神奈川県横須賀市(横須賀市と言っても三崎口)にあるグラウンドで我が家の息子が出場する高校ラグビーの試合が行なわれ、その帰り道、うちの奥さんと二人で横須賀に立ち寄って昼食を取りました。
昼食を取るために立ち寄ったお店は、京浜急行電鉄・横須賀中央駅から程近い、『古式手打ち会津そば・玄武』さんという、福島県会津地区・猪苗代地区で採れた香り豊かなそば粉のみを使用し、つなぎを使わず水だけで打った「十割蕎麦」をいただくことの出来るお蕎麦屋さんです。
入口のすぐ横で自動の石臼がそば粉を挽いているお店に到着したのは13時を少し過ぎた時間でしたが、ゆったりしている座敷も広々としているテーブル席も、そしてカウンター席も全て埋まっている状態(相席はせず、多くは4人席を2人で使用している状態)で、10分ほど待って店内奥のテーブル席に着くことができました。
席に着くと、改めてテーブルの広さとゆったりした空間を感じることができ、そして、会津地方の郷土玩具「赤べこ」が飾られているなど店内は民芸調にまとめられていて、なかなか落ち着きのある雰囲気です。
席に着いて早速メニューを見てみると、福島県の地酒を中心とした日本酒のメニューはありますが、一品料理の欄がありません。お昼時は混雑しているようだし、周りを見渡してもお酒を飲んでいるお客さんは見当たらないので、一品料理は夜のお楽しみなのかもしれません。
ならば、酒の肴にも出来る天麩羅が付いた蕎麦にしようかと思いましたが、「そばがき」、「季節の煮物・和え物」、「豆腐味噌漬け」、「季節のお魚」、「季節のかき揚げ」といった料理と「手打ち十割そば(もり/かけ)」、更には「甘味」まで付いている数量限定の「玄武蕎麦御膳」という御膳が目に止まります。
これならば、お酒を飲みながら料理をいただき、そして蕎麦もいただくことが出来ます。
しかし、蕎麦と料理が同時に出てきてしまうという望ましくない状況も過去に経験したことがあるので、念のため「御膳は蕎麦を後にできますか?。」と腰の低い丁寧な男性店員さんに確認したところ、「蕎麦は元々最後です。」との事でしたので、生ビールと声掛けで「玄武蕎麦御膳」をいただくことにしました。
そして、混雑しているので待つかな?と思いましたが、さほど待つことも無く、まず「そばがき」が2種類の汁と共に運ばれてきます。2種類の汁は蕎麦汁(丸皿)と生醤油(四角皿)で、交互に食べてみましたが、やはり「そばがき」は蕎麦汁でいただいた方が美味しくいただけるように思います。
「そばがき」を食べ終え、しばらくして目の前に御膳の料理が運ばれてきます。
メニューの写真と実際とで異なる場合もあることから過剰な期待はせずに待っていましたが、目の前に姿を見せた料理は期待以上の内容です。
しかし、「見た目は良くても味が・・・。」という場合もあるので、とりあえずポツポツつまんでみると・・・。
これがまた、全体的に穏やかな大人の味わいで美味しいです。
中でも、俵状になっている生姜御飯(?)がなかなか良い味を出していて、酒の肴にもできる美味しい御飯です。
見て良し、食べて良しの美味しい料理をいただいているとついつい飲みたくなってしまい、福島県の地酒「末廣・生酒」(冷酒)をお願いしますが、こちらもまろやかな口当たりで、簡単に酔ってしまいそうな美味しさです。
美味しい料理とお酒で満足感が膨らんだところで蕎麦をお願いします。
まずはいつものように蕎麦汁をちょっぴり舐めてみると、蕎麦汁を猪口に注いだ時に感じた「濃いのかな?。」という見た目の印象とは異なりあっさりしていますが、少々しょっぱいかな?という感じです。
また、麺は十割蕎麦ということでコシの強い硬めという印象ですが、ボソボソ感や粉っぽさを感じることも無く、滑らかで喉越しの良い美味しい十割蕎麦です。
なお、「そばがき」にも添えられていた山葵ですが、蕎麦と絡めずそのまま酒の肴としていただくことも出来る美味しい山葵でした。
最後にいただいた「甘味」ですが、いただいたことは覚えているものの、やはり「末廣・生酒」(冷酒)に酔っていたのか記憶が薄く、残念ながら「甘味」のことを書くことはできません。ちょっと反省です。
今日はうちの奥さんが同行していて、かつ訪れた場所が三浦という事もあって、以前訪れたことのある三浦海岸のお寿司屋さんとの間で大きく揺れ動いた今日のお店選びでしたが、丁寧な接客と落ち着いた雰囲気がとても好印象の美味しいお蕎麦屋さんで良かったです。
そして、うちの奥さんから「美味しかった。」という言葉を聞くことが出来てホッと一安心です。
そうなんです。
うちの奥さんと一緒にお蕎麦屋さんを訪れる場合、お店の選定に当って「ランチセットがあるなど女性が喜びそうなお店」、「綺麗でおしゃれなお店」、「確実に美味しいお店」といった条件を意識し過ぎてしまい、その結果、美味しい料理と蕎麦であることは間違いないものの、なんとなく外してしまっているのかな?という思いを心の中に抱いていただけに、これでようやく呪い(?)から解き放たれたという感じです。
美味しい料理と蕎麦を、そして憩いの一時をごちそうさまでした。