星

　医師や、看護師、周囲のものの思惑には、お構いなしに、自分の意思を貫き通す姿勢は、まことに意味がある。自分をチャント出して、そのポジションを確保するのである。誰がなんと言おうと、自分の家に帰る、この意思を誰もが止めることはできなかった。

　そして、朝になると、ちゃんと6時には、起床し、トイレも自分の足で行き、ラーメンの朝食をとり、ついでに、すこしイッパイやったという。当方は、頭の芯が痛い状態で、遅い起床であったが、様子を見に行くと、そういう具合であった。
　あちこち、連絡すると、驚きの声があがる。やはり、伊達に90以上まで生きてきているのではないということだろう。

　そして、2日目の今朝は、昨夜の星空が、キレイであった、という。長年聞いたことがない言葉である。

　あの満州に兵隊として、送り込まれ何度も、命をとられそうになったといっていたが、おそらく、すごい夜空も見ているはずだが、それは、きいたことがない。

　長期の入院のあとの今回、はじめて、その美しさに気付いたように話している。