蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『あお柚子@横浜・関内』さんの「会津の馬刺し」

2015-07-25 17:20:00 | 横浜市(中区)

横浜市営地下鉄・関内駅の、コンコースから地上へ上がる階段の途中にある『そば酒造・あお柚子』さん。

身近なところにありながら一度も訪れたことの無かったお蕎麦屋さんでしたが、土曜日の夕方、近くまで足を運ぶ所用があったことから立ち寄ってみることにしました。

暖簾を潜ったのは17時半近くで、そろそろお客さんが集まりだす時間かと思いましたが、先客は居酒屋として利用している男性2人組のみで、「土曜日の関内はこんなもんかな?。」という感じです。

そして、案内された店内中央の4人掛けテーブル席に着いて早速メニューを広げてみると、「そば屋ならでは」というメニューがあるなど「ここは蕎麦屋です」ということを主張していますが、料理も店内の雰囲気も居酒屋そのもので、それはそれで慣れた居心地の良い雰囲気ではありますが、お蕎麦屋さんに来ているということを考えると「ちょっと違うかな?。」という感じです。

そんなことを感じながら蕎麦前の料理をあれこれ考え、まず「大山(だいせん)鶏肝の山椒煮」と「会津の馬刺し」を生ビールと一緒にお願いします。


最初にいただいた「大山鶏肝の山椒煮」は、肝が弾力感の感じられるやや硬めのネットリしたペースト状になっていて、しっかりした歯応えのレバーといった食感です。また、肝には山椒が振り掛けられていましたが、山椒の風味はそれ程感じられず、もう少し山椒の風味が強くても良いかな?という感じでした。


次にいただいた「会津の馬刺し」は、醤油でいただく普通の馬刺しと勝手に思い込んでいましたが、お店の女の子が差し出したタレは「風味の良い胡麻塩タレ」と「醤油に自分で味噌を溶かす味噌タレ」の2種類で、「へ~、そうなんだ。」と思いながらも、どんな馬刺しをいただくことができるのかとても楽しみです。

ということで、まずは「胡麻塩タレ」で一切れいただいてみると・・・。
思った以上に柔らかい馬肉が美味しいのはもちろんのこと、風味の良いジャリジャリ感の感じられるややショッパイ塩タレが抜群に美味しく、クセになりそうな美味しさです。

また、「生の馬肉と味噌って合うんだろうか?。」と思いながら味噌を醤油に溶かした味噌タレでいただいてみると、味噌を醤油に溶かすのではなく、肉に味噌を乗せて、醤油をちょっとだけ付けていただくという食べ方でも良いかな?と思うほど味噌と馬肉の相性が良く、馬肉をとても美味しくいただくことができました。


馬刺しをいただいている途中で生ビールが空になったので、次のお酒をお願いしようと思います。
メニューと目の前に置かれているお酒用の冷蔵庫を眺めていると、日本酒の品揃えも良く、いつもなら迷わず日本酒をいただくところではありますが、暑さと喉の渇き具合からもう一杯生ビールをいただくこととし、併せて、ちょっと気になる「トマトと大葉のだし巻たまご」を追加でお願いします。


追加でいただいた「トマトと大葉のだし巻たまご」は、トマトの味わいはあまり感じられないものの、けして強くは無い控えめな大葉の風味がなかなか良いアクセントになっていて、「美味しい」というよりも、どう表現したら良いのか困ってしまう、過去に経験の無い「面白い味わい」の玉子焼でした。


さて、何となく一人で長居をする雰囲気でもないことから、蕎麦をいただくことにします。
いただいた「せいろ」は、しっかりした歯応えの感じられる蕎麦で、出汁の旨味が感じられる蕎麦汁もまずまずで、なかなか美味しい「せいろ」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば酒造・あお柚子』さんは、どこからどう見ても居酒屋で、「蕎麦屋で飲んでいる」というより「居酒屋で蕎麦を食べている」といった感じの、一人で蕎麦をいただくには少々違和感をどうしても感じてしまうお蕎麦屋さんでした。しかし、接客に当たっている親しみ易い女の子は愛想も良く、腰を据えてじっくり気分良くワイワイガヤガヤ楽しくお酒が飲めるお店でした。

ごちそうさまでした。


『中屋@横浜・野毛町』さんの「舞茸天ぷら盛り合わせ」

2014-10-15 18:45:00 | 横浜市(中区)

急遽一人で夕食を取ることになった水曜日の夜。
通勤途上にあって、軽く蕎麦前と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんで一人のんびりビールでも飲んでから帰ろうと思い、京浜急行電鉄・日ノ出町駅から徒歩5分程度の所にある『手打ちそば・中屋』さんへ立ち寄ってみることにしました。

夜19時前、パラパラと小雨が降る中を小走りでお店に駆け込むと、18人程度で満席となるサッパリした店内に先客の姿は無く、ご主人が一人でのんびりテレビを見てる最中でした。

席に着いて早速カードケースのメニューを確認すると、蕎麦あり、丼物あり、一品料理ありと予想以上に品数が多く、JRAの場外馬券所が近いということもあってか、「食べるお客さん」にも「飲むお客さん」にもそつなく対応できそうな多彩なメニューとなっています。

今回は、そんなメニューの中から瓶ビールと一緒に「板わさ」と、500円という低価格で提供されている「舞茸天ぷら盛り合わせ」をいただくことにしました。


まずは「板わさ」。
正直、それほど大きな期待を持ってはいませんでしたが、弾力感が好印象の、まずまずの蒲鉾でした。
また、添えられていたワサビは、生では無いと思いますが、それっぽく美味いワサビでした。


続いて「舞茸天ぷら盛り合わせ」。
500円という価格から、「どんな天婦羅が出てくるのだろうか?。」と思いましたが、食べ応えのありそうな大きな舞茸の天婦羅が目の前に置かれます。

その、予想以上に大きい天婦羅を早速いただいてみると、カラッとした食感というよりカリッとした食感(?)で、けして悪い訳では無く、ましてや美味しくないということは全く無く・・・。という、何と表現したら良いのか少々迷う微妙な天婦羅でした。なお、天汁はやや辛目で温かく、なかなか美味しい天汁でした。


さて、閉店時間まではもう少し時間がありますが、今日はビール1本だけで終わりにする予定なので、早めに「もり」をお願いします。

大盛りかと思うほど量の多い「もり」は、薄っすらと緑がかった色味の細麺で、やや硬めの食感ではありましたがまずまずの蕎麦でした。また、添えられていた薬味のワサビは粉ワサビを溶いた物(?)で、もしかしたら「板わさ」の方が良いワサビかな?と素人的には思ってしまうワサビでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・中屋』さんは、JRAの場外馬券所が近いということもあって、おそらく休日の日中は多くのお客さんで賑わっているのではないかと思います。

しかし、平日の夜は街中にひっそりと佇むお蕎麦屋さんで、閉店時間が早いという点で難しさがあるものの、コストパフォーマンスも良く、帰宅途中に「ビールでも軽く飲んで帰ろうかな?。」という突然の思い付きにしっかり応えてくれる、のんびりできる静かなお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『壱@横浜・関内』さんの地魚「松輪鯖」の刺身

2014-10-10 21:00:00 | 横浜市(中区)

横浜・関内で会社の行事があり、それなりに十分飲んだ後ではありましたが、料理が少なめだったということもあり、横浜市営地下鉄・関内駅から徒歩2~3分のところにある『蕎麦・酒・料理 壱(いち)』さんで蕎麦をいただいてから帰宅することにしました。

暖簾を潜ったのは夜21時頃でしたが、ゆったりした店内はカウンター席にもテーブル席にも空席が見られ、程好い混み具合と賑わいが心地良い、憩いの一時をのんびり過ごすことができそうな雰囲気です。

さて、カウンター席に着いて「軽いつまみとビール1本」と思いながらメニューを開いてみると、「神奈川の地酒」が並んでいる日本酒のページに目が止まります。そして、冊子になっているメニューとは別に「本日の刺身」という紙に書かれたメニューがあり、地元神奈川(走水と三崎)で水揚げされた地魚が並んでいます。


ということで、「軽いつまみとビール1本」という思いはあっけなく崩れ、三崎港で水揚げされた「松輪鯖」と蕎麦屋の定番メニューから「蕎麦屋の玉子焼き」をお願いし、そして止めときゃ良いのに地元神奈川の地酒「防空壕特別純米・天晴」をついつい一緒にお願いしてしまいました。


待つことも無く運ばれてきたお通しの「板わさ」を肴に、防空壕で熟成させた「天晴」をいただきますが、穏やかで飲みやすい口当たりとしっかりしたまろやかな味わいがなかなか旨いです。

また、お通しとしていただいた「板わさ」は、お通しの域を超えた立派な一品で、弾力のある歯応えと食べ応えのある厚みがなかなか良い感じです。なお、添えられているワサビは生ワサビでは無いと思いますが、それだけで酒の肴になる実に美味しいワサビでした。


「板わさ」を肴に「天晴」をいただいていると、キラキラ輝く「松輪鯖」の刺身が目の前に置かれ、「ほ~、なかなか旨そうだ!。」と思いながら1切れいただいてみると・・・。

な、な、なんと、まるで鮪のトロでも食べているかのようなトロミと旨味が感じられ、「これが鯖か?。」と思ってしまう、想像を超えた驚きの「松輪鯖」でした。


続いて、ホンワカした湯気を昇らせながら運ばれてきた「蕎麦屋の玉子焼き」は、焦げ目の無い綺麗な玉子焼で、「少々薄味かな?。」という印象でしたが、大根おろしとネギを絡めて美味しくいただきました。


この時点で、1軒目から合わせるとそこそこの量を飲んでいることから、「そろそろまずい。」と気付いて大人しく蕎麦をお願いすれば良いものの、居心地の良さと美味しい料理に気分も良くなり、「きっと天婦羅も美味しいはず。」との思いから「インゲンの天ぷら」を追加でお願いしてしまいます。そして、止めときゃ良いのに神奈川県の地酒「純米・昇龍蓬莱」をお願いしてしまいます。それもグラスでは無く一合で・・・。

柔らかい口当たりの「純米・昇龍蓬莱」を飲みながら「インゲンの天ぷら」をいただいてみると、サクサクッとした食感とインゲンの甘みがなかなか良い感じの、期待を裏切らない美味しい天麩羅でした。


十分過ぎる料理とお酒をいただき、蕎麦を食べる前に満腹かつ薄い記憶になってしまいましたが、蕎麦を食べない訳にはいかないことから最後に「もり」をお願いします。

いただいた「もり」は、スマホにメモったことすらよく覚えていないメモによると、コシのある少々硬めの食感ですが、出汁の効いた蕎麦汁との相性が良く、満腹でありながら美味しくいただくことの出来る蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦・酒・料理 壱』さんは、お店を切り盛りしている若い(?)男性の柔らかい接客がとても好印象のお蕎麦屋さんでした。そして、ゆったりした空間とジャズの流れる静かでお洒落な佇まいがとても心地良く、仕事帰りに一人でフラッと立ち寄って、美味しい料理とお酒と蕎麦をいただきながらのんびり憩いの一時を過ごすことの出来るお蕎麦屋さんでした。

そんな好印象のお蕎麦屋さんだっただけに、終盤の記憶が薄くなってしまったことが少々残念でした。

ごちそうさまでした。


『凜正庵 宗由@横浜・関内』さんの「馬刺し盛り合わせ」

2014-07-19 17:40:00 | 横浜市(中区)

家族4人がそれぞれで夕食を取ることになった7月中旬の土曜日、JR根岸線・関内駅から徒歩5分程度の所にある『古式手打ち蕎麦・凜正庵 宗由』(りんしょうあん そうゆ)さんへ行ってみました。

暖簾を潜ったのは夕方17時半過ぎでしたが、さすが「土曜日の関内」。平日なら仕事を終えたサラリーマンが行き交う町も人影が少なく、先客も年配の集まり1組だけと、何ら問題なく席に着くことができました。

ちなみに、1時間半ほど信州の地酒と料理をいただきながらのんびりさせていただきましたが、後から来店したお客さんは無く、先客1組が帰ってからお店を出るまでの約1時間、1人で関内のお蕎麦屋さんを貸し切っていた状態でした。

そんな、少々静か過ぎて何だか落ち着かない雰囲気の中、まず、生ビールと一緒に「厚焼玉子」と「野沢菜」をお願いします。そして、お通しを肴にビールを飲み始め、「野沢菜って、切って盛るだけじゃないのかな?。」と思い始めたところに、予想とは異なり「厚焼玉子」が最初に運ばれてきます。

時間が掛からず運ばれてくると、「作り置きかな?。」と思ってしまいますが、全くそのようなことはないようで、しっかりした歯応えでフンワリ感は感じられませんが、好みの甘い玉子焼で美味しいです。


しばらくして運ばれてきた「野沢菜」は、普通と言ってしまえば普通ではありますが、みずみずしくシャキッとした食感がなかなか良い感じの「野沢菜」です。


玉子焼とビールが無くなったところで信州の地酒をいただこうと思い、メニューにある「信州の日本酒」という欄に目を向けると、飲んだことの無い銘柄が並んでいてどれにしようか迷いますが、「真澄」と同じ諏訪の地酒「純米酒・麗人」をいただくことにします。


また、信州料理の1つである馬肉料理を一緒にお願いしますが、こちらのお店ではメニューに「馬肉」という欄があり、色々な馬肉料理をいただくことができるようです。

今回は、「馬たん燻製」という料理に目が止まったものの、オーソドックスに特上ロースとこおね脂(たてがみ)が盛り合わせになった「馬刺し盛り合わせ」をお願いすることにします。


お願いした「馬刺し盛り合わせ」には、一般的に添えられている生姜とニンニクの他に山葵が添えられていて、馬肉に山葵というあまり経験のない組み合わせですが、サッパリした味わいでまずまずです。


また、馬刺しは量が多く、食べている途中でお酒がなくなったので、メニューを見た時から気になっていた佐久市の地酒「吉田屋治助」をお願いしようと思い、接客に当たっているお姉さんに声を掛けたところ・・・。

なかなか日本酒に詳しいお姉さんで、「これはお勧めしない。」、「これは最近飲んだ中では美味しい。」などなど色々なアドバイスをくれます。そして、あれこれ相談した結果、壁に貼られていた長野県の純米酒 「斬九郎・無鎖志」(ざんくろう・むさし)をいただくことにします。


この、純米酒 「斬九郎・無鎖志」という地酒は、こだわりの減農薬米・美山錦を使用して米の旨味と味わいを十分に引き出した日本酒とのことで、しっかりした甘みと深く濃い味わいの感じられる日本酒ではありますが、ベタベタ感としつこさの無い、まずまずの純米酒です。

料理をタップリいただき腹も満腹に近づいてきていることから、そろそろ蕎麦をいただこうと思い再びメニューを広げ、「戸隠」という名前の付けられている、細打ちの普通のざる蕎麦をお願いします。


目の前に置かれた「戸隠」(細打ちの普通のざる蕎麦)は、メニューに書かれていた説明書きによると、冷水でしめた後、戸隠名産の竹細工に水を切らないまま盛りつけているとのこと。また、「ぼっち盛り」とよばれる一人前を五つの塊にわけて盛っているとのことです。

その、取りやすく盛られている蕎麦を早速いただいてみると、細く硬めの蕎麦でしたが、水分が多いためか滑らかな喉越しで、しっかりした辛口の蕎麦汁にタップリ付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『古式手打ち蕎麦・凜正庵 宗由』さんは、関内というビジネス街の中心にあるお蕎麦屋さんで、料理にやや時間が掛かるかな?と感じるところはあるものの、高級店という印象は無く、好感のもてる自然な接客が好印象のお蕎麦屋さんでした。

と、気分良くお店を後にしましたが、目が止まったにも関わらずいただかなかった「馬たん燻製」と佐久市の地酒「吉田屋治助」が頭に残ってしまったことから、ぜひもう一度「土曜日の関内」を訪れ、「馬たん燻製」を肴に佐久市の地酒「吉田屋治助」をいただきたいと思います。

ごちそうさまでした。


『出嶋屋本店@伊勢佐木町』さんの「板わさ4種盛り」

2014-04-05 22:38:17 | 横浜市(中区)

桜の名所、横浜・大岡川の桜並木で桜の写真撮影を行い、撮影終了後、昼食を取るために横浜市中区・伊勢佐木モール6丁目にある明治38年創業の老舗蕎麦屋『そば処・出嶋屋本店』さんへ行ってみました。

お店は人通りの多い伊勢佐木モールにあり、時間に関わらず常時混雑しているというイメージのお店でしたが、やはり14時という時間はお蕎麦屋さんにとってマッタリした時間なのか、2人掛け、4人掛け合わせて10席程あるテーブル席はパラパラと埋まっている程度でした。


そして、ピリッとした緊張感が感じられるものの、「昼酒OK」という気さくで馴染みやすい雰囲気の漂う店内で、4人掛けテーブル席に着いて瓶ビールと「厚焼玉子」と、玉子焼よりも高価な「板わさ」をお願いします。


それにしても・・・。
何にしようか迷った割にはいつもと変わり映えしない注文で、「飽きない?。」と言われてしまいそうですが、同じ料理でも、お店によって味も形も異なるので食べ比べるのも楽しいものです。

ということで、簡単に言ってしまえばただの蒲鉾ですが、盛り合わせだったり、山葵漬けが添えられていたり、細工されていたりと、あれこれ工夫されていることの多い「板わさ」がまず運ばれてきます。

今日の「板わさ」は、小田原・鈴廣さんの白い蒲鉾と、黄色い玉子焼、濃い緑色の葉物の海苔巻、そして赤いカニカマと、「彩」の考えられた4種盛りになっていて、山葵漬けが添えられているなど「一品料理」というより「酒の肴」という言葉が似合いそうな一品です。
なお、蒲鉾には小田原・鈴廣さんの物が使用されているということで、歯応えの良い美味しい蒲鉾でした。


続いて、正直、大きな期待を抱いていなかった「厚焼玉子」。
しかしこの玉子焼、箸で一切れつまんで持ち上げてみると、切り口から美味しそうな湯気が立ち上るホンワカフカフカの玉子焼で、しっかりした甘さの感じられる実に美味しい玉子焼です。

なお、玉子焼は先にいただいた「板わさ」にも付いていましたが、歯応えも味わいも、そして温かさも異なる玉子焼で、「板わさに付いているから・・・。」と思うことなくいただいて正解だったと思える一品です。


美味しい玉子焼に気分を良くしたことから、お酒と料理を追加してもう少しのんびりさせてもらおうと思い、再びメニューを眺めると、日本酒は、福島県の「飛露喜」(今日は品切れでした。)、茨城県の「来福」、長野県の「水尾」といったこだわりの感じられる充実したラインナップです。

そんな素晴らしいラインナップの中から、飲んだことのない茨城県の地酒「来福」(らいふく)をお願いし、併せて「野菜の天麩羅盛合」をお願いすることにしました。


初めていただく「来福」は、スッキリサッパリした味わいでありながら後味はやや辛口かな?という感じの日本酒で、納得の1本です。

また、塩か天汁かを注文時に聞かれた「野菜の天麩羅盛合」(お願いしたのは「塩」)は、初めから塩が振り掛けられていて、「足りなかったら言ってください。」とのことでしたが適当な塩加減でした。

なお、天婦羅は好みの分かれるところと思いますが、カラッと仕上がっている天婦羅ではなく、柔らかい(?)食感の天婦羅でしたが、食材の味わいがしっかり感じられる天婦羅でした。


さて、長野県の地酒「特別純米酒・水尾」に心が動いたものの、それよりも店内に張り紙されている「桜ゼリー付き・桜切りそば」の文字が気になってしまい、お酒のおかわりはせず蕎麦をいただくことにします。

お願いした「桜ゼリー付き・桜切りそば」ですが・・・。
過去にいただいた「桜切りそば」の多くはほんのりピンク色に染まっていましたが、今日いただいた「桜切りそば」は普通の蕎麦と変わらない見た目です。しかし、蕎麦汁を付けずに蕎麦だけをいただいてみると、桜の風味がしっかり感じられる蕎麦で、満足感の高い蕎麦でした。


そして「桜ゼリー」。
ピンク色した桜の香り漂うゼリーを想像しましたが、桜の花が中に入っている透明のゼリーで、春を感じながらサッパリ美味しくいただきました。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・出嶋屋本店』さんは、小奇麗でお洒落なお蕎麦屋さんでは無いかもしれませんが、BGMの代わりにTVが付いていたり、お品書きの張り紙が店内のあちこちに貼られていたり、小学生の頃に溜り場となっていた駄菓子屋さんにいたようなちょっと無愛想で怖そうなおばちゃん(すみません)がいるなど、なんだか昭和時代にタイムスリップしたかのようなお蕎麦屋さんでした。

そして、季節を味わうことの出来る「変わりそば」に力を入れていたり、焼酎や日本酒の品揃えがマニアックだったり、更にはどの料理もみんな美味しかったりと、蕎麦を食べに来たお客さんにもお酒を飲みに来たお客さんにも満足してもらえる庶民のためのお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。