蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『驀仙坊@中目黒』さんの「蕎麦屋の一品」料理

2016-04-23 15:30:00 |  東京23区(目黒区)

一人でのんびり過ごすこととなった土曜日の午後、土日祝日はお昼から夜まで通しで営業している東急東横線・中目黒駅から程近い『手打ちそば・驀仙坊』(ばくざんぼう)さんの暖簾を潜ってみました。

お店に到着し、ガラス越しに店内の様子をチラリと伺った後に両開きの扉を開けるてみると・・・。
思いのほか広いフロアで、店内中央に8人掛けテーブル席2卓、6人掛けテーブル席1卓、そして4人掛けテーブル席5卓がゆったりと配置されています。


そして、店内一番奥の大きなテーブル席について早速メニューに目を向けると、蕎麦屋の一品や季節の一品など酒の肴が充実していて、「何をいただこうか」というより「何からいただこうか」迷ってしまいます。

また、地酒や焼酎がお手頃価格で並ぶ「お飲み物」の品揃えもなかなかで、BGMの無い静かな空間の中で、休日の昼下がりを一人のんびり過ごすことができそうです。


ということで、いただく料理ですが、う~ん・・・。
と、あれこれ悩んだ結果、今日は基本に戻ってお蕎麦屋さんらしい料理をいただこうと思い、「あさりの佃煮」と「だし巻玉子」をお願いします。

また、飲み物ですが、う~ん・・・。
と、迷った結果、ビールは飲まずに初めから日本酒をいただくこととし、静岡県の地酒「特別本醸造・喜久酔」をお願いします。


まずいただいた「あさりの佃煮」は、アッサリした味わいでしたが、キリリとした爽やかな味わいと華やかな香りの「特別本醸造・喜久酔」との相性も良く、美味しくいただきました。


それにしてもこのグラス・・・。
底が丸みを帯びていてフラフラ揺れるので、手を離すと転がってしまいそうです。


日本酒の肴としてはどうだろうか?と思ったとても綺麗な「だし巻玉子」ですが、甘さ控えめで、日本酒の肴としても十分美味しくいただける玉子焼でした。

なお、メニューには書かれていませんでしたが、玉子焼は通常玉子3個で作るとのことですが、小サイズも可能とのことから、玉子2個で作る小サイズをいただきました。


15時半という中途半端な時間に訪れたこともあってか、お客さんの姿も少なく、いかにも休日の昼下がりというゆったりした静かな時間が流れていることから、もう少しのんびりさせてもらおうと思い、「自家製がんもの煮物」と福井県の地酒「純米吟醸・白岳仙」を追加でお願いします。

少々時間を要した「自家製がんもの煮物」は、柚子の香りがとても好印象な熱々の煮物で、冬の寒い日に、冷酒と一緒にいただきたい料理でした。また、「純米吟醸・白岳仙」」は、スッキリ爽やかな喉越しでありながらしっかりした旨味が感じられ、美味しいです。


さて、休日の昼下がりをのんびり過ごさせていただき、満足したところで「せいろ」をお願いします。

いただいた「せいろ」は、玄蕎麦・挽きぐるみということもあってか見た目はやや色黒で、一見細めの田舎蕎麦という印象ですが、いざいただいてみるとザラザラ感が感じられるものの喉越しの良い蕎麦でした。

また、蕎麦汁は出汁の効いた辛口でしたが、口に含んだだけで香りがフワリと広がるかなり美味しい蕎麦汁で、食べ応えのある蕎麦に絡めて美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ちそば・驀仙坊』さんは、上品でお洒落な街「中目黒」にあり、外観からもモダンな雰囲気が感じられることからお洒落な洋風のお蕎麦屋さんかと思いましたが、いざ席に着いてみると、落ち着いた「和」の雰囲気が感じられるお蕎麦屋さんらしいお蕎麦屋さんでした。

そして、男性の花番さんにも女性の花番さんにも気配りが感じられ、美味しい料理を肴に冷えた日本酒をいただきながら、「休日の昼下がり」を一人のんびり気分良く過ごす事のできるお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『紅葉川@日本橋・室町』さんのお勧め料理「鴨のたたき」

2016-04-22 17:05:00 | 東京23区(中央区)

日本橋のすぐ近くにある、木鉢会所属の老舗蕎麦屋『石臼挽きそば&鴨料理・紅葉川』さん。
鴨料理が特長ということで、鴨の季節に夜訪れようと考えそのタイミングを計っていましたが、なかなか訪れる機会に恵まれず、ようやく訪れることができたお蕎麦屋さんです。

お店に到着したのが夜営業開始時間の17時ということで、静かで落ち着きのある店内に先客の姿は見えず、花番さんの「広い席にどうぞ~。」という案内に従い、広々とした4人掛けテーブル席に着きます。


そして、鴨料理を楽しみにしていましたが、季節感の感じられる料理についつい気持ちが揺れ動いてしまい、エビスビールと一緒に「菜の花のからし和え」と「春野菜天盛り合わせ」をお願いしてしまいます。

これでは何のために訪れるタイミングを計っていたのか分からない状況になってしまいますが、まぁ、「名物の鴨料理 < 好物の山菜天婦羅」なので良しとしましょうか?。


まず、待つことも無く瓶ビールとお通しの「鴨の煮こごり」(だったかな?)が目の前に置かれます。
「鴨料理を特長とするお蕎麦屋さんとはいえ、お通しが鴨とは流石です。」と、そんなことを思いながらビールをいただいていると、「菜の花のからし和え」が運ばれてきます。

その、「菜の花のからし和え」は、辛さ具合も適当で、なかなか美味しい辛し和えでした。


菜の花を追うように運ばれてきた「春野菜天盛り合わせ」は、たらの芽、こごみ、うど、蕗の薹の盛り合わせで、添えられていた粗塩のしょっぱさが印象に残る天婦羅でしたが、中でも蕗の薹のシャキッとした食感と苦味が美味しく、納得の天婦羅でした。


さて、お浸しと天婦羅に満足したところで蕎麦をいただこうかと思いましたが、後になって、「やはり鴨料理をいただいておけば良かった。」と後悔しそうな思いが湧き上がってきたことから、追加で「鴨のたたき」と山形県の地酒「吟醸超辛口・ばくれん」をお願いします。


テーブルの上で、口開けの「吟醸超辛口・ばくれん」を片口に注いでくれる様子を眺めていると、瓶に貼られている「日本酒度+20」という小さなラベルが目に止まり、これって、大丈夫なんだろうか?と少々不安な気持ちになってしまいます。

しかし、そんな不安が花番さんに届くはずも無く、「入るだけ入れますね。」と片口から溢れそうな程タップリと「吟醸超辛口・ばくれん」を注いでくれ、その上、「どうぞ!」とお酌までしていただいてしまいました。

また、ラベルの写真を撮らせてほしいとお願いしてみると、どうぞどうぞ!と言いながら一升瓶に付いている水滴を拭き取ってくれたり、使用済の食器を片付けてくれるなど、「さすが老舗のお蕎麦屋さん」と思ってしまうその心遣いが何だかとっても嬉しいです。

そんな、「吟醸超辛口・ばくれん」は、構えたほど辛くなく、水を飲んでいるかのごとくスイスイと飲めてしまいますが、それにしても、飲んでも飲んでも無くならないです。


さて、「紅葉川オススメ!」料理の「鴨のたたき」ですが、早速一口いただいてみると・・・。

な、な、な、何だこれ?。とても美味しいです。

鴨肉そのものに味が付いているようで、やや甘目の味付けなのかな?という印象でしたが、この味わいがかなり旨いです。そして、それ以上に柑橘系の風味を加えたようなタレがこれまた美味過ぎで、これまでにいただいた鴨のたたきの中で一番美味しいのではないかと思うほど美味しいです。


美味しい鴨料理をいただいたところで蕎麦をいただこうと思い、お店のお勧めでもある青森県直送の鴨を使った「鴨せいろ」をお願いします。


いただいた「鴨せいろ」ですが、温かい鴨汁に鴨肉だけでなくつくねも入っていて、ツルツルっと食べ易い蕎麦と共に美味しくいただきました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『石臼挽きそば&鴨料理・紅葉川』さんは、大きな木製の看板に風格と歴史が感じられる老舗のお蕎麦屋さんですが、花番さんの、老舗であることを感じさせないお客さん目線の接客が素晴らしく、美味しい料理をたくさんいただいたこともあって少々高額な支払いになってしまいましたが、それに見合う満足感を得ることの出来るお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


『鞍馬@西荻窪』さんの「珍味いかのめぼう塩焼き」

2016-04-17 14:15:00 | 東京23区(杉並区)

所用で東京都の西部に位置する八王子を訪れたその帰り道、土日祝日は夕方まで通しで営業している『自家製粉手打蕎麦・鞍馬』さんで遅い昼食を取ってから帰宅しようと思い、急遽、JR中央本線・西荻窪駅で途中下車することにしました。

西荻窪駅から程近いお店に到着したのは、14時過ぎという昼時を終えた時間ではありましたが、2人掛けと4人掛けのテーブル席は全て埋まっていて、なかなかの賑わいを見せています。

そして、空席待ちかな?と思っていると、7人程度が座れる大きなテーブル席に運良く空席ができたことから、待つこと無く大きな石臼と相席することになりました。

席に着いてまずお酒のメニューを眺めると、魅力的な日本酒が手頃な価格で提供されていたことから、ビールは迷うことも無くパスして、まずは山形県の地酒「吟醸・出羽桜」をいただくことにします。


次に料理ですが、今日は最初から日本酒であることを意識しながらメニューを眺め、「帆立貝のひも甘辛煮」をいただこうかと思いましたが、残念ながら品切れとのことなので、すぐに出てくるであろう「伊豆わさびのかえし漬け」と「珍味いかのめぼう塩焼き」をお願いします。


最初にいただいた「伊豆わさびのかえし漬け」は、シャキッとした歯応えと程良い辛さがなかなか美味しく、旨味タップリの華やかでフルーティーな味わいの「吟醸・出羽桜」が、スイスイと進んでしまいます。


続いていただいた初体験の「珍味いかのめぼう塩焼き」は、絶妙な塩加減と少々苦味の感じられる焦げ目がとても美味しく、焼き鳥でいうなら「ハツ」(心臓)のようなプニュプニュっとした食感がまた何とも言えず、食べていて楽しさを感じる一品でした。

ちなみに、地域によって呼び方は異なるようですが、「めぼう」とは「烏賊の口」のことです。


さて、14時半を過ぎても席待ちのお客さんがいることから早めに切り上げようかな?とも思いましたが、今日はいつも以上に空腹を感じていることに加え、料理もお酒も美味しく、更には居心地が良いことから、「鴨ねぎ焼き(モモ肉)」と一緒に静岡県の地酒「吟醸・初亀」を追加でお願いします。

追加でいただいた「鴨ねぎ焼き(モモ肉)」は、ねぎのシャキシャキっとした食感とタレの甘辛具合が程良く、空腹を満たしてくれる美味しい鴨肉料理でした。また、静岡県の地酒「吟醸・初亀」は、日本酒らしい味わいとキリリと引き締まった辛口の味わいがまずまずの美味しい日本酒でした。


美味しい料理を肴にまだまだ飲んでいたい居心地の良さではありますが、1組帰っては1組訪れるという混雑振りであり、また、美味しい料理に空腹も満たされたことから蕎麦をお願いすることにします。

蕎麦をいただこうと思いメニューに目を向けると、「甘皮多めの太そば」という文字に目が止まりますが、やはり初めて訪れたお蕎麦屋さんなので「白目の標準的なそば」である「箱盛そば」をお願いします。


いただいた「箱盛そば」は、ツユを付けずにそのまま食べても美味しく食べ易い蕎麦で、蕎麦汁はやや甘目なのかな?と感じてしまう熟成した旨味の感じられる美味しい蕎麦汁でした。
また、薬味のワサビは酒の肴にもなる美味しいワサビでした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『自家製粉手打蕎麦・鞍馬』さんは、花番さんの丁寧でそつの無い接客がなかなか好印象で、休日の昼下がりを、美味しい料理とお酒をいただきながらのんびりと過ごしている年配の御夫婦が散見されることからも分かる通り、居心地の良い大人のためのお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。