蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『蕎都@品川・戸越銀座』さんの満足感の高い「冬の天せいろ」

2017-12-15 17:50:00 | 東京23区(品川区)

東京都内での仕事を終えたその帰り道、都営地下鉄浅草線・戸越駅から徒歩5分程度のところにある『手打十割そば・蕎都』(きょうと)さんに立ち寄ってみました。

お店に到着したのは17時半を少し過ぎた時間で、インターネットでの事前確認によれば既に「商い中」になっている時間ではありましたがお店は閉まっていて、「臨時休業」という文字が頭の中をよぎります。

しかし、開店の準備に時間を要している場合や、インターネットで確認した開店時間が誤っている場合もあることから、とりあえずお店のある戸越銀座の中をブラブラと散策してから再び訪れてみると、店内には明かりが灯り看板も「商い中」となっていたことから、早速階段を登り暖簾を潜って店内に入ってみると・・・。


ラジオの放送がBGM代わりに流れている店内に先客と花番さんの姿は見えず、どうやらご主人が一人で接客と調理を担当しているようです

そして、「どこでもどうぞ」との案内だったことから、店内中央に掲示されているおすすめの料理とお酒のメニューが席から確認できる4人掛けのテーブル席に着こうかと思いましたが、一人で訪れていることもあり店内奥にある2人掛けのテーブル席に着くことにします。


席に着いて、生ビール(グラス)をお願いしてからメニューに記載されている「定番おつまみ」と店内中央に掲示されている「本日のおすすめ」料理を確認し、富山県産の「鯖のへしこ」(ぬか漬け)をお願いします。


「鯖のへしこ」はこれまでにも何度かいただいたことがありますが、これまでの物に比べて臭みが強いように感じられ、ビールではなく日本酒と共にいただきたい料理でした。


一番小さいサイズのグラスビールをいただいたこともあり、早々にビールが無くなったことから、「お燗でもおいしい」と紹介されていた福井県の地酒「純米酒・九頭龍」を冷やでお願いします。また、定番おつまみの中から「だし巻き」を一緒にお願いします。

追加でいただいた「だし巻き」は、甘さの抑えられたドッシリした食感で、浅草の「蕎上人」さんの玉子焼と同じく三つ葉(?)の入っている玉子焼でした。


なお、一升瓶からお酒を注いでくれた酒器ですが、コップのような縦長の片口にお酒を注ぎ、溢れたお酒が同じ皿に乗っている猪口に流れ落ちるという珍しい形の酒器で、自宅にぜひ欲しいです。


「鯖のへしこ」と「だし巻き」をいただき、そろそろ蕎麦をいただこうかな?と思いましたが、テーブルに置いてあった「冬の天せいろ」の天種がとても魅力的だったので、島根県宍道湖産のハゼを使った「ハゼ天せいろ」を天先でお願いしたところ、「冬の天せいろ」は天種の異なる5種類の天せいろがあるのではなく、5種類の天種がセットになった天せいろとのこと。

まぁ、ハゼの天婦羅のみならず下仁田葱や菜の花の天婦羅もいただくことができるということなので、特に問題も無いことからその「冬の天せいろ」を天先でお願いします。


いただいた天婦羅はいずれも美味しく、中でも、下仁田葱の天婦羅はトロミとシャキシャキ感の混ざった食感と甘味がとても好印象で、更に、素材の良さが生かされた舞茸の天婦羅は風味が良いなど、満足感を感じることのできる納得の天婦羅盛り合わせでした。


追って、声掛けでいただいた蕎麦は、しっかりした歯応えの感じられる細麺で、喉越しも良く、旨味のある蕎麦汁と共に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打十割そば・蕎都』さんは、賑わう戸越銀座の中にあることから、平日休日に関わらず早い時間から馴染みのお客さんを中心に地元の方々で賑わうお蕎麦屋さんかと思いましたが、訪れた日は先客も後客も無く、料理の品数こそ限られていましたが、ラジオ放送のBGMに耳を傾けながら仕事帰りに一人のんびりできるお蕎麦屋さんでした。

また、いただいた料理はいずれも満足感を感じることのできる美味しい料理ばかりで、東京都心から帰宅する途中に立ち寄るにしてもそれほど不便な場所でもないことから、もっと早く訪れれば良かったという思いを感じたお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『金碇庵@日本橋・蛎殻町』さんの初めていただく「カレーおでん」

2017-12-01 19:45:00 | 東京23区(中央区)

東京都内での仕事を終え、駅に向かいながら時計を見ると既に19時を過ぎており、このまま帰宅しようかな?とも思いましたが、空腹を感じていたことから日本橋界隈で夕食を取ってから帰宅することに決め、都営地下鉄浅草線・人形町駅から徒歩3分程度のところにある『碇そば・金碇庵』(きんじょうあん)さんへと向かってみることにしました。

お店に到着してまず外観を眺めてみると、クリスマスの飾り付けが施されているなど、どこからどう見ても居酒屋の雰囲気です。まぁ、問題はありませんが。


「きっと普通に居酒屋」というイメージを描きながら扉を開けてみると、店内には背中合わせのカウンター席が2つあるのみでテーブル席は見当たりません。そして、にこやかに微笑む花番さんの「どこでも良いです」という気さくな案内に従い、厨房に背中を向ける窓に向かって座るクリスマス一色のカウンター席に着きます。


席に着いて生ビールをいただきながら、2種類のメニューをあれこれ眺め、「栃尾油揚焼」と「ホタルイカ沖漬け」をお願いします。


まずいただいた「栃尾油揚焼」は、皿からはみ出る程の大きさで、空腹を満たしてくれる、食べ応えのある油揚げでした。


富山県の地酒「ひやおろし純米吟醸・銀盤」と共にいただいた「ホタルイカ沖漬け」は、ビールが似合いそうなピリ辛な味付けでしたが、スッキリした味わいの「銀盤」とも相性が良く、なかなか美味しいです。


料理が無くなったところで、席に着いた時から気になってしかたのない「カレーおでん」を追加でお願いします。


どのような料理なんだろうか?と興味津々の「カレーおでん」は、鉄鍋に入ったカレー汁の「おでん」で、料理名そのままの一品でしたがトロミの感じられるカレーがなかなか美味いです。

また、そばがき(かな?)が具として入っていて、「へ~、どうなんだろう?」と思いながらいただいてみると、何ら違和感を感じることも無く美味しいです。


さて、お蕎麦屋さんという雰囲気が全く感じられないことや口の中にカレー味が残っていることが影響しているのか、最後にいただく〆は蕎麦よりお茶漬け(かつ丼もあるのか・・・)に気持ちが向いてしまいましたが、その思いを振り切り基本の「もり」をお願いします。


いただいた「もり」は、目の前に置かれた時は量が多いかな?と感じたものの、いざいただいてみると、料理を十分いただいた後でもツルツルっと一気にいただくことのできる、喉越しの良い食べ易い蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『碇そば・金碇庵』さんは、カウンター席しかないのかな?と思いましたが、2階(3階?)で宴会が行われているようで、思いのほか多くのお客さんを受け入れることのできるお蕎麦屋さんのようです。

また、明るく楽しさの感じられるお店の雰囲気や、ストーブを何気なくそっとこちらに向けてくれるなど気さくで親しみの感じられる接客も好印象で、一人で訪れても楽しい一時を過ごすことのできる、「最後に蕎麦をいただくことのできる居酒屋」という印象のお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。