、この『そば御膳・竹葉庵』さんへ向かうのは今回が2回目で、前回は空いている時間を狙って14時過ぎに訪れたところ既に「今日の営業は終了」となっていたことから、今回は13時半に到着するよう時間を調整しながら移動しますが、それでも時間が余ってしまったことから、時間調整の意味を含めて相模鉄道&小田急電鉄・海老名駅から歩いて訪れることにしました。

そして、予想もしなかったアップダウンのある道のりを25分歩き、無事お店に到着します。
「もしかして、また終わってたりして・・・。」なんて不安を抱えながら駐車場を覘くと、しっかり車が並んでいるので営業していることが確認できますが、車の台数が7台・・・。

これってもしかして満席?なんて思いながら、青々とした孟宗竹の中にあるつづら折の階段を上っていくと、ようやくお店の入り口が見えてきます。


お店を前にして、まず外観の写真を撮らせていただいてから扉を開けると、店内は予想通り満席に近い状態でしたが、運良く1つだけテーブル席が空いていたことから、そのテーブル席に案内されます。
 
正直、混雑しているお店で4人掛けテーブル席に一人というのは気が引けてしまい、落ち着かないのであまり好きではありませんが、カウンター席も2人掛けテーブル席も無いので仕方ないですね。

そして、直ぐ後に若い男女が訪れましたが、予想通り相席にはせず「空席待ち」となります。
その様子を見ながら「飲みにくい・・・。」と思いましたが、この暑さの中、25分も歩いて来たので喉も乾いていて、申し訳ないと思いながら生ビールと一緒に「たけのこ煮物」と「玉子焼」をお願いします。

まず運ばれて来た生ビールをグッといただき一息ついていると、待つことも無く「たけのこ煮物」と「玉子焼」が同時に運ばれてきます。「玉子焼は作り置きか・・・。」と思いながら一切れ箸でつまんでみると、フワフワ感の感じられない硬い玉子焼で、口の中に入れてみると良く冷えてます。

しかしこの玉子焼、甘さも出汁の味わいもほとんど感じられませんが、中に入っているピンクやオレンジや緑の素材に秘訣があるのか悪くは無く、何だか普通に美味しいです。


次に「玉子焼」と同時に運ばれて来た「たけのこ煮物」ですが、もしかしたらお店の竹林で採れた筍かな?と思ったので注文時に確認したところ、そうでは無く、「送ってもらっている」とのことでした。

早速、その筍の煮物をいただいてみると、思っていた以上に柔らかく、少々薄味ではありますが「温かければもっと美味しいだろうに・・・。」と少々残念に思ってしまう、美味しい筍でした。


さて、お店から見える唯一の風景である竹林を眺めながら料理とビールをいただいていますが、その間もお客さんは途切れることなく来店し、常に1~2組のお客さんが空席を待っている状態です。

しかし良く見てみると、交通の便が悪いためかお客さんの多くは車で来店しているようで、ほとんどのお客さんはノンアルコールで蕎麦だけを食べているように見受けられます。そのため、混雑しているもののお客さんの回転は早く、空席を待つにしてもそれ程待つことも無く席に着いているようでした。

飲むために、どんなに遠くても歩いて行くお客さんは少ないということでしょうか?。


しかし、席を待っているお客さんの姿を見るとやはり落ち着かず、生ビールをもう1杯もらいましたが、食べたいと思っていた「鯛の笹漬け」はパスして蕎麦をいただくことにします。

いただいた蕎麦は「天せいろ」で、思っていた以上に立派な内容です。
まずは熱々の天婦羅を抹茶塩でいただいてみると、食感も良くなかなか美味しい天婦羅です。
そして、やや甘目の蕎麦汁に付けていただいた蕎麦は、しっかりした歯応えの感じられる蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた竹林の蕎麦屋『そば御膳・竹葉庵』さんは、竹林の中にある、窓の外を見ても「竹」しか見えない静かなお蕎麦屋さんでしたが、いかにも近所の世話好きのおばちゃん達が集まって営業しているといった、明るい雰囲気のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『長谷川@虎ノ門』さんの「マグロほほ肉の竜田揚げ」

2014-05-23 17:35:00 | 東京23区(港区)

仕事で平日の東京都内へ出掛けたことから、お蕎麦屋さんで寄り道してから帰宅することにしました。

今日の外出先は霞ヶ関なので、まずは虎ノ門&新橋付近でお店を探すことになりますが、この地域はお蕎麦屋さんの数も多く、苦労することなくお店を選ぶことが出来るように見えます。

しかし、今日は週末金曜日、「予約で満席」というお店も多く、席に着くことが出来たとしても居酒屋状態で、「静かにのんびり出来ない」というお店も多いことから、個人的にはお店選びに悩む地域でもあります。

ということで、「仕事を終えた金曜日の夜は静かに憩いたい。」という思いを持ちながら検討した結果、東京メトロ銀座線・虎ノ門駅から徒歩5分程度のところにある『そば・長谷川』さんへ行ってみることにしました。

和風でありながらモダンな佇まいのお店に到着したのは開店間も無い夕方17時半過ぎで、先客は、いかにも「場所取り先発隊」の男性2人組だけですが、「予約で満席です。」と言われることもあるため、入口で奥さんらしき方に一人であることを告げると、「どうぞ~。」とのことだったので、「良かった!。」と思いながら厨房に面したカウンター席の端っこに座ります。

いつもなら、席についてまずビールと一品料理をお願いしますが、今日はお店の外看板に書かれていた、「エビス生ビール」と「板わさとワサビ漬け」と「しめせいろ」がセットになった、一人客を対象とした「お一人様セット」をお声掛け(お蕎麦はあと)でお願いし、併せて料理の品揃えが充実したメニューの中から「出し巻き玉子」と、目が止まってしまった「季節の野菜天盛り」を一緒にお願いします。


そしてまず運ばれてきた「お一人様セット」の「板わさとワサビ漬け」ですが、生ビールと蕎麦が付いて980円という価格を踏まえるならば、「まぁ、こんなとこかな?。」といったところでしょうか?。


次に、思っていたほど時間が掛からず運ばれてきた「出し巻き玉子」は、甘さの抑えられたボリューム感のある玉子焼で、ビールを飲みながら美味しくいただきました。


玉子焼をいただいている最中にビールが無くなり、楽しみにしている「季節の野菜天盛り」もまだ登場していないことから、日本酒をいただこうと思い、南会津の地酒「辛口本醸造・花泉」をお願いします。

南会津の地酒「辛口本醸造・花泉」が運ばれてきたのち、その後を追うように運ばれてきた「季節の野菜天盛り」は、山菜など季節感の感じられる品数豊富な天婦羅盛り合わせで、食べ応えのある一品です。


さて、料理もお酒もまずまずで、居心地の良い店内にはまだまだ空席も見られることからもう少しのんびりさせていただこうと思い、メニューを見た時から気になっていた「マグロほほ肉の竜田揚げ」を、福島県の地酒「特別純米・穏」(おだやか)と一緒に追加でお願いします。

徐々にお客さんが増えてきていることもあって少々時間が掛かった「マグロほほ肉の竜田揚げ」は、柔らかくしっとりした食感がとても良い感じで、メニューに明記されていなければそれがマグロであることは全く分かりませんが、なかなか美味しい竜田揚げです。


腹具合も満腹近くになってきたことから、そろそろ蕎麦をお願いすることにします。
なお、店内に掲示があり、「今日の蕎麦」という文字は付いていませんが、今日の蕎麦は茨城県下妻市の「常陸秋蕎麦」らしいです。

約半月振りにいただいた蕎麦は、程よい歯応えの感じれるやや硬めの蕎麦でしたが、ツルツルっといただくことの出来る喉越しの良い蕎麦でした。また、蕎麦汁はキリッと引き締まった辛目の蕎麦汁で、雑味の感じられない美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば・長谷川』さんは、ご主人も奥さんも気さくな親しみやすい方で、特に奥さんの爽やかで明るい人柄が、ビジネス街のお店らしい適度に賑やかな「場」を和ませていて、「静かに疲れを癒すことの出来るお蕎麦屋さん」ではないかもしれませんが、活気と賑わいの感じられる、「疲れを吹き飛ばすことの出来るお蕎麦屋さん」ではないかと思います。

そして、お店を出る時、お店の出口で「またお越しください。お待ちしてます。」と深々と頭を下げる奥さんのその姿に、「また来ようかな?。」とついつい思ってしまう、良い意味で予想の外れたお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『むら季@大泉学園』さんの爽やかな「いかおくら」

2014-05-05 11:20:00 |  東京23区(練馬区)

ゴールデンウィーク終盤の5月5日、所用で日頃訪れる機会のほとんど無い西武線沿線に出掛けることになったため、少し早めに家を出て、「未知の地域」にあるお蕎麦屋さんへ立ち寄ってみることにしました。

まずはお店選びですが、予備知識の無い地域であることから、口コミサイトや色々な方が書かれているブログなどを参考に、11時開店で昼から蕎麦前OKのお蕎麦屋さんをあれこれ検討し、西武池袋線・大泉学園駅から徒歩7~8分程度のところにある『手打そば・むら季』さんへ行ってみることにしました。

小雨がパラパラと降っていたため少々早歩きでお店に向かい、11時半少し前に暖簾を潜ると、蕎麦打ち場&厨房の方が広いのではないかと思われる、こじんまりとした客席に先客の姿は無く、物腰の柔らかい奥さんに迎えられながら店内一番奥(一番厨房寄り)の席に着きます。

席に着いてメニューを広げますが、店内にも料理の品書きが多数掲示されており、念のため一品料理はお昼でも大丈夫か確認したのち、直ぐに出てくるであろう「いかおくら」と「おぼろとうふ」、そしてあればいただく「だし巻玉子」を瓶ビールと一緒にお願いします。


まずは瓶ビールとお通しの「イクラおろし」(で良いのかな?)が目の前に置かれますが、この「イクラおろし」、キラキラ輝きプチプチはじけるイクラが美味しく、とてもお通しとは思えない素晴らしい一品です。


続いて、「いかおくら」が運ばれてきたので早速つまんでみると、オクラのシャキッとした歯応え(食感)とネバネバ感がとても良い感じで、爽やかな一品です。


次に運ばれてきたのは「だし巻玉子」で、アツアツのうちにいただいてみると、甘さは控えめですが出汁がタップリで、フワフワ感も程好くなかなか美味しいです。


「だし巻玉子」の後を追うように登場した「おぼろとうふ」は、「こんなに大きいとは思わなかった。」というのが正直な感想で、お通しの「イクラおろし」が素晴らしい一品だったことから豆腐は無くても良かったかな?と思ってはみましたが、そんなことを思いながらも美味しくいただいてしまいました。


ビールを飲みながら数々の美味しい料理をいただいていると、ポツポツとお客さんが来店し、10人程度で満席になるお店はいつの間にかほぼ埋まっている状態で、のんびりお酒なんか飲んでいるとお店の迷惑になってしまうかな?という状況になってきたことから少々ペースを上げて料理をいただきます。

しかし、多くのお客さんは蕎麦だけのお客さんで、しばらくすると再び空席が増えていき、慌てずゆっくり食べれば良かったかな?という感じです。

ということで、お店も再び空いてきたことだし、料理もまだ残っているので、石川県の地酒「黒帯」と1日15食限定の「あらびき野菜天せいろ」を天先でお願いします。なお、天先でいただいた天婦羅は、思いのほか量が多く、食べ応えのある美味しい天婦羅でした。


さて、「食べ過ぎたかな?。」と思いながらいただいた蕎麦ですが、色の濃いしっかりした腰のある蕎麦で、少々荒々しさが感じられるかもしれませんが、「蕎麦を食べている」ということを実感できる蕎麦でした。
また、蕎麦汁はキリッとした筋の通った蕎麦汁で、蕎麦との相性も良く、荒々しい蕎麦を美味しく引き立ててくれる蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・むら季』さんは、神田「まつや」さんで修行を積んだご主人が、日本料理店を営んでいたお父さんから料理を学び、平成16年に開店したお店とのことです。

そのため、蕎麦はもちろんのこと料理にも心と力が入っていて、蕎麦前と蕎麦のどちらにも「食べる事の楽しさ」を感じることができ、そして満足感を得ることの出来るお蕎麦屋さんでした。


また、奥さんの細部にまで気遣いの行き届いた何気ない接客がとても好印象で、毎日でも訪れたいと思ってしまう、そんな居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

そのようなことから、良いお蕎麦屋さんに出会えたという印象は強く、日頃訪れる機会の無い西武線沿線にあるお蕎麦屋さんではありますが、ぜひまた訪れたいという思いを胸に、気分良くお店をあとにしました。

ごちそうさまでした。


『猪口屋@茅ヶ崎海岸』さんの濃厚な「だし巻き玉子」

2014-05-04 11:30:00 | 神奈川県(茅ヶ崎市)

ゴールデンウィークはどこへ行っても混雑していると思っていることから遠出は行わず、今年は、数ある一度は行ってみたいと思っている神奈川県内のお蕎麦屋さんの中から、「特に行ってみたい!。」と思っているお蕎麦屋さんを何軒か選んで訪れてみることにしました。

そして、「風來蕎」さんから始まった今回の「一度は訪れてみたい神奈川のお蕎麦屋さん巡り」も最終日を迎え、JR東海道本線・茅ヶ崎駅から徒歩20分程度のところにある、訪れてみたいお蕎麦屋さん第1位の『蕎房・猪口屋』(ちょこや)さんへと向かいました。

訪れた『蕎房・猪口屋』さんは予約も受け付けており、かつ人気が高いことからいつもより少し早く、開店40分前に到着するようお店に向かいましたが、順番待ちを記入する用紙には既に1組の名前が記入されおり、2番の欄に名前を書いて11時半の開店を待ちます。

ということで、ブラブラしたり写真を撮るなどして待つこと40分。
まちに待った開店時間を迎え、丁寧な案内を受けながらお店に入ってカウンター席に着きますが、両隣とも若い男女のカップルで何だかとっても飲み難い状況です。一人だし・・・。

しかし、そんなことは気にせず、冊子のメニューと目の前に置かれている小さな短冊状のメニューの両方を眺め、生ビールと一緒に「板わさ」と「だし巻き玉子」と「うどの柚子味噌」をお願いします。


最初にいただいたのは富山の昆布蒲鉾を使用した「板わさ」で、ナルトのように昆布が巻かれています。
その昆布蒲鉾を、まずは山葵も醤油も付けずにいただいてみると、磯の香りや塩味はほとんど感じらませんが、昆布の歯応えがなかなか良い感じで、日本酒にも焼酎にも合いそうな酒の肴です。

なお、蒲鉾をいただきながら店内を見渡してみると、場所柄もあってか他のお蕎麦屋さんに比べてお客さんの年齢層が低いように思われ、また、昼時ということもあってか一品料理はつまんでいるもののノンアルコールで蕎麦を食べているお客さんが多いように思います。やはり、ビールは良いけど日本酒は飲み難いかな?。


続いて伊勢原・寿雀卵で作った「だし巻き玉子」ですが・・・。
早速一口いただいてみると、「甘い」とか「出汁が効いている」というような、感じたそのままの印象で安易に語ってはいけない、過去に食べたことの無い濃厚な味わいの玉子焼です。

帰宅後、インターネットで素材の「伊勢原・寿雀卵」について調べてみると、黄身が黄色ではなくオレンジ色で、黄身を箸でつまんで持ち上げても割れない、濃過ぎるくらいの濃厚な味わいの卵とのことです。

確かに、いただいた「だし巻き玉子」も卵そのものの味をしっかり感じることの出来る、黄身だけ使用して作ったのかな?と思ってしまう程濃厚な玉子焼で、これぞ「卵焼き」と言える玉子焼ではないかと思います。


なお、夜のメニューに弟子が巻いた「でし巻き玉子」という玉子焼があり、同じく伊勢原の寿雀卵を使用していることから「味は変わりません」とのことですが、いただいた玉子焼と同じ玉子焼を弟子が作れるとはとうてい思えない、それ程素晴らしい「だし巻き玉子」でした。


なお、両隣はノンアルコールのお客さんなので少々お酒を頼み難い雰囲気ではありますが、「だし巻き玉子」をいただいている最中にビールがなくなったので、宮城県の地酒「特別純米辛口・乾坤一」(けんこんいち)を小さな声でお願いします。

最後に運ばれてきた自家製の柚子味噌を使用した「うどの柚子味噌」は、控えめな味わいの柚子味噌がなかなか美味しく、「味噌を付けてウドを食べる」(ウドが主役)というより「味噌をウドに乗せて食べる」(味噌が主役)と言った感じの、日本酒と相性の良い一品でした。


さて、目の前で揚げている天婦羅をいただきながらもう少しお酒を飲みたいところではありますが、お店の外では席が空くのを待っているお客さんが列を作っていることもあり、蕎麦をいただくことにします。

いただいた「ざる蕎麦」は、キリッと引き締まった濃い目の蕎麦汁がなかなか美味しく、また麺は少々固めで程好い歯応えが感じられますが、ツルツルっと滑らかにいただくことの出来る美味しい蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎房・猪口屋』さんは、神楽坂「蕎楽亭」さんで3年間修業したご主人がカウンター越しに一品ずつ揚げたての天婦羅を提供するお店として開いたことから、カウンター席は目の前で天婦羅を揚げるオープンキッチンとなっていて、お蕎麦屋さんというより天婦羅屋さんという雰囲気ですが、小さい子供の入店がお断りとなっていることもあり、「大人が集う、大人が楽しむための空間」といった落ち着きの感じられるお蕎麦屋さんでした。

また、料理と蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、目の前で天婦羅を揚げながら、その合間に注文を受けたり料理を出したりしているご主人のキビキビとした仕事振りと、真面目に一生懸命仕事をしているという事がヒシヒシと伝わってくる店員さん達の仕事振り、そして初対面なのに親近感の感じられる奥さん(?)の柔らかい接客がとても好印象で、心地良い憩いの一時を過ごさせていただきました。

これで、大型連休を利用して行った、今回の「一度は訪れてみたい神奈川のお蕎麦屋さん巡り」は終わりとなりますが、その最後を飾るに相応しい素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまででした。


『ひら井@藤沢本町』さんのほんのり甘い「ごま豆腐」

2014-05-03 11:30:00 | 神奈川県(藤沢市)

以前、昼時を少しだけずらして訪れた際、既に「支度中」となっていて蕎麦をいただくことが出来なかった小田急電鉄・藤沢本町駅近くにある『蕎麦・ひら井』さん。

お店まで行ったのに入れないと余計に入りたくなってしまい、連休後半初日の5月3日、うちの奥さんと2人でリベンジ訪問することにしました。

お店に到着したのは開店30分前の11時丁度で、さすがに待っている他のお客さんはいませんでしたが、直ぐにお客さんが集まりだし、開店5分前にはおよそ10名程度のお客さんがお店の前に集まりました。

しかし開店5分前になってもシャッターは降りたままで、「休みだったりして。」という雰囲気です。
そして開店2分前にシャッターが上がり、無言で暖簾が掛けられ、男性店員さんが店の中に戻ろうとします。
その様子に「?」と思っているとクルリと振り返り、無愛想な表情で一言「いいよ」。

ということで、先客のいないお店に1番客で入ると席の指定は行われず、勝手に店内奥にある2人掛けのテーブル席に着いてまずメニューを広げます。ちなみに、席は開店直後直ぐに満席となってしまいました。

お店は、若い男性2人で営業していることから、おつまみは創作料理が並んでいそうな感じですが、想像とは異なり、基本的な蕎麦屋の肴が並んでいます。今回は、そんなおつまみの中から「酒のつまみ三種」、「板わさ」、「卵焼き」、「鴨ロース」を生ビールと一緒にお願いします。


まず運ばれてきた「板わさ」は、厚みがあってしっかりした歯応えの感じられる蒲鉾で、透明感の感じられる綺麗な山葵を添えて醤油を少しだけ付けていただくと美味しく、とても満足です。

また、蕎麦前が始まったばかりでしたが、残り少なくなったビールはうちの奥さんに任せ、飲んだことの無い愛知県の地酒「純米原酒・義侠」(ぎきょう)をお願いします。


追って運ばれてきた「酒のつまみ三種」は、白身の刺身、ごま豆腐、小松菜と油揚げの煮浸しの3種類で、まず真ん中のごま豆腐をいただいてみると・・・。

まるでチーズをいただいているかのようなネットリした食感です。そして、ほんのり甘く、過去に味わったことの無い旨みを感じるごま豆腐で、「純米原酒・義侠」と一緒に美味くいただきました。
なお、白身の魚が何であるか確認したところ、一言ボソッと「カンパチ」との回答でした。


続いて、お願いした訳ではありませんが2皿に分けて持ってきてくれた「卵焼き」は、出汁の効いた程好い甘さがとてもいい感じです。そして、焼き色の付いていない、丁寧に作られたことが伺える玉子焼で、これまでにいただいた玉子焼の中でも上位にランクインする美味しさです。


最後に運ばれてきた「鴨ロース」ですが、添えられている、おろしタマネギのソース(?)が絶妙に美味しく、山葵を乗せたりソースを付けたりしながら美味しくいただきます。また、途中で「純米原酒・義侠」が空になったので、島根県の地酒「超辛純米本生・王禄」(おうろく)をお願いします。



美味しい蕎麦前をいただきながらしばらくのんびりさせていただいた後、「天もりそば」をお願いします。

少々時間が掛かるかと思いましたが、さほど待つことも無くまず天婦羅が天汁と共に運ばれてきて、天婦羅だけの写真を撮っていると、少し遅れて蕎麦が運ばれてきます。


天婦羅は温かいうちにいただこうと思い、早速海老の天婦羅を天汁に付けていただいてみると、なかなか美味しい天婦羅で、中でも海老の頭はとても美味しいです。

そして蕎麦ですが、出汁の効いた柔らかい印象の蕎麦汁に付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦・ひら井』さんは、若い男性2人で営業しているお店ですが、男臭さは感じられず、和風の静けさが感じられるお蕎麦屋さんでした。また、一見、無愛想にも感じられる接客ですが、気分を悪くすることも、悪い印象を持つことも無く、付かず離れずの「適当な距離感」と営業的な接客の感じられない「自然な接客」がとても好印象のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。