蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『せんしゅう庵@伊勢原』さんの出来立て「10割り蕎麦」

2013-08-24 23:49:21 | 神奈川県(伊勢原市)

所用で神奈川県伊勢原市にある「伊勢原市総合運動公園」を訪れました。
13時半頃に所用が済んだ場合は、更に遠くへ足を伸ばしてみることも含め、昼食の選択肢が色々とありますが、14時過ぎの昼食となったことから、あれこれ動き回ることは止め、総合運動公園からわずか数分の所にある『讃岐・せんしゅう庵』さんというお蕎麦屋さんへ行ってみることにしました。

しかし、この『讃岐・せんしゅう庵』さんは15時から中休みに入るので、昼食を取る時間を踏まえるならば少し急がなければなりません。

「蕎麦売り切れました。」となっていないことを祈りながら急いでお店に向かい、14時半に到着すると、お店には丁度食事を終えたところの若い男女1組がいたのみで、なんとなく中休みに入る雰囲気です。
ご主人と目が合ったので「まだ大丈夫ですか?。」と聞いてみると、「大丈夫。」とのこと。
「良かった。」と思いながら一人席についてメニューを広げます。

今日は車なのでビールもお酒もいただきませんが、空腹なので蕎麦以外に何かいただこうと思い、おそらく手間が掛からず直ぐに出てくるだろうと思った「じゃこ天」をお願いすると、「今日は無い。」とのことです。
じゃあ、冷奴かな?と思いましたが、中休み前の営業時間残り30分ということで時間もあまりないので、残念ではありますが、今日はおとなしく最初から蕎麦をお願いすることにします。


そして、まだ残っているか確認してから「10割り蕎麦」と単品の「天婦羅」をお願いします。
天婦羅と蕎麦が出来るまでの待ち時間にメニューをもう一度眺めていると、「10割り蕎麦」は「御注文を承けてから蕎麦をつくる」と書いてあり、どうやら、注文を受けてから蕎麦を打つようです。
そのため少々時間を要しているようで、その間の時間潰しを兼ねて「やっぱり何か一品頼むべきかな?。」と思いましたが、ご主人が一人で接客と調理を切り盛りしているので声を掛けず静かに蕎麦を待ちます。


そして運ばれてきた、「十割り蕎麦の天せいろ」(十割り蕎麦+天婦羅)。
注文を受けてから蕎麦を打つとのことですが、手打ちにしては短い待ち時間で、また、手で打っている様子は感じられなかったので機械打ちかもしれません。

まず、蕎麦汁を付けず蕎麦のみをいただいてみます。
十割蕎麦なのでつなぎを使用せず純粋に蕎麦粉のみで作られていますが、やや粉っぽさが感じられるもののボソボソ感は無く、まるで二八蕎麦をいただいているかのような滑らかな喉越しで「いかにも蕎麦!」って感じです。
そして、打ち立てということもあってか、蕎麦の甘みが感じられ美味しいです。

次に少々甘めかな?と思われる蕎麦汁に付けていただいてみると、蕎麦汁が蕎麦をしっかり引き立てていて、力強い十割り蕎麦を更に美味しくいただくことが出来ました。

また、天婦羅はサクサクというよりフワフワという食感で、サラッとした印象の美味しい天婦羅でした。特に、「海老」のプリプリ感がとても良かったです。なお、下の写真では天つゆしか見えませんが、薬味の下に蕎麦汁用の蕎麦猪口があり、天婦羅は天つゆで、蕎麦は別猪口の蕎麦汁でいただきます。


今日は、蕎麦前をゆっくりいただく時間はありませんでしたが、食後に甘味をいただく時間はありそうだったので、最後に「そば寒天」をいただいて丁度15時に会計を済ませるつもりで食事を始めました。
しかし、蕎麦と天婦羅が運ばれてくると同時に暖簾を店内に移動し、ご主人もご自身の昼食を取り始めたので、結局、追加で「そば寒天」も頼むことができず、今日は「蕎麦」だけのお蕎麦屋さん訪問となってしまいました。

それにしても、中休み中のお蕎麦屋さんでご主人と2人でテレビを見ながら食事を取るのって・・・。
初めての経験で、ちょっと緊張気味で、写真も撮りにくく、なんとなく食べ難く、料理の記憶をしっかり残すことができなかったように思います。

そして、サッさとお店を出ないといけないかな?と感じてしまい、蕎麦湯も程々に会計をしようとしましたが、ここでご主人と色々お話しをする場となりました。

まず、十割蕎麦については、「(注文を受けてから作るので)蕎麦粉がある限りいつでも出来る。」とのこと、そりゃそうですね、「十割蕎麦まだありますか?」という数量限定品を頼む時の質問は愚問でした。
そして、「雨降らないよね。降ってくれないと困るんだ。」とのこと、「?」と思っていると、「薬味の葱は自家製なんだよね。俺が作ってる。」とのこと。それって食べる前に言ってほしいんですけど・・・。
だって、薬味使用しない人だから。今日だって、山葵の味見をしただけで、葱については手付けずです。知らなかったとはいえ、味見だけでもすれば良かった・・・。

最後に、「(中休みに入る直前の)時間の無い時に来てしまって・・・。」と言うと、「暇してたんだよね。」とのこと。
きっと、時間が無いからとあえておつまみは頼みませんでしたが、喜んで作ってくれたように思います。
そしてお店を出る時お店の外まで話をしながら見送りに来てくれるなど、一見、難しそうに見えるご主人ではありましたが、実はとても気さくで話し好きなご主人で、蕎麦あり、うどんあり、丼ものあり、定食あり、一品料理(おつまみ)あり、そして日本酒の品揃えが「飛露喜」、「十四代」等と、こちらも素晴らしい品揃えで、更には、地元のイベントを主催しているなど、地元に根付いた「おらが町のお蕎麦屋さん」という印象のお蕎麦屋さんでした。

まぁ、あえて言わせていただくならば、素晴らしいお酒の品揃えではありますが、公共交通機関を使用して訪れることが難しく、お酒を飲みながら美味しい料理をいただくことが出来ないというところが難点でしょうか?。


今日は時間も限られていたことから料理と蕎麦をゆっくりいただくことが出来ませんでしたが、ぜひもう一度訪れ、のんびりと、料理と蕎麦をいただきたいです。
ごちそうさまでした。美味しい十割り蕎麦でした。

そして、雨による大きな被害が日本各地で出ているので雨を期待することは不適切かと思いますが、美味しい食材が育つよう、伊勢原地区に適度な雨が降ることを静かにそっと願っています。