蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『あがれ家@信州・須坂』さんの「鴨の薫製」

2017-08-20 11:00:00 | 長野県(北信)

長野県・北信地方のお蕎麦屋さん巡り3日目(4軒目)に訪れたのは、長野県須坂市にある『十割手打ちそば・あがれ家』さん。

お店に到着したのが、開店時間には少々早い時間だったことから、お店の玄関口にいる人懐っこい犬と遊んだり、お店の外観を撮影したりしながら開店を待っていると、11時丁度にお店の扉が開き、同じく開店を待っていた若いご夫婦と一緒にお店に入ります。

店内は、靴を脱いで板の間に上がるスタイルで、板の間のテーブル席だと少々足が疲れるかな?と思いましたが、厨房の目の前にある囲炉裏を囲む席に案内されます。


席に着いてメニューをパラパラとめくりながら一通り眺めてみると、定番の一品料理に加えて季節限定の料理なども並んでいますが、お酒は北信地方の地酒よりも南信や新潟県の地酒が多いという品揃えで、馴染みのお客さんがよなよな集まる居酒屋さんという雰囲気が感じられます。


さて、料理も色々用意されていて、岩魚の甘露煮などそそる料理もありましたが、あれこれ悩んだ結果「鴨の薫製」をお願いすることとし、併せて十割のざる蕎麦にそば雑炊とそば団子の付いた「蔵そば」(セット)をお願いしますが「蔵そば」は「できない」とのこと。

なんとなくスッキリしないやり取りではありましたが、理由を確認したところでできない物はできないので、あきらめて「十割天ざる」をいただくことにします。


料理の注文を終え、ジャズが流れる店内を見渡したりメニューを改めて眺めたりしているうちに、まず抹茶塩(かな?)が添えられた天婦羅が漬物と一緒に目の前に置かれたので、早速海老をいただいてみると、プリっとした食感がとても美味しいです。


「お待たせしたから」との理由で大盛にしてくれた十割蕎麦は、歯応えも味わいもおとなしく、穏やかな食べ易い蕎麦でした。


そして最後に「鴨の薫製」をいただき、今年の北信地方のお蕎麦屋さん巡りが終了となりました。


今回、夏休みを利用して長野県・北信地方のお蕎麦屋さんをいくつか訪れてみましたが、お店の選定に当たっては、長野県の蕎麦のみを使用し、蕎麦打ち工程の全工程を手作業で行っている「信州そば切りの店」を看板に掲げているお店を2軒選んでみました。

その、「信州そば切りの店」でいただいた蕎麦は、個性を前面に押し出しているというよりは、どちらかというと「おとなしい」という印象ではありましたが、いずれの蕎麦も食べ易く美味しい蕎麦ばかりで、納得の長野県・北信地方のお蕎麦屋さん巡りとなりました。

ごちそうさまでした。


『樽瀧@信州・木島平』さんの「木島平米おにぎり」

2017-08-19 11:00:00 | 長野県(北信)

長野県・北信地方のお蕎麦屋さん巡り2日目(3軒目)に訪れたのは、木島平村の観光交流センター内にある『手打ちそば・樽瀧』さん。

お店のある木島平村観光交流センターには予定より随分と早く到着したことから、様々な村の名産品を販売している売店を覘いてみると、蕎麦のつなぎに使用するオヤマボクチが売っています。

売店の商品棚に並んでいる商品で、購入している訳でも無いので写真を撮ることはできませんが、オヤマボクチってこんな姿なんだ!って感じです。


さて、観光交流センターの内外をブラブラしているうちに暖簾が掛かり、早速店内に入ってみると、天井の高い古民家風の落ち着いた雰囲気でなかなか良い感じです。そして、席に着いてメニューを手にしてみると、各種の蕎麦に加えて天婦羅やお酒なども用意されていて、車で訪れているのでなければ、あれこれいただいてみたいところです。

ということで、残念ながらお酒をいただく訳にはいかないため、木島平産のお米で作ったおにぎりとオヤマボクチをつなぎに使用した二八の名水火口(ぼくち)そばと天婦羅がセットになった「樽瀧セット」をノンアルコールでいただくことにします。


いただいた「樽瀧セット」のおにぎりは、米の味を知ってもらうために具の無い塩おにぎりにしているとのことですが、熱々のふっくらしたおにぎりでとても美味しいです。また天婦羅は脂っこくなくアッサリしていて、素材の味が生かされたこれもまた美味しい天婦羅でした。

また、木島平産の蕎麦を自家製粉した地粉と平成の名水100選に選ばれた「龍興寺清水」を使用して打った二八蕎麦は、しっかりした腰のある蕎麦で、味わい豊かな辛汁と一緒に美味しくいただきました。


二八蕎麦がなかなか美味しかったので、十割蕎麦の「十割火口そば」を追加でいただいてみましたが、二八蕎麦の出来栄えが素晴らしいこともあり、二八蕎麦で十分満足できるかな?という感じでした。

ごちそうさまでした。



なお、昨日訪れた「かじか亭」さんでいただいた蕎麦と合わせて、オヤマボクチをつなぎに使用した蕎麦を計3枚いただきましたが、いずれの蕎麦もやや甘味の感じられる柔らかい味わいで、たまたま同じような味わいだったのかもしれませんが、それがオヤマボクチを使用した蕎麦の特徴でもあるのかもしれませんね。


『かじか亭@信州・富倉地区』さんの「笹ずしセット」

2017-08-18 13:30:00 | 長野県(北信)

戸倉で蕎麦をいただいた後、土砂降りの雨が降る中を更に北上して飯山まで移動です。

長野県には特長ある蕎麦の産地がいくつもありますが、今日2軒目に訪れるお蕎麦屋さんは飯山から妙高へ向かう国道292号線沿いの富倉地区にある『手打そば・かじか亭』さんです。

お店に到着したのは13時半で、広い敷地には数台の車が停まっていたことから数組のお客さんが訪れているのかと思いましたが、店内に先客の姿は無く、ご主人らしき方が店内奥で蕎麦を打っています。


席に着いて早速メニューを確認しますが・・・。
ここ富倉地区でいただける「富倉そば」は、オヤマボクチという山ゴボウをつなぎに使用しているのが特徴で、香りのよさと腰の強さが魅力とのことです。


ということで、ぜひその「富倉そば」をいただいてみようと思い、予習した通り、オヤマボクチをつなぎに使った蕎麦と笹ずしがセットになった「笹ずしセット」をいただくことにします。

なお、蕎麦を注文した際に「天婦羅バー」(店内に並べられている天婦羅のバイキング)を進められ迷いましたが、「笹ずしセット」のみをいただくことにします。


いただいた「富倉そば」は、腰が強いというイメージを過剰に膨らませてしまったためか、予想したほどの強い腰は感じられず、ツルツルっと食べ易い蕎麦でした。また、「笹ずし」は椎茸、くるみ(かな?)、錦糸玉子などがご飯の上に乗っていて、素朴で温かみの感じられる一品でした。

ごちそうさまでした。


お店のある富倉地区は、茅葺き屋根の民家がまだまだ数多く点在する小さな集落と雑誌に紹介されていましたが、紹介されていたような茅葺き屋根の集落を見ることはできませんでした。


『萱@信州・戸倉』さんの新鮮な 「信州サーモン刺身」

2017-08-18 11:00:00 | 長野県(北信)

昨年の夏休み、戸隠と鬼無里にあるお蕎麦屋さんで長野県・北信地方の蕎麦をいただきましたが、今年の夏も北信地方のお蕎麦屋さんをいくつか訪れてみることにしました。

まず訪れたのは、しなの鉄道・戸倉駅すぐ近くにある、萱葺き屋根が目印の『蕎麦料理處・萱』さん。
お店は、元々は酒蔵だったということもあって酒蔵の資料館や売店なども併設されていて、蕎麦をいただくだけではなく、お酒と相性の良い料理を肴に美味しい地酒をいただくことのできるお蕎麦屋さんです。


お店には、開店30分前の10時半頃到着しましたが、駐車場には既に複数の車が停められていて、平日とはいえ夏休みらしく家族連れの姿が目立ちます。また、建屋内の売店ではご主人らしき方がお客さんに利き酒を勧めていますが、車で訪れていることもあっていただくことはできず残念です。

そんな建屋内の様子を眺めながら蕎麦の提供が始まるのを待っていると、スッと障子が開き、不揃いな形をしたちゃぶ台のようなテーブルが複数並んでいる店内奥の座敷へと案内されます。


敷地内には観光客の姿が多数あり開店と同時に満席になってしまうのかと思いましたが、蕎麦を目的として訪れているお客さんは少ないようで、開店と同時に座敷へ上がったのは一人だけです。

さて、席に着いて早速メニューに目を向けてみると、鮎の天婦羅や十割のそば豆腐などそそる料理も多くあれこれいただきたいところではありますが、今日はこの後更に北信地方奥深くまで蕎麦をいただきに行く予定なので、食べ過ぎないよう、軽くいただける「信州サーモン刺身」をノンアルコールでお願いします。


いただいた「信州サーモン刺身」には、生醤油とごま醤油の2種類の醤油が用意されましたが、しっかり冷やされたサーモンは臭みも無く刺身そのものに上品さが感じられる美味しさで、2種類の醤油を交互に使いながら美味しくいただきました。


「信州サーモン刺身」が無くなりそうなタイミングで再びメニューを開いていただく蕎麦を選びますが、蕎麦のメニューは分かり易く、おそらく、二八蕎麦が「そばきり」で、その二八蕎麦を、くるみ、とろろ、そば汁の3種類の蕎麦汁でいただけるのが「千曲そば」。

その他に、限定十五食という競争率の激しそうな「十割そば」と、二八蕎麦と十割蕎麦が相盛りとなった「二種盛り」とがあります。

ということで、限定十五食の「二種盛り」をいただいてみることにします。
まずいただいた二八蕎麦は、蕎麦の風味がしっかり感じられる蕎麦で、出汁の効いた辛汁で美味しくいただきました。また、花番さんから塩で食べることを勧められた十割蕎麦は、腰がややおとなしいかな?という印象でしたが、喉越しの良い食べ易い蕎麦でした。

う~ん、確かに二八も十割も美味しいです。


長野県・北信地方のお蕎麦屋さん巡り1軒目に訪れた『蕎麦料理處・萱』さんは、酒蔵の資料館や売店などが併設されていることもあってか観光客が多く訪れるお蕎麦屋さんかもしれませんが、見た目も美しい美味しい料理と蕎麦をいただくことのできるお蕎麦屋さんでした。

また、座敷の床の間に日本酒がディスプレイされているなど美味しい日本酒をいただけるお蕎麦屋さんでもあることから、今度はぜひ電車で訪れ、美味しい料理を肴に地酒をじっくりいただいてみたいです。

ごちそうさまでした。


なお、蕎麦をいただく前に、日本の棚田100選にも選ばれている「姨捨の棚田」に立ち寄ってみました。
残念ながら青空を見ることはできませんでしたが、姨捨山の山腹に広がる2000枚もの棚田の向こうに善光寺平を望むことのできる美しい棚田でした。


『吉法師@学芸大学』さんの食べ応えのある「板わさ」

2017-08-15 13:25:00 |  東京23区(目黒区)

東急東横線・学芸大学駅から徒歩7~8分のところにある『手打ちそば・吉法師』さん。

週末の土日に15時まで営業していることから何度となく週末の昼下がりに訪れていますが、いずれも満席または臨時休業で、一度も席に着いたことの無いお蕎麦屋さんです。

しかし、夏休み中とはいえ平日の昼下がりなら席に着くことができるだろうと思い、夏休み中の平日を利用して訪れてみることにしました。

そして、もしかしたらお盆休みかもしれないということを覚悟しながら13時半頃訪れてみると、BGMの無い静かな店内に先客の姿は無く、いつ来ても満席という状況は一体何だったんだろうか?って感じです。


そんな静かな店内で、「どこでもお好きな席にどうぞ!」との案内に従い、3つある4人掛けテーブル席のうち最も入口に近いテーブル席に着いて一品料理のメニューを眺めてみると、うるか(鮎の塩辛)やめふん(オスの鮭の中骨に沿って付いている腎臓を使った塩辛)、蟹の内子(蟹の卵巣)といった、いかにも日本酒の肴といった料理が並んでいます。

ということで、めふんって経験無いな・・・と悩んだものの、空腹でもあることから珍味はパスして、瓶ビール(アサヒ熟撰プレミアムの中瓶)と一緒に「下関・板わさ」と「鴨焼」をお願いすることにします。


「下関」って言葉にどんな特長があるのだろうか?と思った「下関・板わさ」は、見た目こそゴクゴク普通の蒲鉾ではありますが、厚みのあるしっかりした歯応えに食べ応えの感じられる、美味しいというよりその食感に満足感を感じることのできる板わさでした。


続いていただいた「鴨焼」は、脂っこさの感じられない鴨焼で、七味をやや多めに添えて、ピリッとしたアクセントと共にサッパリ美味しくいただきました。


「鴨焼」をいただいている途中でビールが無くなったことから、飲んだことの無い静岡県の地酒「純米吟醸・正雪」(しょうせつ)をいただいてみることにします。また、鴨焼が残り少なっているので、時間がかかるかもしれない「玉子焼」を一緒にお願いします。


追加でいただいた「玉子焼」は、甘さは控えめでフワフワ感は感じられませんが、お酒のおつまみとしていただくには丁度良い味わいとふっくら感で、酒の肴に適したまずまずの玉子焼でした。

また、2階から運ばれてきた「純米吟醸・正雪」は、やや甘目の口当たりではありましたが、穏やかな日本酒らしい旨みとスッキリ感のバランスが良く、満足感を得られる美味しい日本酒でした。


今度は、「玉子焼」をいただいている途中で「純米吟醸・正雪」がなくなってしまい、そろそろ蕎麦のタイミングでもあることからどうしようか迷いましたが、日本酒と一緒に蕎麦をいただくのも楽しいことから、宮城県の地酒「特別純米・綿谷」と一緒に「天付せいろ」をお願いします。

「天付せいろ」はまず天婦羅のみが目の前に置かれ、何となくベタっとするのかな?という第一印象ではありましたが、いざいただきてみるとカラッと揚っていて、素材の良さが活かされた美味しい天婦羅でした。

なお、追って運ばれてきた蕎麦は田舎風の平打ち麺で、食べ応えのある蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・吉法師』さんは、何度となく訪れているもののなかなか席に着くことのできなかったお蕎麦屋さんでしたが、訪れた時は先客も後から訪れるお客さんもいない貸し切り状態で、逆に落ち着かないというドキドキ感を感じてしまいましたが、BGMの無い静かな店内で、美味しい料理とお酒をいただきながら平日の昼下がりを一人贅沢に過ごさせていただきました。

ごちそうさまでした。