空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

バベルをみた。・・・ミエルようになったな。

2007年04月29日 09時11分26秒 | 思考試行
 作者の意図は、映画をみただけで、全部くみとるというのは、恐らく不可能に近いことだと思う。しかしながら、推理をはたらかせるならば、作り手がキチントしていれば、わかるもんだ、という気がした。

 小生は、若くはない。チエコのメモに何がかいてあったかは、映画を見終わり一晩たって、考えてみて、自分がウソを付いていたことを、書いていると確信したのだが、真宮刑事が、酒場でそれを読むシーンでは、何だろうなとは思っても、みているそのときは、キチント推理はできなかった。推理はできても、アタマの回転は速くないのだ。

 テーマは、はっきりしており、現代の人間状況のなかで、大事にすべきこと、改善すべきことが、浮かび上がってくる。はたして、解決可能なのか、それは、不明であるけれども、課題は明らかになっている。

 映画は、具体的に映像、音楽、言葉、風景を映し出す。細部にわたるまで、つくり手は、意を尽くすために、過酷な努力を強いられる。本当にタイヘンな仕事であるなあと思う。

 映画のかえり、本屋に立ち寄った。偶然「バベル」のオフィシャルブックが、目にとまった。さっそく購入、帰りの電車のなかで、ほぼ目を通した状態であったが、帰宅してから、精読する。

 撮影をめぐる話や、キャストの選定のこと、監督、俳優のコメントがのっていて、それぞれ、興味深かったのではあるが、こちらが、疑問におもうことすべてにこたえてくれているわけではないから、疑問や筋立ては、こちらで考えるほかないし、そこが、映画の醍醐味ともいえる。

 その意味では、あそこのシーンは、どう解釈するのか、など、カップルでみにいけば、話題はつきないだろう。いい映画であった、と思う。

 話題の菊池凛子さんの演技は、実年齢との違いをよくぞ克服したものだと思う。モロッコの俳優は、現地採用の人が多かったようであるが、まったく、自然ですばらしく、その逆の演技力という意味でのスゴサを感じさせられた。

 それにしても、アメリカの文化の、ひとりよがりというか、観光客と被害夫婦の掛け合いなどに、作者の痛烈な批判をみる。

 宇宙船地球号の一員としては、必見の映画であるといっておきたい。