蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『川上庵@青山・表参道』さんの柔らかい「鴨たたき」

2015-11-29 11:30:00 | 東京23区(港区)

芸能人の方も足を運んでいる(らしい)表参道にある『青山・川上庵』さん。

表参道という場所柄とオープンテラス席のあるお洒落なお蕎麦屋さんということから、一人でのんびりお酒をいただくお蕎麦屋さんではないかな?という勝手なイメージを作ってしまったことから、何となく足を運ばなかったお蕎麦屋さんではありますが、所用で青山へ行く機会が生まれたことから訪れてみることにしました。

お店は、国道246号線からほんの少し路地に入った所にあって、フロアをまとめている男性も、「花番さん」という言葉の似合わない女性スタッフも、みな黒を基調とした服で統一されていて、お蕎麦屋さんというよりカフェという雰囲気ではありますが、堅苦しさの感じられないカジュアル感がなかなか良い感じです。

そして、案内された窓際の4人掛けテーブル席についてメニューを開いてみると、創作料理やカタカナで書かれた料理がズラリと並んでいるかと思いましたが、「自家製ぬか漬けの盛り合わせ」や「だし巻き玉子」といった和風の料理が並んでいます。


ということで、まずは「お昼の一品料理」というページから「鴨たたき」と「ニシンの煮付け」をお願いし、お酒は、お店の雰囲気に合わせて「琥珀の時間」(生ビール)をお願いすることにします。

最初に運ばれてきた「鴨たたき」は、柔らかい歯応えと臭みの無い旨味がなかなか好印象で、上品な辛さのワサビを添えて美味しくいただきました。


続いて運ばれてきた「ニシンの煮付け」は、ふっくらした柔らかい食感の鰊で、ネギと一緒にサッパリ美味しくいただきました。


さて、来店するお客さんも多く、何となく一人でのんびりする雰囲気でもないことから早めに蕎麦をお願いしようと思い、メニューの「冷たいお蕎麦」というページを開きます。

メニューを見ると、多くのお客さんが注文している天婦羅付きのせいろに添え書きされている「当店自慢の一品」という文字に目が止まります。確かに、目の前を通り過ぎて行く天婦羅を見ると、メニューに添え書きされている通り「サクサクの食感」であることが伺える美味しそうな天婦羅です。

しかし、やはりここは基本の「せいろ」をいただくことにしようと思い、「半せいろ」から「三段せいろ」まで4段階ある「せいろ」の中から、「二段せいろ」をお願いします。


いただいた「せいろ」は、よく冷えた腰のある細麺で、蕎麦汁を付けなくても十分美味しい蕎麦でした。
また、蕎麦だけでパクパクと食べてしまったことからあまり使わなかった蕎麦汁は、辛口で雑味の感じられないクリアな味わいのスッキリした蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『青山・川上庵』さんは、原宿・表参道にある、「蕎麦前」とか「花番さん」という言葉が似合わないオープンテラスのあるお洒落なお蕎麦屋さんでした。

そして、正直、「まぁ、蕎麦は普通だろう。」なんて失礼なことを勝手に思っていましたが、いざいただいてみると、思わず「お~!」と唸ってしまう程美味しい蕎麦で、やはり天婦羅付きにすれば良かったかな?と良い意味で後悔させてくれた蕎麦でした。

ごちそうさまでした。


『蕎肆・浅野屋@蒲田・糀谷』さんの美味しい馳走達

2015-11-28 18:10:00 | 東京23区(大田区)

京浜急行電鉄空港線・糀谷駅から徒歩6~7分程度の所にある『蕎肆・浅野屋』(きょうし・あさのや)さん。

ぜひ一度訪れたいと思っていたにも関わらず、なかなか訪れる機会を作ることができなかったお蕎麦屋さんですが、一人で夕食を取ることになった土曜日の夜、たまたま近くまで行く所用が生まれたことから立ち寄ってみることにしました。

お店に到着したのが18時過ぎだったことから、席が空いているだろうか?と少々心配でしたが、洋楽が静かに流れる店内は閑散としており、誰もいないカウンター席に着いて早速メニューを開きます。


開いたメニューをパラパラめくってみると、一品料理が「蕎麦屋の肴」と「馳走」に分かれているなど、料理にしても蕎麦にしても充実した品揃えです。

そして、そんなメニューを眺めながらあれこれどうしようか悩んだ結果、瓶ビールと一緒にまず「葉わさび漬け(山口)」と「だし巻き」をいただくことにします。


最初にいただいた「葉わさび漬け(山口)」は、切れの良いシャープな辛さとシャキシャキっとした歯応えに新鮮さが感じられ、なかなか美味しいです。


続いていただいた「だし巻き」は、甘過ぎない甘さ加減が程良く、フンワリふっくらした美味い玉子焼でした。


そんな美味しい料理をいただきながら改めて店内を眺めてみると、「もう少し明るくても良いかな?」と思ってしまう暗めのライティングですが、その暗さがお酒を美味しくいただくことの出来る落ち着いた雰囲気を作っていて、何だかとっても居心地が良いです。


ということで、混雑具合もそれ程ではないのでもう少しのんびりさせていただこうと思い、「燻り豆腐(岐阜)」と和歌山県の地酒「純米吟醸・雑賀」(さいか)を追加でお願いします。


追加でいただいた「燻り豆腐(岐阜)」は、硬めのネットリした食感(?)かつ薄味ですが、辛口でありながら旨味の感じられる「純米吟醸・雑賀」との相性も良く、まずまずの馳走でした。


いつもなら蕎麦をいただくタイミングですが、心をくすぐる料理も多く、更にはいただいている和歌山県の地酒「純米吟醸・雑賀」がなかなか美味しいことから、「なすの土佐煮」を肴に「純米吟醸・雑賀」をもう一杯(一合?)いただくことにします。

いただいた「なすの土佐煮」は、主役の茄子が柔らか過ぎること無くしっかりした食感で、柚子の香りが心地良い上品で美味しい土佐煮でした。


さて、居心地が良いのでもう少し飲みたい気分ではありますが、そろそろ蕎麦をいただくことにします。
いただいたのは「せいろ」で、しっかり冷やされているのか、冷たく食べ易い蕎麦でした。また、蕎麦汁はキリリと辛い濃い口で、ほんのり甘い蕎麦湯を注いでも味が崩れることは無く、今日の蕎麦前と蕎麦を美味しく締めくくってくれました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎肆・浅野屋』さんは、お洒落で特徴ある外観から受けるイメージとは異なる温かみの感じられる雰囲気と接客がとても好印象な、一人で訪れるお客さんも、家族で訪れるお客さんも心地良い一時を過ごすことのできるアットホームなお蕎麦屋さんでした。

そして、料理もお酒も蕎麦も美味しく、メニューに書かれている「微醺なる瞬間」(びくんなるとき)という言葉が似合う、「もっと早く訪れれば良かった。」と思わせてくれた居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ちなみに、「微醺」という言葉をインターネットで調べてみると、「ほんのりと酒に酔うこと。ほろよい。微酔。」とのことでした。

ごちそうさまでした。


『志な乃@神楽坂』さんの食感の良い「出し巻きたまご」

2015-11-14 14:10:00 | 東京23区(新宿区)

お昼前から小雨がぱらつき始めた土曜の午後、東京・神楽坂の町にそっと佇んでいる『手打そば・志な乃』さんの暖簾を潜ってみました。

お店に到着したのが14時過ぎという昼時を外れた時間で、かつ傘を手放すことの出来ない生憎の天気だったことからお店は空いているかと思いましたが、予想に反して全てのテーブル席と座敷が埋まっています。

しかし、ほとんどのお客さんが静かに蕎麦を食べているお客さんだったこともあり、5分程度の待ち時間で店内奥の4人掛けテーブル席に着くことができました。

席について早速メニューを眺めますが、今日は最後に蕎麦とうどんの合盛りをいただく予定なので、蕎麦前の料理は1品のみにしようと思い、小サイズもある「出し巻きたまご」の普通サイズをお願いします。


噂で「大きい」と聞いていたこともあり、一体どんな大きさなんだろうか?と興味津々で待っていた「出し巻きたまご」は、箸で持ち上げても崩れることのないしっかりした玉子焼でしたが、フンワリ柔らかい食感と、甘さの抑えられた味わいながら出汁の旨みがジワリと感じられるまずまずの玉子焼でした。


席に着いた時は混雑していた店内ですが、14時半を過ぎると空席も増え、お酒をいただきながらのんびりくつろげる雰囲気となりましたが、空腹もほぼほぼ満たされている事から料理の追加は行わず、蕎麦とうどんの両方を楽しむことの出来る「ざる(合盛り)」を、小サイズではなく普通サイズでお願いします。


思った以上に時間が経過し、「合盛りは時間が掛かるのかな?。」と思い始めた頃に花番さんから「今、作ってますので・・・。」と声を掛けられます。そういえば、玉子焼を待っている時も、途中で「今、作ってますので・・・。」と声を掛けられました。そんな花番さんの接客振りを見ていると、丁寧な接客を心掛けている様子を随所に見ることができ、なかなか好印象です。


と、そんな事を感じながら蕎麦を待っていると、目の前にドン!っと蕎麦とうどんの合盛りが置かれます。
確かに、多くの方々が口コミサイト等に投稿している通り、蕎麦もうどんもそれぞれが1人前に近い量で、見ただけで手を付けてもいないのに「玉子焼は小サイズにすれば良かったかな?。」と感じてしまいます。

そして、まず蕎麦をほうじ茶のような薄い色合いの汁に付けていただいてみると・・・。
太く硬いという食感です。まぁ、それはそれで問題はありませんが、蕎麦をいただくには少々薄味かな?と感じてしまう汁でした。

続いて同じ汁にうどんを付けていただいてみると・・・。
蕎麦同様硬めですが、蕎麦には薄いと感じた汁との相性は良いようで、やや甘目と感じる出汁の旨みとモチモチのうどんが上手く絡み合ってなかなか美味しいです。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・志な乃』さんは、高級かつ上品というイメージをついつい抱いてしまう神楽坂の町にありながら、親しみ易い気さくな下町風情の感じられるお蕎麦屋さんでした。

そして、いつものように直ぐ出てくる料理と時間の掛かる料理の2品を蕎麦前でお願いしていたならば、もしかすると合盛りを食べ切るのは厳しかったかな?と思ってしまうほど、料理にしても蕎麦にしても量が多く、低コストで空腹をしっかり満たしてくれるお蕎麦屋さんでした。

というより、うどん屋さんという印象の方が強いかな?
ごちそうさまでした。


『満留賀・静邨@神田・神保町』さんの「海老入り卵焼き」

2015-11-13 14:55:00 | 東京23区(千代田区)

所用で都内へと出向いたことから、懐かしく思い出の多い町「神田・神保町」にある『手打蕎麦 満留賀・静邨』(せいそん)さんに立ち寄ってみました。

お店に到着したのが平日の15時前ということもあってか、柔らかい明かりに包まれた落ち着いた店内に先客の姿は無く、通し営業のはずですが、いかにも「これから中休みに入るところです」といった雰囲気です。


そんな静かな店内で、一人4人掛けテーブル席にゆったりと着いて早速料理のメニューに目を向けると、思いのほか品数も多く、いずれも良心的な価格に設定されているように感じられます。そして、あれこれ悩んだ結果、「あさり煮」と「海老入り卵焼き」をいただくこととし、お酒は、ビールの次に日本酒をいただこうと思うのでグラスビールをお願いすることにします。


グラスビールを飲みながらいただいた「あさり煮」は、クニュっとする浅蜊の食感と、それとは対照的にアッサリしたキュウリのシャキシャキっとした食感がなかなか良い感じです。また、浅蜊の旨味がしっかり感じられる甘さ具合も程良く、とても美味しい「あさり煮」でした。


グラスビールを飲み終え、追加でお願いした純米大吟醸「天鷹 心・生酒」を飲みながらいただいた「海老入り卵焼き」は、甘さの抑えられた玉子焼でしたが出汁がしっかり効いていて、プリプリっとしたほんのり甘い海老がとても美味しい玉子焼でした。

なお、いただいた栃木県の地酒「天鷹・生酒」は、辛くキリリとした口当たりがサッパリ飲み易く、スッキリ爽やかでありながら旨味の感じられる美味しいお酒でした。


美味しい料理とお酒に満足したところで蕎麦をいただきます。
いただいたのは「田舎せいろ」で、蕎麦刺しのように幅の広い、しっかり噛んで食べる硬目の麺で、1本1本じっくり噛み締めながらいただくことのできる蕎麦でした。なお、蕎麦汁はやや甘目ではありましたが出汁の効いた濃い目の汁で、食べ応えのある蕎麦と相性の良い美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦 満留賀・静邨』さんは、青々と生い茂った緑色の葉がアクセントになっている趣のある店構えで、一見高級そうに見えて入り難い雰囲気も感じられますがそのようなことは無く、親しみ易く丁寧な接客が好印象の落ち着いたお蕎麦屋さんでした。

また、日本酒は「天鷹」のみではありますが、中休みも無く料理も多彩であることから、神保町界隈をブラブラしながら昼下がりのマッタリした時間にフラリと立ち寄って、一人昼酒を楽しむことのできるお蕎麦屋さんではないかと思います。

ごちそうさまでした。


『玄@茅場町』さんの日本酒が似合う「揚ぎんなん」

2015-11-12 18:30:00 | 東京23区(中央区)

幕張での仕事を終えたその帰り道、東京メトロ東西線・茅場町駅近くにあって、風情のある落ち着いた佇まいの『手打そば・玄』さんに立ち寄ってみました。

お店に到着したのが18時半だったことから仕事を終えたサラリーマンで埋まっているかな?と思いましたが店内に先客の姿は無く、小さなカウンター席に一人ゆったりと着くことができました。

席に着いて、早速壁に掛けられている料理のお品書きを眺めると、刺身、天婦羅、焼き物などなど美味しそうな料理が多数並んでいることから、とりあえず生ビールをお願いし、それから再びお品書きをじっくり眺め、「かわはぎの肝和え」と「玉子焼」をいただくことにしました。


ビールと一緒に運ばれてきたお通しは、初めて口にする「柿の白和え」と酢味噌でいただく美味しい「キビナゴ」で、これからいただく料理への期待が高まる上品でお洒落なお通しでした。


まず目の前に置かれた「かわはぎの肝和え」は、醤油に付けていただくのではなく既に味付けされている、予想とは異なる姿と味の料理でしたが、歯応えも良く日本酒がほしくなる美味しい肝和えでした。

ということで、五勺からいただける日本酒の中から静岡県の地酒「本醸造・磯自慢」をお願いします。


追って運ばれてきた「玉子焼」は、甘さの押さえられた玉子焼でしたが、柔らか過ぎず硬過ぎずのフンワリ感がなかなか絶妙な、ホンワカした温かさが嬉しい玉子焼でした。


今日は、お店に到着した時間がいつもに比べて遅いことから蕎麦前もほどほどにして蕎麦にしようかと思いましたが、馴染みの年配ご夫婦1組が訪れているのみで混雑もしていないことから、やはりもう少し料理をいただこうと思い、「揚ぎんなん」と宮城県の地酒「純米・伯楽星」を追加でお願いします。

追加でいただいた「揚ぎんなん」は、塩加減も程良く、日本酒との相性がとても良い料理でした。


さて、最後に基本の「もり」をいただきますが、しっかりした歯応えの感じられる蕎麦で、蕎麦汁はどちらかというとやや甘目かな?という印象の、旨味の感じられる美味しい蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打そば・玄』さんは、4人掛けテーブル席2卓と5人掛けカウンター席のみというこじんまりとしたお店ではありますが、店内隅々にまで清潔感が感じられ、更にはBGMも無いことから静か過ぎる程静かで、お蕎麦屋さんというより小料理屋といった雰囲気のお蕎麦屋さんでした。

そして、花番さんを含めて職人気質の感じられる年配男性3名で営んでいましたが、接客と料理の質は高く、一人静かに憩いの一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。