蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『はや川@東京・東村山』さんの美味しい「寄せ豆腐」

2016-09-25 11:30:00 | 東京都(東村山市)

先週同様、大学ラグビーの試合観戦のために東京都・小金井市を訪れ、試合観戦前に、日頃訪れる機会の無い西武線沿線にあるお蕎麦屋さんで昼食を取ることにしました。

昼食を取るために訪れたのは、西武新宿線・東村山駅から徒歩3分程のところにある『そば季彩・はや川』さんで、窓の無いその外観に、初めて訪れるお蕎麦屋さんという緊張感が更に高まります。

お店には開店時間の11時半に到着したことから、慌てる必要も無く、まずはお店の前に置かれているメニューをザッと眺めてみると・・・。

「池酒」?。
単なる間違いなのか、そう見えるだけなのか、意図があるのかは分かりませんが、いずれにしても、美味しいお酒があるという、その嬉しい案内に高まった緊張感が和らぎます。


扉を開けて店内に入ると、清潔感の感じられる小ざっぱりしたフロアが目の前に広がり、看板の案内通り「美味しい地酒」を楽しむことができそうな、心地良い雰囲気が漂っています。

そして、人当たりの柔らかい花番さんの案内に従い、店内中央にある8人掛けの大きなテーブル席に着いてとりあえず瓶ビール(エビス中瓶)をお願いし、それから品数豊富なメニュー相手にあれこれ考え、「みがきにしんの山椒漬け」と食べた経験が記憶に無い「ゴーヤのおひたし」をお願いします。

それにしても、どの料理もみな良心的な価格です。


まずいただいた「みがきにしんの山椒漬け」は、ホロリと柔らかい食感かと思いましたがしっかりした歯応えで、山椒の風味と味わいは控えめでしたが、艶々キラキラの美しさが印象に残った山椒漬けでした。

ちなみに、お通しは「肉じゃが」でしたが、心和む優しく美味しい「肉じゃが」でした。


初体験の「ゴーヤのおひたし」は、苦いのかな?と思いましたが苦味は穏やかで、鰹節と絡めてサッパリ美味しくいただきました。

なお、いただいた「ゴーヤのおひたし」は量が多く、食べても食べても減らず、結局、蕎麦をお願いする直前まで残っていましたが、飽きることは無く、ビールと合わせても、日本酒と合わせても美味しくいただくことのできるお浸しでした。


美味しい料理をいただきながら貸切状態の店内でくつろいでいると、近くに置かれていた「秋刀魚とごぼうの山椒煮」という料理の案内が目に止まります。

う~ん、気が付かなかったので仕方ありませんが、秋なので「秋刀魚とごぼうの山椒煮」の方が良かったな?と少々残念に感じていると、その向こうに瓶ビール「秋味」の案内が・・・。

瓶ビールをお願いした時、「エビスで良いですか?」と問われましたが、それは「銘柄はエビスですが、良いですか?」ということを確認されているのだと解釈しましたが、「秋味もありますが、エビスで良いですか?」という意味だったのでしょうか?。

と、秋を2つ見逃してしまい、「少々残念」が普通の「残念」に膨れた感じです。
まぁ、いただいている料理にもビールにも不満は無いので問題はありませんが・・・。


その、エビスビールが無くなったところで楽しみにしていた「美味しい地酒」をいただこうと思い、東京都の地酒「純米吟醸・蒼天」をお願いします。

それにしても、料理同様良心的な価格で、「安いから」とついついグイグイ行ってしまいそうです。


日本酒をお願いしたところで「美味しい!」という文字に目が止まった、日本酒とも相性が良さそうな「寄せ豆腐」を追加でお願いします。


「美味しい!」という「寄せ豆腐」は、その言葉に嘘も偽りも無く、そのままいただいても十分に美味しい豆腐でしたが、醤油と薬味をあれこれ絡めながら楽しくいただきました。

また、一緒にいただいた東京都の地酒「純米吟醸・蒼天」は、スッキリした味わいながら旨味の感じられる美味しい日本酒でした。


さて、美味しい蕎麦前に満足したところで蕎麦をいただこうと思い、再びメニューを手にすると、天婦羅付きの蕎麦が充実しています。というより、天婦羅に蕎麦が付いている形です。

天婦羅の種類が複数あり、「おすすめ」が強調されていることからきっと美味しいのだろうと思い、オーソドックスに「野菜天せいろ」を天先ではなく普通(?)にお願いすることにします。


冷たい蕎麦茶をいただきながら蕎麦と天婦羅を待っていると、しばらくして大きなお盆に蕎麦と天婦羅一式が乗った「野菜天せいろ」が目の前に置かれます。

ほほ~、これは美味しそうだ!と、早速茄子の天婦羅をいただいてみると・・・。

おっ、お~!!!。美味いじゃないですか!。

こんな美味しい天婦羅を飲まずにいただくなんてありえないです。

ということで、花番さんに声を掛けて静岡県の地酒「純米吟醸・志太泉」を今更追加でお願いしますが、驚くこともなく、「待ってましたよ」といった感じで何だかその普通さがとっても嬉しいです。


それにしてもこの天婦羅、油っこさを感じることもなくサラッと軽く揚がっていてとても美味いです。
特にカボチャの天婦羅。嫌いという訳ではありませんが、「カボチャは無くても良いかな?」と思うことが多くいつもサッサと食べてしまいますが、いただいたカボチャの天婦羅は甘味が強く、カボチャの天婦羅を初めて美味しいと思ったと言っても過言では無いほど美味しいカボチャの天婦羅でした。

また、かき揚げはゴボウの味がしっかり感じられる食感の良いかき揚げで、旨味とスッキリ感のバランスが良い「志太泉」と一緒に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば季彩・はや川』さんは、木の温もりと落ち着いた雰囲気の感じられる心休まるお蕎麦屋さんで、物静かな花番さんの柔らかい接客も好印象な、休日の一時を一人でのんびり過ごすには何の不満も無い、料理・酒・接客の全てにおいて満足度の高いお蕎麦屋さんでした。


先週と今週、2週続けて名店&人気店が点在している西武線沿線のお蕎麦屋さんを訪れてみましたが、どちらのお蕎麦屋さんも居心地の良い申し分の無い素晴らしいお蕎麦屋さんで、再び東京都の西部を訪れる機会があったなら、次もぜひ、西武線沿線のお蕎麦屋さんを訪れてみたいと思います。

ごちそうさまでした。


『煌味家@浜松町』さんのフンワリした「とちお油揚」

2016-09-23 18:15:00 | 東京23区(港区)

出張帰り等で東京駅に降り立ち真っ直ぐ帰宅する場合、通常は品川駅でJRから京浜急行電鉄に乗り換えますが、「ビールでも飲んでから帰ろうかな?」と思った時は、お蕎麦屋さんが多く京浜急行電鉄に乗り換え可能な日本橋界隈や、新橋・浜松町(大門)付近でお店を探す機会が必然的に多くなります。

ということで、今月2回目の浜松町・大門。

今回、出張帰りに立ち寄ったのはJR山手線・浜松町駅から徒歩3分程度のところにある『手打ちそば・煌味家』(こうみや)さんで、充実した蕎麦前を期待しながらお店に入ってみると・・・。

週末金曜日の18時過ぎということで、仕事を終えたビジネスマンで混雑しているかもしれないと予想しましたが、予想に反して店内に先客の姿は無く、「お好きな所にどうぞ」との案内だったことから店内一番奥の2人掛けテーブル席に着き、生ビールと一緒に、「本日のおすすめ」メニューの中から自家製の「長芋ぬか漬」と空腹を満たしてくれるであろう「焼鴨九条ねぎ」をお願いします。


まずいただいた自家製の「長芋ぬか漬」は、シャクッとした歯応えがなかなか良い感じですが、ぬか漬けらしさはあまり感じられず、サッパリした糠漬でした。


空腹を満たしてくれることを期待してお願いした「焼鴨九条ねぎ」は、程良い食感の鴨肉で、柚子胡椒をタップリ添えて美味しくいただきました。


ビールが無くなったことから日本酒をいただこうと思い、日本酒のメニューを手にしますが、「本醸造」とか「純米吟醸」とかの種類も日本酒度も書かれていないことから、十分な品揃えでありながら「これだ!」という銘柄を選ぶことが出来ません。

そのため、「1000円以上の磯自慢や飛露喜なら間違いないだろう」とか「無難な獺祭50にしようかな」とかあれこれ考えましたが、結局、「新潟」という産地と「飲んだことが無い」という理由で、新潟県の地酒「村佑」(むらゆう)をいただくことにします。

あれこれ考えた末にいただいた「村佑」は、やや甘いかな?という口当たりでしたが、香りも良く、透明感と米の旨味がしっかり感じられるまずまずの日本酒でした。


喉も潤い、空腹もほぼほぼ満たされてきましたが、貸切状態で他にお客さんもいないことからもう少し蕎麦前を楽しませていただこうと思い、枡酒をお願いします。

お酒を目の前で枡に注いでくれた枡酒は、ほんのり香る木の香りが心地良く、感じたままをそのまま表現するなら「新築の家の味がする」(?)という味わいの、とても美味しい枡酒でした。


また、枡酒と一緒に栃尾(新潟県長岡市)名物の「とちお油揚」をいただきましたが、フンワリ柔らかい口当たりの美味しい油揚げでした。

なお、栃尾油揚にはズッシリした食べ応えのある油揚もあるとのことですが、フンワリした油揚しか食べたことが無いので、ぜひ一度、ズッシリした油揚をいただいてみたいです。



さて、料理もお酒も十分いただいたので蕎麦をいただくことにします。
先日、斜向かいの「嘉一」さんでいただいた「ゆず切り」がとても美味しかったので、「ゆず切り」を単品でいただいても良かったのですが、やはり「二色」とか「三色」とかの文字を見てしまうとどうしても気持ちがそちらを向いてしまい、それ程空腹でもないのについつい「三色もり」をお願いしてしまいました。


まず最初にいただいた「ゆず切り」は、予想通り美味しく、満足度がとても高いです。


「ゆず切り」の写真を撮っている間に運ばれてきてしまった「せいろ」は、お酒を飲んだ後でもサッパリいただくことの出来る喉越しの良い蕎麦でした。


最後にいただいた「田舎」は、硬過ぎることもなく、美味しくいただける「田舎」でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・煌味家』さんは、先日蕎麦前と蕎麦をいただいた「嘉一」さんと同じ系列のお蕎麦屋さんで、料理と日本酒の品揃えが充実しており、併せて馴染み易い居酒屋の雰囲気であることから、ついつい長居してしまうなかなか居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『玄治@東京・東村山』さんの爽やかな「ポップの天婦羅」

2016-09-18 11:05:00 | 東京都(東村山市)

大学ラグビーの試合を観戦するために、東京都の西部に位置する小金井市を訪れましたが、試合開始までは時間があることから、名店&人気店が点在している西武線沿線のお蕎麦屋さんを訪れてみようと思い、西武新宿線・久米川駅から徒歩3分程度のところにある『手繰りや・玄治』さんへと向いました。

お店には開店時間前に到着したことから、付近をブラブラしながら開店を待ち、暖簾が掛かったところで先客のいない店内に入ります。

迎えてくれたのは、にこやかに微笑む若い男性の花番さんで、「どちらでもどうぞ!」との案内でしたが、この後お客さんが多数訪れることを想定して、店内中央にある2人掛けのテーブル席に着きます。

席に着いてまず飲み物を選びますが、今日は汗をかく陽気でも無いことから、初めから日本酒をいただくこととし、お洒落で個性的なメニューの中から、新潟県の地酒「特別純米生詰原酒・八海山」をお願いします。


いつもなら、飲み物を頼んで、飲み物が到着した時に料理を注文しますが・・・。

玉子焼と天婦羅は、定番メニューとして各テーブルの上に置かれているメニューに書かれていますが、「季節のおつまみ」はカラフルな紙に書かれ、入口横の大きなザルにセンス良くベタベタと貼られています。
そして、その内容はあれもこれも食べたいと思ってしまう料理ばかりで、簡単に選ぶことができません。

  う~ん、ただの「烏賊の炙り」だったらパスだけど「わた持ち」か・・・。
  ただの「おつまみチャーシュー」だったらパスだけど「鶏」か・・・。
  鮭も、ただの「焼き」ならパスだけど「焼き漬け」ってどんな料理なんだろうか?。
  生ハムのマリネは「無花果」(いちじく)と絡んでいるのか・・・。
  秋だし、思い切って「松茸の天婦羅」とかいただいちゃおうかな?。
  おっ!、平目の骨煎餅って食べたこと無いな・・・。

と、一人でブツブツ長考した結果、どんなに迷ってもさすがにこれは外せないと思った「ポップの天婦羅」と、食べたことが無い思われる「蛸の南蛮漬」をいただくことにしました。


さんざん悩んだあげく、無難な料理を選んでしまったかな?と思ってしまった「蛸の南蛮漬」ですが、主役の蛸は柔らかく、ほんのり感じる中華風の味付け(?)もなかなか良い感じで、美味しい南蛮漬けでした。


興味津々でお願いした「ポップの天婦羅」は、既に味付けしてあるとのことから塩も天汁も添えられませんでしたが、一口サイズのパイ菓子の、重ねている生地を少なくしたような、サクッというよりサラッとした軽~い食感で、味は「爽やかでシャープな苦味」という印象ですが、これがまたとても美味しく、貴重な経験をしたという思いと併せて、満足度の高い爽やかな天婦羅でした。


美味しい料理についついお酒も進んでしまい、料理が揃ったばかりだというのに「特別純米生詰原酒・八海山」が無くなってしまいました。

そのため、次は何をいただこうかとメニューに手を伸ばそうとしたところで、「店主の隠し酒」というメニューが壁にぶら下がっていることに気付き、よ~く見てみると東京都の地酒「純米吟醸・屋守」(おくのかみ)があったことから、次は「純米吟醸・屋守」をいただくことにしました。

いただいた地元東京都東村山市の地酒「純米吟醸・屋守」は、まるで水でも飲んでいるかのようにスイスイと飲めてしまう、サッパリ優しい日本酒でした。


さて、間も無くお昼になろうという時間ではありますが、後から訪れたお客さんは「鴨せいろ」を食べてすぐに出て行ってしまった年配男性1人のみで、貸切状態が続いています。

ということで、時間の掛かる料理をいただいても大丈夫だろうと思い、「玉子焼(甘口)」をお願いします。


追加でいただいた玉子焼は甘口とのことでしたが、酒の肴には丁度良い控えめな甘さでした。
なお、甘口の玉子焼とは別に「だしまき」もメニューにありましたが、どんな味わいなのでしょうか?。少々気になるところです。


玉子焼をいただきながら何気なく隣のテーブルを見てみると、日本酒のメニューが違うことに気付きます。
初めは、手書きなので1枚1枚違いがあるのかな?とも思いましたが、あれっ?と思ったので今まで見ていたメニューを裏返してみると、裏にも日本酒が・・・。

それも、「入荷終了」を残念に思っていた新潟県の地酒「雪洞貯蔵・緑」があるじゃないですか!。

が、しかし「生」か・・・。どうしよう?。
とつまらないところに迷ってしまいましたが、お店を出て直ぐに後悔しそうだったので、飲み過ぎかと思いましたが、「緑」と「二色せいろ」を一緒にお願いすることにしました。

いただいた「雪洞貯蔵生純米吟醸・緑<生>」は、じっくり熟成させた「生」の付かない「雪洞貯蔵酒・緑」に比べてまろやかな旨味が弱く、特長としているフレッシュな爽やかさが強く感じられます。

まぁ、これはこれで良いのですが、個人的には、やはり「生」の付かない「雪洞貯蔵酒・緑」の方が好みかな?ってとこでしょうか。


「二色せいろ」はせいろと手挽きの二色で、まず「せいろ」が運ばれてきましたが、しっかりしたコシがありながらも喉越しの良い蕎麦で、ツルツルっと美味しくいただきました。


二枚目にいただいた手挽きは、挽きぐるみなのか、少々ジャキジャキした食感(?)が感じられますが、甘味のある味わいで、蕎麦汁を付けずにそのままいただいても十分に美味しい蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手繰りや・玄治』さんは、何をいただこうか迷ってしまうほど魅力的な酒の肴が多数用意されていて、さらに、午前11時という昼食には少し早い時間に開店し、週末は中休み無く夜まで営業していることから、食事のお客さんが集中するお昼時を避けて、美味しい肴とお酒をいただきながら週末の一時を楽しく過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。

なお、来週も大学ラグビーの試合観戦のために小金井市を訪れる予定です。
次回はどんなお蕎麦屋さんと出会うことが出来るのか、今からとても楽しみです。

ごちそうさまでした。


『吉祥庵@東京・目白』さんの「小鯵の南蛮漬け」

2016-09-03 14:30:00 | 東京23区(豊島区)

ナイターで行われる社会人ラグビーの試合観戦前に、遅い昼食を兼ねて腹ごしらえしておこうと思い、JR山手線・目黒駅近くにある、中休みの無い『そばや・吉祥庵』さんへと向かいました。

お店は、交差点の角にあるビルの2階にありますが、都会的な洋風の建屋の上に純和風の日本家屋を乗せた、知らない方が見ると、「あれ、何だろう?」と思ってしまいそうな外観です。


そんな、純和風のお店へと向う階段を上がっていくと趣のある入口が表れ、その姿に、憩いの一時をのんびり過ごすことができそうだと、期待が膨らみます。


そして、混雑していなければ良いが・・・。

と思いながら店内に入ってみると、「常に混雑している」という予想に反して店内は空席が目立ち、何ら問題なく、7人掛けの大きなテーブル席に座ることができました。

席に着いてメニューをあれこれ眺め、生ビールと併せて「小鯵の南蛮漬け」と、入口横に張り紙されていた「夏野菜の天麩羅盛り合わせ」をお願いします。


蕎麦前の料理とビールをお願いして、改めて店内を見渡して見ると、店内は4人掛けテーブル席が3つと7人掛けの大きなテーブル席が1つと、それほど広くはありませんが、ここが都会の真ん中とは思えないほど静かで、落ち着いた雰囲気が感じられます。


ビールを飲みながら落ち着いた雰囲気に浸っていると、「小鯵の南蛮漬け」が目の前に置かれます。
どれどれと思いながら早速1つ(一匹?)つまんでみると、ヒンヤリ冷えた、酸っぱさの感じられないおとなしい味わいで、ビールとも日本酒とも相性が良さそうな美味しい南蛮漬けでした。


天汁と塩の両方を並べてくれた「夏野菜の天麩羅盛り合わせ」は、サクッとした軽い食感で、油っぽさを全く感じない、身体に優しそうな美味しい天婦羅でした。


なお、天婦羅をいただいている途中でビールが無くなったので、東京23区で唯一100年以上清酒を造り続けている小山酒造さんの、江戸の地酒「丸真正宗」(常温)をお願いします。

日本酒と言えば、米と水が重要な要素であることから、「東京の地酒?」と思われる方もいるかもしれませんが、蕎麦猪口のような白く大きな器でいただいた「丸真正宗」は、どうしてどうして、旨味タップリのまろやかな口当たりで、なかなか美味いです。


さて、15時という中途半端な時間ということもあってかお客さんは2名のみと閑散とした状態ですが、1組帰っては1組来店するという客足の途絶えない状況で、さらに、若い女性が一人で来店して蕎麦を食べているなど、人気の高さと親しみ易いお店であることが伺えます。

ということで、「丸真正宗」のおかわりと「焼き味噌」を追加でお願いし、のんびりした一時をもう少し楽しませていただくことにします。

待つことも無く運ばれて来た「焼き味噌」は、柚子の香りがしっかり感じられるまずまずの「焼き味噌」で、「丸真正宗」がついつい進んでしまいます。


美味しい料理とお酒をいただきながらのんびりと憩いの一時を過ごしていると、「中休みが無く店内は空いているので焦る必要は無いし、居心地も良いし、料理もお酒も美味しいし・・・。」と、ラグビーの試合観戦をパスして、このまま飲んでいようか?なんて思ってしまいます。

しかし、そのようなことはせず、そろそろ蕎麦をいただくことにします。


いただいたのは、季節の変わりそばとせいろをいただくことのできる「2色そば」で、まずいただいた「かぼすそば」は、ほんのり香るかぼすの香りがなかなか良く、蕎麦汁を付けずにそのまま美味しくいただきました。

そして、最後にやや甘目なのかな?と感じる蕎麦汁で「せいろ」をツルツルっといただき、今日の蕎麦前と蕎麦が終了となりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そばや・吉祥庵』さんは、落ち着いた雰囲気の中で美味しい料理とお酒をいただきながら休日の昼下がりを一人静かに過ごすことのできる、一度座ったら立ち上がりたくなくなってしまうほど居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

また、花番さんの柔らかく自然な接客も好印象で、その上、これだけの好条件が揃っていながら支払いが驚くほどの安さで、「憩いの一時を過ごしながら蕎麦前と蕎麦を楽しむお蕎麦屋さん」としては何も言うことのない素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『嘉一@浜松町』さんの甘味ある「アスパラ塩茹で」

2016-09-01 18:05:00 | 東京23区(港区)

出張で地方へ出掛け、東京都心まで戻ってきたその帰り道、喉の渇きを潤してから帰宅しようと思い、JR山手線・浜松町駅から徒歩3分程度のところにある、お酒と料理が充実している『手打ちそば・嘉一』さんへ立ち寄ってみることにしました。

お店に到着したのは夕方18時を少し過ぎた時間であったことから、そろそろ芝大門界隈のビジネスマンで賑わい始める頃かな?と思いましたが、けして広くは無いものの居心地の良い適当な広さの「居酒屋風の店内」に先客は2組で、どちらもお客さんも・・・、既に「出来上がって」います。


まぁ、こんな雰囲気かな?と何ら違和感を感じることもなく、進められた2掛けテーブル席で上着を脱ぎながらカードケースになっているメニューをチラリと見て、迷うことも無く生ビールをお願いします。


席について、紙でもなくビニールの袋に入ったおしぼりでもない、水分タップリ熱々の「元祖おしぼり」に嬉しさを感じながら何をいただこうかあれこれ悩んだ結果、最近毎回のようにいただいている「鴨のくんせい」と、おすすめ料理の「アスパラ塩茹で」をお願いすることにします。


まずいただいた「鴨のくんせい」は、普通と言ってしまえば普通ですが、アッサリした味わいと柔らかい食感がなかなか美味しいです。

なお、やや濃い目に味付けされたお通しの「ホタテ煮」がとても美味しいです。
あまりにも美味しいので単品でいただこうかと思いましたが、メニューには無い(と思う)ようで、お通しでしかいただけないようです。う~ん・・・、食べることに集中してしまい写真を撮り忘れてしまいました。


続いていただいた、見るからに美味しそうな「アスパラ塩茹で」は、太さを感じるしっかりした食感と、温かく甘味のある美味しさがとても良い感じです。ちなみに、冷めても美味しさは変わらず、ゆっくりいただいても最後まで美味しい「アスパラ塩茹で」でした。


今日は暑かったことから汗もかき、喉もカラカラだったことからビールの減りも早く、もう1杯ビールかな?という気分でしたが、ビールのおかわりはせず、山形県の地酒「純米吟醸・くどき上手」をお願いします。
また、ちょうど「鴨のくんせい」がなくなったことから、追加で「炙り明太子」をお願いします。


「もしかして、前もって炙ってあった?」と思うほど短時間で運ばれてきた「炙り明太子」は、表面がほんのり軽く炙られていますが中は生に近いレアな状態で、ピリッと感じる辛さが美味しく、「純米吟醸・くどき上手」がついつい進んでしまいます。

美味しい料理についついお酒も進んでしまい、それほど時間が掛からず「純米吟醸・くどき上手」が空になってしまったことから、青森県の地酒「純米・陸奥八仙」」をいただきました。


さて、汗も引き、喉も十分に潤ったところで、「ゆず切り」(変わり蕎麦)、「せいろ」、「田舎」の3種類をいただくことのできる「三色もり」をお願いします。


まずは、高知県産の新ゆずを使用した、柚子の香りと味わいを存分に楽しむことのできる「ゆず切り」が運ばれて来ましたが、蕎麦汁を付けずにそのまま食べても十分に美味しく、結局、蕎麦汁をほとんど使うことなく食べてしまいました。それにしても、この「ゆず切り」、かなり美味しいです。


次に運ばれて来た「せいろ」は、けして悪くはありませんが、「ゆず切り」が美味し過ぎたためか、普通としか言えない蕎麦になってしまったように思います。なお、お店の入口付近に掲げられていた案内によると、この日の蕎麦は「北海道雨竜町産のキタワセ」とのことでした。


最後にいただいた「田舎」は、やや硬めの歯応えでしたが、蕎麦を引き立ててくれるおとなしい蕎麦汁をしっかり付けて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・嘉一』さんは、仕事帰りに立ち寄った居酒屋で料理とお酒をいただいているという感じのお蕎麦屋さんでしたが、料理は美味しく、丁寧で馴染み易い接客の花番さんは隅々まで目配りと気配りが行き届いていて、ちょっと高額な支払いとなってしまいましたが、仕事の疲れをしっかり気分良く癒してくれるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。