蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『玄武@横須賀中央』さんの数量限定「玄武蕎麦御膳」

2013-06-30 23:52:41 | 神奈川県(三浦半島)

神奈川県横須賀市(横須賀市と言っても三崎口)にあるグラウンドで我が家の息子が出場する高校ラグビーの試合が行なわれ、その帰り道、うちの奥さんと二人で横須賀に立ち寄って昼食を取りました。

昼食を取るために立ち寄ったお店は、京浜急行電鉄・横須賀中央駅から程近い、『古式手打ち会津そば・玄武』さんという、福島県会津地区・猪苗代地区で採れた香り豊かなそば粉のみを使用し、つなぎを使わず水だけで打った「十割蕎麦」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんです。

入口のすぐ横で自動の石臼がそば粉を挽いているお店に到着したのは13時を少し過ぎた時間でしたが、ゆったりしている座敷も広々としているテーブル席も、そしてカウンター席も全て埋まっている状態(相席はせず、多くは4人席を2人で使用している状態)で、10分ほど待って店内奥のテーブル席に着くことができました。

席に着くと、改めてテーブルの広さとゆったりした空間を感じることができ、そして、会津地方の郷土玩具「赤べこ」が飾られているなど店内は民芸調にまとめられていて、なかなか落ち着きのある雰囲気です。


席に着いて早速メニューを見てみると、福島県の地酒を中心とした日本酒のメニューはありますが、一品料理の欄がありません。お昼時は混雑しているようだし、周りを見渡してもお酒を飲んでいるお客さんは見当たらないので、一品料理は夜のお楽しみなのかもしれません。


ならば、酒の肴にも出来る天麩羅が付いた蕎麦にしようかと思いましたが、「そばがき」、「季節の煮物・和え物」、「豆腐味噌漬け」、「季節のお魚」、「季節のかき揚げ」といった料理と「手打ち十割そば(もり/かけ)」、更には「甘味」まで付いている数量限定の「玄武蕎麦御膳」という御膳が目に止まります。
これならば、お酒を飲みながら料理をいただき、そして蕎麦もいただくことが出来ます。

しかし、蕎麦と料理が同時に出てきてしまうという望ましくない状況も過去に経験したことがあるので、念のため「御膳は蕎麦を後にできますか?。」と腰の低い丁寧な男性店員さんに確認したところ、「蕎麦は元々最後です。」との事でしたので、生ビールと声掛けで「玄武蕎麦御膳」をいただくことにしました。

そして、混雑しているので待つかな?と思いましたが、さほど待つことも無く、まず「そばがき」が2種類の汁と共に運ばれてきます。2種類の汁は蕎麦汁(丸皿)と生醤油(四角皿)で、交互に食べてみましたが、やはり「そばがき」は蕎麦汁でいただいた方が美味しくいただけるように思います。


「そばがき」を食べ終え、しばらくして目の前に御膳の料理が運ばれてきます。
メニューの写真と実際とで異なる場合もあることから過剰な期待はせずに待っていましたが、目の前に姿を見せた料理は期待以上の内容です。

しかし、「見た目は良くても味が・・・。」という場合もあるので、とりあえずポツポツつまんでみると・・・。
これがまた、全体的に穏やかな大人の味わいで美味しいです。


中でも、俵状になっている生姜御飯(?)がなかなか良い味を出していて、酒の肴にもできる美味しい御飯です。
見て良し、食べて良しの美味しい料理をいただいているとついつい飲みたくなってしまい、福島県の地酒「末廣・生酒」(冷酒)をお願いしますが、こちらもまろやかな口当たりで、簡単に酔ってしまいそうな美味しさです。


美味しい料理とお酒で満足感が膨らんだところで蕎麦をお願いします。

まずはいつものように蕎麦汁をちょっぴり舐めてみると、蕎麦汁を猪口に注いだ時に感じた「濃いのかな?。」という見た目の印象とは異なりあっさりしていますが、少々しょっぱいかな?という感じです。

また、麺は十割蕎麦ということでコシの強い硬めという印象ですが、ボソボソ感や粉っぽさを感じることも無く、滑らかで喉越しの良い美味しい十割蕎麦です。

なお、「そばがき」にも添えられていた山葵ですが、蕎麦と絡めずそのまま酒の肴としていただくことも出来る美味しい山葵でした。


最後にいただいた「甘味」ですが、いただいたことは覚えているものの、やはり「末廣・生酒」(冷酒)に酔っていたのか記憶が薄く、残念ながら「甘味」のことを書くことはできません。ちょっと反省です。


今日はうちの奥さんが同行していて、かつ訪れた場所が三浦という事もあって、以前訪れたことのある三浦海岸のお寿司屋さんとの間で大きく揺れ動いた今日のお店選びでしたが、丁寧な接客と落ち着いた雰囲気がとても好印象の美味しいお蕎麦屋さんで良かったです。
そして、うちの奥さんから「美味しかった。」という言葉を聞くことが出来てホッと一安心です。

そうなんです。
うちの奥さんと一緒にお蕎麦屋さんを訪れる場合、お店の選定に当って「ランチセットがあるなど女性が喜びそうなお店」、「綺麗でおしゃれなお店」、「確実に美味しいお店」といった条件を意識し過ぎてしまい、その結果、美味しい料理と蕎麦であることは間違いないものの、なんとなく外してしまっているのかな?という思いを心の中に抱いていただけに、これでようやく呪い(?)から解き放たれたという感じです。

美味しい料理と蕎麦を、そして憩いの一時をごちそうさまでした。


山里の蕎麦屋『和か菜@葉山』さんの「そば団子」

2013-03-17 23:17:37 | 神奈川県(三浦半島)

横須賀から葉山へと向う山の中の道路沿いには意外とお蕎麦屋さんがあって、交通の便が必ずしも良くはありませんが、中にはいつ行っても混雑している(らしい)お店もあります。

そして桜の花がポツポツと開き始めた穏やかな日曜日、うちの奥さんと二人で田園風景が広がる葉山の山里にある『手打そば・和か菜』さんへ行ってみました。

訪れた方々の訪問記などを事前にインターネットで調べてみると、「いつ行っても混雑している。」、「待たずに入れることが無い。」という声が目に付いたことから早目に家を出て、開店25分前の11:05に到着しましたが、駐車場で車の誘導をしてくれているおじさんに名前と人数と席の希望(テーブル/座敷)を伝えると3番目でした。

開店までは少し時間があるためお店の裏手に広がる棚田を眺めたり、付近に咲いている梅を眺めたりと、山里の風景を楽しみながら時間をつぶしていると、開店5分前に名前が呼ばれ、キビキビと動いている女性の店員さんに案内され、2人席に着きます。

■裏手に広がる棚田。左端の建屋が『和か菜』さんです。■

『手打そば・和か菜』さんは、「胡麻豆腐」と季節の変わり蕎麦「柚子切り」、そして「せいろ」と「芥子切り」と「茶そば」がセットになった「三色(そば)」に人気が集まっているようですが、今日は天ぷらが食べたかったことから「天ぷら盛り合わせ」と「三色(そば)」をいただくことにし、うちの奥さんは「鴨せいろ」をいただくことにしました。

なお、今日は車で来店したことからノンアルコールですが、メニューを見ると、「限定純米吟醸・東北泉」や「純米吟醸冷酒・独楽蔵」といったこだわりの感じられる日本酒が並んでいます。

また、一品料理の欄が「酒友」という名前だったりと、酒飲みの心を揺さぶるメニューではありますが、ほとんどのお客さんが車で来店しているということもあってかノンアルコールのお客さんが多く、蕎麦前を楽しむお蕎麦屋さんというより、純粋に蕎麦を楽しむお蕎麦屋さんという雰囲気です。また、窓からは裏手に広がる棚田を眺めることができ、お蕎麦を食べるための山里のお蕎麦屋さんという感じです。

そんなことを感じながら清潔感の漂う落ち着いた店内を見渡すと、開放感のある高い天井には和の雰囲気が感じられるライトとシーリングファンが取り付けられていてなかなかお洒落です。

そしてしばらくすると「天ぷら盛り合わせ」が運ばれてきました。
和食器に丁寧かつ綺麗に盛り付けられている「天ぷら盛り合わせ」は、ししとう、しいたけ、レンコン、海老、蟹、イカなど具材の種類も多く、食べる前に目で楽しむことの出来る一品で、ほんのり感じられる胡麻油の香りがとても良いアクセントになっていて美味しいです。


追って運ばれてきた「三色(そば)」は、「せいろ」と抹茶の味わいがしっかり感じられる「茶そば」と「芥子切り」の山が並んだ蕎麦で、食べ応えのある蕎麦です。なお、蕎麦汁は少々濃い目ですがスッキリした蕎麦汁でした。


お蕎麦屋さんを訪れる時の多くは、まず料理とお酒を蕎麦前でいただき、最後に蕎麦で締めるという流れですが、今日はお酒をいただいていないということもあり、蕎麦をいただいた後に「そば団子」をいただくことにしました。

「そば団子」は、田舎あんをそばがきでくるみ、その上に黄粉をまぶした団子で、柔らかいのにしっかりとした歯応えのある、甘さ控えめの団子でした。


最後にほうじ茶をいただきながらホッと一息ついていると、順番を待っているお客さんがお店の中だけではなく屋外の庭にもたくさんいることに気付きました。さすがに待っているお客さんがたくさんいるとなるといつまでものんびりしている訳にもいかないため、慌ただしく席を立ちました。

「噂通り混雑がすごいや!。」なんて思いながら帰路に着きましたが、駐車場を出る際にも続々と車がやってくる状況で、あまり時間を掛けずに蕎麦を食べて帰宅する方には良いですが、棚田の広がる山里の風景を眺めながらお酒と料理と蕎麦をのんびり楽しみたい方には、残念ながらもしかしたら不向きなお店かもしれません。

ごちそうさまでした。