「羽田空港に降り立った出張帰りにふらりと立ち寄れるお蕎麦屋さん」を調べていた際に見つけた、京浜急行電鉄空港線・糀谷駅近くにある『粋場蕎麦・ひさ奈』(すいばそば・ひさな)さん。
お店は、こじんまりとした商店街にありますが、そのお洒落な門構えとお店の作りから、町のお蕎麦屋さんでも小料理屋さんでもなく、「しっとりした大人の酒場」という佇まいです。
なお、お店の肩書きにある「粋場」という文字が気になったので、インターネットで「粋」という文字について調べてみると、「粋」という文字は「いき」とも「すい」とも読むことができ、「粋:いき」とは気持ちや身なりがさっぱりとあか抜けていて色気があること、「粋:すい」とは世情や人情に通じものわかりが良くさばけていること、とのことで、読み方によって微妙に意味合いが異なるようですが、外観から感じられる雰囲気の通り、「大人の酒場」といったお店ではないかと思います。
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そんな雰囲気の漂うお店に到着し、落ち着きのある外観を撮らせていただいてからお店の扉をそっと開けてみると、20時過ぎという時間もあってか店内に先客の姿は無く、「お好きなところにどうぞ。」との案内だったことから、4人掛けテーブル席をゆったり使わせていただくことにします。
そして、席に着いて早速メニューに手を伸ばしてみると・・・。
オレンジ色のメニューです。そう、目の前に見える厨房の入口に掛けられている暖簾もオレンジ色。お店の入口に掛けれれている暖簾も落ち着いたオレンジ色。更に、差し出された箸の袋もオレンジ色と、オレンジ色を基調とした色使いとなっていて、その理由までは分かりませんが、店内の落ち着いた雰囲気とマッチしていてなかなか良い色と思います。
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さて、メニューを開いてみると、蕎麦前の料理はレギュラーメニューを並べた「一品」と刺身を中心とした「本日の馳走」に分かれていたので、両方から一品ずついただこうと思い、とりあえず「あか貝菜の花ぬた」と「だしまき」を瓶ビールと一緒にお願いします。
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まず運ばれてきた「あか貝菜の花ぬた」は、味噌の味は控えめで、柚子の香りと赤貝のコリコリ感がなかなか好印象な、日本酒が恋しくなる料理でした。
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注文する際、「小さいサイズにもできますが・・・。」と言われてハーフサイズでお願いした「だしまき」は、甘い玉子焼が好きな者にとってはもう少し甘くても良いかな?と思ってしまう玉子焼でしたが、箸を入れると皿にジワリと出汁が溢れ出てくる程出汁の効いた玉子焼で、ハーフにせず普通サイズにすれば良かったと思う旨味タップリの玉子焼でした。
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お店は駅から徒歩数分の所にありますが、20時半過ぎということもあってか他にお客さんはおらず、また、お店の前を行き交う人の姿も少ないことから物音一つしない静まり返った空間となっていて、静か過ぎて緊張感を感じてしまうもののたまには一人静かに過ごすのも良いかな?と思い、何だろう?と思った「煮やっこ」とふくよかな旨口が特徴らしい福島県の地酒「純米無濾過原酒7号酵母・あけぼの」を追加でお願いします。
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その名前から湯豆腐のような料理かと思った「煮やっこ」は、蕎麦汁(かな?)で煮込まれた温かい料理で、汁の味はあまり感じられませんでしたが、揚げ玉のサクサクした食感がなかなか良い感じでした。
また、福島県の地酒「あけぼの」は、フンワリした甘味が心地良い美味しいお酒でした。
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福島県の地酒「あけぼの」が美味しかったのでもう1杯いただこうかと思いましたが、既に21時近くになっていることからのんびりもしていられず、蕎麦をお願いするために再びメニューを広げますが・・・。
テーブルの上に置かれている「御前せいろはゆずきりです」という紹介が美味しそうだったことから、その「ゆずきり」が含まれている「三色せいろ」をいただくことにします。
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いただいた「三色せいろ」は、しっかりした歯応えと蕎麦の風味が感じられる「せいろ」と、強過ぎず程良い腰の強さが美味しい荒挽き十割生粉打ちの「いなか」、そして「これは美味い、いただいて良かった!」と素直に思える美味しい季節の変わり蕎麦「ゆずきり」の3つが1つのざるに相乗りしていましたが、いずれの蕎麦も蕎麦汁を付けずにそのままいただいても十分に美味しい蕎麦でした。
なお、適当な辛さと出汁の効いた蕎麦汁もなかなかの美味しさで、納得の「三色せいろ」でした。
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今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『粋場蕎麦・ひさ奈』さんは、料理にもお酒にもこだわりの感じられる品揃えで、蕎麦も二色や三色、そして基本となるせいろ、いなか、御前せいろ、更には温かいかけやたぬき、きつねにまで小サイズがあるという、美味しい蕎麦前をしっかり楽しんで蕎麦を軽くしたり、蕎麦前を軽くして納得の蕎麦をしっかりいただくなど、どんな状況にも対応できるお蕎麦屋さんでした。
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また、店内は清潔感の感じられる、静かにジャズの音色が流れる落ち着いた空間で、出張帰りに疲れを癒しながら一人静かに憩いの一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。
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