蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『幟@石和温泉』さんのB級ご当地グルメ「鳥もつ煮」

2014-09-20 10:55:00 | 山梨県

観光旅行ではありませんが、日帰りで山梨県の甲府へ行く所用が出来たことから、JR中央本線・石和温泉駅近くにある『そば処・幟(のぼり)』さんで早目の昼食を取ることにしました。

お店に到着したのは開店時間(11:00)より前だったため付近をブラブラしながら開店を待っていると、開店5分前に暖簾が掛かり、そして穏やかで柔らかい笑顔のご夫婦に迎えられながら店内へと入ります。

店内は、複数あるテーブル席の他に、おじいちゃん&おばあちゃんと一緒に家族で利用できそうな座敷のテーブル席が2つあるという配置で、そこそこ広いです。


今日は長居をする予定ではありませんが、落ち着いて蕎麦をいただくことの出来る店内奥の4人掛けテーブル席に着き、「玉子焼」と、2010年に開催されたB級ご当地グルメの祭典「第5回B-1グランプリin厚木」で第1位のゴールドグランプリを受賞した「鳥もつ煮」をノンアルコールでお願いします。


まず運ばれて来たフワフワの「玉子焼」は、ほのかな甘さ具合が程良く、なかなか美味しいです。


いただくことを楽しみにしていたB級ご当地グルメの「鳥もつ煮」は、生姜の効いた、かなり煮詰めていると思われる濃く辛いタレがなかなか美味しく、ビールとの相性も良さそうでしたが、今日は車で訪れていることからおとなしく熱い緑茶でいただきました。


さて、今日はノンアルコールということもあり、蕎麦前を早目に切り上げて蕎麦をいただきます。
いただいたのは、蒸篭の蕎麦をかき揚げの入った熱々のつけ汁でいただく「天もり」で、つけ汁は、やや薄味という印象ではありますが、かき揚げになっている海老のプリプリ感がとても良い感じです。そして、蕎麦は細麺ながらしっかりした歯応え(腰)が感じられ、なかなか美味しいです。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・幟』さんは、奥さんの親しみ易い笑顔と丁寧な接客が好印象の、美味しい料理を肴にのんびりお酒をいただきいお蕎麦屋さんでした。

また、「玉子焼」も「天もり」も、日本橋の砂場さんをイメージさせる料理だったことから、「東京の砂場さんと何か関係があるんですか?。」と伺ったところ、「室町と赤坂の両方で修行してたんです。」とのことでした。
なるほど・・・。と、蕎麦の美味しさに納得です。

ごちそうさまでした。


『昌平@芝公園』さんの秋を感じる「季節のお浸し」

2014-09-12 17:15:00 | 東京23区(港区)

東京・芝公園での仕事を終えた金曜日の夜、都営地下鉄三田線・芝公園駅から徒歩2~3分程度の所にある『川越蔵塚・昌平』さんへ立ち寄ってみました。

お店に到着し、エンジ色の暖簾を割って店内に入ってみると、開店時間の17時を15分程過ぎたばかりの、まだまだ混雑するには早い時間ということもあってか先客の姿はありませんでしたが、入口から店内奥に向かって真っ直ぐ伸びているカウンター席の、一升瓶と向かい合う奥の席に着きます。

ちなみに、目の前には山形県の地酒「吟撰・十四代」と三重県の地酒「大吟醸・而今」(じこん)が仲良く並んでいるという、なかなかの眺めです。


席について、カードケースになっているメニューに目を向けると、蕎麦のメニューはそれほど多くはないものの、蕎麦屋の定番、刺身、天婦羅、肉料理、野菜料理、魚料理と分類分けされている一品料理と50種類ほどの銘柄が並んでいる日本酒の品揃えが豊富で、何をいただこうか簡単に絞り込め無い程です。


メニュー眺め、とりあえずビールをお願いしてから料理をじっくり選ぶことにしますが、今日は品揃えの充実している日本酒をいくつかいただきたいと思っているので、まず一番小さいビール(生ビール小)をお願いしてから、追って、「季節のお浸し」と「出汁巻き玉子」をお願いします。

なお、お通しは山芋の上にキムチ(なのかな?)が乗せられた料理でしたが、辛さの抑えられた中華風の味付けでなかなか美味しいです。


さて、最初にいただいた「季節のお浸し」ですが、鰹節の下に添えられているキノコ(松茸だったりして)がサッパリした料理に秋らしい味わいを加えていて、「季節の」という言葉が似合うお浸しでした。


美味しいお通しとお浸しをいただいている途中でビールが無くなった(グラスだし)ので、品揃え豊富な日本酒の中から、まず、お気に入りの日本酒でもある福島県の地酒「特別純米・飛露喜」をお願いします。

それにしても、品数の多さだけではなく、質にもコダワリが感じられる見事な品揃えです。
また、専用の冷蔵ガラスケースに並べられているという管理面もシッカリしていて、美味しい日本酒を美味しくいただくことのできるお蕎麦屋さんです。


「特別純米・飛露喜」を飲み始めたところで運ばれて来た「出汁巻き玉子」は、甘さの抑えられた玉子焼でしたが、食欲をそそるサイズと綺麗さ、そしてフワフワな食感がなかなか良い感じの玉子焼でした。


いただいた料理はどれも食べ応えのある料理ばかりで、蕎麦前としては十分な量をいただきましたが、日本酒をもう1銘柄いただこうと思い、再び料理と日本酒のメニューに目を向けます。

日本酒は、三重県の地酒「而今」をいただきたいところではありますが、さすがに2500円では手が出ず、静岡県の「臥龍梅」にしようかと思いましたが超辛口だったことからパスし・・・。と、あれこれ悩んだ結果、山口県の地酒「純米大吟醸50・獺祭」(五十磨き)をいただくことにします。

そして、料理は軽めの天婦羅をいただこうと思い「アスパラ天」をお願いしますが、アスパラが品切れとのことなので「野菜天盛り合わせ」をいただくことにします。


目の前で、小皿を敷いたガラスの徳利に溢れるまで注いでくれた山口県の地酒「純米大吟醸50・獺祭」は、口当たりこそ少々辛口な印象ではありますが、喉で感じるまろやかさが心地良い日本酒でした。

また、軽めの天婦羅をいただこうと思っていながらついつい成り行きで頼んでしまった「野菜天盛り合わせ」は、予想を超える品数で、「やっぱり多かったか・・・。」と思ってしまう天婦羅の盛り合わせでしたが、脂っこくなくサクサクっとサッパリした天婦羅で、「獺祭」と一緒に美味しくいただきました。


中でも、天婦羅の具材としてはあまり好まない、甘さの感じられるカボチャと風味豊かなキノコ(松茸だったりして)が美味しく、納得の天婦羅盛り合わせでした。


席についておよそ1時間、蕎麦のみ食べて帰って行くお客さんも多く、混雑していても良い時間帯にも関わらず腰を据えて飲んでいるお客さんはサラリーマン1組だけという状況です。

そのような状況から長居しても問題は無さそうでしたが、既に満腹に近い状態でもあることから締めの「せいろ」をお願いします。そして、いただいた「せいろ」は蕎麦汁の口当たりこそ濃い目辛口という感じですが、全体的には薄味という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『川越蔵塚・昌平』さんは、明るく落ち着いた古民家風の作りがなかなか良い雰囲気の、美味しい料理と日本酒をのんびりいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『日本ばし・やぶ久』さんの看板メニュー「カレー南ばん」

2014-09-06 14:10:00 | 東京23区(中央区)

東京・青山で行われる社会人ラグビーの試合を観戦する前に、日本橋にある創業明治35年(1902年)の『日本ばし・やぶ久』さんへ立ち寄って遅い昼食を取ることにしました。

お店に到着したのは午後14時過ぎで、「空いているといいな。」と思いながら扉を開けてみると、2人掛けテーブル席が3つと4人掛けテーブル席が2つという、けして広くは無いフロアに先客は男性1名のみで、昼下がりの閑散とした風景が広がります。

そして、小奇麗で清潔感漂うテーブル席に着いてメニューを広げると、蕎麦はもちろんのこと、一品料理や丼物など豊富な品揃えで、蕎麦を楽しみたいお客さん、ガッツリ満腹になりたいお客さん、蕎麦前を楽しんでから軽く蕎麦で締めたいお客さんなど、どんなお客さんにも対応できるメニューになっています。

今回は、そんな充実したメニューの中から、あれば外せない「玉子焼き」と、あれこれ迷った結果、「揚げなすのそば味噌田楽」をいただくことにします。


まずいただいた「揚げなすのそば味噌田楽」は、「初めから冷酒でも良かったかな?。」と思ってしまうほど日本酒との相性が良さそうな一品で、お通しでいただいたトロトロに柔らかくピリ辛味の「蕎麦味噌」とダブってしまいましたが、「(ダブって)失敗した!。」と思うことの無い美味しい蕎麦味噌料理でした。


続いていただいた「玉子焼き」は、明確な甘さの感じられる玉子焼でした。

なお、1階はフロアの中央にレジがあってご主人らしき花番さんが座っていますが、店内は少々狭く空いているということもあって、見られている訳では無いと思いますがついつい気になってしまいます。


さて、時間もあるし、お店も空いているので、料理と冷えた日本酒を追加してもう少しのんびりしたいところではありますが、今日は蕎麦前ではなく蕎麦が目的(本来それが正しい?)であることから、料理もお酒も追加せず、「寒」(冷たい蕎麦)の中から「もり」をお願いします。


運ばれて来た「もり」の蕎麦汁をまずなめてみると、キリッと引き締まった辛口ではありますが、穏やかな出汁の旨みが感じられ美味しいです。また、細めの蕎麦は水分が多い印象ですが、蕎麦を食べているということが感じられるしっかりした蕎麦でした。


「もり」を食べ終えたところで『日本ばし・やぶ久』さんの看板メニュー「カレー南ばん」をお願いします。
「カレー南ばん」は普通の辛さと辛口とがあり、そして鶏肉か豚肉かを選べる形になっていて、鶏肉だと長葱、豚肉だと玉葱が使われています。

で、その「カレー南ばん」を「普通の辛さ」&「鶏肉」でいただいてみると、蕎麦は柔らかいという印象ですが、ご飯に掛けることも出来そうなほどトロミのあるカレー汁がとても美味しいです。


辛さについては「普通の辛さ」を選択したもののそこそこ辛く、アツアツの熱さと併せて汗がダラダラと流れ落ちてきますが、食べ始めると止めることの出来ない美味しさで、汗を拭いながら、そしてカレー汁が服に飛び散らないよう注意しながら、カレー汁を残すこともなく綺麗に完食です。


「カレー南ばん」を食べ終えてから、「もり」の蕎麦汁で蕎麦湯をいただきましたが、口の中がカレー味で染まっているため蕎麦湯の味を正しく味わうことが出来きなかったように思います。しかし、それでもしっかりした風味の感じられる美味しい蕎麦湯で、「カレー南ばん」の前にいただけば良かったかな?と少々後悔です。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『日本ばし・やぶ久』さんは、「カレー南ばん」が評判のお蕎麦屋さんということで「カレー南ばん」をいただくお客さんが多いかもしれませんが、他の蕎麦も十分に美味しく、もし、最後にあと一品何か食べるとするならば、一品料理ではなく「花巻」を選ぶかな?と思ってしまうほど、蕎麦に対して良い印象を抱いたお蕎麦屋さんでした。

そして、清潔感漂うお店の雰囲気も、ご主人らしき花番さんの自然な接客も好印象で、心地良い空間の中で伝統の味を楽しむことができ、満足度の高い一時を過ごすことができました。

ごちそうさまでした。